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公開日:2017.9.28 

相続税対策|生命保険の活用により相続税を非課税にする方法

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特定の相続人へ財産を残す上で、生命保険は有効的だと言われています。生命保険非課税枠が適用されることで、生命保険に課される相続税が安くなるからです。

今回の記事では、生命保険非課税枠を適用させた場合の相続税の計算例や、生命保険が相続財産として優れている理由について説明していきます。

相続税は生命保険非課税枠を適用されることでどれくらい安くなる?

冒頭でお伝えしましたが、生命保険の受取人は、生命保険非課税枠を適用させることができます。

500万円×法定相続人の数が控除される

非課税枠を適用させることで保険金に対して発生する相続税の課税対象額から、「500万円×法定相続人」が控除されます。つまりは法定相続人が2人の場合、500万円×2人=1,000万円が課税対象額から控除されるということです。

基礎控除が適用されることで課税対象額が安くなる

生命保険非課税枠に加えて、基礎控除として「3,000万円+600万円×法定相続人」が課税対象額から控除されます。つまりは法定相続人が2人の場合、1,000万円+3,000万円+600万円×2人=5,200万円が課税対象額から控除されるため、5,200万円以下の保険金には相続税は課されません(保険金以外の財産が無かった場合)。

また、基礎控除は保険金の受取人だけでなく、全ての相続人に適用される控除です。

生命保険に課せられる相続税の計算例

では、以下の条件で生命保険非課税枠を適用された場合の、相続税の計算をしていきましょう。

  • 保険金:6,000万円
  • 法定相続人:2人

課税対象額は6,000万円-5,200万円=800万円となるため、「No.4155 相続税の税率|相続税|国税庁」から税率は10%です。よって相続税は800万円×10%=80万円になります。

参照:「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金|相続税|国税庁

生命保険非課税枠を適用させるために必要なこと

生命保険非課税枠が適用されるため、相続税対策として生命保険は有効なことがわかります。では、生命保険の加入者は、非課税枠を適用させるためにはどうすればいいのでしょうか。

契約者と被保険者を同一にする

生命保険非課税枠が適用されるのは、保険金に対して相続税が課される場合ですが、契約者(保険料の負担者)、被保険者、受取人を誰にするかによって保険金に課される税金は異なります。

保険金には、所得税、相続税、贈与税のどれかの税金が課されますが、契約者、被保険者、受取人と税金の種類との関係性については、以下の表を参考にしてください。

契約者

被保険者

受取人

税金の種類

所得税

妻または子

相続税

贈与税

参考:「No.1750 死亡保険金を受け取ったとき|所得税|国税庁

上の表から、相続税が課されるように、生命保険の契約時には契約者と被保険者を同じ人に設定してください。

所得税がかかる場合

また、契約者と受取人が同一の場合は、所得税が課されますが、保険金に課される税金は、所得税と相続税のどちらが安いのでしょうか。

  • 保険金:6,000万円
  • 払込保険料:4,000万円
  • 所得税率:20%

そこで先ほどの計算例と同様の条件に加えて、払込保険料、所得税率を上記の通りに設定します。

(保険金額-支払った保険料-特別控除額50万円)×1/2

所得税の課税対象額は上記の計算式によって求めるため課税対象額は、(6,000万円-4,000万円-50万円)×1/2=975万円です。よって求める所得税は、975万円×20%=195万円になります。今回の例においては相続税の方が安い結果となりました。

贈与税がかかる場合

贈与税が課されるのは、契約者、被保険者、受取人がそれぞれ異なる場合です。先ほどの計算例を元に保険金に課される相続税と贈与税の比較を行っていきますが、贈与税は以下の計算式によって算出します。

{保険金-110万円(基礎控除額)}×税率-控除額

6,000万円の保険金に課される贈与税は、(6,000万円-110万円)×55%-400万円=2,839万5千円です(参照:「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|贈与税|国税庁」)。今回の例では、贈与税と比べて相続税の方が節税効果が高いことがわかりました。

参考:「生命保険金の受取人の指定先によって異なる相続財産としての扱い

生命保険に加入できない方は一時終身払い型保険を検討する

生命保険の加入は年齢と共に難しくなります。高齢になるほど死亡のリスクが高まるためです。生命保険に加入できなければ、非課税枠の適用はおろか、特定の相続人へ保険金を残すこともできません。そのため、一般の生命保険に加入できない方は、一時終身払い方保険への加入を検討しましょう。

一時終身払い方保険とは、将来的に支払う保険料を一括で支払うタイプの保険です。保険料をまとめて支払うため、加入できる人の枠が広く、高齢の方でも加入しやすいと言われています。

参考:「一時払い終身保険とは|一時払い終身保険の全知識まとめ

生命保険を介して相続税対策をする3つのメリット

生命保険非課税枠以外にも、相続税対策として生命保険を活用するメリットは、複数あります。

保険金は早期受取が可能になる

生命保険を活用するメリットの一つは、他の相続財産と比べて、生命保険の保険金は早期の受け取りができることです。まず、被相続人の預金口座は、被相続人が死亡すると口座が凍結されるため、遺産分割協議がまとまるまで、預金財産を受け取ることはできません。

その点、生命保険の受取人は、簡易的な書類の申請だけで1週間程度で保険金を受け取ることができます。また、相続税は現金で納税しなければなりませんが、不動産など現金以外の財産を相続した場合、納税の資金繰りに苦労することがあります。

その点から考えても、保険金は現金で受け取ることができるので、資金繰りに苦労しません。

遺産分割で争う必要がない

誰がどの財産をどの割合で相続するのか、遺産分割をきっかけに、相続人同士が争うケースは少なくありませんが、保険金は遺産分割の対象から外れます。保険金は、被相続人の財産ではなく受取人の財産とみなされるためです。

保険金は遺留分請求の対象外である

また、保険金は遺留分請求の対象にも含まれません。遺留分とは、相続した財産額が、法定相続分に満たなかった場合の差額分です。遺留分が発生した方は、法定相続分以上の財産を相続した方へ遺留分を請求することができます。

保険金の受取人は、法定相続分とは別に保険金を受け取ることができるため、遺留分請求の対象に含まれるように思えるでしょう。しかし、保険金は相続財産として見なされないため、保険金の受取人は遺留分請求の対象には含まれません。

生命保険金を受け取る上で注意しておきたいこと

では、最後に生命保険の保険金を受け取る上で、事前に知っておくべきことについて紹介していきます。

保険金が特別受益としてみなされる可能性がある

保険金の受取人は、法定相続分の財産に加えて保険金を受け取ることができますが、相続人の中には不公平に感じる人もいるでしょう。そこで、保険金は特別受益としてみなすことで、保険金の受取人の法定相続分は、保険金の分を差し引いて算出すべきという考えがあります。

判例上は、保険金は特別受益として見なされない考えが有力ですが、高額な保険金を受け取る方は、気を付けてください。

遺産放棄した場合の保険金の取り扱い

保険金の受取人が相続放棄した場合、誰が保険金を相続するのか気になるところですが、相続放棄をした受取人が保険金を相続することになります。しかし、相続放棄した場合でも、保険金の受取人は相続税が課せられるので気を付けてください。

参照:「死亡保険金と相続放棄の関係と死亡保険金に課せられる相続税の計算方法

受取人が不明の場合に保険金の受取人は誰になるのか

保険金の受取人が指定されていない場合、各法定相続人が保険金を相続することになります。この場合の保険金は、通常の相続財産と同等に扱われます。

受取人が被相続人の場合の受取人は誰になるのか

保険金の受取人が被相続人自身だった場合、受取人は死亡しているため保険金を受け取ることができません。保険金の受取人は、保険契約約款によって決まりますが、約款に受取人が指定されていない場合、各法定相続人が、均等の額の保険金を受け取ることになります。

第46条  保険金受取人が保険事故の発生前に死亡したときは、その相続人の全員が保険金受取人となる。

引用:保険法 第46条

まとめ

相続人の納税の負担を減らすためにも、生前からきちんと相続税対策は行っておきたいところです。当記事では生命保険は、非課税枠が充実しているため相続税対策に適していると説明しましたが、生命保険に加入できない方は別の相続税対策を行う必要があります。

生命保険の活用以外の相続税対策に関しては「状況別|相続税を節税する方法と税理士を選ぶ上でのポイント」を参考にしていただけたらと思いますが、不安な方は税理士に相談しましょう。

 

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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