私が相続分野に力を入れている理由
様々な方々と公私にわたって交流をする中で、元々仲の良かった家族や親戚が、お金の問題をきっかけにバラバラになってしまうのを目のあたりにする事が多くなり、こういった問題を穏便に解決することは出来ないのか、未然に防ぐことは出来ないのかと考えたことが相続分野に力を入れ始めたきっかけです。
未だ世間では、生前にお金や相続に関する話題を出すことがタブーとされる風潮がありますが、私はこの風潮を少しずつ変えていけたらと思っています。これからは皆さまにとって相続の前に話し合いをするのが当たり前になったり、関係を維持しながら問題を解決するお手伝いが出来たらと思っております。
ご相談時に心がけていること
まずは、ご相談者の方が何に重きを置いているのか、会話を通じて見極めるようにしています。法定相続分をもらえればそれで満足なのか、財産的な価値を多く受け取りたいのか、特定の財産を取得したいのか、人によって要望は様々です。そして、それに優先順位をつけます。
相談の時点で、ほとんどのケースでは「あの人は〇〇だと言っていた」など、当事者の会話や言い争いに関する説明が出てきます。私はそれに対して、「あの人はどうしてそんなことを言うと思いますか?」と相手の考えを想像するように促しています。相手の目的は何なのか、それをご相談者さん本人が理解することで、冷静になってきますし、その後のプランが立てやすくなるからです。
また、相手の発言を踏まえた上で、こちらが譲れないポイントや理由もお聞きしています。譲れるポイントと譲れないポイントを見極めることは交渉において非常に重要だからです。基本的には、自分の胸に手を当てて素直にお話をしていただくのがとても大事だと考えています。
事件解決において重要なこと
実際には、ご相談者の方が悩まれていた問題が話し合いで解決することも珍しくありません。相手方と話をする際も、ご相談者の味方という部分は一度切り離して、相手方の主張の中で不当な部分、修正しなければならない要素に関しては、法的な見解も交えながら客観的にご説明していきます。
それに併せて、「調停や裁判になったらどうなるか」も理解してもらうことが重要です。2つの側面から冷静に説明したあと、相手方が不満に思っていることなどもきちんとお聞きすることで、意地になっていた相手方の態度も次第に軟化していきます。ご相談者の方だけでなく、相手の発言や気持ちを理解しようとする姿勢は問題の早期解決のために非常に重要です。
過去の印象に残っている事件
ニッチな内容になりますが、相続放棄に関する事件です。ご相談者の方は、被相続人である母親と疎遠になっており、母が亡くなったことを人づてに知りました。その時点で、相続放棄が可能である3ヶ月という期間を過ぎていたのですが、母親が多くの借金を抱えていることが発覚。
なんとか相続放棄をするため、相続の起算日をずらせるように行動を起こしました。母親との離別後は兄弟とも関わりがなく、母が亡くなったことを知る由がないことを証明する証拠を集めたり、ご相談者の方の幼少期のエピソードを掘り起こしたりすることで、なんとか起算日をずらし、相続放棄をすることが出来ました。
相続問題で悩まれている方にお伝えしたいこと
早かれ、遅かれ相続は起こりますが、抽象的でも不安に感じた時点でご相談に来ていただきたいと思います。将来的にどうなっても焦らないように対策が出来ますし、頭の整理のために私を頼っていただいても構いません。
また、感情の整理を1人で行うのは難しいと思います。そういった点も含めて、弁護士と話すことで気持ちが軽くなり、スッキリすることもありますので、是非お気軽にご利用してください。