事業承継は、会社(財産)を引き継ぐ行為ですので、法的問題が絡むことが多く、トラブルも発生しやすいです。
その点、事業承継に対応できる弁護士に相談することで、
- どの事業承継方法が望ましいかがわかる
- 最短でスムーズな事業承継につながる
- 事業承継に関連した相続争いを防げる
- 弁護士のサポートで安心して事業を引き継げる
など、多忙な経営者や後継者のさまざまなニーズを叶えてくれるでしょう。
まずは、無料相談などを活用してみましょう。
事業承継を上手におこなうには、経営面・税金面・財産分割・納税面などの総合的な考慮が必要です。
しかし、いざ考えると、考えるべき課題の多さに、漠然とした不安にかられる人も多いでしょう。
本記事では、事業承継の基礎知識や必要な理由、課題や対策方法を、わかりやすく解説します。
事業承継の具体的な進め方や相談先、成功させるコツも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
事業承継は、会社(財産)を引き継ぐ行為ですので、法的問題が絡むことが多く、トラブルも発生しやすいです。
その点、事業承継に対応できる弁護士に相談することで、
など、多忙な経営者や後継者のさまざまなニーズを叶えてくれるでしょう。
まずは、無料相談などを活用してみましょう。
事業承継とは、会社の経営権を後継者に引き継ぐだけでなく、創業からの想いや独自の技術といった目に見えない価値も含めて、次の世代へつなぐ行為です。
中小企業は、地域経済の担い手として雇用や技術を支える基盤のため、活力を維持・発展させるためにも円滑な事業承継が不可欠です。
現在、経営者の年齢のピークは、この20年で40〜50代から60〜70代へと大きく上昇したため、経営者の高齢化が多くの中小企業で深刻な課題となっています。
後継者が見つからないことを理由に、黒字経営でありながらも廃業を選択する企業が増加しており、貴重な雇用や優れた技術が失われることへの懸念が高まっています。
このような状況下で、会社の未来を守り、さらなる成長の礎を築くには、早期から計画的に事業承継について考え、準備を進めることが極めて重要です。
次に、事業承継のリアルな現状について詳しく見ていきましょう。
2024年に中小企業庁が公表した内容によると、経営者の高齢化は高い水準にあり、2023年時点での経営者の平均年齢は60.5歳と過去最高を更新しました。
70代以上の経営者の割合も増加傾向にあるものの、増加率は緩やかになり、後継者不在率も低下傾向にあります。
一方で、企業の規模によって事業承継への意識には大きな差が見られます。
以下は、売上高規模別の事業承継の意向を表にしたものです。
| 売上高規模 | 1,000万円以下 | 1,000万円超〜5,000万円 | 5,000万円超〜1億円 | 1億円超〜10億円 | 10億円超 |
| 事業承継をするつもりはない | 42.1% | 20.6% | 10.9% | 3.0% | 0.9% |
| まだ事業承継について考えていない | 37.7% | 44.3% | 41.0% | 43.0% | 41.8% |
| 親族内承継 | 16.1% | 28.1% | 33.9% | 35.2% | 31.7% |
| 役員・従業員承継 | 0.7% | 2.6% | 7.5% | 11.1% | 14.8% |
| その他承継 | 1.9% | 3.5% | 5.0% | 4.8% | 5.0% |
| その他 | 1.5% | 0.9% | 1.7% | 2.9% | 5.8% |
小規模事業者の場合、経営者が70代以上である割合がほかの規模の企業に比べて高いため、事業承継の必要性が高いです。
しかし「事業承継をするつもりはない」と回答する割合が、売上高1,000万円超の事業者は20.6%のところ、1,000万円以下の小規模な事業者は42.1%と高い結果になりました。
また承継方法のひとつであるM&A(企業の合併・買収)に対するイメージも、事業承継の動向に影響を与えています。
後継者不在の企業がM&Aを検討しない理由として、以下のように心理的なハードルや認識のズレが挙げられるのも課題の一つです。
| 後継者未定企業等がM&Aを検討しない理由 | 割合 |
| M&Aに対して良いイメージを持っていない | 26.5% |
| 自分がM&Aの対象になる(買い手が見つかる)とは思えない | 24.6% |
| 手数料が割高(負担)だと感じる | 12.9% |
| 廃業する予定 | 12.1% |
| M&Aがよくわからない | 10.6% |
| どこに相談したらよいかわからない | 9.2% |
事業承継は手続きの問題だけでなく、経営者の意識や企業規模による課題が複雑に絡み合っているのが現状です。
事業承継は、決して他人事ではありません。
会社の未来を左右する重要な経営課題であり、事前に対策するか否かで、今後の企業の運命は大きく変わります。
ここでは、なぜ事業承継対策が必要なのか、3つの理由を解説します。
計画的な事業承継対策は、経営の空白期間や混乱を防ぎ、従業員の雇用や取引先との関係を守り、会社を存続させるために不可欠です。
多くの経営者が「自分はまだ元気だから大丈夫」と考えがちですが、突然の病気や不慮の事故は誰にでも起こり得ます。
経営者が突然不在になると、後継者が決まっていない場合、日々の経営判断は誰がくだし、緊急の資金繰りはどう対応するのかなどの問題が噴出します。
経営が不安定になり、従業員やその家族、長年の取引先などの多くの関係者に多大な影響を及ぼし、最悪の場合は事業の継続が困難になるでしょう。
以上のようなトラブルを回避し、将来にわたる企業の成長と継続のためにも、早期に事業承継対策の計画や実行は必須です。
事業承継対策を事前におこなうと、経営者の死後に自社株式や事業用資産の所有権をめぐる、親族間の相続トラブルを未然に防げます。
中小企業は、経営者個人が自社株式の大部分を保有し、会社の土地・建物といった事業用資産も個人名義であるケースが少なくありません。
会社の資産状況によっては、自社株式や事業用資産が相続財産の大半を占めることもあるでしょう。
もしも遺言書などの対策がないまま相続が発生すると、財産が複数の相続人に分割されることになります。
その結果、後継者が経営に必要な株式を確保できず経営権が不安定になる可能性が高まってしまうのです。
ほかにも、事業に関与しない相続人が、株式の高額な買い取りを要求してくるという争いに発展するリスクもあります。
相続人間の紛争は、経営に集中すべき後継者の時間と労力を奪い、会社の成長を阻害する大きな要因です。
トラブルを回避できる対策例として、以下2つが挙げられます。
円滑な経営のバトンタッチを実現するためにも、上記のような対策を講じて、相続時の紛争リスクを低減させる必要があります。
事業承継に伴う相続税や贈与税は高額になる可能性があります。
そこで「事業承継税制」を活用すると、税負担の大幅な軽減が可能です。
非上場の自社株式は、会社の業績が好調であるほど、経営者の想定以上に評価額が高くなる傾向にあります。
当然、後継者が高額な株式を相続または贈与によって引き継ぐ際、多額の相続税や贈与税が発生します。
納税のための資金を自己資金で準備できない場合、せっかく事業を継ぐ意思があっても、納税負担の重さから、承継を断念せざるを得ないケースも少なくありません。
しかし「事業承継税制」は、一定の要件のもと、後継者が承継した非上場株式にかかる贈与税や相続税の納税が猶予されます。
万が一後継者が死亡する、会社が倒産するなどの事象があれば、猶予されていた納税の免除も可能です。
ほかにも、生命保険控除を活用したり非課税枠で生前贈与したり、相続時精算課税制度を活用したりなど、有効な節税対策は複数あります。
税金問題を回避するためにも、制度をうまく活用した事業承継をおこないましょう。
事業承継をおこなった企業は多くありますが、承継後にもっとも大きな課題に感じられているのは、後継者の経営能力です。
以下の表では、中小企業庁が公表している資料をもとに、「後継者が決定しているものの、事業承継後に問題になりそうな課題」を降順にまとめました。
| 課題 | 回答割合 |
| 後継者の経営能力 | 28.0% |
| 相続税・贈与税の問題 | 22.9% |
| 後継者による株式・事業用資産の買い取り | 22.5% |
| 取引先との関係の維持 | 18.5% |
| 技術・ノウハウの承継 | 15.6% |
| 金融機関との関係の維持 | 11.0% |
| 親族間の相続問題 | 10.2% |
| 借入に対する現経営者の個人保証の解除 | 9.0% |
| 借入に対する現経営者所有物件の担保の解除 | 6.1% |
以上の結果から、事業承継をおこなったあとに抱える課題が、さまざまあるといえるでしょう。
ここからは、上記の表をもとに、回答割合が高かった事業承継後に問題になりそうな課題と、その対策方法を5つ紹介します。
たとえ後継者候補がいても、その人物が経営者として会社を率いていけるだけの「経営能力」を備えているかどうか、不安を感じる経営者が多いです。
経営は単なる業務の延長ではなく、資金繰りや人材育成、将来を見据えた意思決定など、極めて高度で複合的な能力が求められます。
現経営者は、長年の経験で培った勘やリーダーシップ、個人的な人脈といった目に見えない資産をもっています。
しかし、それらを後継者が引き継げなければ、事業承継後に経営が混乱し、従業員や取引先の信頼を失いかねません。
| 対策方法 |
経営能力を育てるには、5年から10年といった長期的な視点で、計画的に後継者を育成することです。 具体的な育成プランとしては、以下のようなものが挙げられます。
|

後継者の経営能力は、事業承継において最も一般的な課題です。
可能な限り早期から後継者対策を行いましょう。
事業承継時の相続税や贈与税の負担は、後継者だけでなく企業の財務を圧迫する大きな要因です。
後継者が納税資金を準備できず、結果的に事業承継を断念せざるを得ないというケースも少なくありません。
税負担を軽減するために有効な対策の一つが「事業承継税制」の活用です。
事業承継税制は、一定の要件を満たす必要がありますが、相続税や贈与税の納税が猶予されるというものです。
計画的な活用には専門的な知識が必要ですが、税負担を大幅に抑えられる可能性があります。
ほかにも、生前贈与を活用したり、自社株評価を引き下げたりなどの対策を組み合わせ、より効果的に税負担を軽減しましょう。
どの制度を使うかは、弁護士や税理士からアドバイスをもらいながら判断してください。
経営者の相続や贈与は、相続人間でトラブルに発展するケースも少なくないため、早期に相談しておくことが重要です。
親族内承継と異なり、役員や従業員、あるいは社外の第三者に事業を引き継ぐ場合は、一般的に、株式や事業用資産は無償ではなく有償で譲渡されます。
その際に課題となるのが、後継者側に株式や資産を買い取るための十分な資金がないという問題です。
会社の業績が良いほど株式の評価額は高くなるため、個人でその資金を準備することは難しいでしょう。
この課題を解決するためには、後継者が資金を調達するための支援策を検討する必要があります。
現経営者は後継者とともに事業計画を策定し、金融機関に対して事業の将来性や返済計画を具体的に示しましょう。
また、日本政策金融公庫の「事業承継・集約・活性化支援資金」のような公的な融資制度を活用することも有効です。
こうした制度や支援を活用すると、後継者による株式や資産の買取を円滑に進められる可能性が高まります。
事業承継は、社内だけの問題ではなく、長年かけて築きあげてきた仕入先や販売先といった、取引先との関係にも影響を及ぼします。
中小企業では、取引が現経営者の個人的な信頼関係や人脈に大きく依存しているケースが少なくありません。
そのため、経営者が交代した途端に「取引条件を見直したい」と言われたり、最悪の場合は取引を打ち切られたりするリスクも潜んでいます。
取引先との関係を維持するには、計画的で丁寧な引き継ぎが不可欠です。
後継者をできるだけ早い段階から主要な取引先との打ち合わせや会食の場に同行させ、顔つなぎをしておきましょう。
後継者の人柄や能力を取引先に知ってもらい、徐々に信頼関係を構築していくことができます。
単に紹介するだけでなく、後継者が主体となって交渉や提案をおこなう機会を設けることで、取引先も安心して関係を継続できるでしょう。
また、経営者が交代することで、製品の品質やサービスのレベルが低下するのではないかという懸念を取引先が抱くこともあります。
新体制になっても品質管理体制や従業員の技術力は維持される、新たな視点でよりよいサービスを提供していくなど、丁寧に説明して取引先の不安を払拭しましょう。
企業の独自の技術や長年培われたノウハウの承継は、事業承継における重要な課題です。
技能は特定のベテラン従業員に属人化している企業も多いでしょう。
担当の人が退職したことで、製品の品質が維持できなくなったり、生産性が大幅に低下したりするなど、事業の継続そのものが困難になるリスクがあります。
この課題への対策は、目に見えない技能を誰もが理解できる形に「可視化」することです。
具体的な方法としては、以下のような取り組みが挙げられます。
ベテラン従業員の作業を観察し、ヒアリングしながら、動きや判断基準を詳細に文書化します。
文字にするのが難しい場合は、作業風景を録画し、映像として残すことで、言葉では伝わりにくい細かな手の動きやコツを視覚的に伝えられるでしょう。
従業員のモチベーションアップのために、技術継承への取り組みを評価する仕組みを作ることも大切です。
資格取得支援制度を設けたり、技能を持つベテラン従業員に手当を支給したりするなど、多様な取り組みをおこないましょう。
技術の承継には時間がかかりますが、企業の根幹を支える資産として、計画的に取り組んでください。
事業承継を成功させるには、思いつきで行動するのではなく、しっかりとした手順を踏んで計画的に進めることが大切です。
どこから手をつければ良いのかわからないという方も、ステップごとに課題を整理していけば、自社に合った承継の形が見えてきます。
ここでは、事業承継対策の基本的な進め方を、大きく3つのステップに分けて具体的に解説します。
事業承継対策の最初のステップは、SWOT分析などのフレームワークを用いて自社の強み・弱みといった経営状況を客観的に整理することです。
的確な現状把握なくして、適切な承継計画は立てられません。
会社の経営状況や将来性を正しく理解し、どのような承継方法が現実的か、後継者にどのような資質が求められるかを判断しましょう。
同時に、自社株式や不動産などの資産価値が現在どれくらいあるのかを正確に把握するのも重要です。
非上場の自社株式の評価は、複雑な計算を要します。
いざ評価してみたら想像以上に株価が高く、多額の相続税が発生することが判明するケースも少なくありません。
経営課題や後継者の状況などを把握し、税理士などの専門家に依頼して相続が発生した場合の納税額をシミュレーションしておきましょう。
事業承継の方法には、大きく分けて「親族内承継」「従業員等への承継」「M&A」という3つの方法が考えられます。
ここでは、それぞれの内容とメリット・デメリットを整理していたので、自社に合った方法を選ぶ参考にしてみてください。
親族内承継は、現経営者の子息・配偶者・子息の配偶者・兄弟姉妹等の親族に対して事業を承継させる方法で、最も多く選択されている事業承継の方法と言えるでしょう。
【参考】事業承継対策のポイントと具体的手法|日本政策金融金庫
親族内承継を最初の選択肢として思い浮かべる経営者が大半かと思いますが、職業の多様化や職業に対する意識事態の変化に伴い、必ずしも親族が後継者になってくれるとは限らないのが現状です。
また、相続との絡みで事業承継が円滑に進まないケースも珍しくなく、親族内承継をおこなうためには入念な準備と時間をかけた承継が必須と言えるでしょう。
役員や従業員に承継する方法には二つの方法があります。
外から経営者を連れてくるという方法もありますが、中小企業では、この場合も最終的に連れてきた役員と株主の間で対立してしまうケースが多いので、避ける方が無難かもしれません。
M&A(Merger&Acquisition)とは、合併や買収といった経営権の移転を伴う取引のことです。
広い意味では資本提携・合弁会社の設立など戦略的提携も含まれます。
自社にとってどの承継方法が最適かを総合的に判断し、具体的な「事業承継計画」を策定しましょう。
この段階で重要になるのが「いつ、誰に、何を、どのように引き継ぐのか」を記載した「事業承継計画書」の作成です。
承継が完了するまでの具体的なスケジュールや課題も明記するため、事業承継の設計図とも言えるでしょう。
計画書を作成するプロセスを通じて、これまで漠然としていた課題や目標が明確になり、関係者間での共通認識を育てられます。
また事業承継計画書は、後継者育成の指針となるだけでなく、金融機関からの融資や事業承継税制の適用を受ける際にも必要となる重要な書類です。
事業承継に向けた一つひとつのアクションがロードマップのようになるため、必ず作成しましょう。
事業承継は、後継者の育成から法務、資金調達まで、さまざまな知識が求められます。
経営者一人の力で全てを解決しようとすると、思わぬ落とし穴にはまってしまうことも少なくありません。
そこで重要になるのが、各分野の専門家の力を借りることです。
ここでは、事業承継の悩みや課題に応じて頼りになる相談先を6つご紹介します。
それぞれの特徴を理解し、自社の状況に合った相談先を見つけましょう。
「ベンナビ相続」は、事業承継や相続問題に強い弁護士を探せるポータルサイトです。
事業承継を検討している場合、弁護士は頼りになる相談相手となります。
理由は、事業承継は「相続」と密接に関わっており、法的なトラブルが発生するリスクを常に抱えているからです。
後継者以外の相続人との間で株式や財産の分割をめぐる紛争が起これば、会社の経営に深刻な影響を及ぼしかねません。
弁護士に相談すれば、相続トラブルを未然に防ぐための法的なサポートを受けられます。
遺言書や株式譲渡の契約書などを作成してもらえて、万が一トラブルが発生した際には、代理人として交渉をおこなってもらえます。
そのため、経営者が事業に集中できる環境を守ります。
「ベンナビ相続」を活用すれば、お住まいの地域や相談したい内容に応じて、自分に合う弁護士を効率的に探せます。
初回相談を無料で受け付けている事務所も多いため、まずは気軽に相談してみてください。
中小機構は、後継者の育成面で手厚い支援を受けたい場合に最適な相談先です。
事業承継の大きな課題の一つに「後継者の経営能力」がありますが、中小機構では、後継者教育に特化した研修プログラムを全国で実施しています。
研修では、次世代の経営者に必要となる経営戦略や財務、組織マネジメントといった知識を体系的かつ実践的に学べます。
後継者は経営者としての視野を広げ、同じ立場の仲間との貴重なネットワークを築くことが可能です。
受講料はかかりますが、現経営者も後継者も、将来の経営において漠然とした不安を解消できるでしょう。
全国にある商工会議所や商工会は、地域の中小企業にとって身近な相談窓口であり、事業承継に関する第一歩の相談に最適な場所です。
「事業承継を考え始めたが、何から手をつければいいかまったくわからない」という段階で、気軽に足を運べるのが商工会議所の大きな魅力です。
多くの商工会議所では、事業承継を専門とする相談員が配置されており、無料で初期的な相談に応じてくれます。
また、商工会議所は、地域の弁護士や税理士、司法書士といった専門家と強いネットワークを持っています。
そのため、相談内容に応じて、その地域で実績のある適切な専門家を紹介してもらうことが可能です。
さらに、事業承継に関するセミナーや個別相談会を定期的に開催している場合も多く、情報収集の場としても非常に有用です。
地域に根差した支援機関として、自社の状況を理解してもらいながら、事業承継における心強い味方となってくれるでしょう。
各都道府県に設置されている事業承継・引継ぎ支援センターは、事業承継に関するあらゆる相談に無料で応じてくれる存在です。
親族内承継や従業員承継だけでなく、後継者不在の企業に対する第三者承継(M&A)の支援にも力を入れている点がメリットです。
民間のM&A仲介会社に依頼することに抵抗がある場合や、まずは公的な機関に相談してみたいという場合によいでしょう。
センターでは、秘密保持を徹底した上で相談に応じてくれるため、安心して自社の状況を話すことができます。
事業承継・引継ぎ支援センターは、新たな可能性を見出すための重要な窓口となるでしょう。
普段から取引のある銀行や信用金庫などの金融機関は、会社の財務状況を深く理解しており、資金調達を伴う事業承継の相談に適しています。
事業承継では、後継者が株式を買い取るための資金や承継後の事業拡大のための設備投資資金など、さまざまな場面で資金が必要となります。
金融機関は、長年の取引を通じて会社の業績や資産状況、経営者の人柄などを把握しているため、資金調達の相談がスムーズに進みやすいのがメリットです。
近年では、単なる融資相談だけでなく、事業承継そのものを支援する動きも活発化しています。
事業承継の専門部署を設置し、コンサルティングサービスを提供している金融機関も増えてきました。
そのため、融資相談と併せて、事業承継計画全体の策定についてアドバイスを求めることができるのは、金融機関ならではの強みです。
まずは日頃から付き合いのある担当者に、「事業承継を考えている」と声をかけてみることが、具体的な対策への第一歩となるでしょう。
M&Aマッチングサービスは、買い手候補の探索から交渉、契約締結までを一貫してサポートしてくれる専門家です。
親族や従業員に後継者がおらず、事業の存続のために会社を譲渡したいと考えた場合、自社の力だけで最適な買い手を見つけ出すのは難しいでしょう。
しかし、M&Aの専門家は、豊富な経験と独自のネットワークを持ち、自社の事業内容や企業文化、希望条件に合った最適な相手先を探し出してくれます。
M&Aに詳しい人が間に入ってくれると、経営者は日々の業務に集中しながら、円滑にM&Aを進められます。
自社の規模や希望するサポートの範囲に応じて、最適なサービスを選択しましょう。
最後に、承継を成功へと導くために特に意識しておきたい3つのコツをご紹介します。
ポイントを押さえることで、よりスムーズで効果的な事業承継を実現できるはずです。
事業承継対策を成功させるなら、現経営者が心身ともに元気なうちに、5年〜10年先を見据えた長期的な計画を立て、早期に着手しましょう。
事業承継は、一朝一夕に完了するものではありません。
後継者を一人前の経営者に育てるには、さまざまな経験を積ませる必要があり、数年単位の時間がかかるのが一般的です。
節税を目的とした自社株の評価引き下げ対策や生前贈与なども、時間をかけて計画的におこなうことで、初めて大きな効果を発揮します。
準備期間が短いと、後継者教育が不十分なまま経営を任せざるを得なくなります。
また、十分な税金対策ができずに後継者に過大な負担を強いてしまうリスクも高まるでしょう。
経営者が突然倒れてから慌てて準備を始めるのでは、打てる手も限られてしまいます。
具体的なロードマップを設定することが、計画的な承継を実現するための鍵となります。
事業承継には、弁護士や税理士への相談費用や、承継後の設備投資や販路開拓などに多額のコストがかかる場合があります。
金銭的な負担を軽減するためにも、国が用意している「事業承継・引継ぎ補助金」を積極的に活用しましょう。
この補助金は、事業承継をきっかけとして経営革新に挑戦する中小企業や、事業の再編・統合をおこなう中小企業を支援するための制度です。
事業承継にかかる費用負担を直接的に軽減できるメリットがあり、新たな事業展開にも積極的にチャレンジしやすくなります。
公募期間や要件は毎年変わるため、中小企業庁のWebサイトなどで最新の情報を確認してみてください。
事業承継は、経営や税務、法務といった多様な分野が複雑に絡み合うため、経営者一人で全てを完璧に進めるのは困難です。
そこで不可欠となるのが、客観的かつ専門的な視点からサポートしてくれる存在です。
専門家に相談すると、客観的に現状を分析でき、最適な事業承継対策を提案してもらえます。
支援制度の適用手続や契約書の作成などもサポートしてくれるため、多くのメリットが得られます。
どの専門家に相談すれば良いかわからない場合は、まず商工会議所や事業承継・引継ぎ支援センターといった公的な窓口で話を聞いてもらうことから始めるのがよいでしょう。
この記事では、事業承継の現状から具体的な課題、進め方、成功のコツまでを解説しました。
事業承継は、単なる引退準備ではありません。
会社の未来を築き、従業員の雇用を守り、長年培ってきた大切な事業を次の世代へとつなぐための、重要な経営戦略です。
後継者問題や税金、相続トラブルなど、多くの課題が伴いますが、早期に着手し、計画的に準備を進めることで、解決できるでしょう。
「自分はまだ元気だから大丈夫」と先延ばしにせず、まずは自社の現状を客観的に把握することから始めてみてください。
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