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家族信託にかかる費用や弁護士費用の相場と出来るだけ安く済ませる方法
2017年12月01日

家族信託にかかる費用や弁護士費用の相場と出来るだけ安く済ませる方法

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家族信託とは、財産をもつ方が信頼のおける家族や親族にその財産を託し、管理や運用、処分を行ってもらう制度のことですが、そこで気になってくるのはやはり、費用面ではないでしょうか。

 

家族信託はその名の通り、家族や親族に財産を託すことができるというところがポイントで、財産を託すために高額な費用が発生しないのが大きな特徴です。

 

また、その手軽さも魅力であり、資産家を対象にしたものではなく誰でも簡単に利用することができるということも、家族信託が注目される大きな要因になっています。家族信託を検討している方はぜひ、この記事を参考にしていただきたいと思います。

 

  目次
家族信託の手続きにかかる費用
家族信託に必要な費用の内訳
公正証書の作成費用
専門家へのコンサルティング料
登記にかかる費用
受益者代理人、信託監督人への報酬
信託財産に不動産がある場合の登録免許税及び司法書士費用
家族信託の手続きの流れ
委託者と受託者による信託契約
委託者の遺言による信託契約
委託者兼受託者による信託宣言
家族信託は専門家に頼まなくても可能だが依頼した方がメリットは多い
内容に不備が残る可能性を減らせる
費用はかかるが内容自体が無効になることがない
家族信託の費用を安く抑えるために
まとめ

 

家族信託の手続きにかかる費用

それでは、家族信託を行う際にはどのようなことにどれくらいの費用がかかってくるのでしょうか?

 

ここではその際にかかってくる費用について、5つにわけて解説していきたいと思います。

 

家族信託に必要な費用の内訳

家族信託は、専門家を介さずとも自分たちだけで契約を行うことができる、とても手軽な制度として注目を集めていますが、それでもトラブルを避けるためにはやはり、専門家に依頼して手続きを進めていく必要があります

 

そのため、まずはどのような費用が発生するかを簡単に把握しておきましょう。

 

  • 家族信託の契約内容(信託契約書)を公正証書にする費用
  • 専門家に相談して契約内容を決める専門家費用
  • 不動産を相続する場合にかかる登記費用
  • 受益者代理人、信託監督人への報酬費用
  • 固定資産税 など

 

ではそれぞれでどのくらいの費用がかかるのかを、次項で解説していきます。

 

公正証書の作成費用

信託契約は必ずしも公正証書で作成する必要はないのですが、自力で作成してしまうと、内容の信憑性を疑われたり、必要事項が抜けてしまったりする可能性も出てきます。

 

そんなトラブルを避けるためにも、法務大臣が任命する裁判官や検察官、または法務局長や弁護士など、これらを長年勤めた人から選任される公証人が作成する公正証書で、信託契約書を作成することをおすすめします。

 

また、自己信託(委託者と受託者が同じ信託契約)など、「一部の信託形式では公正証書が必須になる」場合もありますので、契約の形式には注意しましょう。

 

三 特定の者が一定の目的に従い自己の有する一定の財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為を自らすべき旨の意思表示を公正証書その他の書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)で当該目的、当該財産の特定に必要な事項その他の法務省令で定める事項を記載し又は記録したものによってする方法

引用元:信託法第3条の3

 

 

その際にかかる費用は、

 

引用:日本公証人連合会

 

となっています。

 

その他の確定日付などにかかる費用

この他にかかる費用としましては、

  • 確定日付の付与
    1
    通につき700
  • 執行文の付与
    債務名義の正本に執行文を付与することについての手数料は通常1700
  • 正本・謄本の送達
    1400
  • 送達証明
    250
  • 正本・謄本の交付
    1
    枚につき250
  • 閲覧
    証書・定款の原本及びその附属書類の閲覧手数料は、1回につき200

参考:日本公証人連合会

 

このようになっています。確定日付とは、公正証書が作成された日付を証明するために、公証役場から付与される証明のことです。公正証書を作成する他に、これらの費用がかかってきます。

 

専門家へのコンサルティング料

弁護士に家族信託を依頼する際、そのコンサルティング料を支払う必要があります。これに関しましては、

 

信託評価額

費用

~1億円

1%(最低でも30万円)

1億円~3億円以下

0.5%

3億円~5億円以下

0.3%

5億円~10億円以下

0.2%

10億円以上

0.1%

 

となっています。

 

登記にかかる費用

アパートやマンションなどを信託すると、その名義が委託者から受託者へと変更されるため、その旨を登記する必要があり、登記費用がかかってきます。

 

この際、対象となるアパートやマンションなどの不動産の固定資産税評価額に対する0.4%が、登録免許税としてかかってきます。また、信託登記も自分たちだけで書類をすべて提出すれば登記することはできますが、やはり通常は弁護士や司法書士に依頼して行うのが一般的であり、手続きもスムーズに進めていくことができます。

 

この際、弁護士や司法書士に報酬を支払う必要がでてきますが、これも各専門家によってばらつきがありますので、あらかじめ確認をするようにしていきましょう。信託財産が高額なほど、報酬も高くなるのが一般的ですが、10万円以上であるケースがほとんどです。

 

受益者代理人、信託監督人への報酬

信託法139条によると、受益者代理人とは、

受益者代理人は、その代理する受益者のために当該受益者の権利(第四十二条の規定による責任の免除に係るものを除く。)に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。

引用元:電子政府の総合窓口 e-Gov

とされており、その名の通り、受益者の権利を代理で行使する人のことをいいます。

 

また信託監督人とは、たとえば受益者が高齢であった場合、受託者がしっかりと財産管理をすることができているのかを監視するのが困難な状況になってしまいます。

 

その際に、受益者に代わって財産管理をするのが信託監督人です。

信頼できる受託者だけでは、不安は完全にはなくならないのであれば、信託監督人を設定するのが良いでしょう。

 

信託法第127条には

信託管理人は、商法第五百十二条の規定の適用がある場合のほか、信託行為に信託管理人が報酬を受ける旨の定めがある場合に限り、受託者に報酬を請求することができる。

引用元:信託法第139条

 

とされています(この規定は信託監督人に準用されます。)。受益者代理人、信託監督人の報酬額は、月額1万円ほどが相場となっています。

 

信託財産に不動産がある場合の登録免許税及び司法書士費用

アパートやマンションなど、信託財産に不動産が含まれている場合の登録免許税は次の表の通りです。

 

信託評価額

費用

~1億円

1%(最低でも30万円)

1億円~3億円以下

0.5%

3億円~5億円以下

0.3%

5億円~10億円以下

0.2%

10億円以上

0.1%

 

信託評価額が1億円に満たない不動産においては、その最低額が30万円となっています。たとえば、信託評価額が1億円であれば【100,000,000×0.01】という計算式になり、その費用は100万円となります。

 

信託評価額が8億円であれば、【800,000,000×0.002】という計算式となり、その費用は160万円となります。

 

また、信託の際に支払う司法書士への報酬は、概ね10万円以上というのが相場となっています。こちらも、信託評価額が高くなるにつれてその費用も高くなっていくのが想定されますので、各専門家の費用をあらかじめ確認するようにしましょう。

 

 

家族信託の手続きの流れ

家族信託の手続きは、主に以下の3つがあります。ここではそれぞれについて、解説していきます。

 

委託者と受託者による信託契約

 

 

委託者と受託者による信託契約を結ぶことにより、役所や裁判所での手続き、または専門家に依頼することなく締結することができます。この際、委託者と受託者で契約内容を決め、契約書を作成します。手軽さという点では、これが一番適した方法です。

 

委託者の遺言による信託契約

 

 

委託者の遺言によっても、信託契約をすることができます。通常の遺言では、財産を所有していた人が亡くなった時における財産継承については指定できますが、生前(亡くなるまで)はその効力が発生せず、その後の財産の管理や継承に関しては指定することができません。

 

遺言を使った家族信託の場合、

  • 財産の所有者が生きている間
  • 死亡時
  • 死亡後の信託

 

についてまでの効力を発生させることができ、その間の財産継承・財産管理について決定することができます。

 

たとえば、息子が障害をもっていて、将来の財産管理が難しいと思われる場合、どのように財産を継承するのかに悩むかと思います。その際は、姪を受託者として設定し、自分が亡くなったらその財産を妻に、妻が亡くなったらその財産を、障害をもつ息子に継承するよう遺言に記載します。

 

また、その息子が亡くなった場合はお世話になった福祉施設に財産を帰属させるなど、遺言の機能を使うことにより、その願いを柔軟に決定することができます。

 

委託者兼受託者による信託宣言

 

 

信託宣言とは、委託者と受託者が同一人物のケースで行われる信託契約です。自身の財産の信託する範囲を指定し、これを固有の財産と区別して管理します。

 

この信託宣言は、公正証書又はその他の書面に法定事項を記載して行う必要があるため、無駄な労力や時間をかけないためにも、専門家のアドバイスを仰ぐことをおすすめします。

 

 

家族信託は専門家に頼まなくても可能だが依頼した方がメリットは多い

家族信託を締結する際、基本的には委託者と受託者の契約があれば、専門家を介さずとも契約することができます。しかし、それによってトラブルを招くことにもなりかねません。

 

内容に不備が残る可能性を減らせる

たとえば、信託契約を結ぶ際には公証人を介した公正証書で作成することが良いとされています。これを専門家に頼まずにやってしまうと、せっかく書いた内容に不備があったり、適正な書き方をしなかったためにその内容が無効になったりと、結果的に余計な時間を取ってしまうことにもなってしまいます。

 

費用はかかるが内容自体が無効になることがない

たしかに家族信託は専門家に頼まなくても可能であり、誰にどのくらい財産を帰属させるのか、範囲はどこまでにするのかなどを柔軟に、そして手軽に設定することができるとても便利な制度です。

 

しかし、「費用が高いから」や、「めんどくさいから」などといった理由で自分たちだけでやってしまうと、結局は先ほども書いたように、余計な時間やストレス、最悪の場合には無効になってしまうことにもありえます。

 

専門家に頼まなくても可能ではありますが、将来しっかりと財産を信託していくためにも、専門家に依頼することをおすすめします。

 

 

家族信託の費用を安く抑えるために

家族信託を行う際、一番気になってくるのはやはり費用のことだと思います。家族信託の場合、専門家に依頼せずとも信託契約ができたり、親族や家族を信託監督人にすることで、報酬を安くしたり無料にしたりすることも可能です。

 

弁護士によっては相談料を無料に設定していたり、分割払いに対応しているところもありますので、そうした専門家に一度相談することも、費用を安くする上では有効です。

 

弁護士への無料相談を検討している方は、こちらの記事もぜひご参考ください。

参考:弁護士に無料法律相談をする際に知っておきたい5つのこと

 

 

まとめ

今回は、家族信託を利用する際にかかってくる費用について、解説記事を書いてきました。

費用を安く抑えたいという気持ちがあるのは当然ですが、やはり専門家に依頼し、その手続きをスムーズに進めていくことが一番良い方法だと思います。

その中で、どんな専門家に依頼すれば自分にとって一番良いのかをしっかりと見極めて、相談されていくことをおすすめします。

現在の遺産相続の割合や分割協議に不満がある、納得がいかないという方は相続が得意な弁護士への相談をオススメします

もし、あなたが下記のようなお悩みがあれば、弁護士への相談を強くオススメします。

・もっと遺産を貰って当然だと思う
・遺産の分け方を兄弟で争っている
・遺言書の内容が真実か確かめたい
・自分勝手な相続人が居て困っている
・侵害された遺留分を取り返したい



大きな金額が動く遺産相続では、今まで仲の良かった兄弟でも争いに発展することが多くあります。仲が良くなければ尚更争いが起こる可能性は高いでしょう。

当事者同士が感情的になってしまうと解決は絶望的です。まずは弁護士に相談して解決の糸口を見つけましょう。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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