家族信託とは、被相続人が自分の老後や介護等のために保有財産を信頼できる家族に託して、管理や処分を任せる財産管理のことです。
家族間だけでおこなえるものではありますが、弁護士のサポートを得たほうがスムーズに進められます。
この記事では、家族信託を弁護士に依頼するメリットや弁護士費用などについて解説します。
安心して家族信託を行いたいなら弁護士へご相談ください
家族信託について弁護士に相談することで、以下のようなメリットがあります。
相続に詳しい弁護士ならば、家族信託を活用した相続のアドバイスが可能です。
当サイト『相続弁護士ナビ』は相続問題に詳しい弁護士を掲載しております。
電話での無料相談や面談による相談を無料にしている事務所もあります。
まずは下記よりお近くの弁護士を探して相談してみましょう。
まずは家族信託を弁護士に依頼するメリットについて解説します。
信託契約は諾成契約(意思の合致で成立する契約)であるため、口頭の合意でも契約は成立します。
ただし基本的に信託契約では「委託者」「受託者」「受益者」の3人が存在するため、信託内容を明らかにする意味でも契約書を作成しておいたほうが安心でしょう。
弁護士に依頼することで、契約内容の整合性や正当性を判断してもらったうえで不備のない契約書作成が望めます。
裁判実務を熟知した弁護士が、後々起こり得るトラブルなどについて、事前に対策を打つことができる点は大きなメリットです。
家族信託といっても以下のようにさまざまなパターンがあるため、どのように取り決めればよいか自身では判断しきれないこともあるでしょう。
弁護士であれば、これまでの知識や経験を活かして、どのように取り決めるべきかアドバイスが望めます。
相続知識のない方にとっては心強い味方となるでしょう。
家族信託をおこなっても遺留分の問題は生じえます。
遺留分とは、法定相続人に最低限保障された相続財産のことです。
下記の割合を侵害された相続人は、遺留分減殺請求(遺留分侵害額請求)をおこなうことで遺産を取り戻すことができますが、その際に弁護士に依頼すれば、請求範囲や請求手続きについてアドバイスやサポートが望めます。
【相続遺留分の割合まとめ】
相続人 |
総財産に対する遺留分の合計 |
各相続人の具体的な遺留分 |
|||
配偶者 |
子供 |
父母 |
兄弟 |
||
配偶者のみ |
2分の1 |
2分の1 |
× |
× |
× |
配偶者と子供 |
2分の1 |
4分の1 |
4分の1 |
× |
× |
配偶者と父母 |
2分の1 |
6分の2 |
× |
6分の1 |
× |
配偶者と兄弟 |
2分の1 |
2分の1 |
× |
× |
× |
子供のみ |
2分の1 |
× |
2分の1 |
× |
× |
父母のみ |
3分の1 |
× |
× |
3分の1 |
× |
兄弟のみ |
× |
× |
× |
× |
× |
遺言代用信託とは、委託者の死亡または死亡後の理由を条件に給付を受ける信託のことです。
後継ぎ遺贈とは、遺贈者Aが自分の死後に財産をBに与えて、Bが死亡した後にCに与えるという遺贈のことです。
なお、Bが取得した財産の行方をAが決めるのは通常は無効になるとされています。
後継ぎ遺贈型受益者連続信託とは、後継ぎ遺贈のうち、Bが取得した財産の行方もAが決められる遺贈のことです。
家族信託は比較的新しい手続きであるため、信託銀行や信託会社などでも手厚いサポートが受けられなかったり、そもそも家族信託に対応していなかったりするところもあります。
はじめから家族信託に注力している弁護士に相談しておくことで、その後の手続きもスムーズに進められるでしょう。
家族信託を弁護士に依頼する場合、費用相場は以下の通りです。
信託財産の評価額 |
費用 |
1億円以下の部分 |
1% |
1億円超3億円以下の部分 |
0.5% |
3億円超5億円以下の部分 |
0.3% |
5億円超10億円以下の部分 |
0.2% |
10億円超の部分 |
0.1% |
たとえば、もし4,000万円の財産を持っていた場合には、40万円の費用がかかるということになります。
ただし上記はあくまで目安であるため、詳しい金額については直接事務所に確認することをおすすめします。
相続知識のない方にとって弁護士は心強い味方となりますが、特に以下のようなケースでは有効でしょう。
高齢者については、もし今後認知症などによって判断能力を失えば不動産を売ることができなくなるうえ、預金を下ろすことも困難になります。
資産運用して利益を得たり、相続税の納税資金をつくったりするために不動産の一部を処分したいと考えていても、それらもできなくなってしまいます。
そこで、まだ元気なうちに長男などを受託者として契約を結んでおくことで、長男が祖父の生活費などを代わりに支出できますし、契約内容によっては納税資金のために不動産を処分するということも可能になります。
障がいがあって自力で財産管理できない子どもがいる場合、両親としては「自分たちが死んだ後にひとりで生活していけるのか」という不安もあるでしょう。
このようなケースでは、夫婦が委託者となって信頼できる親戚を受託者にしておくことで、障がいを持ったお子さんが受益者として将来的に財産を受け取れるよう信託を組むことができます。
家族信託を弁護士に相談する際は、弁護士の選び方に注意しましょう。
交通事故・離婚・債権回収・刑事事件など、弁護士によって得意とする分野は幅広いため、必ず相続問題に注力する弁護士を選ぶことです。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)では、家族信託について相談可能な弁護士を掲載しています。
地域検索や条件検索もでき、無料相談可能・休日相談可能など、細かいニーズに合わせた弁護士検索が可能です。
弁護士探しが初めてという方には特におすすめです。
家族信託は比較的実例なども少ないため、専門家の中でも特に弁護士によるサポートを得たほうが安心して進められるでしょう。
無料法律相談が可能な弁護士事務所も多くあります。
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