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相続税についてのお知らせは誰に届く?届いたときの対処方法と注意事項

内西会計事務所
内西真樹(税理士)
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相続税についてのお知らせ』が突然税務署から届き、どうしたらよいのかとお悩みではないですか?相続税のお知らせは税務署の判断により「一定条件」に該当する人にのみ送られてくるものです。

今回の記事では、どのような人に相続税についてのお知らせが届くのか、届いたらまず何をすればよいのか、相続税申告の対象者から調べるうえでどんなことに気をつけたらよいのかについてご紹介します。

*本記事の専門家による監修日は2023年6月28日です。

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・遺産総額の金額は、各種特例や非課税枠及び債務控除等を控除済みの課税価格の金額としています。
・障害者控除、未成年者控除等の税額控除や2割加算は考慮できません。
・この計算結果の利用により利用者または第三者に生じた損害や不利益について一切その責任を負いません。
この記事に記載の情報は2024年08月16日時点のものです

『相続税についてのお知らせ』はすべての人に届くわけではない

『相続税についてのお知らせ』はすべての人に届くわけではありません。税務署の判断により、一定条件に該当する人に対して税務署はこのお知らせを郵送します。

税務署は納税者個人の

  • 不動産情報
  • 所得情報

を把握していますので、それらの情報を元に相続税申告の可能性がある人を対象に『相続についてのお知らせ』または『相続税申告等についてのご案内』を郵送しています。

『相続税についてのお知らせ』と『相続税申告等についてのご案内』の違い

税務署から送られてくる郵送物には『相続税についてのお知らせ』と『相続税申告等についてのご案内』の2種類があります。

『相続税についてのお知らせ』は相続税の申告の可能性がある広範囲の人へ周知するために、『相続税申告等についてのご案内』は相続が発生する可能性がより高い人へ向けて送られるものです。

もし『相続税申告等についてのご案内』が届いたという場合には、税務署が持っている情報からあなたは相続税申告をする必要がある、またはその可能性が高いと判断されていると考えることができますが『相続税についてのお知らせ』が届いた方も、決して安心してはいけません。

『相続税についてのお知らせ』はいつ届く?

『相続税についてのお知らせ』は相続税の申告期限の3ヶ月前くらいには届きます。相続が開始してから(被相続人が死亡してから)10ヶ月以内には相続税の申告をしなければなりません。

申告期限相続財産についての情報や必要書類をそろえるなど、相続税の申告をするためにはある程度の準備が必要となりますので、税務署側もある程度の猶予期間を与えて『相続税についてのお知らせ』を発送しているようです。

しかし実際には3ヶ月で相続税申告に必要な資料を集め、相続税の申告書を完成させるのは難しいので『相続税のお知らせ』が届いたら、まずは相続分野が得意な税理士にご相談してみてください。

『相続税についてのお知らせ』が届いたら相続財産を確認

『相続税についてのお知らせ』が届いたら、何をしなければならないのでしょうか?

『相続税についてのお知らせ』が届いてまずすることは、相続財産の確認作業です。現預金や有価証券、そして不動産を持っていればその不動産の相続税評価額を確認します。

土地を相続で評価する場合には「路線価」または「倍率方式」により評価します。国税庁のホームページではその年の路線価を調べることができます。路線価が定められていない地域の土地などを評価する場合に倍率方式を採用します。この倍率方式の評価倍率表も国税庁のホームページで確認することができます。

毎年送られてくる『固定資産税の納税通知書』に記載されている固定資産税評価額は実際の土地の時価の7割程度です。相続で採用する「相続税評価額=固定資産評価額」ではないので注意してください。

不動産の家屋部分ついては固定資産税評価額の1.0倍ですので固定資産税評価額が相続での評価額となります。

相続財産を確認する際には、これらの財産のほかにも考慮しなければならないものがあります。

名義預金

相続財産を確認する際には「名義預金」がないかも確認しておきましょう。名義預金とは形式的には相続人(残された遺族)名義の預金ですが、実際には名義を借りているだけで、被相続人(亡くなった方)の預貯金と認められるもののことを言います。名義預金に該当するかどうかは、

  • 相続人が自分名義の通帳の存在を知っていたか
  • 預金を管理していたのは誰か
  • 預金の資金源

などが調べられ、被相続人の相続財産に該当するかどうか判断されます。

みなし相続財産

また「みなし相続財産」も相続財産となります。みなし相続財産とは、亡くなった日の時点では財産として持っていなくても、被相続人の死亡により相続人がもらえる財産のことを言います。みなし財産として代表的なものは死亡保険金や死亡退職金があります。

みなし相続財産死亡保険金や死亡退職金は死亡時点では財産には含まれていませんが、死亡を原因として受け取ることができる財産になります。

相続財産を確認する際にはみなし相続財産も確認し、みなし財産の金額も忘れずに相続財産にプラスする必要があります。

納税者が相続税申告の義務があるかどうかを判断する際に、このみなし相続財産を相続財産に加え忘れていることがあるので注意しましょう。

被相続人の債務・葬儀費用を確認

相続税の申告義務があるかどうかを判断するために、被相続人の「債務」や「葬儀費用」も確認する必要があります。債務や葬儀費用は相続財産からマイナスします。

具体的には被相続人が残した借金や未払金、また火葬や埋葬、仮葬式と本葬式にかかった費用、納骨などの費用を相続財産からマイナスすることができます。

なお、葬儀費用のなかには遺産総額から差し引くことができないものもあるので注意しましょう。

たとえば、通夜、告別式の費用、火葬、埋葬費用、お寺へ払うお布施、戒名の費用などは含まれますが、初七日、四十九日、一周忌など葬式以後に行われる費用、香典返しの費用、位牌や墓石の購入費用などは、葬式費用には含まれません。

基礎控除の額を確認

相続財産、相続債務・費用を確認できたら「基礎控除」の額も確認します。基礎控除の計算方法は以下の通りです。

基礎控除基礎控除の額は3,000万円+(600万円×法定相続人の数)ですので、法定相続人の人数により基礎控除の額は変わります。法定相続人を調べるためには被相続人の出生から死亡日までの連続した戸籍を集め、その戸籍の内容を見て誰が相続人となるのかを確認する必要があります。

相続財産が基礎控除を上回る場合

相続財産が基礎控除を上回る場合

これまでの一連の作業を通して、もし相続財産から債務や葬儀費用を引いた額が基礎控除を上回るようであれば、相続税の申告が必要となります。下回るようであれば相続税の申告や納税の必要はありません。

注意しなければいけないのは、「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」などの税額軽減や控除を使うことにより相続税がかからない、という場合であっても、相続税の申告は行う必要がある、という点です。

なお、みなし相続財産について、相続人が取得する場合には、「死亡保険金」 「死亡退職金」のそれぞれについて「500万円×法定相続人の数」の金額の非課税枠があります。

また、みなし財産の非課税枠は申告が必要なものではなく、当然に受けられるものなので、申告義務の判定には、みなし相続財産からこの非課税枠を控除した後の金額をもって、相続税の基礎控除額を超えているかどうかの判定をします。
配偶者・小規模宅地→申告が必要

『相続税についてのお知らせ』が届き心配であれば税理士に相談を

『相続税についてのお知らせ』が届いたのは、税務署があなたは相続税の申告の可能性が少しでもあると判断しているからです。

平成27年に相続税の基礎控除の額が改正され、定額控除は5,000万円から3,000万円に、比例控除は1,000万円から600万円になりました。この改正により相続税の申告者は以前と比べ約2倍となりました。

ご自身の不動産を所有し、それに加えて預貯金がいくらかある場合は、相続税の申告義務者となっている可能性があります。

また自分はこの財産は相続財産ではないと思っていても、実は相続財産だったというケースもあります。

『相続税についてのお知らせ』が届き、ご自分が相続税の申告対象者かどうか心配になっている方は、相続分野が得意な税理士にご相談ください。

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この記事の監修者
内西会計事務所
内西真樹(税理士)
こんにちは。和歌山市の女性税理士、内西です。税務記事を分かりやすく簡潔に説明することを日々研究しており、また書く事が大好きです。週に2.3回は当事務所のホームページで税務関係の記事を更新しております。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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