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遺産相続は裁判で解決するべき?調停・審判との違いや裁判にかかる費用・期間を解説

富永 慎太朗
監修記事
遺産相続は裁判で解決するべき?調停・審判との違いや裁判にかかる費用・期間を解説
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相続の内容に関して、親族間の話し合いだけでは解決できそうにないときは、相続裁判を検討すべきです。

裁判では、客観的事情をもとに裁判官が判決を下してくれるので、ほかの相続人から不利な条件を押しつけられることはなくなるでしょう。

ただし、裁判を利用するとなると費用と負担がかかります

また、裁判を提起したにもかかわらず敗訴する可能性を防ぐためにも、事前に証拠をしっかり集め、法的な主張を整理しておく必要があります。

専門知識が求められる場面も多いため、弁護士に相談しながら進めるのが安心でしょう。

本記事では、遺産相続の訴訟を提起すべきケースや調停・審判との違い、手続きの流れ、費用の目安などを解説します。

なお、状況によっては裁判よりも「調停」や「審判」などの手続きを申し立てるほうが適切なケースもあります。

話し合いの余地が残されているなら、調停や審判での解決も視野に入れましょう。

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目次

相続問題の解決方法は裁判のほか、状況に応じて調停・審判を選ぶ

相続に関するトラブルが発生した場合、必ずしも裁判に頼る必要はありません

調停や審判といった裁判手続きを通して解決できるケースも多くあります。

それぞれの手続きには向き・不向きがあるため、自分の置かれている状況に応じた方法を選びましょう。

裁判|遺産分割の前提となる事柄に争いがある場合

相続で裁判になるのは、主に遺産分割の前に解決しなければならない問題がある場合です。

たとえば、相続財産や相続人の範囲などが争点となっている場合には、裁判で解決するのが望ましいとされています。

裁判は、調停のような話し合いを目的とする手続きとは異なります。

希望とは異なる判決が下される場合もありますが、判決には従わなければなりません

調停・審判|遺産分割に関する争いがある場合

相続人同士で遺産の分割方法が決まらない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停や審判も利用可能です。

調停では、家庭裁判所の裁判官と調停委員が相続人双方から考えや希望を丁寧に聞き取りながら、全員が納得できるような方向での解決を目指します。

もし調停で合意に至らなければ、自動的に審判に移行し、裁判官が事情を考慮して遺産の分割方法を決定します。

相続問題を調停・審判で解決すべきケース

相続問題が、主に以下の3つケースに該当する場合には、調停・審判で解決すべきです。

遺産分割調停|遺産分割協議がまとまらないとき

相続人同士の遺産分割協議がまとまらないときは、遺産分割調停が適しています。

遺産分割協議では、遺言書がない、生前に多くの贈与を受けていた相続人がいるといった理由で、誰がどの遺産をどれだけ相続するか意見が割れることも多いです。

その際、調停を申し立てれば、家庭裁判所の協力を得ながら解決を図れます。

寄与分を定める処分調停・審判|「相続人」の寄与分について争うとき

相続人が「寄与分」を主張し、遺産を多くもらいたいと主張するときは、寄与分を定める処分調停・審判が適しています。

寄与分とは、被相続人の財産の維持や増加のために特別な貢献をした相続人が、相続分を増やすよう請求できる権利のことです。

たとえば、子どもが親の介護を無償で長年おこなっていれば、寄与分が認められる可能性があります。

寄与分は遺産分割協議内で主張できますが、そもそも寄与分があるのか、どのように算定するかなど、相続人間で意見が食い違いやすい傾向があります。

そのため、調停・審判を申し立てることで、家庭裁判所の協力を得ながら解決を図るのが望ましいでしょう。

特別の寄与に関する処分調停|「相続人ではない被相続人の親族」の寄与について争うとき

相続人ではない親族が、「特別寄与料」を主張し、遺産をもらいたいと主張するときは、特別の寄与に関する処分調停が適しています。

特別寄与料とは、被相続人の財産の維持や増加のために特別な貢献をした相続人以外の親族が、金銭を請求できる権利のことです。

たとえば、長男の嫁が義父母の介護を長年おこなっていれば、特別寄与料が認められる可能性があります。

親族でなければ遺産分割協議には参加できませんし、相続人が支払いに応じないこともあります。

しかし、調停を申し立てれば、相続人以外でも話し合いに参加することが可能です。

相続問題を裁判で解決すべきケース

相続問題が、主に以下の6つケースに該当する場合には、裁判で解決すべきです。

遺産確認訴訟|相続財産の範囲を確定させたいとき

相続財産に関する不審な動きがあれば、「財産隠し」がおこなわれている可能性があります。

財産隠しがおこなわれると、結果的に特定の相続人の取り分が少なくなってしまうおそれがあるので、遺産確認訴訟を提起して相続財産の範囲を確定させるのが望ましいでしょう。

具体的には、以下のようなケースでは遺産確認訴訟を検討する必要があります。

具体例
  • 亡くなる直前に、被相続人の自宅が長男名義に変更されていた
  • 亡くなる数週間前に、被相続人の口座から長女の口座に1,000万円が振り込まれていた
  • 被相続人が普段管理していた通帳が、実は孫の名義だったことが判明した

相続人の地位不存在確認訴訟|相続人の範囲を確定させたいとき

隠し子がいる可能性があるときは、相続人の地位不存在確認訴訟を提起して相続人の範囲を確定させます。

また、この訴訟は特定の相続人に非行があり、相続権の欠如を主張したいときも利用可能です。

具体的には、以下のようなケースで利用を検討しましょう。

具体例
  • 突然、「父の隠し子」だと名乗る人から相続を求められた
  • 父が亡くなる直前に結婚したという人が現れたが、家族は誰もその人を知らなかった
  • 兄が父に暴力をふるっていたことがわかった

遺言無効確認訴訟|遺言が無効であることを主張するとき

遺言書があっても、遺言者が遺言能力を欠いていた場合や、遺言の方式に不備がある場合には遺言は無効となります。

遺言の有効性に疑いがあるときは、遺言無効確認訴訟を提起して効力の有無を確定させましょう。

そのほか、以下のようなケースに該当する場合は、遺言無効確認訴訟の利用を検討してください。

具体例
  • 遺言が書かれた日付のころ、被相続人は入院中で意思表示ができる状態ではなかった
  • 自筆証書遺言に「証人の署名」がなく、形式が整っていない
  • 明らかに誰かに無理やり書かされたような内容になっている

不当利得返還請求訴訟|使い込まれた財産の返還を求めるとき

以下のように特定の相続人が被相続人の財産を使い込んでいる疑いがあれば、不当利得返還請求訴訟を提起して財産の返還を求めます

具体例
  • 父が亡くなる前から、兄が父の口座から毎月数十万円を引き出していた
  • 遺産に含まれるはずの株式がいつの間にか売られ、使途が不明になっている
  • 勝手に父の生命保険を解約して、金銭を着服した

なお、返還請求権には消滅時効があり、「使い込みを知ってから5年」または「使い込みがあってから10年」と定められているので注意してください。

うっかり期限をすぎてしまわないためにも、早めに内容証明郵便を送るなどで対応しましょう。

遺留分侵害額請求訴訟|侵害された遺留分相当額の金銭を請求するとき

特定の相続人の遺留分が侵害されていれば、遺留分侵害額請求訴訟を提起して金銭支払いを求めます

遺留分とは、法定相続人に最低限保証された遺産の取り分をいいます。

親族のうち、子どもや両親には遺留分が保障されています。

具体的に、以下のようなケースに該当する場合は、遺留分侵害額請求が可能です。

具体例
  • 遺言書に「全財産を長男に相続させる」とだけ書かれており、自分には何も記載がなかった
  • 父が亡くなる前に、家や預金を全て妹に渡していたことがわかった

遺産分割協議無効確認訴訟|遺産分割協議の無効を主張するとき

すでに遺産分割協議がおこなわれていても、取り消し原因や無効原因に該当する事実があれば、遺産分割協議本記事訴訟を提起して、遺産分割協議の無効を主張できます

なお、取り消し原因や無効原因に該当するケースとしては、以下のようなものが挙げられます。

具体例
  • 脅されたあげく協議書にサインしてしまった
  • 認知症の母の代わりに、家族が勝手に協議を進めていた

相続問題に関する調停・審判を申し立てる際の流れ

遺産分割調停と遺産分割審判は、それぞれ以下のような流れで進みます。

遺産分割調停の流れ

1.家庭裁判所に遺産分割調停の申し立て

相手方の住所地を管轄する家庭裁判所または当事者が合意した家庭裁判所に、調停を申し立てます。

2.遺産分割調停期日の指定

申し立てが受理されると、第1回調停期日の日程が指定されます。

期日は申立てから1ヵ月~2ヵ月後に設定されるケースが多いです。

期日が確定すると、当事者に連絡が入ります。

3.遺産分割調停期日への出頭

指定された日時に当事者同士が出頭します。

1回目の調停では、調停委員と裁判官から調停手続きについての説明があったあと、調停申し立てに至った経緯などを詳しく聞かれます。

2回目以降は、合意ができるまで当事者間での話し合いが進められます。

4.調停成立または不成立

話し合いがまとまれば調停成立となります。

まとまらなければ不成立となり、自動的に審判手続きに移行します。

遺産分割審判の流れ

1.遺産分割審判期日の指定

遺産分割審判の申し立てが受理されるまたは調停から審判に移行すると、審判期日が指定されます。

相続人は、指定された審判期日までに主張書面やそれを裏付ける証拠を提出します。

2.遺産分割審判期日

指定された審判期日に出頭します。

審判期日には、各相続人の主張に反論する機会が与えられます。

すでに書面や証拠を提出しているので、話し合いはほとんど実施されません

なお、審判の途中でも、相続人同士が話し合いにより解決できそうであれば、裁判官の判断で改めて調停が行われることがあります。

合意がまとまれば、その時点で審判手続きは終了します。

3.審判

準備した書面や証拠をもとに、裁判官が判決を下します。

審判では、裁判官が適当と判断する遺産分割方法が言い渡されますので、必ずしも当事者が希望した結果とはなりません

相続問題に関する裁判を起こす際の流れ

相続トラブルにおける裁判の流れは、次のとおりです。

  1. 訴訟の提起 判所に訴状を提出します。民事裁判なので、管轄は地方裁判所となります。
  2. 第1回口頭弁論期日の指定 訴状が受理されると、第1回目の裁判期日が決まり、被告へ訴状が送られます。反論があれば、答弁書を提出します。
  3. 第1回口頭弁論期日 原告と被告が裁判所に出頭して、訴状と答弁書の陳述がおこなわれます。その後、第2回目以降の期日の日程が決まります。
  4. 第2回目以降の口頭弁論期日 原告と被告がそれぞれ主張や証拠を出し合い、争点を整理します。裁判は1ヵ月に1回ほどのペースで進みますが、争点が複雑であれば長期化することもあります。
  5. 和解期日 双方の主張が出揃ったタイミングで、裁判官から和解が提案されることがあります。双方が合意すれば、その時点で裁判は終了します。
  6. 判決 和解がまとまらなければ、最終的に判決が言い渡されます。判決内容に不服がある場合は、判決を受け取ってから2週間以内に高等裁判所へ控訴できます。

相続問題に関する調停・審判や裁判にかかる費用はいくら?

調停・審判や、裁判にかかる費用としては、主に「裁判所に対して支払う費用」と「弁護士に依頼した場合に生じる費用」の2つが発生します。

ここから、それぞれの費用の内訳と相場を解説します。

裁判所に対して支払う費用

裁判所に対して支払う費用の内訳は、「調停・審判」を申し立てる場合と、「裁判」を起こす場合とで異なります。

以下、それぞれ解説します。

調停・審判を申し立てる場合

遺産分割の調停や審判を申し立てるときには、次のような費用がかかります。

項目 金額の目安
収入印紙 相続人一人あたり1,200円
予納証券(切手代) 数千円程度(裁判所により異なる)

裁判を起こす場合

裁判所に訴訟を提起する際には、手数料と予納郵券がかかります。

まず、手数料の金額は、訴額に応じて異なります。

主な目安は次のとおりです。

対象となる金額の範囲 手数料の計算方法
100万円まで 10万円ごとに1,000円
100万円超~500万円まで 20万円ごとに1,000円
500万円超~1,000万円まで 50万円ごとに2,000円
1,000万円超~10億円まで 100万円ごとに3,000円
10億円超~50億円まで 500万円ごとに1万円
50億円を超える部分 1,000万円ごとに1万円

また、予納証券の金額は裁判所によって異なりますが、おおよそ5,000円〜6,000円が目安です。

弁護士に依頼した場合に生じる費用

弁護士に依頼した場合、次のような費用がかかるのが一般的です。

費用の種類 内容 費用の目安
相談料 弁護士に相談する際に発生する費用。初回無料の事務所もあり。 30分あたり5,000円程度
着手金 弁護士に調停・審判・裁判を依頼する際に最初に支払う費用。 20万円〜30万円程度
報酬金 調停・審判・裁判が終わった際に支払う費用。全面敗訴した場合には、原則支払い不要。 得られた金額に応じて変動
実費 書類取得費、出張・出廷の交通費・宿泊費、日当など。案件内容や対応地域により大きく変動する。 数千円〜数万円程度

最近では、相続相談を無料で受けている弁護士も多いので、弁護士費用を抑えたい方は、無料相談を積極的に利用してみましょう。

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相続問題を調停・審判や裁判で解決するにはどのくらいの期間がかかる?

相続トラブルの解決までの期間は、行う手続きによって異なります。

調停手続きであれば、半年〜2年程度かかるのが通常です。

ただし、相続人が多かったり、非協力的な相続人がいたりすれば、3年以上かかることもあります。

一方、審判や訴訟であれば、数ヵ月〜1年程度かかるのが通常です。

しかし、話し合いが不十分だったり、新たな主張が出てきたりすれば、長期化する可能性があります。

全体を通してみると、遺産分割協議から裁判の確定までに3年〜5年かかることも珍しくありません。

できるだけ速やかに手続きを完了させたいのであれば、早めに弁護士に相談するのがよいでしょう。

遺産分割の裁判で負ける理由は?勝つためにはどうすればいい?

遺産相続裁判に負けてしまう主な要因や、その対処法を以下にまとめました。

勝訴判決を勝ち取るための参考としてください。

主な要因 理由 対処法
証拠不足 証拠が不十分だと、自分の主張の裏付けが難しくなる 証拠をしっかりと集め、証言や書類をしっかり準備する 必要な証拠が揃っていない場合は、弁護士に相談する
法的知識の欠如 遺産相続に関する法的知識が不足していると、適切な判断ができず、不利な立場に立たされることがある 弁護士に相談し、法的なアドバイスを受ける
裁判や調停を欠席する 裁判や調停に欠席すると、相手側の主張がそのまま認められやすくなる スケジュールを調整し、必ず出席する
態度やマナーが悪い 裁判や調停の場で態度やマナーが悪いと、裁判官や調停委員に悪い印象を与え、不利な立場に立たされる可能性がある 冷静で礼儀正しい態度を心掛け、感情的な言動は避ける
感情的になる 感情的になり過ぎると冷静な判断ができなくなり、不利な結果を招く可能性がある 相手との対立が激化している場合でも、冷静さを保つ
弁護士の助言を受けないで行動する 独自に判断して行動すると、法的に不利な結果を招く可能性がある 弁護士に相談して、アドバイスに従う

遺産分割調停中にやってはいけないことは?勝つにはどうすればいい?

遺産分割調停中に控えるべき主な言動と、その対処法を以下にまとめました。

裁判所に希望どおりの判断をしてもらうための参考にしてください。

主な要因 理由 対処法
無断で調停期日を欠席する 無断で欠席すると調停が不成立に終わり、自分の主張をする機会を失ってしまう可能性がある 欠席する場合は、事前に家庭裁判所に連絡して期日を変更してもらうか、弁護士に代理出席を依頼する
必要な資料・証拠を提出しない 自分の主張を裏付ける根拠が不足し、有利な結論を得るのが難しくなる 早い段階で弁護士に相談し、必要書類を漏れなく準備する
嘘をつく、ごまかす 信頼を失い、調停委員や相手方からの納得を得るのが難しくなる 事実を正直に伝える 対応に迷ったときは、弁護士に相談する
態度やマナーが悪い 裁判官や調停委員に悪い印象を与え、不利な立場に立たされる可能性がある 冷静で礼儀正しい態度を心掛ける
感情的になる 感情的になり過ぎると冷静な判断ができなくなり、不利な結果を招く可能性がある 相手との対立が激化している場合でも、冷静さを保つ
自分の主張を無理に押し通そうとする 遺産分割調停は、相手方の意見を尊重し、妥協点を見つけるための手続きなので、一方的に自分の主張だけを押し通すと、調停が成立しなくなる 相手の意見にも根拠がある場合は、調停委員からの提案も踏まえながら、ある程度妥協する どこまで譲歩すべきか迷った場合は、弁護士に相談する

遺産相続で裁判となった事例

ここから、遺産相続で裁判となった主な事例を紹介します。

父親の財産を使い込んだ兄弟から、裁判で約3,000万円を取り戻した事例

本件の相談者は、被相続人の長女です。

相続が発生したあと、本来あるはずの預貯金がほとんど残っていなかったので、父と長年同居していた長男が父の預貯金を使い込んでいた可能性が高いと思われました。

そこで、相談者の弁護士は、金融機関の協力を得ながら使い込みの事実を調査し、不当に得た財産を返還させるための「不当利得返還請求訴訟」を提起しました。

詳細な調査と証拠の積み重ねによって長男の使い込みの実態が明らかになり、最終的に相談者の本来の相続分にあたる約3,000万円を取り戻すことに成功しました。

新しい遺言書は偽造されたものと裁判で訴えられた事例

本件の相談者は、被相続人の甥です。

被相続人は、晩年には相談者と同居して生活していました。

叔父は過去に第一遺言を作成していましたが、相談者に身の回りの世話をしてもらうようになってから、内容を変更した新たな第二遺言を作り直していました。

しかし、叔父の死後、第一遺言で財産を受け取るはずだった別の親戚が「第二遺言は無効である」と主張し、遺言の有効性を争う訴訟を提起しました。

第二遺言には、第一遺言を撤回する旨も明記されていましたが、親戚は遺言が偽造されていると主張しました。

また、相談者が住民票を叔父の住居に移していなかったことを理由に「同居は事実ではない」と主張しました。

これに対し、相談者の弁護士は、相談者が実際に叔父と同居していた証拠として、携帯電話の利用明細の送付先や、叔父の通院に付き添った記録などを提出しました。

また、親戚は、筆跡鑑定の結果をもとに「第二遺言の署名は本人のものではない」と主張しましたが、結局は認められませんでした。

最終的に第二遺言は有効であると判断され、第二遺言の内容に沿った遺産分割が実現しました。

さいごに|相続に関して裁判を検討しているなら弁護士に相談を

相続裁判の手続きは複雑で、期間も長期にわたります。

また、親族間のトラブルを扱うので、精神的な負担が大きくなりがちです。

そのため、遺産相続の裁判を検討しているのであれば、相続分野と得意とする弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士に依頼すれば、相手方との連絡や交渉を全て弁護士が代行してくれます。

親族間で直接話し合いをすると感情的になってしまうケースもありますが、弁護士が間に入ることで冷静かつ現実的な話し合いが可能です。

また、弁護士は法的な知識と豊富な経験をもとに、相談者にとって有利となるような交渉や裁判の進め方を考えてくれます。

調停や訴訟の場では、自分の主張を正確に伝え、証拠を整理する必要がありますが、一人だけで対応するのは簡単ではありません

その点、弁護士に相談すれば、専門的な書類の作成や裁判所への対応も任せることができ、安心して手続きを進められます

深刻な争いに発展させないためにも、早めに弁護士に相談しましょう。

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富永 慎太朗 (福岡県弁護士会)
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ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
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本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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