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相続税の支払い方法と支払いの延滞を避けるために必要なこと

公認会計士・税理士 大橋誠一事務所
大橋誠一(税理士)
監修記事
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相続税の支払い方法は、現金の一括払いです。

納付期間までに納付額を現金で用意しなければなりませんが、中には負担に感じる方もいるでしょう。

財産に課税されているのに現金一括払いが原則であることを負担に感じる相続人も中にはいると思いますが、全ての相続人が相続税を自分自身で納付しなければなりません。

そのため全ての相続人の方が、例外なく相続税の支払い方法について理解する必要があります。

今回の記事では、相続税の支払い方法や支払いまでの手続きの流れについて説明していきます。

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*本記事の専門家による監修日は2023年6月28日です。

この記事に記載の情報は2024年01月12日時点のものです

相続税の4つの支払い方法

相続税の支払い方法は、税務署、または金融機関での支払いが一般的ですが、インターネットやコンビニでの支払いも可能です。

そこで各相続税の支払い方法について確認していきましょう。

税務署の窓口による支払い

税務署の窓口で相続税を支払う方は、相続税の申告書を提出する税務署が支払い先です。

申告書の提出先である税務署で支払うことになるので、手続きに不安を感じる場合や不明な点がある場合でも安心して手続きを済ませることができます。

しかし、納付することができる税務署の場所は決まっており、平日の日中しか開庁していないため、コンビニや金融機関などと比べると不便に感じる方もいるでしょう。

金融機関での支払い

金融機関で相続税を納める方も少なくありません。

郵便局、銀行、信用金庫であれば、基本的に支払いに対応しているがほとんどですが、支所や出張所では受け付けてもらえない可能性もあり、対応しているか事前に確認するといいでしょう。

コンビニ支払い

納付額が30万円以下の相続人は、コンビニで支払うことができます。

コンビニで支払うメリットは、コンビニは都市部では大概どこにでもあり24時間営業であるため、昼間銀行に行く時間のない方でも支払いができることです。

しかしコンビニ支払いをするためには、相続税の納付書を税務署に持って行き、バーコード付納付書を発行してもらわなければいけません。

最近では、バーコードではなくQRコードを自宅等で国税庁ホームページから作成・出力して、コンビニの端末でQRコードを読み取らせて納付書を出力し、それをコンビニの窓口に提出して納付することもできます。

また、スマホアプリ「国税スマートフォン決済専用サイト」から納税者の利用可能なPay払いを選択して納付することも可能です。

ネットでのクレジット支払い

インターネットからクレジットカードで相続税の支払いができます。

手続きをする時間がない方にとって、インターネットで支払いができるのは便利でしょう。

しかし納税額が1,000万円未満の方が対象であり、かつ、ご自身のクレジットカードの利用限度額内での利用になることに注意が必要です。

また納付額1万円ごとに83円または64円の決済手数料が発生します。

クレジットカードでの相続税納付に関して、以下のサイトでも詳細が確認可能です。

相続税は現金納付?クレジットカード納付はできるの?|マネット

相続税の支払いまでの手続きの流れ

相続税の納付期限は、被相続人の死亡日の翌日から10ヶ月以内です。

納付期限に間に合わないと附帯税が課されるため、相続人の方は相続税を納めるまでのスケジュールを抑えておくべきでしょう。

被相続人の死亡届の提出・年金保険の手続きをする

被相続人が亡くなったら、まず最初に市町村役場へ死亡届を提出しなければなりません。

死亡届の提出後、被相続人の年金・健康保険の手続きのため、死亡して旨の届を提出します。

これらを7日以内に済ませるほか、もちろんその間には被相続人の葬儀の手配もしなければなりません。

財産・相続人の調査をする

相続税の額を計算するためには、相続財産の権利関係を明確にすることが必要です。

そのため被相続人が残した財産や、誰が法定相続人に該当するのかを調べなければなりません。

準確定申告をする

被相続人が亡くなった日の翌日から4ヶ月以内に準確定申告をします。

準確定申告とは、その年の被相続人が亡くなった日までの所得税の申告をするための手続きです。

遺産分割協議を行う

法定相続人が確定して財産の把握が終わると遺産分割協議を行います。

遺産分割協議とは、相続人同士で各相続人の相続財産の権利の帰属を明らかにするための話し合いです。

遺産分割協議に法的な期限はありませんが、相続税の申告期限が10ケ月以内であることを考慮すると、少なくと7~8ケ月以内には終わらせておいた方が良いでしょう。

相続税の計算をする

自身の取得する相続財産の帰属が明確になったら、今度は相続税の計算をします。

相続財産の評価額の計算

相続税を求めるためには、財産評価額を求める必要があります。

課税対象額の計算は現金預金だけであれば容易ですが、不動産など現物財産に関しては評価額を算出しなければなりません。

評価額の計算は専門性を要するため、税理士に依頼するのが一般的です。

課税対象額の計算

全ての相続財産の合計額から「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を差し引いた金額が課税対象額になります。

相続税は「課税対象額×税率-控除額」の式から計算しますが、まずは課税対象額を各法定相続人が各法定相続分で取得したものと仮定して配分し、それぞれに上記算式による適用税率を掛けて税額を計算し、それを合算して「相続税の総額」を算出します。

そして、その相続税の総額を、実際の各法定相続人が取得した財産の評価額の割合で按分して、各相続人の納付すべき相続税額が確定します。

詳しくは「No.4155 相続税の税率|相続税|国税庁」を参考にしてください。

相続税の申告・納付をする

相続税の申告書を作成し、被相続人の死亡の翌日から10ヶ月以内に提出するとともに、その日までに納付税額を収めることになりますが、余裕を持って手続きを行ってください。

相続税の納付期限に遅れると課せられる附帯税の種類

もし納付期限に納税できなかった場合、附帯税が課されるため納税額が高くなります。

納付期限が遅れることで、どのような税金が課されるのか確認していきましょう。

延滞税

まず、納付期限に間に合わなかった場合、必ず延滞税が課されます

延滞税は納付期日の翌日から数えて計算し、計算式は下記の通りです。

納税額×延滞税率×延滞日数(納付期限翌日から完納までの日数) ÷365

延滞税率は延滞日数によって異なるため、以下の表を参考にしてください。

<延滞税率>

 

一般延滞税率

令和5年1月1日~令和5年12月31日限定

納付期限から2ヶ月以内

  • 年利7.3%
  •     特例基準割合(前年11月30日の公定歩合+1%)+1%

どちらか低い方

年2.4%

納付期限から2ヶ月超

  • 年利14.6%
  • 特例基準割合+7.3%

どちらか低い方

年8.7%

【参考】

▶「No.9205 延滞税について|国税のお知らせ|国税庁

▶「延滞税の計算方法|申告・納税手続|国税庁

過少申告加算税

申告した納税額を間違えた場合、本来納めるべきでだった税額と申告した納税額の差額分に対して延滞税の他に過少申告加算税が追徴されます。

過少申告税は以下の式で計算してください。

追加で納める税額×年利10%

追加納税額が「期限内に申告した税金」または「50万円」のいずれか多い金額を上回る場合は、「追加納税額-期限内に申告した税金または50万円のいずれか多い金額」に年利15%をかけたものが過少申告加算税になります。

自主申告した場合、過少申告加算税は課されない

もし自主的に納税額の間違いを申告した場合、過少申告加算税は課されず、延滞税だけが課されます。

無申告加算税

期限までに納付が間に合わなかった場合は、納税総額に対して延滞税の他に無申告加算税が課されます。

無申告加算税は、自主的に納税した場合と税務調査によって税金の存在が明らかになった場合で納税額が異なり、計算式は以下の表の通りです。

無申告加算税の計算式

自主的に納税した場合

納税総額×5%

税務調査により提出した場合

納税総額×15%

(納付税額が50万円を超えるは20%、300万円を超える部分は30%)

 

納付期限から1ヶ月以内に自主的に納税した場合、無申告加算税は課されません。

重加算税

相続税として申告するべき相続財産の存在を隠していた場合や仮装していた場合には、延滞税に加えて重加算税が追徴されます。

重加算税は、相続財産を仮装隠ぺいしていた場合で、税務調査によって財産の存在が明らかになった時に課されるものであり、過去に過少申告をしていた場合と申告すらしていなかった場合で税率が異なりますが、計算式は以下の通りです。

重加算税の計算式

過去に過少申告していた場合

追加納付額(仮装隠ぺいした財産に対する相続税)×35%

申告すらしていなかった場合

税金総額×40%

参照:「相続税に課せられる延滞税の計算方法と延滞税への対処方法

追徴税が課されないための対策

では最後に、相続人の方が附帯税を課されないために必要なことを紹介していきます。

延納をする

附帯税が課される方の多くは、納付期限までに納税額の資金調達がができない方でしょう。

もし手持ち資金で納税額に不足がある方は、納付期限までに税務署に延納を申請することで、納税額を数年に分けて分割払いで支払うことができます。

延納の適用条件

延納が適用されるためには以下の要件を満たさなければなりません。

  • 相続税額が10万円を超えている
  • 一括納付することができない状態である
  • 延納税額の総額に当たる担保を提供する
  • 申告期限までに申請する

延納が適用されづらい理由

延納を申請するためには、納付期限までに延納申請書を提出しなければなりません。延納は一般的に許可されることが難しいと言われています。

これは納税者が相続する現金・預金のみならず、自己の現金・預金をもってしても納税できないことを税務署に認めてもらう必要があることと、税務署が認める担保を提供しなければならないためです。

担保は主に有価証券、不動産、保証人の保証などがありますが、延納税額が100万円以下かつ3年以内の分割支払いであれば担保は必要ありません。

物納をする

延納をよっても相続税を納めることが難しい方を対象に、物納が認められます。

物納とは、有価証券や不動産など換金価値のある財産で代わりに相続税を支払うための方法です。

物納の適用条件

物納を適用させるためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 延納によっても相続税の納付が困難である理由がある
  • 国が決めた国内所在の財産(物納適格財産)で物納することができる
  • 申告期限までに申請する

対象財産

また延納の対象財産には優先順位が付けられており、順番に従って物納しなければなりません。

  1. 国債・地方債・不動産・船舶・上場株式

  2. 非上場株式

  3. 動産(絵画・自動車など)

物納の優先順位は上記の通りですが、申請には物納申請書、物納財産目録、納付困難である理由の説明書類が必要です。

税理士へ依頼する

先ほどお伝えした通り、納付期限に合わせて納税しても、納税額が間違っていた場合、附帯税が課されます。

附帯税が課されないためにも納税額は適切に計算するべきですが、専門知識のない方が相続税の計算をするのは難しいでしょう。

適切な納税額を算出するにために税理士に依頼することをオススメします。

相続税に特化した税理士であれば納税額を安く抑えることができるほか、納税額が足りるかどうかについても検討してくれるので、追徴税が課されない上で最適です。

まとめ

相続税の支払い方法についてまとめていきましたが、追加で税金が課されないためにも、支払い方法や支払いの流れは事前に抑えておくべきでしょう。

支払いの手続きに不安がある方は、まずは税理士に相談することをオススメします。

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この記事の監修者
公認会計士・税理士 大橋誠一事務所
大橋誠一(税理士)
国税不服審判所の国税審判官として民間登用され、法人税・所得税・相続税・消費税・加算税の審査請求事件の調査・審理に従事。税務署長・国税局長による課税処分を取り消すか否かの判断を行った経験を有する。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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