相続において、未成年者が相続人になることは珍しくありません。
というのも、民法は胎児についても相続での権利を認めており、例えば妻が妊娠中に夫が死亡した場合は、胎児も相続人に数えられることになります(民法886条※ただし死亡して生まれてきた場合は相続人になれません)。
未成年者が相続人にいる場合、遺産分割協議はもちろんですが、その未成年者が相続放棄や代襲相続などをする際には手続き上気をつけなければならない点がいくつかあります。また、両親が離婚した後で未成年者が相続人になったケースなど、離婚が絡む相続も注意が必要です。
今回は、未成年者が相続する際の注意点と、遺産分割協議や相続放棄、代襲相続など各種相続手続きの方法についてご紹介いたします。
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未成年の相続問題は特別代理人が必要な場合が多いため弁護士へご相談ください
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遺産分割協議を行いたい
- 未成年の子供だけ相続放棄したい
- 未成年だけど代襲相続することになった
いずれのケースも特別代理人が必要です。
特別代理人は家庭裁判所で申し立てをする必要があります。
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この記事に記載の情報は2023年10月10日時点のものです
未成年者の相続における注意点
未成年者とは、20歳未満の人をいい(民法4条)、原則として制限行為能力者として一定の法律行為をする際に権利能力が制限されています。
例えば未成年者がゲームソフトなどを中古ショップに売る場合やパソコンなど高額な商品を購入する場合、携帯電話での課金サービスをする場合などに保護者の同意が求められるように、未成年者が財産上の法律行為などをする際には親権者が法定代理人となって手続きを進めることになっています。
例外的に、一定の法律行為をする場合(5条・6条)や、未成年者が20歳に達する前に婚姻した場合(753条)には、親権や一定の行為能力について成年に達したものとして扱われることがありますが、相続においては成年擬制が認められるケースとそうでないケースがあります。
未成年者には法定代理人が必要とされている
ただし、遺産分割協議も親権者が未成年者に変わって協議に参加できるかといえば、それはできません。
なぜなら親権者と未成年者が相続人になる相続では、その遺産分割協議で親権者と未成年者の利益が対立する関係になっているので、利益相反行為といって親権者が未成年者の法定代理人を兼ねることができなくなるのです。
親権者が法定代理人となれない以上、遺産分割協議では他に代理人を立てなければなりません。したがって、このときに家庭裁判所に申し立てをして「特別代理人」を選任することになります。
既に婚姻している未成年者の相続
未成年者が10代で既に結婚している場合、相続での成年擬制がなされるのでしょうか。
結論から言えば、既に婚姻した未成年者は、婚姻によって成年として扱われるようになるため、相続手続きも原則として単独で行うことができるようになります。
- 行為能力の取得:法定代理人の同意が不要になる
- 親権が行使できる:未成年者本人が親権・後見から脱し、また未成年者本人の子についての親権が行使できる
- 後見人資格の取得
- 養子縁組での養親資格の取得(792条)
例えば婚姻した未成年者が自己の親の相続について相続放棄や遺産分割協議をしたい場合には、法定代理人や特別代理人等による手続きは不要で、未成年者自身が手続きをすれば良いということになります。
なお、未成年者が婚姻後、離婚や死別等で婚姻の効力が解消されることがありますが、この場合であっても成年擬制の効果は消滅しないとされています。
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未成年者が相続をする場合の手続き|未成年者と遺産分割協議
それでは、未成年者が相続をする場合はどのような手続きをするのでしょうか。
一般的に、相続が開始すると被相続人の遺言の有無を確認し、遺言がある部分についてはそれを尊重し、ない部分については共同相続人全員で協議した内容に沿って遺産分割が進められていくことになります。
未成年者が相続人にいる場合、その未成年者は有効に遺産分割協議を行うことができませんので、法定代理人や特別代理人といった代理人に手続きを代理してもらわなければなりません。
ここでは、未成年者が遺産分割協議を行う際に必要な手続きについて、ご紹介いたします。
親権者は当然に法定代理人とはなれない
先に述べたように、親権者は相続においては法定代理人となることはできません。
客観的に子が不利にならないような内容の協議であったとしても、実務上は親権者が代理人となれない取り扱いになっています。そして、子が複数であればその人数分の「特別代理人」を選任しなければなりません。
なぜ人数分の特別代理人を選任するのか?
相続は相続人個々の権利となりますので、1人の代理人が複数の相続人の代理をすると利益相反行為になってしまうためです。このため、未成年者が相続人にいる場合は家庭裁判所に「特別代理人の選任申し立て」をする必要があります。
胎児の母は法定代理人になれない
また、胎児が相続人になる場合であっても、胎児の母は当然に法定代理人にはなれません。
そもそも胎児は死産や流産などによって生まれてこなければ相続権を持ちませんから、基本的には出生後に遺産分割協議を進めていくことになるかと思いますが、この場合に母が相続人となっているのであれば、胎児と母の利害が対立する関係にあるといえます。
もっとも、母が被相続人と婚姻関係になく(内縁などの事実婚だった場合)、被相続人が胎児を認知しているようなケースであれば、母は相続人とならず胎児と利害が対立しませんから、母が法定代理人として胎児を代理し遺産分割協議をすることができると言えるでしょう。
とはいえこのケースであっても、胎児の他に被相続人から認知された子が複数いる場合には、母は子全員を代理することはできず、足りない人数分の特別代理人を選任する必要があります。
特別代理人とは
特別代理人は、家庭裁判所の審判で決められた行為について代理権などを行使することになります。相続の場合は、遺産分割協議に参加するなどの代理行為を行うことになり、遺産分割協議書が調い相続が終了すると特別代理人の任務は終了します。
特別代理人となる人には特に資格の制限などはありませんが、成年後見人の欠格事由等を鑑みると、「未成年者」「破産者」「行方不明者」といった人は特別代理人になることができないと考えておくのが良いでしょう。
また、未成年者と親族関係がある人を特別代理人としなければならないといった決まりもなく、単に遺産分割協議について利害関係のない人であれば特に問題はありませんが、基本的には特別代理人候補者として記載した人がそのまま選ばれることになりますので、候補者の選定は慎重に行うことをおすすめします。
特別代理人を選任する方法
特別代理人は家庭裁判所に選任申立てをすることで選任することができます。
申立先
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未成年の相続人本人の住所地の家庭裁判所
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申立人
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親権者、利害関係人
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必要な費用
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- 未成年者1人につき収入印紙800円分
- 裁判所から書類を送付するときに必要な切手(各裁判所で要確認)
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必要な書類
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- 特別代理人の選任申立書(書式|記載例)
- 親権者および未成年者の戸籍謄本
- 申立人が利害関係人の場合は、その戸籍謄本
- 特別代理人の候補者の住民票
- 遺産分割協議書案、不動産の登記事項証明書などの利益相反に関する資料
- 遺産分割協議書に記載した財産の資料
- 利害関係人からの申し立ての場合は、利害関係を証明する資料
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特別代理人の選任申し立ての段階で遺産分割協議案を家庭裁判所に提出することになりますが、原則として、その協議の内容が未成年者に不利なものである場合は特別代理人の選任が認められないのが通常です。
未成年者に不利な内容というのは未成年者の法定相続分よりも下回ることをいいますが、言い換えれば未成年者がいるケースでは残された親権者だけが相続財産を全て取得するのは基本的に認められないということになります。
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未成年者が相続放棄をする方法
相続財産よりも残された負債の方が多い場合、「子どもには親の借金を相続させたくない…」と思う方も多いでしょう。
未成年者が相続をするには特別代理人が必要ですが、相続をしない(相続放棄をする)場合も特別代理人が必要なのでしょうか。ここでは、未成年者が相続放棄をする方法についてまとめてみました。
相続放棄の方法
相続放棄は、各相続人が「自分が相続人になったことを知った時から3ヶ月以内」に、家庭裁判所に対して「相続放棄申述書」を提出することで行われます。
相続放棄は各相続人が「単独で」行うこととなりますが、通常の未成年者は単独で相続放棄の申述をすることはできませんので、法定代理人が代理して申述します。
したがって、未成年者が相続放棄をする場合は、通常であれば法定代理人である親権者や未成年後見人が未成年者に代わって手続きを行うのが原則ですが、法定代理人と未成年者との間で利益が相反する場合は、未成年者のための特別代理人を選任しなければなりません。
▶︎相続放棄とは?期限や手続き方法と7つの注意点を解説
未成年者を含む相続人全員が相続放棄をする場合
- 親権者が相続放棄申述をした後に、未成年者全員を代理して相続放棄をする場合
- 親権者と未成年者全員が同時に相続放棄する場合
このような場合は、未成年者も法定代理人も一切の相続を拒絶する結果、未成年者と法定代理人の利益が相反しませんので、原則どおり親権者が未成年者の相続放棄申述受理申立てをすることができます。
ただし、裁判所所定の相続放棄申述書(書式|記載例)を利用する場合は、1人につき1通作成することが必要になりますので、1枚の用紙でまとめて手続きできるわけではないことに注意しましょう。
未成年者は相続放棄をし、親権者は相続放棄をしない場合
- 未成年者と親権者が共同相続人であって、未成年者のみが相続放棄申述をする場合(親権者が先に相続放棄をしている場合を除く)
- 複数の未成年者の法定代理人である親権者が、一部の未成年者のみを代理して相続放棄申述をする場合
このような場合は、法定相続人である親権者や同順位で相続権を有する他の未成年者の相続権が残るため、親権者が相続放棄申述をすることで未成年者に不利益が生じるおそれがあるといえます。
具体的には、親権者が遺産を独占したり、一部の未成年者だけに財産を相続させることが可能となるため、特別代理人選任が必要となります。
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未成年者と代襲相続
代襲相続とは、被相続人の子または兄弟姉妹が被相続人の死亡以前に死亡・相続廃除・相続欠格によって相続権を失っていた場合に、それらの人の直系卑属である子(被相続人から見て孫や甥姪)が代わりに相続をするという制度です。
そのため、未成年者が代襲相続人になる可能性は充分あり、婚姻によって成年擬制がなされている未成年者であれば単独で有効に相続手続きをすることができますが、原則として法定代理人や特別代理人による相続手続きが不可欠になるかと思います。
ただ、代襲相続の場合は子(被相続人の子の子=孫)が複数でなければ法定代理人による代理で済む可能性が高いでしょう。
というのも、基本的に代襲相続が発生する場合には、子の片親(被相続人の孫の親=被相続人の子)が死亡しているケースが多く、生存している片親は相続の当事者にならないというパターンも多いのです。
そうであれば親権者と子の利害が対立しませんから、法定代理人が相続手続きを代理するのは理にかなっているといえます。
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相続人が胎児だった場合の遺産相続
事故で夫が死亡して妻と胎児が残された場合、民法上は胎児にも相続権が認められることになります(民法886条)。
このとき、遺産分割協議については胎児の出生後に行うことにしたり、相続放棄や限定承認については胎児の出生まで熟慮期間の伸長を行うことが考えられますが、相続税の申告・納付だけは待ってくれないので、まずは相続税の手続きを始めることになるでしょう。
ここでは、相続人に胎児がいる場合にどういった手続きが必要になるのかをまとめてご紹介いたします。
まだ生まれていない子どもにも相続権がある
相続は、被相続人が死亡した瞬間に財産を相続人に承継する制度なので、相続人は相続開始の時点において権利能力を有していなければなりません。
そして、現行民法では出生と同時に権利能力を取得するのが原則ですが、例外として、相続についてのみ胎児も「既に生まれたものとみなす」とされています(民法886条)。したがって、胎児も相続権があると言えます。
ただし、「胎児が死体で生まれたとき」はこの規定が適用されないので(886条2項)、流産・死産などをすることなく無事に生まれた場合のみ相続権を持つものと言えるでしょう。これは代襲相続の場合も同じです。
代襲相続とは
祖父Aには子BCDがいて、Bは死亡したがその子Eがいた場合に、EがBに代わってAを相続する場合のことをいいます。
胎児の絡む代襲相続として考えられるのが、AとBが事故や災害により同時に死亡した際にEが未だ胎児の状態にあるといったケースですが、こういった同時死亡の場合でも代襲相続は認められるので、胎児が生まれた後で様々な相続手続きが必要になるでしょう。
▶参考:代襲相続はどこまで続く?範囲や割合、基礎控除や相続放棄との関係を解説
胎児がいる場合の遺産分割
胎児の出生前に、母を法定代理人として遺産分割協議をすることはできません。
また、胎児が出生する前に他の相続人が遺産分割をすることができるかについては見解が分かれていますが、実際の取り扱いとしては胎児の出生を待って遺産分割をするのが一般的となっています。
前述のとおり、遺産分割に関しても通常の未成年者同様特別代理人の選任手続きが必要となります。
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両親が離婚している場合の未成年者の相続
両親が離婚した場合、相続に関して元配偶者は無関係となりますが、親子関係に変わりはないため、残された子どもはどちらの親の相続でも法定相続人となります。
基本的な相続順位は?
相続権が与えられている法定相続人は、配偶者相続人(内縁配偶者を含まない)と血族相続人で、血族相続人はすべての血族ではなく、所定の順位で順繰りに相続人になります。
<血族相続人の順位>
第一順位:被相続人の子またはその代襲者など直系卑属
第二順位:被相続人の父母や祖父母など直系尊属
第三順位:被相続人の兄弟姉妹またはその代襲者である甥姪
離婚した場合でも、子は血族相続人の第一順位であることは変わりありません。そして、亡くなった人に配偶者がいない場合は子どもが全財産を相続することになりますから、ここで両親が離婚している場合の未成年者の相続についてご紹介いたします。
親権者が死亡した場合
未成年の子どもABについて、元夫がC、親権者として一緒に住み育てているのが妻Dという状況でDが死亡した場合を仮定してみます。Dの相続人となるのは、Dに新しい夫EがいればEとAB、Dに新しい夫EがいなければABのみです。
新しい子どもが生まれていれば、その子も相続人に含まれます。離婚したCは相続人にはなりません。
被相続人
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ABの母D
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配偶者相続人
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(新しい法律上の夫がいればその夫E ※内縁の夫は含まない)
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血族相続人
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第一順位
子AB・新しい子どもがいればその子ども(F)
※養子縁組している連れ子を含む
※既に子どもABがいるため、第二順位以下の血族相続人はなし
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この場合、Dの死亡により二人の子どもABには親権者がいなくなってしまいます。
この場合は、父であるCが親権者変更の申し立てをして自分を親権者にしてもらうことが多いのですが、このときDの両親が未成年後見人の選任申し立てをすることもあり、それぞれが家庭裁判所に申し立てをして争われるケースも多々あります。
基本的には、親権者ないし未成年後見人になった者がABの代理人として相続手続きを行いますが、この場合でもそれら代理人と子どもの利益が相反する場合は特別代理人の選任が必要になります。
また、ABそれぞれに代理人が必要となるので、Cが新たに親権者となった場合でもどちらか片方の子どもの特別代理人の選任が必要です。
親権者でない片親が死亡した場合
未成年の子どもABについて、親権者が元夫C、一緒に住み育てているのが妻Dという状況でCが死亡した場合を仮定してみます。Cの相続人となるのは、Cに新しい妻GがいればGとAB、Cに新しい妻GがいなければABのみです。離婚したDは相続人にはなりません。
被相続人
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ABの父C
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配偶者相続人
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(新しい法律上の妻がいればその妻G ※内縁の妻は含まない)
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血族相続人
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第一順位
子AB・新しい子どもがいればその子ども(H)
※養子縁組している連れ子を含む
※既に子どもABがいるため、第二順位以下の血族相続人はなし
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この場合は、DがABどちらか一方の代理人となり、もう1人の子どもに特別代理人を選任することで相続手続きを進めることができます。
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相続税法上の未成年者には未成年者控除がある
相続税には様々な特例や控除が設けられていますが、未成年者が相続人になっている場合は「未成年者の税額控除」が適用できます。
未成年者控除とは
共同相続人の中に未成年者がいる場合に、その未成年者が支払うべき相続税額から「(20―未成年者の満年齢)×10万円」を差し引くことができる制度です。
例えば10歳2ヶ月の子がいる場合で、その子が支払うべき相続税額が80万円だったならば、(20―10)×10=100万円の控除が受けられることになります(※1年未満の期間は切り捨て)。
控除額の算定方法
このとき、控除額が未成年者本人の相続税額よりも大きい場合には、余った部分を未成年者の扶養義務者の相続税額から差し引くことができるようになっていますが、その未成年者が過去の相続で既に未成年者控除を受けている場合には、控除額が制限されることもあります。
上の例で言えば、20万円分の控除が残っているので、未成年者の親権者である父母等の支払うべき相続税額から20万円が控除されると考えていただければ良いかと思います。
既結婚した未成年者でも控除は利用できる?
なお、既に結婚した未成年者につきこの未成年者控除が利用できるのか、成年擬制との関係で問題になりますが、相続税基本通達19条の3-2によって適用が認められています。
したがって、仮に婚姻による成年擬制がなされた未成年者がいたとしても、通常の未成年者と同様に未成年者の税額控除が利用できますので、忘れないようにしましょう。
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まとめ
未成年者が相続人にいると、通常の相続手続きに加えて特別代理人選任手続きが必要になるケースが多いので、未成年者とその法定代理人が相続人になる場合には充分に注意して相続手続きを進めるのが大切です。
相続税申告の際にも未成年者の税額計算が変わってきますので、併せてよく確認することをおすすめします。
また、複雑なケースやそもそも代理人を立てないといけないケース等は、相続を得意とする弁護士などの専門家を頼りましょう。
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相続トラブルを解決し遺産を多く受け取る方法とは?
相続トラブルで一番多い金額は5,500万円以下です。
これは相続トラブル全体の約75%にあたり、さらに1,000万円以下だけに絞って見ても、全体の32%を占めています。
相続トラブルはお金持ちや、ましてテレビの出来事では決してないのです。
<参考資料:平成25年度司法統計>
さらに、下の表を見ると遺産分割調停、すなわち遺産分割トラブルが右肩上がりで増えてきていることがわかります。
<参考資料:平成25年度司法統計>
相続における自己解決と弁護士介入の違いとは?
相続するのはあなただけではありません。相続人の平均人数は3名程度です。
<参考資料:国税庁 統計年報>
相続人が多いほど、相続トラブルが発生しやすく複雑になるのは避けようのない事実です。
トラブル回避のために重要なのは、早めに専門知識のある第三者を介入させることです。一般的に専門知識を持つ代表格といえば相続問題を得意とする弁護士です。
弁護士を介入させると費用が高くつくイメージがありますが、結果的にはトラブルを解消できるだけではなく、相続面でも優位に働き、金銭的にもメリットを得られることが多くなります。
相続に強い弁護士の選び方と相続相談の具体例
相続に際し、雇うのは弁護士なら誰でもいいというわけではありません。
最大のメリットが得られる弁護士の選び方は、以下を参考にしてください。
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1、相続が得意な弁護士を選ぶ
相続トラブルの解決実績が豊富だったり、相続問題に注力していたりする弁護士を選びましょう。
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例えば、医者に「内科」「外科」「皮膚科」「耳鼻科」…と専門分野があるように、弁護士にも「相続」「離婚」「借金」「企業法務」…といった得意分野があります。
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相続があまり得意でない弁護士に依頼しても十分なメリットを受けられない可能性があるため、相続を得意とする弁護士に依頼することが大切です。
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2、初回相談料の安い弁護士を選ぶ
初回相談は自分と相性の良い弁護士を選ぶチャンスですので、1件だけではなく複数と話をしてみましょう。
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件数を重ねるために初回の相談料を必ず確認しましょう。(相談無料〜3000円程度をオススメします)
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3、近隣の弁護士を選ぶ
相続の弁護士は全国対応していることも多いのですが、やはり対面での関係性構築や急な事態に対応できる近隣の弁護士事務所が最善策といえるでしょう。
相続で弁護士が介入するデメリットは、あまりありません。
あえて挙げるなら、依頼に費用がかかる点でしょうか。
しかし、以下の費用対効果の例をご覧いただけば、実際には費用がデメリットとはならないことが、おわかりいただけると思います。
不公平な遺言書に対し弁護士を通じて遺留分を主張した例
3,000万円の遺産を遺して親が世を去った。全財産をほかの相続人に相続させる旨の遺言書があり、このままでは自分は一切遺産を受け取ることができない。
弁護士に依頼した結果
遺留分侵害額請求により、自分の遺留分割合である8分の1の遺産を受け取ることができた。
費用対効果
自分が受け取ることができた遺産は375万円。弁護士費用は84万円。そのまま泣き寝入りしていれば1円も受け取ることができなかったが、結果的に弁護士費用を差し引いても291万円を手にすることができた。
また、相続トラブルに関しては、初期費用(着手金)はかかるものの、費用の大部分は成果報酬方式です。
つまり依頼料はデメリットにならないのです。
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