ベンナビ相続 > 相続コラム > 相続手続き > 遺産相続とは?手続きの流れやトラブル例・注意点をわかりやすく解説
更新日:

遺産相続とは?手続きの流れやトラブル例・注意点をわかりやすく解説

遺産相続とは?手続きの流れやトラブル例・注意点をわかりやすく解説
ベンナビ

遺産相続は、亡くなった人の財産を残された家族などが引き継ぐ手続きです。

不動産などの大きな財産がある場合は、相続人同士で揉めてしまったり、税金の支払い期限に追われたり、予期せぬトラブルが起きるケースも少なくありません。

そのため、誰がどれだけ受け取るのか、何が相続の対象になるのかなど、法律上のルールを正しく理解しておくことが重要です。

本記事では、法定相続人・相続財産の範囲や遺産相続に伴う手続きの種類、遺産を相続したくないときの対処法などを解説します。

よくあるトラブル事例や遺産相続に関連する制度なども詳しくまとめているので、ぜひ最後まで目を通してみてください。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ相続で
遺産相続が得意な弁護士を探す
目次

遺産相続とは被相続人の権利・義務を引き継ぐこと

遺産相続とは、相続人(残された家族など)が被相続人(亡くなった人)の権利・義務を引き継ぐ手続きのことです。

誰がどの程度の財産を相続するのかに関しては、法律で基本となるルールが定められています。

ただし、相続人が遺言で指定されていたり、相続人同士の話し合いで柔軟な遺産分割がおこなわれたり、実際の相続方法はさまざまです。

相続が発生したときには、財産の種類や相続人同士の関係性、遺言の有無などを考慮したうえで、一つひとつの手続きを慎重に進めていく必要があります。

遺産相続における法定相続人とは?

遺産を相続する法的な権利を持つ人を法定相続人といいます。

まずは、民法で定められた法定相続人の範囲を詳しくみていきましょう。

法定相続人の範囲と相続順位

誰が法定相続人になるかは、被相続人との関係性によって決まります。

まず、配偶者は常に法定相続人です。

配偶者以外の親族には順位があり、上位の人がいない場合にのみ、次順位の人が相続人となります。

相続順位 対象者
第1順位 子(子が死亡している場合は孫)
第2順位 父母(父母が死亡している場合は祖父母)
第3順位 兄弟姉妹(兄弟姉妹が死亡している場合は甥姪)

例えば、被相続人に配偶者と子どもがいる場合は、配偶者と子どもが法定相続人となり、親や兄弟姉妹は原則として相続できません。

配偶者がいない場合は、順位の高い人物だけが相続人になります。

なお、「配偶者」は法律上の婚姻関係にある人物でなければならず、事実婚や内縁関係のパートナーは法定相続人にはなりません。

一方、「子」には、婚姻関係にない男女の間に生まれた非嫡出子や養子も含まれます。

法定相続人の相続割合

法定相続人の相続割合も、民法で次のとおり定められています。

組み合わせ 配偶者 父母 兄弟姉妹・甥姪
配偶者のみ 100% - - -
配偶者+子 1/2 1/2 - -
子のみ - 100% - -
配偶者+直系尊属(父母・祖父母) 2/3 - 1/3 -
直系尊属(父母・祖父母)のみ - - 100% -
配偶者+兄弟姉妹 3/4 - - 1/4
兄弟姉妹のみ - - - 100%

例えば、900万円の遺産を配偶者と子どもで分けるのなら450万円ずつ、配偶者と父母で分けるのなら600万円と300万円がそれぞれの相続分です。

なお、法定相続分はあくまで目安であり、遺産分割協議で相続人全員が合意すれば、自由に割合を決めることができます。

相続人を確定させる際に悩みやすいケース

家族構成によっては、誰が相続人になるのか判断が難しいケースがあります。

特に注意が必要な2つのパターンについて解説します。

相続人が死亡している場合|代襲相続が発生する

本来相続人になるはずだった「子」や「兄弟姉妹」が亡くなっている場合は、代襲相続により、その子どもが相続権を引き継ぎます

つまり、「子」が亡くなっている場合は「孫」、「兄弟姉妹」が亡くなっている場合は「甥姪」が相続権を引き継ぐことになります。

子や孫のあとは、「ひ孫」「やしゃご」と制限なく相続権が引き継がれますが、兄弟姉妹の代襲相続は甥姪までの一代限りです。

相続人が未成年である場合|代理人を立てる

18歳未満の未成年でも、成人と同じように法定相続人になることができます。

しかし、未成年は単独で遺産分割協議などの法律行為をおこなうことができないため、代理人を立てなくてはいけません

通常は親(親権者)が代理人です。

しかし親子で相続人になっている場合は、親が自身の利益を優先する利益相反が起こる可能性があります。

そのため、未成年者が不利にならないよう、家庭裁判所に申し立てて特別代理人を選任しなければなりません。

特別代理人が未成年者の代わりに遺産分割協議に参加し、公正な遺産分割を主張します。

遺産相続は遺言書の有無で手続きの進め方が大きく変わる

遺産相続は、遺言書の有無で手続きの進め方が大きく変わります。

遺言書がある場合と遺言書がない場合に分けて、遺産相続の流れを詳しくみていきましょう。

遺言書がある場合|原則として遺言書どおりに遺産を分ける

遺言書があった場合は、遺言書どおりに遺産を分けるのが原則です。

ただし、相続人全員の同意があった場合は、遺言書の内容に従わずに、遺産分割協議で自由に分割割合を決めることも可能です。

なお、遺言書には、自筆証書遺言・秘密証書遺言・公正証書遺言の3種類があります。

  作成方法 保管方法 裁判所の検認
自筆証書遺言 遺言者本人が作成 本人が保管 必要
秘密証書遺言 遺言者本人が作成(内容は秘密にして、公証人が遺言書の存在のみを証明) 本人が保管 必要
公正証書遺言 遺言者の口述をもとに法律の専門家である公証人が作成 公証役場で保管 不要

自筆証書遺言と秘密証書遺言が見つかった場合には、偽造や変造を防ぐための検認手続きを受ける必要があります。

なお、法務局の保管制度を利用した自筆証書遺言の場合には、裁判所の検認は不要となります。

遺言書がない場合|遺産分割協議で遺産の分け方を決める

遺言書がない場合は、遺産分割協議で誰が何を相続するかを決めます

相続人全員が納得できるのであれば、法定相続分に従う必要もありません。

遺産分割協議で話し合いがまとまったら、合意内容を遺産分割協議書にまとめておきましょう。

遺産分割協議書は、預貯金の解約・名義変更や不動産登記などの手続きで提出を求められます。

ただし、相続人全員が参加していない遺産分割協議は無効となる点に注意してください。

法定相続人の中に行方不明者がいる場合は、以下のような対応が考えられます。

手続き 内容
不在者財産管理人選任の申立て 不在者財産管理人を裁判所に選任し、不在者が現れるまで財産を管理してもらう。
失踪宣告 不在者を法律上死亡したものとしてみなす制度。死亡者はいないものとして遺産相続をおこなう。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ相続で
遺産相続が得意な弁護士を探す

遺産相続の対象になる財産とは?

財産にはさまざま種類があり、全てが相続の対象になるわけではありません。

ここでは、遺産相続の対象になる財産と対象にならない財産を解説します。

遺産相続の対象になる財産

被相続人が所有していた財産のほとんどは遺産相続の対象になります。

ただし、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も引き継がれる点に注意しておきましょう。

プラスの財産
相続財産の種類 内容
現金・有価証券 現金
預貯金
株券
貸付金
売掛金
小切手 など
動産 自動車
家財
船舶
骨董品
宝石
貴金属
美術品 など
不動産その他関連する権利 宅地
農地
建物
店舗
居宅
宅地権
借家権 など
その他 電話加入権
ゴルフ加入権
著作権
慰謝料請求権 など
マイナスの財産
相続財産の種類 内容
負債 借金
ローン
買掛金
未払の税金(住民税、所得税など)
未払いの家賃
未払いの地代
未払いの医療費 など

なお、住宅ローンも遺産相続の対象ですが、団体信用生命保険に加入していた場合はローン残高が全額弁済されるので安心してください。

遺産相続の対象にならない財産

遺産相続の対象にならない財産は、主に「一身専属権」「祭祀財産」「受取人の固有財産」の3種類です。

一身専属権 代理権
使用貸借における借主の地位
雇用契約上の地位
組合員の地位
扶養請求権
生活保護受給権
親権 など
祭祀財産 祭祀を営むための系譜(家系図)
祭具(仏壇・位牌など)
墳墓(墓地・墓石)など
受取人の固有財産 生命保険金
遺族年金
死亡退職金

なお、生命保険金・死亡退職金はみなし相続財産として扱われ、相続税の課税対象になる点に注意が必要です。

遺産を相続するかどうかは相続人の意思で決定できる

相続人は必ずしも全ての遺産を相続する必要はなく、一定の条件のもとで部分的に相続したり、一切の相続を拒否したりすることもできます。

ここでは、単純承認・限定承認・相続放棄の3つの方法について解説します。

  単純承認 限定承認 相続放棄
内容 財産も借金も全て引き継ぐ 相続したプラスの財産の範囲内でのみ、マイナスの財産を引き継ぐ プラスの財産もマイナスの財産も一切引き継がない
手続き 不要 必要(家庭裁判所へ申述) 必要(家庭裁判所へ申述)
期限 なし 相続を知ってから3ヵ月以内 相続を知ってから3ヵ月以内
相続人の同意 1人で決められる 相続人全員の同意が必要 1人で決められる

単純承認|プラスの財産もマイナス財産も全て引き継ぐ

単純承認は、最も一般的な相続方法です。

預貯金などのプラス財産も、借金などのマイナス財産も全て引き継ぎます

単純承認するのに、特別な手続きは不要です。

相続開始を知ったときから3ヵ月間の熟慮期間に、ほかの相続方法を選択しなければ、自動的に単純承認したものとみなされます。

なお、遺産を一部でも処分したり、使ったりした場合も単純承認とみなされる点に注意してください。

限定承認|プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐ

限定承認とは、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続する方法です。

例えば、不動産の評価額が1,000万、借金が5,000万円だった場合に限定承認すると、プラスの相続財産の範囲内のみ(1000万円)で債務を弁済し、これを超える部分(4000万円部分)は負担しません。

どうしても相続したい財産があるけれど負債が大きい場合や、借金がどれだけあるか不明確な場合などに有効な手段です。

なお、限定承認をする場合は相続人全員の合意が必要になるうえ、3ヶ月以内に家庭裁判所へ申し立てなければなりません。

相続放棄|一切の財産を引き継がない

相続放棄とは、遺産相続の一切を放棄することです。

相続放棄した相続人は「最初から相続人ではなかった」という扱いになるため、プラスの財産もマイナスの負債も相続しません。

明らかに借金のほうが多い場合や、遺産争いに関わりたくない場合に適した方法です。

相続放棄する際は、相続開始を知ったときから3ヵ月以内に、家庭裁判所で手続きをおこなう必要があります。

ほかの相続人の同意は不要ですが、一度受理されると原則として撤回できません。

また、相続放棄をすると、次順位の相続人に相続権が移行する点にも注意してください。

遺産相続で相続税が発生するのはいくらから?

遺産相続をしたからといって、必ずしも全員に相続税がかかるわけではありません。

遺産総額が基礎控除額を超えた場合にのみ、申告と納税が必要です。

基礎控除額=3,000万円+(600万円 × 法定相続人の数)

例えば、相続人が妻と子2人の計3人の場合は、基礎控除額は「3,000万円+(600万円 × 3人)= 4,800万円」です。

遺産総額が4,800万円以下であれば相続税が発生せず、税務署への申告も不要です。反対に遺産総額が4,800万円を超えた場合は、超えた金額に対して相続税が発生し、納税と申告をしなくてはいけません。

基礎控除額の枠は大きいため、実際に相続税が発生するケースはそれほど多くないでしょう。

【期限別】遺産相続に関する手続き一覧

遺産相続には多くの手続きがあり、それぞれに期限が設けられています。

期限を過ぎると不利益を被る可能性もあるため、あらかじめ全体の流れを把握しておきましょう。

被相続人の死亡から7日以内に必要な手続き

被相続人が死亡した際は、まず医師から死亡診断書・死体検案書を受け取ってください。

その後、7日以内に市区町村役場に死亡届・埋火葬許可申請書を提出する必要があります。

多くの場合、葬儀社が代行してくれますが、届出人の署名などは親族がおこなわなければなりません。

被相続人の死亡から14日以内に必要な手続き

葬儀などが一段落したら、死亡から14日以内を目安に以下の手続きをおこなってください。

  手続きが必要になるケース 手続きの内容
世帯主変更の手続き 世帯主が亡くなった場合 世帯主変更届を役所に提出する
国民健康保険の返却 国民健康保険加入者が亡くなった場合 国民健康保険証を役所に返却する
介護保険の資格喪失手続き 65 歳以上または40歳~64歳の医療保険加入者が亡くなった場合 被保険者証を役所に返却する
年金受給停止の手続き 年金受給者が亡くなった場合 年金事務所に受給権者死亡届を提出する(厚生年金は死亡後10日以内が期限)

被相続人の死亡から3カ月以内に必要な手続き

被相続人の死亡後3ヵ月間に、限定承認または相続放棄をおこなうかどうかを決めなければなりません

手続きしないまま3ヵ月間の熟慮期間が過ぎてしまうと、単純承認したものとみなされます。

限定承認・相続放棄に踏み切る場合は、被相続人が最後に住んでいた居住地を管轄する家庭裁判所に申立てをおこなってください。

なお、遺産の調査に時間がかかる場合など、どうしても3ヵ月以内に行えないというときには、家庭裁判所に熟慮期間の延長を申し立てましょう。

正当な理由があると認められた場合は、1ヵ月~3ヵ月程度、期限を延ばしてもらえる可能性があります。

限定承認・相続放棄に関する手続きの流れは、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

被相続人の死亡から4カ月以内に必要な手続き

被相続人が死亡した場合は、相続開始を知った日から4ヵ月以内に準確定申告を済ませなければなりません

準確定申告とは、被相続人が生前に得ていた所得に関する確定申告のことです。

次のような場合は、被相続人に代わって相続人が準確定申告をおこなう必要があります。

準確定申告が必要なケース
  • 事業所得・不動産所得を得ていた場合
  • 公的年金の収入が400万円以上あった場合
  • 給与が2,000万円以上あった場合
  • 給与や退職金以外で20万円以上の収入があった場合 など

準確定申告の申告先は、被相続人の住所を管轄する税務署です。

申告が遅れると、延滞税や無申告加算税などが課されるので、早めに処理しておきましょう。

被相続人の死亡から10カ月以内に必要な手続き

相続税がかかる場合は、被相続人の死亡から10カ月以内に申告・納税をおこなう必要があります。

申告書を作成し、税務署に提出してください。

申告・納税を怠った場合は、延滞税や無申告課税を支払わなければならないため、必ず期限内におこないましょう。

しかし、相続税の申告手続きは複雑で、個人での対応が難しいこともあります。

特に不動産が相続財産に含まれる場合は難易度が高くなりやすいので、税理士などの専門家に依頼するようにしてください。

期限の定めがない手続き

以下の手続きも期限はありませんが、放置すると後々トラブルの原因となります。

  • 預貯金の解約・名義変更
  • 公共料金の解約・名義変更
  • 株式・自動車等の名義変更

また、かつて不動産登記は任意でしたが、法改正により「所有権の取得を知ってから3年以内」の申請が義務化されました。

遺産分割協議が終わり次第、速やかに手続きを進めてください。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ相続で
遺産相続が得意な弁護士を探す

遺産相続でよくあるトラブル事例と解決方法

遺産相続を円滑に進めるためには、あらかじめトラブルを想定し、心構えをしておくことも大切です。

以下では、遺産相続でよくあるトラブル事例と解決方法を解説するので参考にしてください。

遺産の分け方で意見が対立する

よくあるトラブルのひとつが、遺産の分け方で意見が対立するケースです。

主たる遺産が不動産で現金が少ない場合は、物理的な分配が難しいのでトラブルになる傾向があります。

例えば、「実家を誰が継ぐか」「家を売るのか、残すのか」といった点で意見が割れます。

話し合いでの解決が基本ですが、合意できない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停を利用するのもよいでしょう。

裁判官や調停委員に介入してもらうことで、冷静な話し合いが期待できます。

遺言書の内容に納得できない相続人がいる

遺言書が原因で、相続人同士の争いが起きることも珍しくありません。

例えば、遺言書の形式不備が指摘されるケースです。

遺言者が自筆していない場合や、日付・署名が漏れている場合などは遺言書が無効になります。

そのため、遺言書の内容に納得できない相続人が、形式不備を理由に無効を主張することがあります

また、遺言者が認知症を患っていた場合なども、遺言能力がなかったとして有効性が争われるおそれがあります。

遺言書の有効性を判断するには法的な知識が求められるので、まずは弁護士に相談しましょう。

生前贈与による不公平感が生じている

生前贈与がおこなわれていた場合も不公平感が生じ、トラブルになりやすいといえます。

「兄だけが家の建築資金を出してもらった」など、特定の相続人が生前に特別な利益を得ていたケースです。

生前贈与は特別受益として扱い、相続財産に持ち戻して計算し直すことができます。

  • 遺産:5,000万円
  • 相続人:兄・弟
  • 生前贈与:兄に1,000万円

例えば上記の場合、生前贈与は持ち戻しが発生するため、相続財産は計6,000万円です。

法定相続分に則ると、兄と弟それぞれの相続分は3,000万円ずつ。

しかし兄はすでに生前贈与として1,000万円を受け取っているため、実際には5,000万円を兄2,000万円、弟3,000万円で分けます。

ただし、通常の扶養義務の範囲内でおこなわれた贈与などは、特別受益の対象外です。

対象となる生前贈与は以下の記事で確認できるので、参考にしてください。

連絡の取れない相続人がいる

相続人の中に行方不明者や長年音信不通の人がいると、遺産分割協議が成立せず、手続きがストップしてしまいます。

遺産分割協議は相続人全員の参加が原則なので、一部の相続人を勝手に除外して進めることはできません。

連絡の取れない相続人がいる場合は、家庭裁判所に申し立てて不在者財産管理人を選任してもらいましょう。

一般的には弁護士が選任され、不在者の代わりに遺産分割協議に参加するため、迅速に遺産分割を進められます。

相続税の支払いが負担になる

相続税の支払いが負担となることが原因で、相続人同士の争いが起きることもあります。

典型的なパターンは、遺産のほとんどを不動産が占め、相続した人が納税資金を自分で工面しなければならないケースです。

誰も不動産を相続したがらなかったり、売却するかどうかで揉めたりして、遺産分割協議がまとまらないおそれがあります。

相続税は現金一括納付が原則ですが、どうしても困難な場合は、分割払いで収める「延納」や、相続した財産そのもので納める「物納」が認められることもあります。

ただし、要件は厳しいため、まずは弁護士などの専門家に相談してください。

遺産相続トラブルを弁護士に相談するメリット

弁護士に対しては、遺産相続に関するトラブルへの対応を全般的に任せることができます

司法書士や行政書士に依頼する場合と比べても、対応範囲は大きく異なります。

依頼できる内容 弁護士 司法書士 行政書士
相続財産調査
戸籍収集
不動産の名義変更 ×
相続放棄
遺産分割協議書作成
遺産分割トラブル対応 × ×

なにより、遺産分割協議に介入してもらえることは大きなメリットです。

相続人同士の対立は、精神的にも大きな負担がかかります。

また、生前の使い込みや遺留分の侵害などがある場合は、不平等な遺産分割になりかねません。

弁護士に相談すれば法的な観点に基づくアドバイスを受けられるほか、自身の代理人として遺産分割協議に参加してもらうことも可能です。

遺産相続が得意な弁護士はベンナビ相続で簡単に探せる

遺産相続に関して弁護士に相談する際は、ベンナビ相続の利用をおすすめします。

ベンナビ相続は、遺産相続トラブルの解決を得意とする弁護士が多数掲載されたポータルサイトです。

地域や相談内容を絞って検索できるので、自身の希望に合った弁護士を簡単に見つけられます。

また、「初回の面談相談無料」「休日相談可能」などの検索条件を設定することも可能です。

ベンナビ相続は24時間いつでも無料で利用できるので、弁護士のサポートを必要としている方は有効に活用してください。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ相続で
遺産相続が得意な弁護士を探す

遺産相続に関して知っておくべき主な制度

ここでは、遺産相続に関して知っておくべき主な制度を紹介します。

遺産相続で損しないためにも、必要最低限の知識は身につけておきましょう。

遺留分|最低限の相続分を守れる

被相続人の兄弟姉妹を除く相続人には、法律で認められた最低限度の相続分である遺留分が認められています

例えば遺言書で「長女に全ての遺産を相続させ、次女には一切相続させない」と書かれていても、次女は遺留分として最低限の取り分を受け取る権利があります。

具体的には、次女は長女に対して遺留分侵害額請求をおこない、遺留分侵害額に相当する金銭支払いを求めることが可能です。

なお、各相続人の遺留分割合は次のとおりで、相続人によって定められています。

相続人 全体の遺留分割合 各相続人の遺留分割合
配偶者 父母 兄弟姉妹
配偶者のみ 1/2 1/2
配偶者と子1人 1/2 1/4 1/4
配偶者と父母 1/2 1/3 1/6
配偶者と兄弟姉妹 1/2 1/2 なし
子のみ 1/2 1/2
父母のみ 1/3 1/3
兄弟姉妹のみ なし なし

寄与分|財産の維持・増加に貢献した場合に相続分が多くなる

寄与分とは、財産の維持・増加に貢献した場合に相続分が多くなる制度のことです。

例えば、子どもたちの中で長女だけが母親(被相続人)の介護をしていた場合、寄与分が認められる可能性があります。

寄与分が認められるケース
  • 療養看護型:被相続人を看護・介護していた場合
  • 家業従事型:被相続人の事業を献身的に手伝っていた場合
  • 金銭出資型:被相続人のために金銭を出資していた場合
  • 扶養型:被相続人の生活の面倒をみていた場合
  • 財産管理型:被相続人の財産を適切に管理していた場合

ただし、寄与分は、夫婦や親子として期待される以上の寄与があった場合にのみ、認められるのが原則です。

ときどき身の回りの世話をしていた程度では、寄与分を主張できません。

なお、相続人以外の親族が、無償で被相続人の介護をおこなっていたような場合には「特別の寄与」を主張し、寄与に応じた額の金銭をほかの相続人に請求できます。

配偶者居住権|残された配偶者がそのまま家に住み続けられる

配偶者居住権とは、被相続人の配偶者が無償で自宅に住み続けられる権利です。

通常、評価額が高い自宅を相続した場合は自分の取り分が増えるので、ほかの財産を受け取れなくなってしまいます。

しかし、配偶者居住権の制度を利用すると、配偶者には居住権だけが認められ、不動産の所有権はほかの相続人が引き継ぐことが可能です。

居住権の価値は所有権の価値よりも低くなることが多く、その分、配偶者はほかの遺産(現金など)を多めに相続できるようになります。

結果的に配偶者は自宅に住む権利も今後の生活費も手に入れられるので、生活への不安を軽減できるでしょう。

ただし、配偶者居住権が認められるのは法律上の配偶者のみで、内縁関係の方は含まれません。

法定相続情報証明制度|戸籍謄本収集の手間が省ける

法定相続情報証明制度とは、相続手続きで必要な戸籍謄本の束を1枚の法定相続情報一覧図の写しで代用できる制度です。

相続人を特定できる戸籍謄本や相続関係の一覧図を法務局に提出すれば、認証文が付された写しが交付されます。

銀行口座の解約や不動産登記などで、戸籍謄本の束を何度も提出する負担が大幅に軽減されるので、有効に活用しましょう。

また、窓口で提出する戸籍謄本などは返却されるため、1通取得するだけで足ります。

相続土地国庫帰属制度|不要な土地を国に引き取ってもらう

相続土地国庫帰属制度とは、相続や遺贈で取得した土地を国に引き取ってもらう仕組みのことです。

相続した遠方の土地を管理できない場合や、そもそも土地を利用する予定がない場合などに利用されます。

ただし、建物がある土地や担保権が設定されている土地などは、相続土地国庫帰属制度の対象外です。

また、申請手続きには1筆あたり1万4,000円の審査手数料がかかるうえ、承認された場合は原則として1筆20万円の負担金が発生します。

遺産相続に関してよくある質問

最後に、遺産相続に関してよくある質問に回答します。

同様の疑問を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

「遺産相続は負けるが勝ち」といわれるのはなぜ?

「遺産相続は負けるが勝ち」といわれる理由は、遺産争いで譲歩し、家族関係を保つほうが長期的にみたメリットが大きいからです。

相続人同士の確執が深まると絶縁や孤立を招き、得られる財産以上の損失が出ます。

一方、遺産相続の際に譲歩する姿勢をみせておけば、将来的に別の形で支援してもらえる可能性があります。

もちろん、不正があった場合は争うべきですが、基本的には話し合いによる円満解決を目指すのが得策です。

遺産相続の手続きは自分でできる?

遺産相続の手続きは、自分でおこなうことも可能です。

相続人が少なく、財産も現金中心であれば、複雑な手続きにならないので十分対応できます。

ただし、相続人同士の対立が起きている場合や、遺産に不動産が含まれているような場合は、自力での対応が難しいと考えられます。

また、書類収集・作成にかかる手間や時間も考えると、遺産相続の手続きは弁護士などの専門家に任せるのが賢明な判断といえます。

遺産相続はトラブルの種!まずは弁護士に相談を!

遺産相続は制度そのものが複雑で理解しにくいうえに、やらなければならない手続きも数多くあります。

円滑に遺産相続を進めるためにも、法定相続人の範囲や相続割合の決め方、相続に関連する手続きの種類など、基本的な知識を身につけておくことが大切です。

仮に遺産相続で相続人同士が揉めてしまった場合は、問題が大きくなる前に、できるだけ早く弁護士に相談してください。

ベンナビ相続なら、地域や相談内容に合わせて、相続トラブルの解決実績が豊富な弁護士を簡単に検索できます。

初回相談であれば無料で受け付けている法律事務所も多いので、トラブルが大きくなる前に、まずは一度相談してみることをおすすめします。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ相続で
遺産相続が得意な弁護士を探す
この記事をシェアする
この記事の監修者
横浜平和法律事務所
大石 誠 (神奈川県弁護士会)
相続問題の解決実績多数。相続診断士や終活カウンセラーの資格を有し、ご相談者様のお悩み解決に向けて親身にサポートしています。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

相続手続きに関する人気コラム

相続手続きに関する新着コラム

相談内容から弁護士を探す
相談員

相談内容を選択してください

金アイコン
もらえる慰謝料を増額したい方
弁護士の方はこちら
損をしない相続は弁護士にご相談を|本来もらえる相続対策も、弁護士が適正に判断|あなたの状況に合った損をしない解決方法を、遺産相続に強い弁護士がアドバイスいたします。