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胎児にも相続権はある|夫の遺産を相続できる条件とは
2018年03月08日
遺産分割  相続放棄  弁護士監修記事

胎児にも相続権はある|夫の遺産を相続できる条件とは

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妻の妊娠中に夫が亡くなってしまった場合、胎児(お腹の子)も相続の対象になるのでしょうか?

 

結論から言えば、胎児も条件を満たせば、夫の遺産を相続することが可能です。

 

この記事では、胎児に相続権が認められるのはどんな場合なのか、また、生まれた胎児の相続手続きはどのように行うのか詳しく説明します。

 

妊娠中に相続手続きを行うと、出産後にもう一度手続きをする必要があるかもしれません。まずは、胎児の相続について確認しておきましょう。

 

胎児にも相続権はある

冒頭でもお伝えしましたが、胎児であっても、夫の遺産を相続することができます

 

通常、胎児には権利能力は認められていませんが、相続に関する権利能力は例外的に、胎児にも認めると民法886条で定められています。

 

(相続に関する胎児の権利能力)

第八百八十六条 胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。

引用元:民法886条

 

胎児が相続権を得られる条件について

実際に、胎児に相続権が認められるのは生まれてきたときであり、出産前(母親のお腹の中にいる状態)に亡くなった場合は胎児の相続はなかったものとされます。

 

第八百八十六条

2 前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない

引用元:民法886条

 

民法では、胎児の出生を“身体が母体から全部露出したかどうか(全部露出説)”で判断します。そのため、胎児の身体が母体からすべて出てきた状態で、一瞬でも生きていた場合には、相続権が認められます。

 

胎児が亡くなった場合の相続権について

胎児が母親のお腹の中で亡くなった場合と生まれてから亡くなった場合では、夫の遺産を相続する人物が異なります。

 

胎児が出産前に亡くなった場合

胎児が出産後に亡くなった場合

  • 妻と亡くなった胎児以外の子供がいればその子供
  • 妻と夫の親
  • 妻と夫の兄弟姉妹
  • 妻と亡くなった胎児以外の子供がいればその子供
  • 妻のみ

 

 

上の表のように、同じ胎児が亡くなった場合でも、相続があったかどうかで、夫の遺産の相続人が変わってきます。

 

そのため、胎児が生まれるまでは、遺産分割などの相続手続きは行わないほうがよいでしょう。

胎児が無事生まれた場合の相続手続き

胎児では、“遺産分割協議”や“相続放棄”などの相続手続きをすることはできません。この項目では、胎児がいる場合の相続手続きはどのように行えばよいかを説明します。

 

遺産分割協議の場合

もし、遺産分割協議の際に胎児がいる場合、胎児に特別代理人の選任を家庭裁判所にしてもらう必要があります。

 

通常であれば、親が子供の代理人となるのが普通です。しかし、遺産分割協議で親を代理人としてしまうと、親が自身に有利になるような内容の取り決めが可能となってしまいます。そのため、家庭裁判所が特別代理人を選任するのです。

 

参考:特別代理人選任(親権者とその子との利益相反の場合) 裁判所

 

相続放棄の場合

親と胎児の両方が相続放棄する場合は、親が代理人として手続きすることができます。

 

胎児だけが相続放棄する場合には、親と胎児の利益が相反するものとなるため、特別代理人を選任してもらう必要があります。

 

【関連記事】相続放棄にはタイムリミットがある|手続き方法と7つの注意点まとめ

 

相続登記の場合

胎児が生まれる前でも、胎児を名義人として相続登記をすることは可能です。しかし、胎児が亡くなってしまった場合には、相続がなかったことになるため、再度名義の変更が必要となります。

 

出生届を提出するまで胎児には、名前と住所がありません。実務においては、氏名を『亡A某妻B某胎児』のように記載し、住所は胎児の母親のものを記載します。

 

【関連記事】相続登記の完全版|申請をする際の必要書類と費用のまとめ

相続税の申告では胎児は除外する

民法と税法では胎児の扱いが異なり、相続税の申告の際には、胎児を除外して考えます。

 

胎児が生まれる前に相続税の申告をした場合は、修正申告や更正の請求を行う必要があります。

 

相続税の申告期限は、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。しかし、胎児が生まれたのが申告期限の1ヶ月以内であれば、胎児が生まれた日から2ヶ月まで延長することができます。

まとめ

胎児にも相続権は認められており、無事に生まれてくれば、夫の遺産を相続できます。また、胎児が出産前・出産後に亡くなったかどうかで、相続人が変わってくるため注意してください。

 

胎児がいる場合の相続手続きのなかには、特別代理人の選任が必要になるなど、通常の場合と多少異なる部分があります。育児が大変ななか、さまざまな手続きをするのが難しいと感じるようでしたら、弁護士へ相談してみることをおすすめします。

 

この記事が、お役に立てば幸いです。

 

出典元

民法886条

特別代理人の選任 裁判所

 

この記事を監修した法律事務所

Thum_umezawa
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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