あおば法律事務所の内川弁護士は、30年以上にわたり法律トラブルの解決に携わってきた、ベテラン弁護士です。
今なお続く、水俣病・ハンセン病・薬害エイズ・B型肝炎等の問題にも、弁護団の一員として取り組み続けています。
「社会的立場が弱い方々でも、誰もが公平に法的サポートを受けられる状況になってほしい」と語る内川弁護士。
「あなたのホームロイヤー」という方針を掲げ、冷静かつ穏やかにご相談者様のお悩みを受け止めます。
内川弁護士が大切にしている考え方や、弁護士として心がけていることなど、詳しくお話を伺いました。
あおば法律事務所が大切にしている考え方
――事務所方針として「あなたのホームロイヤー」を掲げていますが、どのような経緯でこの方針が決まったのでしょうか。
日々生活していると、法律に関する知識がなければ酷い目に遭うこともありますし、そういったことも分からないまま困っていらっしゃる方も多いでしょう。
昔は、今ほど弁護士も多くなく、弁護士の知り合いなどもおらず紹介すらしてもらえないという状況も珍しくありませんでした。そのような状況について、私は「これではいけない」と思っていたのです。
誰もが公平に法律問題を解決してもらえる状況の方がもちろん望ましいですし、社会的に弱い立場に置かれている方が法律問題に苦しんで、酷い目に遭うことがなくなるよう取り組みたいと思い、事務所方針を決定しました。
――「社会的に弱い立場の方」とは、どのような方のことを言うのでしょうか。
時代によっても考え方が変わるところではありますが、一例として、男性に比べて女性の場合は、立場的に弱くなってしまうこともあるかと思います。
内川弁護士のこれまでの歩み
――そもそも、なぜ熊本県を拠点にしようと思ったのでしょうか。
もともと、私は福岡県の北九州市出身で、熊本の人間ではありません。
ただ、これは現在も続いている問題でもありますが、当時の熊本県では水俣病の第三次訴訟がおこなわれていて、「私も問題解決のサポートをしたい」という想いがありましたので、熊本県を拠点にすることに決めたのです。
水俣病のほかにも、ハンセン病・薬害エイズ・B型肝炎などの問題については弁護団に所属しており、弁護団会議や裁判など、毎月参加してサポートを続けています。
相続問題に関する内川弁護士の対応方針
――法律相談の際、どのような対応を心がけているのかお聞かせください。
法律相談では、問題解決のために必要な助言はさせていただきますが、あくまでも最終的な判断はご相談者様本人に決めていただくようにしています。
ご相談内容の今後の方向性や、どのような結果になる見込みなのかを把握していただいたうえで、こちらから選択肢をいくつか提示して、決めていただくということですね。
場合によっては、時間の経過によって相談当初と考え方が変わることも珍しくありません。
そのため、ご相談者様とお話しさせていただくなかで、何度も質問を投げかけて、繰り返し判断していただくようにしています。
――ご相談者様から依頼を受けた際は、どのような対応を心がけているのかお聞かせください。
弁護士の対応姿勢としては主に2パターンに分けられて、ご相談者様になりきって怒りをぶつける弁護士のほか、感情的にならず冷静に対応する弁護士などがいると思いますが、私の場合は後者です。
ご相談者様のなかには「相手をやっつけてやりたい」などとお考えの方もいるかもしれませんが、ただ怒りをぶつけるだけでは、気持ちが晴れることはないと思います。
感情的なやり取りはせず、問題解決に向けた今後の方向性について、冷静に話し合うことが大切だと思っています。
――ご相談者様からはどのような感謝の言葉を頂いてきたのか、印象的なものをお聞かせください。
「問題が解決して良かった」と感謝されることもありますが、過去には、裁判で負けてしまったものの、「先生に依頼して良かった」というお言葉を頂いたのも印象に残っています。
相手方との妥協点やご相談者様の希望などはケースごとに千差万別ですが、最終的には「ご相談者様の納得を得られるか」というのが重要だと思っています。
ご相談いただいてお話をするなかで、何が大事なのかご自身でも自覚していただき、そのうえで今後の対応方針について固めていくようにしています。
――基本的に、ご相談者様は県内の方がほとんどなのでしょうか。
多くのご相談者様は県内の方ですが、県外からご相談いただくこともあります。
例えば、ご相談者様は県外に住んでいるものの、熊本の裁判所が管轄する事件ということで、当事務所にご相談に来られたこともあります。
ほかにも、「被相続人が熊本で亡くなって、相続人の一部は東京で暮らしている」ということもありました。
内川弁護士にとって印象深い案件
――これまでの弁護士活動のなかで、特に印象深い案件をお聞かせください。
兄妹4人で遺産分割について争っているという案件が印象に残っています。
昔は「長男が1人で財産を受け継ぐ」という考え方の家庭が多くて、この案件でもそのような考え方から、長男と他3人とでトラブルになっていました。
まずは調停を申し立てたのですが、結局裁判にまでもつれ込み、解決までに10年以上かかりました。
最終的には解決したものの、私自身「こんなに時間をかけるのはどうなのだろう」「亡くなられた方の想いはどうなのだろう」という想いがありました。
「たとえ当事者同士に争う意志があったとしても、それを貫くとどうなるのかということをしっかり説明しないといけない」ということを、改めて思うことになった案件でした。
――お金が原因で家族の関係がギクシャクしてしまうのは、辛いですよね…。
相続問題の場合、これまでどんなに仲が良くても、相続をきっかけに関係が崩れてしまうということも珍しくありません。
相続トラブルは遺言書がないケースがほとんどですので、遺言書があればトラブルを避けられる可能性がありますが、なかには遺言書があってもトラブルになるケースもあります。
過去には、「遺言書が偽造されている」というご相談をいただき、裁判で遺言書の無効を主張して争ったこともありました。
――内川先生は、どのようにして遺言書の偽造を主張したのでしょうか。
遺言書が偽造されていることを立証するのは難しくて、2つの方向から攻めなければいけません。
まず、被相続人の生前の状況を踏まえたうえで、「このような内容の遺言書を作成することはあり得ない」ということを主張しました。そして、裁判所に鑑定人を選んでもらって筆跡鑑定もおこないました。
これらの結果、最終的に遺言書が無効であるということが無事認められました。
内川弁護士の趣味
――仕事以外の時間は、どのようなことをしてリフレッシュしているのかお聞かせください。
新型コロナウイルスが流行る以前は、妻と一緒に外食に行ったり、旅行に行ったりしてリフレッシュしていました。
今はあまりやらなくなってしまいましたが、妻とテニスをしたりとか、読書・天体観測・音楽鑑賞・映画鑑賞・ドライブなどをしたりしてリフレッシュしています。
内川弁護士から一言
――弁護士への相談を悩んでいる方もいると思いますが、内川先生から一言お願いします。
少しでもお困りごとがあれば、まずは弁護士にご相談ください。
まだ争いが始まったばかりの時点であれば、弁護士からのアドバイスを活かして、裁判などの大ごとになる前に解決できる可能性があります。
なるべく早い段階で動いておくことで、ご相談者様の負担も減りますし、最終的な結果も変わってくるでしょう。
「法律は万能の特効薬」とお考えになる方も、なかにはいるかもしれません。
しかし、実際のところは、法律で一刀両断に全ての物事が決まるわけではなく、法律だけでは決まらない部分もあります。
ご相談者様の希望が少しでも叶うよう、ケースに応じて法律を活用して、問題解決のために尽力いたします。
