これから相続登記を自分でおこなおうと考えている方の中には、このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
相続登記は、基本的なケースであれば自分でも申請が可能です。
ただし、複雑なケースや時間に余裕がない場合などは、専門家への依頼を検討したほうがよいでしょう。
本記事では、相続登記を自分でおこなうための具体的な手順や必要書類、登記申請書の作成方法について詳しく解説します。
記事を最後まで読むことで、自分で相続登記をするための流れや専門家に頼むかどうかの判断ができるようになるはずです。
相続登記を自分でおこなう第一歩は、遺産分割協議を完了させることです。
遺産分割協議とは、相続人全員で相続財産の分割方法について話し合うことです。
有効な遺言書が存在している場合はその遺言書に従って遺産を分けますが、なければ協議によって遺産の分け方を決めなければなりません。
相続人全員が合意したら、その内容を書面化した「遺産分割協議書」を作成し、相続人それぞれが実印を押印します。
そして、遺産分割協議で遺産の分割方法を決めた場合、相続登記の申請時に法務局へ提出しなければなりません。
遺産分割の流れや親族と揉めたときの対処法については、以下の記事を参考にしてください。
次に、自分で相続登記の申請をできそうかどうかを、以下の3つのポイントから判断しましょう。
以下では、自分で対応できるかどうかの判断ポイントについて、それぞれ解説します。
まず、不動産の相続関係が比較的簡単なケースであれば、自分でも相続登記を申請しやすいでしょう。
例えば、相続人が一人しかいない、または相続人が配偶者と子どものみで争いがないといったケースなら、相続関係がシンプルで取得する戸籍も少量で済むため、相続登記の手続きもスムーズに進みます。
しかし、以下に該当する場合は手続きが複雑になる可能性が高いため、自分で相続登記を申請するのは難しいでしょう。
このようなケースでは、専門的な知識が必要になります。
そのため、無理に相続登記を自分でしようとせず、専門家である司法書士への依頼を検討したほうが安心です。
相続登記をおこなう時間があるかどうかも重要な判断ポイントです。
相続登記では、以下のような理由で多くの時間や労力がかかります。
まず、相続登記では、たくさんの戸籍を取得しなければなりません。
そのため、ケースによっては、複数の市区町村役場とのやりとりが発生します。
また、法務局の窓口は平日の日中しか開いていないため、平日働いている人は仕事を休んで時間をつくる必要があるでしょう。
そのほか、書類の作成に手間取る可能性が高い点も、注意したいポイントです。
準備開始から登記完了までに数ヵ月かかってしまうこともあるため、時間に余裕があればよいですが、急いでいるときは専門家に対応を依頼したほうがよいでしょう。
専門家に依頼した場合、費用を支払うだけの対応を期待できるかどうかも、自分で相続登記をすべきかを判断する基準となります。
依頼する事務所や相続人の人数などによっても異なりますが、相続登記を司法書士に依頼すると、平均で7万円程度の費用がかかります。
しかし、自分で手続きした場合にかかるのは、戸籍謄本の取得費用や登録免許税のみです。
実際に、相続登記を自分でおこなった場合にかかる費用について、例を見てみましょう。
例えば、上記のケースなら、相続登記でかかる費用は4万5,000円のみですが、司法書士に依頼すると上記の金額に加えて司法書士報酬が発生します。
そのため、費用をかけてまで相続登記を司法書士に依頼すべきかどうかは慎重に検討すべきでしょう。
判断に迷ったら、日本司法書士連合会が運営する「相続登記相談センター」に相談し、自分でできるか聞いてみるのもおすすめです。
相続登記相談センターについては、以下の記事を参考にしてください。
専門家への依頼を検討したうえで、自分で相続登記を申請すると決めたら、まずは相続登記に必要な書類を用意しましょう。
相続登記の必要書類は、遺産分割協議をする場合と遺言書に従う場合とで以下のように異なります。
【相続手続き別の相続登記の必要書類】
必要書類 |
遺産分割協議をする場合 |
遺言書に従う場合 |
被相続人の戸籍謄本 |
出生から死亡までのものが必要 |
死亡事項記載のものだけでよい場合もある |
被相続人の住民票の除票や戸籍の附票 |
必要 |
必要 |
相続人全員分の戸籍謄本と印鑑証明書 |
必要 |
戸籍謄本:不動産取得者のもののみ必要 印鑑証明書:不要 |
固定資産評価証明書(固定資産課税明細書) |
必要 |
必要 |
不動産取得者の住民票 |
必要 |
必要 |
有効な遺言書があり、遺言書の内容に従って相続をする場合は、それほど多くの書類を求められない傾向にあります。
しかし、遺産分割協議をするときは、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本が必要になるほか、相続人全員戸籍謄本や印鑑証明書も取得しなければならない点に注意しましょう。
ただ、遺産分割協議をしている場合、戸籍関係の書類はすでに手元に揃っているはずなので、手元にあるものをそのまま利用すれば問題ありません。
以下では、必要書類ごとの取得方法やポイントを解説します。
相続登記では、相続の発生と法定相続人を証明するために、被相続人の戸籍謄本や除籍謄本、改製原戸籍謄本が必要です。
なお、遺産分割協議をするかしないかで必要書類が以下の表に異なります。
遺産分協議をする場合 |
出生から死亡までのものが必要 |
遺言書に従う場合 |
死亡事項記載のものだけでよい場合もある |
戸籍の発行手数料は、以下のとおり全国一律で決まっています。
ただし、市区町村によっては、コンビニで安く取得できるところもあります。
戸籍関係は、これまで本籍地の市区町村役場でしか取得できませんでした。
しかし、令和6年3月1日にスタートした「広域交付制度」によって、現在ではほしい戸籍の本籍地がその市区町村以外でも、最寄りの市区町村役場でまとめて取得できるようになっています。
ただし、広域交付制度を利用するには以下の条件を満たさなければなりません。
電子化されていない一部の戸籍・除籍とは、主に平成22年6月26日より前に編成された古い形式のものを指します。
広域交付制度で取得できないものについては、従来通り、本籍地の市区町村役場や地区市民センターなどで直接取得するか、郵送で請求しなければなりません。
相続登記手続きでは、被相続人の住民票の除票や、戸籍の附票も必要です。
どちらも被相続人の最後の住所を証明する重要な書類ですが、取得できる場所が異なります。
戸籍とは異なり、住民票の除票や戸籍の附票の発行手数料は市区町村によって差があります。
また、戸籍の附票の取得については広域交付制度の対象外です。
そのため、本籍地の市区町村役場や地区市民センターなどで取得する必要がある点に注意しましょう。
遺産分割協議をおこなったうえで相続登記をする場合、相続人全員分の戸籍謄本と印鑑証明が必要です。
戸籍謄本を求められる理由は、被相続人が亡くなった時点で相続人が生きていることを証明するためです。
ただし、被相続人の死亡事項が記載された戸籍謄本の中で生存が確認できる相続人については、別途戸籍謄本を取得する必要はありません。
また、印鑑証明書については、遺産分割協議書に押印する実印の証明として求められるので、必ず相続人全員分を用意してください。
そのほか、相続放棄した相続人がいるときは、家庭裁判所から送られてきた相続放棄申述受理通知書を添付するか、家庭裁判所で相続放棄申述受理証明書を発行してもらう必要があります。
なお、遺言書の内容に従って相続をする場合、印鑑証明書は不要です。
戸籍謄本も不動産取得者の分のみ取得すれば問題ありません。
相続登記手続きでは、最新の固定資産評価証明書が必要です。
固定資産評価証明書とは、不動産の評価額を証明する書類で、相続登記を申請する際にかかる登録免許税の計算に使用します。
固定資産評価証明書は、不動産所在地を管轄する市区町村役場の税務課や資産税課で取得でき、1通300円〜400円程度の発行手数料がかかります。
固定資産税の納税通知書と一緒に送られてくる「固定資産課税明細書」で代用できる場合もありますが、中には固定資産評価証明書を求めてくる法務局もあるため、戸籍や住民票を取得するついでに発行しておくとよいでしょう。
なお、登録免許税は以下の方法で計算します。
登録免許税=固定資産評価額×0.4% ※千円未満は切り捨て ※最低税額は1,000円 |
また、登録免許税の納付方法としては主に以下の3つがあるので、利用しやすい方法を選ぶとよいでしょう。
相続登記手続きでは、遺産分割協議をする場合でも遺言書に従って相続する場合でも、不動産取得者の住民票が必要です。
これは、不動産を取得する人の現住所を証明するためです。
ただし、相続人でも不動産を取得しない人の住民票は必要ありません。
住民票は、本人が居住している市区町村役場や地区市民センターで取得できます。
市区町村によって異なりますが、1通200円〜400円程度の発行手数料がかかるので、お金を用意しておきましょう。
ここでの注意点は、マイナンバーが記載されていない住民票を請求する必要がある点です。
多くの場合、請求時にマイナンバーを記載するかどうか聞かれるため、記載していないものを取得するようにしましょう。
なお、住民票は世帯全員のものでも不動産取得者個人のものでもどちらでも問題なく、住民票の代わりに戸籍の附票を添付しても構いません。
法務局に提出する書類が用意できたら、以下の流れで登記申請書を入手・作成します。
登記申請書は、法務局が定めた様式に沿って記入していく必要があります。以下で順番に見ていきましょう。
登記申請書は、法務局のホームページから無料でダウンロードできます。
法定相続・遺産分割・公正証書などさまざまなパターンが用意されているため、自分のケースに合うものを選んでA4サイズで印刷しましょう。
作成方法は手書きでもパソコンでも構いません。
手書きで作成するときは黒または青のボールペンを使用し、摩擦や熱で消えるフリクションボールペンや鉛筆などは使用しないようにしましょう。
なお、ホームページからダウンロードする以外に、法務局の窓口で申請用紙をもらう方法もあります。
登記申請書を入手できたら、まずは「原因」を記載します。
原因部分には相続が開始した日、つまり被相続人が亡くなった日を記入します。
戸籍謄本や住民票の除票、死亡診断書などを確認し、正確な日付を記入しましょう。
「令和 年 月 日相続」というように、様式には日付以外の部分がはじめから印字されているため、日付だけ入れれば問題ありません。
なお、原因部分に記載する日付は非常に重要な日付です。
ミスをすると申請が却下されてしまう場合があるため、間違えないようにしましょう。
相続人部分には、まず被相続人の名前を記入します。
様式に(被相続人)と印字されているため、空欄に亡くなった方の名前を記入しましょう。
その下に不動産を相続する人の住所・氏名を記載し、末尾に押印します。
使用する印鑑は、認印で問題ありません。
複数人が共同で相続する場合は、それぞれの持分を名前の前に記載します。
様式に印字されている表には、以下の3つを記入しましょう。
なお、メールアドレスは誰かと共有しているものではなく、本人のみが使用しているものを記載する必要があります。
さらに、表の下には連絡先の電話番号を記載するスペースが設けられているため、平日の日中でもつながる番号を記載しておきましょう。
提出した書類に不備があるときや確認事項がある場合、こちらに記載した番号に登記官から連絡が入ります。
提出書類を少しでも減らしたいときは、住所の下に住民票コードを記載するとよいでしょう。
住民票コードを記載することで、相続人の住民票を提出する必要がなくなります。
住民票コードとは、住民基本台帳に記載されている11桁の番号のことで、住民票を請求する際に住民票コードを記載してもらうよう伝えると、住民票に表示してもらえます。
次に、申請日と申請先を記入しましょう。
申請先は、不動産の所在地を管轄する法務局です。
申請先を間違えた場合は正しい申請先に書類を転送してもらえますが、その分手続きが遅れるので注意しましょう。
管轄の法務局は、以下のリンクから確認してください。
次に、課税価格を記入します。
課税価格とは、固定資産評価証明書に記載された不動産の評価額のことです。
不動産が複数ある場合は全て合算し、円単位まで正確に転記します。
ここで記入する課税価格は、登録免許税を計算する際の基準になるため、勝手に変更してはいけません。
課税価格をミスすると登録免許税の計算にも影響するため、慎重に記載するようにしましょう。
課税価格の下には、登録免許税を記入します。
登録免許税は、以下の方法で計算してください。
課税価格×0.4% |
100円未満の端数があるときは切り捨て、計算した結果1,000円未満になった場合は1,000円と記載します。
なお、土地の価額が100万円以下、もしくは相続で土地を取得した被相続人が相続登記をしないまま死亡したなどで登録免許税が免税になる場合、金額を記載する必要はありません。
ただし、以下のように免税の根拠になる法令を明記する必要があります。
記載がないと、免税措置が適用されないので注意しましょう。
また、登録免許税の計算ミスは、申請を却下される原因になり得ます。何度か電卓で計算し、ミスがないようにしましょう。
最後に、相続登記をする不動産の情報を記入します。
土地 |
・不動産番号 ・所在 ・地番 ・地目 ・地積 |
建物 |
・不動産番号 ・所在 ・ 家屋番号 ・種類 ・構造 ・床面積 |
上記の情報は、登記事項証明書に記載されているとおりに記載することが重要です。
例えば、「一丁目2番3号」を「1-2-3」などと省略して記載してはいけません。
不動産が複数ある場合は、不動産ごとに申請書を作成するか、ひとつの申請書に全ての不動産を記載します。
なお、不動産の数が多く、申請書が何枚かにわたるときは、各用紙のつづり目に契印が必要です。
相続する人が複数人いるなら、そのうちひとりが契印を押せば問題ありません。
登記申請書が完成したら、収入印紙台紙や相続関係説明図を作成します。
ここでは、収入印紙台紙や相続関係説明図の作成方法について見ていきましょう。
まず、登録免許税額分の収入印紙を購入し、収入印紙台紙となるA4サイズの紙に貼り付けます。
収入印紙台紙は、法務局の窓口に申し出れば専用の用紙を無料でもらえますが、通常のコピー用紙を使用しても構いません。
収入印紙は、以下の場所で購入できます。
なお、貼り付けた収入印紙に割印は不要です。
誤って割印してしまった場合は法務局にその旨を報告し、指示を仰ぎましょう。
次に、必要に応じて相続関係説明図を作成しましょう。
相続関係説明図とは、被相続人とその相続人の関係性を家系図のような形式で表した図面です。
相続関係説明図を作成するメリットには、以下のものがあります。
相続関係説明図は、集めた戸籍謄本をもとに作成します。
記載すべき内容は以下のとおりです。
上記の情報を線で結び、家系図のような形式にします。
相続関係説明図の作成方法には厳格なルールが存在せず、手書きで作成してもパソコンで作成しても問題ありません。
ただし、手書きでは見づらくなりやすいため、できればパソコンで作成したほうがよいでしょう。
そのほか、相続関係説明図を作成するためのツールを活用するのもおすすめです。
難しければ弁護士や司法書士、行政書士などの専門家に相談し、アドバイスをもらう方法もあります。
登記申請書が作成できたら、紙に印刷して、必要書類と一緒に綴じます。
手順は以下のとおりです。
なお、原本還付請求できるのは、以下のような書類です。
おすすめは、申請書類の控えを作っておくことです。
申請後、不備や確認事項があったときは申請書に記載した連絡先に登記官から連絡が入るため、資料が手元にあったほうがスムーズでしょう。
申請書類が準備できたら、不動産所在地を管轄する法務局に提出します。
管轄外の法務局には申請できないので注意しましょう。
被相続人が複数の管轄区域に不動産を有していた場合は、それぞれの法務局に申請する必要があります。
なお、申請方法には以下の3つの方法があるので、利用しやすい方法を選んでください。
ただし、自分で申請するなら、窓口申請か郵送申請がよいでしょう。
オンライン申請はオンライン申請システムへの登録が必要であり、業務で使用する専門家でない限りかえって手間や時間がかかる可能性があります。
なお、相続登記を自分でおこなう際に一番おすすめなのは窓口申請です。
申請する際に申請書類に関して質問でき、その場で間違いを修正できるためです。
また、窓口で申請すると、通常は登記完了の目安となる日付を教えてもらえます。
登記が完了したら、法務局から登記識別情報通知や登記完了証が発行され、原本還付請求した書類が返却されます。
登記識別情報通知とは、登記完了後に法務局から発行される重要書類のことで、不動産ごとに作成されます。登記完了証とは、登記が完了したことを証明する書類です。
登記識別情報通知は、不動産を売却するときや担保設定をする際に必要になるので、厳重に保管しておきましょう。
また、登記完了から3ヵ月を過ぎると受領できなくなってしまう点にも要注意です。
申請から完了までは、補正の有無や法務局の混み具合などによって異なりますが1週間〜10日程度かかるのが一般的です。
完了しても連絡は来ないため、完了したかどうか気になるときは電話で確認するとよいでしょう。
なお、これらの書類を窓口で受け取る際は、以下の2つを持参してください。
書類の受け取りを郵送にした場合は、完了次第発送されます。
相続登記は自分でもできる手続きですが、以下のように間違いやすいポイントもあります。
手続きに慣れていない方が自分で申請する場合、どうしてもミスが発生してしまうこともあるでしょう。
そのため、申請前には法務局の無料相談窓口で書類チェックを受けることをおすすめします。
なお、ここでは自分で相続登記をする際によくある間違いについて、それぞれ対処法とともに紹介します。
登録免許税の金額間違いは、相続登記申請が却下される主な理由のひとつです。
とくに、登録免許税は固定資産評価額に0.4%をかけて算出しますが、その際に端数処理や最低税額の適用を見落としてしまうケースが多いです。
また、相続する不動産が複数あるときに、課税価格を合算し忘れたり、単純に計算ミスをしたりすることもあるでしょう。
登録免許税が不足していると、申請は受理されません。
むしろ、追加納付の手続きが必要になるため、通常よりも手間がかかってしまいます。
反対に、多く納付してしまったときは還付請求をおこなえますが、こちらも無駄な手続きが発生してしまうため、はじめからミスがないよう注意すべきでしょう。
相続登記手続きでよくある間違いとして、被相続人や相続人の戸籍謄本が不足しているケースも考えられます。
有効な遺言書があり、遺言書の内容に従って相続するときは少ない戸籍で申請できることもありますが、基本的に相続登記には被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式や相続人全員の戸籍謄本が必要です。
しかし、中には結婚・離婚を繰り返していたり何度も本籍地を変える「転籍」をしていたりする場合もあり、取得漏れが起こってしまう可能性があります。
書類が足りないだけであれば追加で請求すればよいですが、相続人を漏らしていた場合、その状態でおこなった遺産分割協議は無効になり、遺産の分割方法を決めることからやり直さなければなりません。
そのため、相続関係が複雑なケースは専門家の力を借りたほうが無難でしょう。
相続登記手続きにおいて、被相続人の死亡時の住所と登記簿上の住所が異なることもよくある間違いのひとつです。
このようなケースでは、登記簿上の住所から死亡時の住所へのつながりを証明できる書類を添付する必要がありますが、自分で相続登記を申請する場合、住所が異なることに気づけない可能性があります。
被相続人の住民票の除票に、登記簿上の住所が前住所として記載されていれば問題ありませんが、記載されていなければ、戸籍の附票を取得しましょう。
死亡時の住所と登記簿上の住所がつながらず、申請が却下されることを避けるためには、登記申請前に登記簿謄本(登記事項証明書)で登記簿上の住所を確認することが大切です。
なお、戸籍の附票を取得しても住所がつながらない場合は、手続きが複雑になる可能性が考えられるため司法書士への相談をおすすめします。
本記事では、相続登記を自分でおこなうための方法について解説しました。
相続登記は、簡単なケースであれば自分でもおこなえます。
ただし、相続人が多い、相続関係が複雑というように、手続きに慣れていない人が自分でおこなうにはハードルが高いケースもあるため、まずは自分で対応できそうかどうかの判断が必要です。
相続人が一人だけ、もしくは配偶者と子どもだけといった比較的簡単なケースや、時間や労力に余裕がある場合は自分で対応してみてもよいでしょう。
自力での申請が難しいときは、日本司法書士連合会が運営する「相続登記相談センター」や直接司法書士事務所に相談することも検討してみてください。
そのほか、法務局に相談するのもおすすめです。
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