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税務署から「相続税のお尋ね」が届いたら?書類の回答方法や無視するリスクを解説

伊藤亮太(FP)
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税務署から突然「相続についてのお尋ね」という書類が届き、驚いていませんか?

「相続についてのお尋ね」は、相続税が発生する可能性がある場合に送られてきます。

相続税が発生するにもかかわらず、無視すると税務調査や追加徴税が課される可能性があるので注意しましょう。

そこで本記事では、「相続についてのお尋ね」がどのような書類なのか、回答方法や無視したときのリスクについて解説します。

突然お尋ねが届いて不安に感じている方は、ぜひ参考にしてください。

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税務署から届く「相続についてのお尋ね」とは?

「相続についてのお尋ね」は、税務署が市町村から得た情報をもとに亡くなられた人の相続税が発生するかどうか調べ、相続税が発生する可能性がある場合に送られてきます。

つまり、亡くなった方全ての家族や親族に届くものではなく、一定の財産があり、相続税が発生する可能性のある家族・親族に送られているのです。

相続税についてのお尋ねが届いた場合、自己判断で相続税が発生しないと考え、無視するとあとから税金トラブルになる可能性があります。

税務署から「相続についてのお尋ね」が届く主な理由

ここでは、税務署から相続についてのお尋ねが届く理由について解説します。

1.相続発生から数ヵ月以内の場合|相続税申告を促すため

相続についてのお尋ねは、相続発生から数ヵ月以内の場合、相続税申告を促すために送られてきます。

相続が発生してから6ヵ月~8ヵ月経過後の場合、脱税や不正が疑われて相続についてのお尋ねが届くわけではありません。

あくまで相続財産の内容を確認し、必要であれば相続税の申告・納税をしてください、と促されている段階です。

相続についてのお尋ねに対しては、資産内容などを正確に記入し、税務署に提出しましょう。

お尋ね書を提出したからといって、相続税の申告や納税が必要になるとは限りません。

ただし、相続税の申告・納税は、相続開始から10ヵ月以内であるため、期限が差し迫っている場合もあります。

そのため、申告が必要かどうかを確認し、必要となれば急いで書類の作成を始めなければなりません。

2.相続発生から数年以内の場合|申告漏れを疑っているため

相続発生から数年以内に相続についてのお尋ねが届いた場合は要注意です。

数年以内に届いた場合には、税務署は申告がないけど相続税が発生している可能性がある、と考えていることが多いです。

税務署に疑われているのにお尋ね書を無視すると、税務調査が入り、判明した資産状況に応じて高額な加算税や延滞税が課される可能性があります。

相続発生から数年経ってお尋ね書が届いた場合には、税理士に相談し、お尋ね書に必要事項を記入して返送しましょう。

申告漏れや不申告であったとしても早期に自主的に申告と納税をすれば、加算税を免れる可能性があります。

また、税務調査の可能性も考慮し、税理士や弁護士と資料を整えておく対策も必要です。

【ケース別】税務署から相続のお尋ねが届いたときの対応

ここからは、税務署から相続についてのお尋ねが届いた場合のケース別の対応を紹介します。

1.相続税申告の準備をしている場合

相続税申告の準備をしている場合、お尋ね書の回答は基本的に不要です。

そのまま相続税の申告の準備を進め、相続開始から10ヵ月以内に相続税の申告・納税をすれば何の問題もありません。

2.相続税申告の準備をしていない場合

相続税の申告の準備をしていない場合でも、相続税の申告期限内であればお尋ね書に提出義務がありません。

しかし、回答・提出しておくのが無難です。

相続についてのお尋ねは、あくまで税務署からの確認のお願いであり、回答の提出義務は一切ありません。

しかし、お尋ね書を無視していると、税務署になにか隠している財産があるのではないか、と疑われるきっかけになります。

また、すでに相続税を計算して相続税が発生しないとわかっていても、お尋ね書の回答をおすすめします。

税務署は、相続税が発生する見込みがあるとしてお尋ね書を送ってきているため、しっかり回答して相続税が発生しないことを証明しましょう。

税務署から届いた「相続についてのお尋ね」への回答方法

税務署から届いた相続についてのお尋ねへの回答には、以下のようなことを記載します。

  • 被相続人の情報
    ・氏名
    ・職業
    ・生年月日
    ・続柄
    ・相続発生日
  • 相続人の人数、続柄
  • 被相続人が保有していた財産の情報
    ・不動産の情報
    ・自動車や高価な美術品など動産の情報
    ・有価証券の情報
    ・預貯金の情報
    ・現金の額
  • 被相続人の死亡によって受け取った財産の情報
    ・生命保険金の額
    ・退職手当金、弔慰金の額
  • 被相続人の死亡前に相続精算課税制度で贈与を受けている場合、その内容
  • 被相続人の死亡前3年以内に贈与を受けている場合、その内容
  • 葬儀費用
  • 被相続人の借金やローンなど負債の情報
  • 被相続人が死亡後に未納となっていた税金の種類と額

これらの情報は、基本的に相続税の申告においても記載する必要がある内容です。

つまり、お尋ね書への回答は相続税の申告書の簡易版のようなものだといえます。

お尋ね書や申告書を記載するためには、必ず相続財産の調査が必要です。

相続財産の調査の方法がわからないという方は、ぜひ下記の記事もあわせて参考にしてください。

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税務署の「相続についてのお尋ね」を無視した場合のリスク

ここからは、税務署の相続についてのお尋ねを無視した場合のリスクを解説します。

1.文書や電話で督促される

税務署からのお尋ね書を無視すると、ハガキや電話で督促されることがあります。

いつお尋ね書が送られてきたかにもよりますが、お尋ねに対する回答をするように求められるでしょう。

ハガキを無視していると税務署から電話がかかってくるようになり、この電話も無視すると税務調査がおこなわれる可能性があります。

税務署から不信感を抱かれる前にお尋ね書の回答をするなど対応が必要です。

2.税務調査がおこなわれる

督促の電話を無視すると、税務署職員が自宅や事務所を訪問する税務調査が実施される可能性があります。

税務調査は「任意調査」であるものの、正当な理由なく税務署への対応を拒否した場合には罰則が適用されるので注意しましょう。

また、任意調査をおこなう日程は事前に通知されますが、帳簿書類の改ざんや隠ぺいなどの可能性がある場合、事前通知のない無予告調査がおこなわれることがあります。

さらに、脱税など強い疑いをかけられている場合、国税局査察部(通称マルサ)が裁判所の令状をもって強制的におこなう「強制捜査」が実施される可能性もあるでしょう。

強制捜査は、裁判所の令状をもっておこなわれるため拒否権はなく、納税に関する資料を押収する権限も有しています。

強制捜査により脱税が発覚すると、検察庁に告発され、最終的に刑事事件化する可能性も高いです。

お尋ね書が届いたら税理士と相談のうえ、少しでも早く回答するようにしましょう。

なお、税務調査がおこなわれ、相続税の不備を指摘されたあと、確定申告や修正申告をおこなうと追加徴税などのペナルティを受ける場合があります。

相続税の申告をおこなっていないと無申告加算税、申告額が少なかった場合は過少申告税が加算され、本来支払うべき相続税より高額な税金を納めなければなりません。

税務署の「相続についてのお尋ね」に関するよくある質問

ここからは、税務署の相続についてのお尋ねに関するよくある質問について解説します。

Q.相続についてのお尋ねはいつまでに回答すればよいか?

相続についてのお尋ねに対する回答は、送られてきた書類に記載された回答期限までに税務署に届くよう返送しましょう。

相続税の申告の準備を進めている場合には、送られてきた書類に記載されている申告期限までに間に合うよう相続税の申告・納税をする必要があります。

なお、相続発生後数年経ってからお尋ね書が届いた場合には、すでに相続税の申告・納税期間が過ぎています。

そのため、税理士に相談し、相続財産の調査やお尋ね書の回答の作成など一刻も早い対応が必要です。

Q.相続についてのお尋ねに嘘の数字を書いても問題ないか?

相続についてのお尋ねに嘘の数字を書いたとしても、嘘の記述ということだけで罰せられることはありません。

しかし、お尋ね書の回答をみて、怪しく思った税務署が税務調査を実施し、財産を隠していたことがバレたとしましょう。

そうすると、本来の相続税に加えて40%の重加算税が課される可能性があります。

もしお尋ね書に嘘の回答や間違った回答を書いて返送してしまった場合には、すぐに正しい内容で相続税の申告をしましょう。

さいごに|相続税からお尋ねが届いたときは税理士に相談しよう

税務署から「相続についてのお尋ね」が届いた場合、相続税が発生する可能性が高いです。

すでに相続税の申告準備を進めている場合は、お尋ね書を返送のうえ、期限内の申告・納税をおこないましょう。

ただし、お尋ね書が届いた時点で何も準備をしていない場合は要注意です。

時期によっては自分では書類の作成が間に合わず、相続開始から10ヵ月以内にしなければならない相続税の申告・納税に間に合わないかもしれません。

そのため、相続税のお尋ねが届いたら、すぐに税理士に相続財産の調査や相続税の計算、書類作成を相談しましょう。

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この記事の監修者
伊藤亮太FP事務所
伊藤亮太(FP)
資産運用・社会保障(特に年金)・保険を中心に提案を行っている。講演会や執筆物も多数。Webコンサルティングも行っており、幅広い提案が可能。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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