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公開日:2018.1.10  更新日:2021.1.7

家族信託のメリットを詳しく紹介!リスクに備えた早めの準備がオススメ

飯田橋法律事務所
中野 雅也 弁護士
監修記事
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家族信託とは、信頼のおける家族や親族に財産管理を委託する制度であり、その使い勝手の良さやメリットの多さから、現在とても注目されています。しかし、まだまだ一般的には浸透していないことから、家族信託のメリットや使い方をご存知ではない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回、家族信託のメリットについて解説していきますので、ぜひこの記事をご覧いただき、家族信託を身近なものとして考えていっていただきたいなと思います。

安心して家族信託を行いたいなら弁護士へご相談ください

​家族信託について弁護士に相談することで、以下のようなメリットがあります。

  • 正当で法的に問題のない家族信託の契約書を作れる
  • 公正証書にする際にも対応してもらえる
  • 信託契約の決め方を相談できる
  • 遺留分の侵害要件についてアドバイスがもらえる

相続に詳しい弁護士ならば、家族信託を活用した相続のアドバイスが可能です。

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家族信託の仕組み

家族信託は、委託者(財産を保有している人)、受託者(財産を管理する人)、受益者(財産の利益を得る人)の3者で構成されます。

財産を保有している委託者が、信頼のおける人物(家族や親族)に自分の財産を託し、受託者はその託された財産の管理や処分を行います。

本人の目的に沿った取り決めができること、信頼できる人物に委託できること、本人が元気なうちから管理を見届けることができることなど、家族信託にはさまざまなメリットがあるとして注目されています。

家族信託のメリットについては、次の見出しから詳しく紹介していきます。

家族信託にはどんなメリットがある?

それではここで、家族信託のメリットについて解説していきます。

成年後見制度に代わる柔軟な取り決めが行える

成年後見制度の場合、実際に財産を管理できるのは本人が認知症などで判断能力が低下した時からですが、家族信託では取り決め(信託契約)を行ってからすぐに開始されるので、本人がそれを見届けることができ、希望に沿ったスムーズな手続きが行えます。

また、成年後見制度は、親族ではない弁護士などの専門家が成年後見人に選任されることもありますし、仮に親族が成年後見人に選任されたとしても、法律の定めに従って家庭裁判所に財産の状況や生活の状況を報告する義務があったり、財産を維持するとの要請が強く働くので資産の積極的な活用ができなかったりと、さまざまな負担が生じてきます。

家族信託では、受託者となった信頼できる親族等が家庭裁判所の関与を受けることなく、信託契約の目的に従って、柔軟に財産を管理・運用し、処分することができることが大きなメリットです。

倒産隔離機能がある

家族信託には倒産隔離機能があるということも、大きなメリットの1つです。これは、もしも受託者が家族信託とは関係のない部分で借金を背負ってしまった場合でも、信託財産は受託者の個人財産とは別個独立に管理されますので、受託者の責任財産として差押の対象にならないということを意味します。

また、逆に、自分の経済状況が悪化することが心配な場合も、事前に委託者が受託者に財産を信託することで、委託者の責任財産として差押の対象にならないということになります。

将来起こり得る万が一の事態に対しての、大きな備えになりますね。

遺言の機能も含まれている

家族信託には遺言の機能も含まれており、自分の死亡時に信託した財産から発生する利益等を取得する受益者を決めることができます。

民法上の遺言では、自分の死後に発生した相続について何らかの権利義務を設定することはできません。しかし、家族信託では、自分の死後に発生した相続にあたって受益者を誰にするかをあらかじめ指定することができます。

また、遺言を残そうと思った場合、本来であれば法定の形式に厳格に従って作成する必要があるのですが、家族信託にはそんな面倒な決まりはありません。遺言書の書き方についてはこちらの記事をご覧ください。

参考:遺言書とは|種類・書き方・効力などを解説

こういった厳格な決まりがないことから、遺言を代用するものとして家族信託を利用することはとても便利であるといえますね。

高額の費用がかからない

一般的に知られる信託のように、銀行に受託者になってもらうと、財産の規模によっては、高額の信託報酬を支払う必要が出てきます。この点、家族信託は、委託者と受託者の間で柔軟に報酬の取り決めを行うことができるので、高額な費用がかからないというメリットがあります。

受託者が家族であれば、話し合いによって無料で委託する(信託報酬をゼロとする)とのケースも見られるところです。そうであれば、銀行に支払う信託報酬よりも低額になり、利用がしやすくなると思われます。

家族信託にデメリットはある?

そんな使い勝手の良い家族信託ですが、もちろんデメリットも存在します。ここではそれを4つに分け、紹介していきます。

遺留分侵害額請求をされる場合がある

まず遺留分とは、相続人のうち配偶者・子・親に認められている、最低限の相続を受け取ることができる割合のことです。

参考:遺留分とは相続人が必ずもらえる財産|割合と取り返す方法

生前の家族信託で受益権を得た場合、相続発生前は遺留分を請求されることはありません。

しかし、相続が発生すれば受益権の評価額が遺留分を侵害していれば受益権者は遺留分侵害額請求を受ける可能性があります。

たとえば妻が委託者となり、

  • 妻の死亡後の受益者(第二受益者)を夫
  • 夫の死亡後の受益者(第三受益者)を長男

とした場合、妻の死亡時に夫が取得した受益権と、将来長男が取得する受益権に、他の相続人から遺留分侵害額請求がされる可能性があります。

しかし、家族信託について遺留分が問題となった判例は少なく、実際のところどのような場合に、いかなる範囲で遺留分侵害額請求を受けるかは見通しがつきづらいというのが実情です。

※法改正(2019年7月1日施行)により、遺留分減殺請求は「遺留分侵害額請求」になりました。

節税対策にならない

家族信託は、節税対策にはなりません。適正な対価を負担せずに受益者になる場合には委託者から贈与を受けたものとして贈与税が課せられますし、委託者の死亡時に受益者になる場合には相続税が課せられることになります。

家族信託は財産管理を目的とした制度であり、基本的に節税対策にはならないと覚えておきましょう。

家族信託も万能ではない

ここまで、家族信託は、使い勝手が良い制度であると説明してきました。しかし、家族信託だけではカバーしきれない場合もあります。

例えば、本人が認知症等で意思能力を喪失した場合、意思能力がありませんので、施設との契約、介護保険契約、医療の契約などの契約ができなくなってしまいます。

家族信託は財産管理及び財産承継の制度ですので、家族信託の受託者には、成年後見人のように包括的な代理権や取消権はありません。

そこで、このようなケースでは、成年後見制度を使って家庭裁判所に後見人を選任してもらう必要が出てきます。家族信託のみでは対応できない場合もありますので、注意が必要です。

家族信託に精通した専門家に相談から関与してもらう

家族信託は注目されている制度ですが、的確なアドバイスのできる専門家が不足しているという現状があります。家族間の話し合いで契約することができますが、長期間にわたる契約になりますし、ときには問題が起こってくることもあるでしょう。

したがって、家族信託に精通する弁護士に意見を求めるなどして契約内容の設計から関わってもらうことが安全かつ安心であるといえるでしょう。

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家族信託はなぜ注目されている?

家族信託はなぜ注目されているのかは、ここまで書いてきたような財産管理および財産承継に関してのメリットがあるからです。

現代の日本は超高齢化社会になり、内閣府によると、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると見込まれています。

参考:内閣府調べ

つまりは、誰もが認知症になるリスクを抱えており、その対策は早め早めにやっていかなければいけないということです。

家族信託であれば本人が元気のうちから取り決めを行うことができ、信頼する家族や親族に委託することができますから、安心して行うことができますね。

本人の希望に沿った取り決めができること、家族の将来の安心のための取り決めが行えることなどが、家族信託が注目されている大きな理由です。まさに、現代の日本社会の現状に見合った制度であるといえますね。

家族信託がオススメな人

家族信託がオススメな人とは、実際にどういった人なのでしょうか?

いくつか例を挙げてみたいと思います。

  • 親が高齢化し、認知症になって判断能力が低下してしまうリスクに備えたい人
  • 遺言を書くことに気が進まない人
  • 配偶者の死亡により、現在ひとり暮らしで老後の財産管理が不安な人
  • 子どもに障害があり、その子が相続財産を管理・処分できるのか心配な人
    など

家族信託にはこれらを補う機能が含まれている場合が多いので、これらに心当たりがある方は、ぜひ家族信託を検討してみてください。

家族信託のメリットを活かした活用事例

家族信託のメリットを使った、実際の活用事例をご紹介します。障害をもつ子どもを持つ両親は、将来自分たちが亡くなった後の財産をその子どもに残したいと考えています。

しかし、子どもは障害を持っているため、財産を相続されてもそれを活用することができません。

このとき、この子どもの両親が委託者となり、信頼のおける親族を受託者として財産の管理を依頼して、自分たちが亡くなった後に子どもが受益者となる信託を契約します。

この契約の際、弁護士などの専門家を信託監督人とすることにより、受託者が財産を勝手に使ってしまうというリスクを回避することができ、両親の希望通りに子どもが財産や財産から生じる利益を受け取ることが可能になりました。

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まとめ

2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になるといわれている超高齢化社会の日本において、家族信託はこれからますます注目を集める制度となっていきそうです。

誰もがそのリスクを背負う現代において、こうした準備をすることに早いということは決してありません。自分が認知症になったり、自分が亡くなった後の家族の生活に不安がある方は多くいらっしゃいます。この記事をぜひご覧いただき、自分の意向に沿った財産管理や家族の生活保障等について、家族信託という制度を活用できないかを検討いただきたいと思います。

 

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この記事の監修者
飯田橋法律事務所
中野 雅也 弁護士 (東京弁護士会)
大江忠・田中豊法律事務所を経て飯田橋法律事務所を設立。遺言書や不動産が絡む相続問題で豊富な知見を有する。不動産会社・司法書士・税理士との連携で、トラブル解決後の手続きまでスムーズに対応。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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