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家族信託を弁護士に相談する必要性と依頼した際の費用・メリットまとめ
2017年08月25日

家族信託を弁護士に相談する必要性と依頼した際の費用・メリットまとめ

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家族信託とは、相続財産を持つ被相続人が自分の老後や介護に必要な資金の管理・給付をする時に、保有する財産を信頼できる家族に託し、のちのちの管理や処分を任せる財産管理のことです。

 

NHKの「クローズアップ現代」などでも取り上げられたことがあるなど、近年じわじわとその認知度上げてきた、比較的新しい財産管理方法ですね。

 

今までは、成年後見制度などが家族信託の広まる以前にメインとして使われていましたが、後見制度ではあくまで自分の財産を守るだけで、本人の財産を本人以外に使うことはできませんでした。この穴を埋めて家族が財産を使えるようにしたのが、家族信託です。

 

参考:家族信託の仕組みと利用するメリット・デメリットの全知識

 

 

こう聞くと家族間だけで完結するように思えますが、実は家族信託は弁護士に相談・依頼した方がスムーズな相続や財産継承が行えます。

 

そこで、今回は、なぜ家族信託を弁護士に相談する方が良いのか、実際に依頼した場合の費用はいくらなのか、弁護士は一体何をしてくれるのかについて解説していきます。

 

 

  目次
家族信託を行う際に弁護士に相談するメリット
契約内容の正当性を判断し作成がスムーズになる
信託契約の決め方を相談できる
遺留分の侵害要件についてアドバイスがもらえる
民事信託サービス会社でも家族信託について知らないことが多い
家族信託について弁護士に依頼した場合の費用
家族信託の活用事例
1:祖父の認知症に備える(後見代用信託)
2:障がいのある子に財産を残す(死亡後の信託)
まとめ|家族信託は必ず相続に詳しい弁護士に相談

 

 

家族信託を行う際に弁護士に相談するメリット

まずは、家族信託について弁護士に相談。依頼する場合のメリットについてご紹介していきます。

 

家族信託は信託法を活用した新しい制度ですので、まだ実例が少なく、紛争になった場合にどう対処していけば良いのか、そもそもどのようなトラブルが起きやすいのかといった、予測が難しいものでもあります。

 

つまり、財産管理上生じた疑問やトラブルについて相談・サポートを依頼できるとより安心といえます。そのため、家族信託を本気で導入したい場合は、相続関係に詳しい弁護士を頼るのも検討に値します。

 

契約内容の正当性を判断し作成がスムーズになる

信託契約は諾成契約(意思の合致で成立する契約)であるため、口頭の合意でも契約は成立します。ただ、基本的に信託契約には「委託者」「受託者」「受益者」の3人が存在しますので、信託内容を明らかにする意味でも、契約書の存在は重要でしょう。

 

弁護士に依頼することでこの契約内容の整合性や正当性を判断し、後々起こり得る可能性のあるトラブルに関して、事前に対策を打つことができます。

 

信託契約の決め方を相談できる

家族信託の契約内容で迷うケースとして考えられるのは、

 

  1. 自分が死んだ後の財産の管理方法を孫の代まで指定するという内容
  2. 自分が認知症などになるまでは財産を自分で管理し、認知症などになったら財産を家族に管理してもらうという内容
  3. 生前から管理を全て任せるという内容

 

他にもパターンは考えられますが、どうするのが委託者にとって一番良い方法なのかや、契約内容に漏れがないかなどを考えてくれます。「2」の場合、認知症になったら家族の管理に移るが、自分勝手に移動させら内容に監督者をつけておいた方が良い場合もあるでしょう。

 

遺留分の侵害要件についてアドバイスがもらえる

遺留分とは、法定相続人に最低限保障された相続財産のことで、下記の割合を侵害された相続人が遺留分減殺請求を行うことで遺産を取り戻すことができます。

 

相続人 

総財産に対する遺留分の合計 

各相続人の具体的な遺留分

配偶者

子供

父母

兄弟

配偶者のみ

1/2

1/2

×

×

×

配偶者と子供

1/2

1/4

1/4

×

×

配偶者と父母

1/2

2/6

×

1/6

×

配偶者と兄弟

1/2

1/2

×

×

×

子供のみ

1/2

×

1/2

×

×

父母のみ

1/3

×

×

1/3

×

兄弟のみ

×

×

×

×

×

 参考:遺留分の計算方法と割合|本来の遺留分を獲得する方法

 

家族信託の場合、もし遺留分を侵害されていたら下記のように考えるのが通説とされています。

 

  1. 遺言代用信託の場合も遺留分の問題は生じる
  2. 後継ぎ遺贈型受益者連続信託の、委託者の死亡時点で受益権を持つ人に対しては遺留分の問題は生じる
  3. 後継ぎ遺贈型受益者連続信託の、委託者ではない受益者Aの死亡によって受益権が消滅し、他のBが新たに受益権を取得した時に、死亡したAの相続についてBがAの法定相続人の遺留分侵害の問題は生じ得ない。

 

遺言代用信託とは:委託者の死亡または死亡後の理由を条件に給付を受ける信託のことです。

 

後継ぎ遺贈とは、

  1. 遺贈者Aが自分の死後に財産をBに与えて
  2. Bが死亡した後にCに与える

 

という内容の遺贈のことで、Bが取得した財産の行方をAが決めるのは通常は無効になるとされています。

 

 

後継ぎ遺贈型受益者連続信託の場合、委託者Aはまず自分を受益者とし、Aが死亡したらBを次の受益者に指定、Bも死亡したら長男Cを受益者にするという信託内容になります。

 

 

民法では遺留分に関して、「遺留分権利者及びその承継人は、遺留分を保全するのに必要な限度で、遺贈及び前条に規定する贈与の減殺を請求することができる(民法第1031条)」と定められています。

 

ただ、信託による財産の給付が遺留分の対象にならないとすると、相続財産を侵害された方としては、心情は穏やかではないでしょう。例えばこの問題に関しては事例も少なく、判例も示されていないので、法律の専門家の意見が必須になるでしょう。

 

民事信託サービス会社でも家族信託について知らないことが多い

家族信託のサポートを行なっている会社でも、実は家族信託に詳しくない可能性はあります。例えばみずほ銀行の場合、「家族信託(安心の贈りもの)」という商品名で信託商品を展開していますが、多くの信託銀行では「家族信託をそもそも理解していない」「家族信託には対応していない」との回答をもらうことが多いようです。

 

引用元:「安心の贈りもの」のしくみ

 

相続が発生した場合、被相続人の預貯金などは一旦凍結され、手続きを踏んでも直ちに解除されることはないので、家族信託を銀行に依頼した場合はこういったケースにも対応できるという点では便利なのですが、まだまだ対応してくれるのは先の話になりそうです。

 

その他の相談センターやサポート会社も、本当に信託法などを理解しているのかはわかりませんので、最初から相続が得意な弁護士に相談しておくのが結果的には安心かもしれませんね。

 

 

家族信託について弁護士に依頼した場合の費用

家族信託は基本的にはお金のかかるものではありませんが、弁護士などの専門家に依頼する場合は、下記のような費用が発生する可能性が高いです。

 

信託財産の評価額

手数料

1億円以下の部分

1%
(3,000万円以下の場合は30万円)

1億円超3億円以下の部分

0.5%

3億円超5億円以下の部分

0.3%

5億円超10億円以下の部分

0.2%

10億円超の部分

0.1%

参考:相続問題の弁護士費用の相場とできるだけ安く抑える方法

 

もし4,000万円の財産を持っていた場合は40万円の費用がかかるということになります。相談料は無料の事務所も多いですが、費用がかかるとしたら1時間10,000円程度がかかるでしょう。

 

 

 

家族信託の活用事例

ここで、実際に家族信託を活用した事例をご紹介していきます。

 

1:祖父の認知症に備える(後見代用信託)

祖父が判断能力を失えば不動産を売ることができなくなり、預金を下ろすことも困難になる。祖父は資産を運用して利益を得たり、相続税の納税資金をつくるために不動産の一部を処分したいと考えているが、将来自分が重病や認知症になった場合にそれができなくなる不安を感じている。

引用元:家族信託の活用事例

 

祖父がまだ元気なうちに長男などへ受託者として契約を結んでおけば、長男が祖父の生活費などを代わりに支出できますし、契約内容によっては納税資金のために不動産を処分するということも可能になります。

 

2:障がいのある子に財産を残す(死亡後の信託)

障がいがあって自分では財産管理ができない子どもがいる場合、自分たちが死んだ後にひとりで生活していけるのかという不安もあるでしょう。そういった場合に、夫婦が委託者となり信頼できる親戚を受託者にしておくことで、障がいを持ったお子さんが受益者となるような信託を組めます。

引用元:家族信託の活用事例

 

 

まとめ|家族信託は必ず相続に詳しい弁護士に相談

家族信託は「信託法」と「民法」の両方から考えていかなくてはいけない制度であり、なかなか理解が難しい制度といっていいでしょう。

 

実例自体が少ないので、様々な側面でトラブルが生じる可能性がゼロではありません。もし家族信託を検討しているのであれば、必ず弁護士に相談しておくことを強くおすすめします。

 

遺産相続問題を弁護士に依頼する7つのメリット

相続に関する手続きの手間が省ける

遺言書の作成に関してミスがなくなる

相続する財産や相続人の調査を任せることができる

相続放棄すべきかの判断がもらえる

希望する条件で遺産分割を進められる

親族間での揉め事を事前に防ぐこともできる

遺留分を侵害された場合、遺産を取り戻すことができる

参考:相続問題を弁護士に相談するメリットと相談すべきタイミング

 

ただ、家族信託が利用できれば相続でできる範囲もかなり広がるでしょうから。今回の内容を参考に、弁護士に相談することを検討してみてはいかがでしょうか?

 

 

現在の遺産相続の割合や分割協議に不満がある、納得がいかないという方は相続が得意な弁護士への相談をオススメします

もし、あなたが下記のようなお悩みがあれば、弁護士への相談を強くオススメします。

・もっと遺産を貰って当然だと思う
・遺産の分け方を兄弟で争っている
・遺言書の内容が真実か確かめたい
・自分勝手な相続人が居て困っている
・侵害された遺留分を取り返したい



大きな金額が動く遺産相続では、今まで仲の良かった兄弟でも争いに発展することが多くあります。仲が良くなければ尚更争いが起こる可能性は高いでしょう。

当事者同士が感情的になってしまうと解決は絶望的です。まずは弁護士に相談して解決の糸口を見つけましょう。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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