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会社を妻に相続させる方法!遺言と遺産分割協議の違いや事業承継のポイントも解説

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  • 「配偶者に会社を相続させるにはどうしたらよいか」
  • 「会社を相続させる際の税金はどうすれば軽減できるか」

自分の会社(株式)を妻や夫に相続させる場合、手続きや税金のことで課題を感じる経営者の方もいるでしょう。

生前にしっかりと対策をしていないと、相続が始まった際に後継者が苦労する可能性があるので注意が必要です。

本記事では、会社を配偶者に相続させたいと考えている経営者の方に向けて、以下の内容について説明します。

  • 妻(夫)が会社を相続できるのかという基礎知識
  • 妻(夫)に自分の会社を相続させるための2つの方法
  • 妻(夫)に自分の会社を相続させる際の3つのポイント

また、株式を相続することになった配偶者の方向けの対処法についても解説しています。

本記事を参考に、円滑に自分の会社(株式)を配偶者に相続させされるようになりましょう。

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妻(夫)は被相続人の会社を相続できるのか?相続人に関する基礎知識

上図のとおり、被相続人の妻(夫)は常に相続人になります(民法第890条)。

そのため、遺産分割協議の内容次第では、妻(夫)が被相続人の会社を相続することが可能です。

ただし、内縁の妻(夫)は法律上の配偶者とはならないため、相続させたいならほかの方法を取る必要があります。

妻(夫)に自分の会社を相続させるための2つの方法

ここでは、妻(夫)に会社を相続させるための方法を2つ紹介します。

1.遺言書を使って株式を相続させる

1つ目は、遺言書を使う方法です。

「妻○○に株式を全て相続させる」と記載した遺言書を残せば、配偶者に会社を相続させることができます。

遺言があれば遺産分割協議をおこなう必要がないため、被相続人の意向に沿った相続を実現させることが可能です。

2.遺産分割協議で株式を取得してもらう

2つ目は、遺産分割協議で株式を取得してもらう方法です。

生前「妻(夫)に自分が亡くなったら会社を引き継いでほしい」と説明しておくことで、相続発生後に妻(夫)が株式を相続してくれる可能性が高まるでしょう。

ただし、妻(夫)に会社を相続する意思がない場合や、ほかの相続人が株式の取得を主張した場合には、配偶者に相続してもらえないおそれがあります。

妻(夫)に自分の会社を相続させる際の3つのポイント

ここでは、妻(夫)に会社を相続させるためのポイントを説明します。

1.妻に会社を経営する意思があるかを確認しておく

まずは、妻(夫)に会社を経営する意思があるかどうかを確認しておきましょう。

妻(夫)に話をしたうえで会社を継ぐ意思があるなら、事業承継に向けた準備を進めるとよいでしょう。

一方、経営者が「妻に会社を相続させたい」と思っていても、配偶者にその意思がなければ困難となります。

配偶者に会社を継ぐ意思がまったくない場合は、ほかの後継者を探すこともひとつの方法です。

2.早い段階から妻を後継者候補として育成をしておく

妻(夫)を後継者にする場合は、後継者にさせるための育成・教育にも取り組みましょう。

育成・教育には大きく社内教育と社外教育の2種類があり、それぞれ以下のような具体的な方法があります。

  • 社内教育:業務に携わらせる、経営会議に出席させる など
  • 社外教育:他社に勤務させる、社外セミナーに参加させる など

こうした経験を通じて、後継者は知識、技術、意欲・自覚などを身につけることができます。

また、積極的に後継者育成をおこなうことで、従業員や取引先などからも事業承継の理解が得やすくなります。

3.配偶者控除や法人版事業承継税制などを上手に活用する

妻(夫)に株式を相続させる際は、相続税にも注意すべきでしょう。

配偶者の場合は、相続税の配偶者控除(1億6,000万円または法定相続分)を適用できます。

また、法人版事業承継税制を利用できれば、非上場株式の承継による贈与税・相続税が猶予または免除されます。

配偶者に会社(株式)を相続させることを検討している場合は、事前に相続税のシミュレーションをおこない、対策することをおすすめします。

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【配偶者向け】相続財産に被相続人の会社(株式)があったときの対処法

ここでは、会社を相続することになった配偶者の方向けに対処法を3つ紹介します。

1.相続後に会社の経営に携わる

会社を引き継ぐ場合は経営者となり、経営に携わりましょう。

経営者になるには、まず株主総会で取締役に選任される必要があります。

取締役に選任されるための株主総会の要件は、以下のようになっています。

  • 総株主の議決権の過半数を有する株主が出席すること
  • 出席した株主の議決権の過半数の賛成を得ること

その後、取締役会や定款に規定された手続きを経て、代表取締役に就任するという流れになります。

被相続人から十分な株式を相続している場合は、スムーズに代表取締役に就任することができるでしょう。

2.相続後に会社などに株式を買い取ってもらう

経営する意思がない場合は、相続した株式を会社や第三者に売却する選択肢も考えられます。

相続した株式を売却する候補としては、以下の3種類があります。

  • 相続人が希望する相手
  • 会社が指定する買取人
  • 会社

中小企業の株式の多くは譲渡制限株式であり、会社の承認がなければ株式を売却することができません。

会社が承認しなかった場合には、会社が指定する買取人や会社自身に買い取るよう請求することになります。

3.株式を相続したくない場合は相続放棄をする

株式を相続したくない場合は相続放棄を検討するのもよいでしょう。

相続放棄とは、家庭裁判所の許可を得て相続人としての権利・義務を全て放棄する手続きことです。

株式などのプラスの財産に加え、借金や連帯保証人などのマイナスの財産も相続する必要が亡くなります。

3ヵ月を超えてしまうと相続放棄ができなくなるので、余裕を持って手続きをしましょう。

相続放棄の流れやポイントは、以下のページで詳しく解説しています。

さいごに|配偶者に会社を相続させる場合は事前によく話し合っておこう

現在、経営している会社を妻(夫)に相続させたい場合は、事前に経営する意思があるか確認しておきましょう。

妻(夫)に経営する意思があるなら、後継者候補として育成・教育に力を入れることをおすすめします。

一方、経営する意思がないなら、子どもや従業員などほかの後継者候補を探す必要があります。

自分が亡くなったあとに会社を存続させられるよう、しっかりと対策を取ってきましょう。

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この記事の監修者
磯野・熊本法律事務所
熊本 健人 (大阪弁護士会)
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ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
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本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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