相続税の税率を計算する際に気をつけておくべきことは、各相続人が実際に取得した財産に直接税率を乗じるのではなく、正味の遺産額から、基礎控除額を差し引いた残りの額に税率を乗じる点です。
実際に相続税の計算をする際、法定相続分に応じて取得した遺産金額を相続税率表に当てはめて計算し、算出した金額が相続税の税額となります。
*本記事の専門家による監修日は2023年6月28日です。
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配偶者以外の |
子
親 兄弟
人
人 人 |
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相続税を計算する際は、まず、正味の遺産(プラスの財産)がいくら分あるのかを算出し、マイナスとなる借入金や未払金といった債務を引いたものが課税の対象となる遺産額になります。手順としては以下のようになります。
詳しい計算式などや手順は、「相続税を計算する手順とできるだけ税額を抑える為の4つのポイント」の「計算手順1:相続税の対象となる遺産を出す」以降を参照してください。
法定相続分に応ずる取得金額 |
税率 |
控除額 |
1,000万円以下 |
10% |
- |
3,000万円以下 |
15% |
50万円 |
5,000万円以下 |
20% |
200万円 |
1億円以下 |
30% |
700万円 |
2億円以下 |
40% |
1,700万円 |
3億円以下 |
45% |
2,700万円 |
6億円以下 |
50% |
4,200万円 |
6億円超 |
55% |
7,200万円 |
2016年1月1日の相続法改正で2〜3億円の税率・控除額、6億円超の税率・控除額が引き上げられました。
詳しくは「相続税の改正ポイントまとめ|相続対策における基礎知識」をご覧ください。
相続人が3人で正味の遺産額が1億600万円
相続人は、配偶者:1人、子供:A、子供:B
上記の場合について、簡単に計算例を記載しておきます。確認しておきましょう。
【基礎控除額】
基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で求められますので、今回の例では以下の計算になります。
基礎控除額=3,000万円+600万円×3=4,800万円
【基礎控除後の課税価格】
項目 |
課税価格 |
計算 |
基礎控除後の課税額 |
5,800万円 |
1憶600万円-(4,800万円) |
【法定相続分の課税価格】
法定相続人 |
法定相続分の課税価格 |
計算 |
配偶者 |
2,900万円 |
5,800万円×1/2 |
子供A |
1,4500万円 |
5,800万円×1/4 |
子供B |
1,4500万円 |
5,800万円×1/4 |
【各法定相続人の課税額】
法定相続人 |
課税価格 |
計算 |
配偶者 |
385万円 |
2,900万円×15%-50万円 |
子供A |
167.5万円 |
1,450万円×15%-50万円 |
子供B |
167.5円 |
1,450万円×15%-50万円 |
【法定相続分で分けた場合の相続税】
法定相続人 |
相続税額 |
計算 |
配偶者 |
360万円 |
720万円×1/2 |
子供A |
180万円 |
720万円×1/2 |
子供B |
180万円 |
720万円×1/2 |
これ以降は、各控除を適用させます。仮に配偶者控除を適用した場合、配偶者は1憶6000万円までの相続税が免除されます。つまり、次のようになります。
【配偶者控除を適用した場合の相続税】
法定相続人 |
相続税額 |
配偶者 |
0円 |
子供A |
180万円 |
子供B |
180万円 |
相続税の計算方法については「相続税を計算する手順とできるだけ税額を抑える為の4つのポイント」の「計算手順1:相続税の対象となる遺産を出す」をご覧ください。
相続税には税額控除という税金の減額するための制度が多くあり、うまく使うことで相続税を大幅に減らすこともできますので、その控除一覧をご紹介します。
このほかにも、養子縁組を行うといった方法や、不動産で相続を行うなどの方法がありますが、詳しくは「相続税をできるだけ抑える為の税額控除一覧」をご覧ください。
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