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遺贈の場合の相続税の仕組みと通常の相続との違い

弁護士法人本江法律事務所
本江 嘉将
監修記事
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遺贈とは、遺言書によって相続人以外に遺産の一部または全部を与えることです。

遺贈によって多くの財産の受け渡しがおこなわれると、税金が発生します。

「相続人以外への受け渡しだから贈与税がかかる?」と思う人もいるかもしれませんが、遺贈で与えられた財産には相続税がかかります

なお、遺贈でかかる相続税の計算方法は、通常の相続での計算方法と若干異なります。

この記事では、遺贈でかかる相続税の計算方法や、ほかに課せられる可能性がある税金などについて解説します。

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この記事に記載の情報は2024年01月12日時点のものです

遺贈と相続の違い

相続とは、亡くなった人である「被相続人」が生前に有していた財産上の権利義務などを、相続権をもつ相続人に移転することです。

一方、遺贈とは「遺言書によって法定相続人以外に財産上の権利義務などの一部または全部を与えること」です。

相続でも遺贈でも相続税がかかるという点は共通していますが、計算方法が若干異なります。

相続と遺贈で違う登録免許税

遺贈により不動産を譲り受ける場合、法務局へ不動産の登録申請をおこなう必要があります。

その際に発生する税金が登録免許税であり、相続の場合と遺贈の場合では税率が異なります。

原則として、相続の場合の登録免許税は0.4%で、遺贈の場合は2%です。

たとえば「被相続人であるAが5,000万円の遺産を残した」と仮定します。

そして、Aの法定相続人には娘であるBしかおらず、介護士であるZはAの身の回りの世話をしていました。

通常であればBが5,000万円の遺産を全て相続するところ、Aの遺言によってZに1,000万円の遺産が遺贈されることになりました。

このようなケースでZに登録免許税が課される場合、その金額は「1,000万円×2%=20万円」となります。

遺贈の場合は相続税になる

相続と同様に、遺贈の場合も相続税がかかります

なお、贈与税は「被相続人の生前に財産を受け渡しする場合」にかかる税金です。

遺贈での相続税は2割増

相続税の特性として、被相続人の配偶者・父母・子ども・孫(代襲相続の場合)以外が遺産を受け取った場合、相続税が2割加算されます

基本的に、遺贈では法定相続人以外が遺産を譲り受けるため2割加算が適用されます。

相続税の計算方法は「遺贈で取得した財産の相続税計算方法」で後述しますが、まず「相続と遺贈で違う登録免許税」で示した例を用いると、1,000万円の遺産を受け取った場合の通常の相続税は32万円です。

しかし、介護士であるZには2割加算が適用されるため、32万円の20%にあたる6万4,000円が加算され、Zは38万4,000円の相続税を支払う必要があります。

遺贈では不動産取得税がかかる場合もある

「相続と遺贈で違う登録免許税」で示した例を用いて、Zが遺贈で譲り受けた1,000万円の遺産が不動産だったとしましょう。

不動産を譲り受けた場合、相続税だけでなく不動産取得税がかかる可能性もあります

たとえば、住宅以外の家屋(事務所や店舗など)を取得した場合、4%の不動産取得税がかかります。

Aが経営していた店舗(1,000万円)をZが遺贈で受け取った場合には、「1,000万円×4%=40万円」の不動産取得税がかかります。

なお、2024年3月31日までに取得した宅地や宅地と同等の扱いを受ける土地に関しては、評価額の2分の1が課税標準額になります。

税率は以下のとおりです。

取得日

土地

家屋(住宅)

家屋(住宅以外)

2024年3月31日まで

3%

4%

不動産取得税がかかるのは、下記の条件を満たしている場合です。

  • 相続人以外が特定遺贈で遺産を受け取っていること

そもそも、遺贈は「包括遺贈」と「特定遺贈」の2種類あります。

包括遺贈とは、「全財産を○○に渡します」「遺産のうち半分を○○にあげます」というように、渡す財産を明確に指定せずに配分割合のみを指定する遺贈のことです。

特定遺贈とは、「○銀行の預貯金○万円を○○に渡します」というように、渡す財産を具体的に指定する遺贈のことです。

したがって、Aの遺言書に「所有する○○の土地はZに渡します」などと書かれていた場合は、特定遺贈として不動産取得税がかかります。

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遺贈で取得した財産の相続税計算方法

ここでは、遺贈で遺産を譲り受けた場合の相続税の計算方法を解説します。

相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」

相続税には、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という基礎控除枠が設けられています。

なお、基本的に遺贈は法定相続人以外におこなわれるため、遺贈で遺産を受け取る人は上記の「法定相続人の数」には含まれません

相続税を計算する際は、遺産総額から基礎控除額を差し引き、この時点で0円になる場合は相続税がかかりません。

「相続と遺贈で違う登録免許税」で示した例を用いると、基礎控除額は「3,000万円+600万円×1=3,600万円」で、遺産総額から基礎控除額を差し引くと「5,000万円-3,600万円=1,400万円」となり、相続税が発生します。

第三者は基礎控除の計算に含まれない

遺贈の場合、基本的に遺産を譲り受けるのは法定相続人以外であり、法定相続人以外の人については基礎控除の計算には含まれません

相続税の税率と計算例

相続税の税率は、以下のように遺産総額から基礎控除額を差し引いた金額がいくらなのかによって異なります。

「相続と遺贈で違う登録免許税」で示した例を用いると、「5,000万円(遺産総額)-3,600万円(基礎控除額)=1,400万円(課税対象額)」であるため、税率15%・控除額50万円です。

したがって、「1,400万円×15%-50万円=160万円」となり、相続税の総額は160万円です。

そして、Aの遺産は「B:4,000万円、Z:1,000万円」の割合で振り分けられているため、相続税についても同様の割合となり「B:128万円、Z:32万円」となります。

あくまでも、これは簡単な計算方法にすぎず、不動産が遺贈の対象となる場合などは計算が複雑になることもあります。

死因贈与も相続税がかかる

遺贈に似たものとして「死因贈与」という譲渡方法もあります。

死因贈与とは、「被相続人の生前に『死んだら1,000万円の財産を○○に譲る』などと契約を結んでおくこと」です。

死因贈与についても、財産を譲り渡すのは被相続人の死後になるため、贈与税ではなく相続税がかかります

最後に

遺贈の場合も、相続と同様に相続税がかかります

遺贈で法定相続人以外が遺産を譲り受ける場合は相続税が2割増しになるなど、通常の相続とは異なる点もあります。

なお、遺贈では第三者に被相続人の遺産が分配されるということで揉めごとになることもあります。

遺贈に関するトラブルなどが心配な人は、「遺贈と死因贈与は違うもの!混同しやすい遺贈・贈与・相続の区別とは」の記事を読んで、手続きの進め方やトラブルの回避方法を確認しておきましょう。

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この記事の監修者
弁護士法人本江法律事務所
本江 嘉将 (福岡県弁護士会)
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ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
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本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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