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成年後見人の金銭トラブル|回避方法と解決手段を詳しく解説
2018年05月14日

成年後見人の金銭トラブル|回避方法と解決手段を詳しく解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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成年後見制度の利用者数は年々増えており、2016年には20万人を超えました。

 

引用元:成年後見関係事件の概況 裁判所

 

成年後見制度とは、精神疾患や認知症などによって判断能力が不十分な人の生活上のサポートや財産管理などを、選任した成年後見人に任せる制度。

そのなかで、選任された成年後見人が被後見人の財産を使い込むといったトラブルが起きています。このようなトラブルが起きてしまった場合、解決するのは容易ではありません。

 

この記事では、成年後見人とのトラブルを回避する方法、また実際に被害に遭った場合の解決手段を詳しく解説します。

 

 

 

成年後見人の金銭使い込みによるトラブル

被後見人の財産を管理するはずの成年後見人が勝手にお金を使い込みトラブルとなるケースがあります。

 

下の図は、成年後見人等(成年後見人、保佐人、補助人、未成年後見人および監督人)による不正について、内閣府が公表した資料です。2011(平成23)年~2015(平成27)年までの被害額の合計は200億円を超えています。
 

引用元:成年後見制度の現状 - 内閣府

 

なぜ成年後見人による不正が起きてしまうのでしょうか。

 

成年後見人となった親族がお金を使い込むケース

成年後見人による不正のほとんどは、後見人として選任された親族がお金を使い込んでしまうケースです。

 

本来であれば、成年後見人は適切に財産を管理しなくてはなりません。ですが、身内のお金は自分のものでもあると捉える心理がはたらいてしまうのでしょうか。

 

実は成年後見人による使い込みは業務上横領罪にあたり、親族でも逮捕される可能性があります

 

参考:母親の預貯金横領容疑 成年後見人していた長男と妻を逮捕

 

(業務上横領)
第二百五十三条 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。

引用元:刑法253条

 

また、悪質な場合には財産目的で成年後見人となり、被後見人が正常に判断できないのをいいことに、お金を使い込んでしまうのです。

 

成年後見人となった専門家がお金を使い込むケース

近年では、成年後見人に親族がなることによるトラブルを避けるために、弁護士や司法書士などの専門家が選任されることの方が多くなりました。

 

引用元:成年後見関係事件の概況 - 裁判所

 

しかし、専門家であれば絶対に安心とは限りません。信頼できるはずの専門家が横領するケースも少なからずあるからです。

 

後見人だった元弁護士の男性が、被後見人の財産を着服し業務上横領罪で懲役7年の実刑を受けた例もあります。

参考:後見人の元弁護士に懲役6年の実刑判決 毎日新聞

 

また同様の事件で、大阪の弁護士が業務上横領で11年の実刑判決を受けています。

参考:大阪の弁護士に懲役11年の実刑判決 毎日新聞

 

ほとんどの専門家は成年後見人としての業務を果たしていますが、残念ながらなかには悪質な人もいます。

 

 

成年後見人トラブルを回避するための方法

成年後見人によるトラブルを回避する方法として主に以下のことが挙げられます。

 

  • 任意後見制度
  • 後見制度支援信託

 

それぞれどのような制度か確認していきましょう。

 

任意後見制度を利用する

任意後見制度とは、認知症の発症を見越してなど、本人が健康なうちに後見人となって支援してくれる人と契約しておく制度です。

 

任意後見制度のメリットは、本人が後見人となる人を自分で選べる点と後見人の代理権(※)が事前に合意した契約内容の範囲内に抑えられる点です。

 

任意後見が開始されると、家庭裁判所が選任した任意後見監督人が、後見人の仕事をチェックするため不正が起こりにくいと考えられます。

 

※代理権

本人に代わり、売買や贈与などの法律行為ができる権限のこと。

 

後見制度支援信託を利用する

後見制度支援信託は、被後見人の財産のうち日常生活に必要な分だけを後見人が管理し、残りの財産については信託銀行等に預ける制度です。

 

信託銀行に預けたお金の払い戻し、契約の解除には裁判所が発行した指示書が必要となるため、後見人が勝手に財産を使い込むといった心配はなくなります。また預けたお金は元本保証されているので、元本割れの心配もありません。

参考:後見制度支援信託 - 裁判所

 

 

すでにトラブルとなってしまったときの解決方法

すでに成年後見人によるお金の使い込みが発覚し、トラブルに発展している場合の解決手段は限られています。この項目では解決手段を解説します。

 

解任申請をする

成年後見人が以下の要件に当てはまるときは解任請求をすることができます。

 

  • 不正行為があった
  • 著しい不行跡(ふぎょうせき)があった
  • その他後見の任務に適さない事由があった

 

実際に解任するかどうかの判断は家庭裁判所が判断するため、場合によっては解任されないこともあります。

 

2016年に家庭裁判所にされた後見人等の解任申立て686件のうち、認められたのは294件でした。

参考:家事審判事件の受理,既済,未済手続別事件別件数  司法統計

 

成年後見制度の目的は被後見人の保護にあるため、裁判所も明確な理由がないと解任には動きません。解任事由に当てはまる証拠を集めておくとよいでしょう。

 

訴訟を起こす

成年後見人に使い込んだ金額を弁償させるために、不当利得返還請求や損害賠償請求といった訴訟を起こすことも可能でしょう。

 

訴訟を起こす場合には、一度弁護士に相談してみることをおすすめします。訴訟に必要な証拠や手続きの仕方など、さまざまなアドバイスをもらえるでしょう。

 

依頼者見舞金制度を利用する

2017年10月より依頼者見舞金制度を日弁連が開始しました。

 

依頼者見舞金制度とは、弁護士が業務で預かっていたお金を横領した場合に、被害者に対し日弁連がお見舞金を支給する制度です。

 

成年後見人となった弁護士が被後見人の財産を横領した場合には、この制度を使うことで全額まではいかなくともお金が支給されます。支給の条件は以下のとおりです。

 

支給対象

2017年4月1日以降に発生した被害額が30万円を超える事件

支給額

上限500万円まで

申請方法

申請書を弁護士会に提出

申請書(見本)・記入要領

 

詳しくは日弁連ホームページをご覧ください。

 

 

まとめ

成年後見人によるトラブルの多くは親族によるものです。しかし、弁護士や司法書士といった専門家による被害もないわけではありません。

 

もし、まだトラブルは起きていないが回避したいとお考えであれば、以下の方法を試してみるとよいでしょう。

 

  • 任意後見制度
  • 後見制度支援信託

 

また成年後見人による使い込みが発覚し、トラブルになっている場合には解任申請や訴訟を起こすといった手段が考えられます。

 

訴訟の際は、一度弁護士に相談してみることをおすすめします。当サイトでは成年後見制度に詳しい弁護士の検索ができますので、ぜひご利用ください。

 

この記事がお役に立てば幸いです。

 

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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