遺産相続でもめたり、もめる可能性が高かったりする場合は、できるだけ早めに弁護士に依頼することをおすすめします。
法律の専門家であり、交渉のプロである弁護士に依頼すれば、速やかにトラブルが解決する可能性が高いうえ、後になってトラブルが起きないよう適切に対処してもらえるでしょう。
しかし、弁護士であれば誰に依頼してもよいわけではありません。相続問題の解決実績が豊富な弁護士を選ぶ方がよいでしょう。
というのも、弁護士にはそれぞれ注力している分野があるからです。相続問題を多く扱う弁護士であれば、知識はもちろん経験も豊富に備えているため、より良い結果が得られるよう導いてもらえるでしょう。
今回は相続問題を弁護士に依頼するメリットや弁護士の選び方、探し方を紹介するほか、無料相談の活用法についても紹介します。
【注目】相続問題に強い弁護士をお探しのあなたへ
相続問題に強い弁護士探しで困っていませんか?結論から言うと、無料相談や電話相談を利用し、複数の弁護士を比較することで経験豊富な弁護士がより見つかりやすくなります。
今すぐにでも相続問題の解決に向けて動き出したいなら、ベンナビ相続を活用しましょう。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)では、相談内容や地域別に相続問題を得意とする弁護士を以下のような条件で探すことができます。
「弁護士が代理で交渉してほしい」「そもそもこの相続方法でいいの?」「財産を洗い出しきれてるか不安」など、あなたの悩みに弁護士は真摯に向き合います。まずはお気軽にご相談ください。
相続問題が得意な弁護士に依頼する6つのメリット
相続トラブルが起きたり、相続で不安な点やわからないことがあったりするなら、相続問題を得意とする弁護士に相談しましょう。
弁護士に依頼すれば、次に紹介するようなメリットが期待できます。
相続に関する手続きの手間が省ける
相続が発生すれば、手間のかかる多くの作業が必要となります。
相続人での遺産分割協議をする前には相続人調査や財産調査をしなければならないほか、遺産分割協議の末、分割の仕方が決まった後には各財産の相続手続きをする必要があります。
さらに期限のある手続きもあるので、迅速に進める必要もあるでしょう。
弁護士に依頼すれば、相続に関する全ての手続きを任せられます。
自分でおこなわなければならないことはほとんどないため、時間も手間もかかりません。
さらに、遺産分割協議がまとまらなければ、速やかに調停手続きに移行し、できるだけ早急に解決するように取り計らってもらえるでしょう。
法的観点から有利に交渉できる
弁護士に依頼すれば、弁護士はあなたの代理人として遺産分割協議に参加します。
依頼者が最大限の利益を得られるよう、ほかの相続人に対して法的な観点から論理的に主張してくれるので、あなたにとって有利な内容で解決する可能性が高いでしょう。
親族間でのトラブルなどの代理交渉をしてもらえる
相続においては、親族間でトラブルが起こることも珍しくないものです。
「長男である自分が全財産を相続する」などと理不尽な主張をする相続人がいたり、被相続人から生前に多額の贈与を受けているにもかかわらず、さらに多額の遺産まで得ようとする方がいたりするなど、さまざまなトラブルが起こり得ます。
弁護士に依頼すれば、そのような親族との交渉も代理でおこなってもらえます。
法律や過去の裁判例を用いて正しく反論してもらえるので、相手の不当な要求を受け容れることなく、平等な遺産分割が実現できるでしょう。
財産調査など、自分では難しいことも任せられる
遺産分割協議の前には、必ず財産調査と相続人調査をおこなわなければなりません。
財産調査とは、被相続人が遺した各財産の評価額を求め、遺産総額を算出することです。
相続方法を決めたり、相続税額を算出したりするためにも非常に重要な調査であり、きちんとおこなう必要があります。
しかし、土地や株式など評価の難しい財産がある場合は、自分でおこなうのは非常に難しいでしょう。
弁護士に相続手続きを依頼すれば、財産調査もおこなってもらえます。
評価額の正確な算出はもちろん、相続人の誰かが隠している財産があったとしても発見してもらえるでしょう。
さらに、相続人調査も任せられます。相続人調査とは、役所などで戸籍謄本などを取得し、相続人を特定する作業です。
「親族のことだし、わざわざ調べなくても明らかだ」と思われるかもしれませんが、必ずおこなわなければなりません。
なぜなら、自分たちが認識している以外の相続人が見つけるケースも少なくなく、万が一、全ての相続手続きが完了してから、ほかに相続人が見つかれば、最初から全てやり直しになるからです。
相続人調査は相続人の数が少なければ簡単ですが、相続人の数が多い場合には相当な手間がかかります。
正確に調査をするためにも、弁護士に依頼するのがよいでしょう。
遺言書の無効を主張してもらえる
遺言書が残されていれば、原則としてその内容に従って相続手続きを進めます。
しかし、遺言書は常にその効力が認められるとは限りません。
遺言の形式に問題があったり、遺言作成時に被相続人が認知症等で判断能力が十分になかったりすれば、無効になる可能性が高いでしょう。
そして、遺言書の有効性をめぐる問題は、法律知識の乏しい者同士がいくら議論しても話がまとまらず、トラブルに発展しやすい傾向にあるからです。
遺言書の効力に疑問がある場合は、弁護士に依頼するほうがよいでしょう。
弁護士であれば、法律や過去の裁判例に照らしてその有効性を見極めてくれます。
無効な遺言書であれば、その執行を認めず、遺産分割協議をおこなうように導いてくれるでしょう。
相続方法を相談できる
相続財産には、預金や不動産などのプラスの財産だけでなく借金などのマイナスの財産も含まれます。
被相続人が多額の借金を残して亡くなった場合などは、マイナスの財産が大幅に超過する可能性もあるでしょう。
そのまま相続してしまえば、相続人は大変な目に遭ってしまいます。
そのような事態に陥るのを避けるためには、しっかり財産調査をおこなったうえで相続方法を正しく選択することが大切です。
相続方法には、プラスもマイナスも含めた全ての財産を相続する「単純承認」のほか、プラスの財産の範囲内でマイナス分を清算する「限定承認」、全ての財産についての相続権を放棄する「相続放棄」があります。
このうち限定承認と相続放棄は家庭裁判所に申し立てをせねばならず、一度選択すれば撤回はできません。
後悔しないためにも、相続方法の選択は慎重におこなう必要があるでしょう。
弁護士に依頼すれば、財産調査を漏れなくおこなったうえで、どの相続方法を選択すればよいのか助言をもらえます。
その後の手続きも任せられるので、複雑な作業を自分でする必要もありません。
弁護士に相談しなくてもいいケースもある
相続が発生しても、相続争いが起こっていないのであれば、弁護士に相談する必要はありません。
分割すべき相続財産がないケースや相続人が一人しかいないケースなどは、トラブルが起こる可能性は低く、手続きなども簡単に進められるはずです。
そのような場合は、弁護士に相談せずに自身で進めても問題ありません。
相続問題に強い弁護士とは
「相続トラブルの解決を弁護士に依頼したいけれど、どのように弁護士を選べばよいのかわからない」という方もいることでしょう。
一般的に「相続問題に強い弁護士」とは、以下のような弁護士を指すことが多いようです。
相続問題の解決実績が豊富であること
相続トラブルの解決なら、相続問題の解決実績が豊富な弁護士に依頼するのがおすすめです。
弁護士にはそれぞれ注力している分野があり、ほかの分野よりも多くの知識や経験を備えています。
そのため、相続問題の解決を得意とする弁護士に依頼すれば、よりスムーズにあなたにとってベストな形での解決が期待できるでしょう。
弁護士の実績は法律事務所のホームページを確認すれば掲載されている場合も多くあります。
相談してみたい弁護士を見つけたら、まずはホームページをチェックしてみるとよいでしょう。
また、「ベンナビ相続」では相続問題を得意とする弁護士のみを掲載しています。相続問題の解決のために弁護士をお探しの際はぜひご活用ください。
弁護士としての活動期間が長いこと
相続問題の解決では、ほかの相続人との交渉が肝になる場合も多くあります。
納得のいく結果となるかどうかは、弁護士の交渉力によるところも大きいでしょう。
交渉力は、一朝一夕に身に着くものではありません。長年の経験がものをいうものです。
そのため、弁護士登録をしてから日が浅い弁護士よりは、活動歴の長い弁護士を選んだ方がよいといえるでしょう。
弁護士の活動期間は登録年を確認すればわかります。
ホームページに記載している弁護士も多いので確認してみるとよいでしょう。
司法書士・税理士などが在籍または連携していること
相続では、弁護士以外にもさまざまな専門家の手を借りなければならない場面も多くあります。
相続財産に不動産が含まれていれば、相続登記は司法書士に依頼しなければなりませんし、相続税を納付しなければならないケースでは税理士に相談して、節税対策などのアドバイスをもらいながら進めるのが賢明です。
司法書士や税理士など、ほかの専門家と連携している弁護士なら、相続に関する手続きは全て弁護士を通せば解決できます。
改めてほかの専門家を探す必要がなくワンストップで解決できるので、非常にスムーズでしょう。
費用の説明が明確であること
弁護士に依頼する場合、最も気になるのは費用のことでしょう。
いくらくらいになるのかよくわからないまま依頼して、最後に高額の費用を請求されても困ります。
不安のないよう、費用体系がわかりやすかったり、費用の見積もりを明示してくれたりする弁護士なら安心です。
相続問題の弁護士費用の相場
「実際の弁護士費用はいくらくらいなのか?相場や目安を知っておきたい」という方もいるでしょう。
以下では、過去に日弁連(日本弁護士連合会)が定めていた報酬の基準を紹介します。
この基準は弁護士法の改正により、現在では廃止になりましたが、今でもこの基準を元に報酬額を決めている弁護士も少なくありません。相場を知るうえでの参考になるでしょう。
相談料 |
初回法律相談 |
5,000円~1万円(30分あたり。最近では無料としている法律事務所も多くあります。) |
一般法律相談 |
5,000円~2万5,000円(30分あたり) |
着手金と報酬金 |
経済的利益額の額 |
着手金 |
報酬金 |
300万円以下 |
事件の経済的利益の額の8% |
事件の経済的利益の額の16% |
300万円を超え3,000万円以下 |
事件の経済的利益の額の5%+9万円 |
事件の経済的利益の額の10%+18万円 |
3,000万円を超え3億円以下 |
事件の経済的利益の額の3%+69万円 |
事件の経済的利益の額の6%+138万円 |
3億円を超える場合 |
事件の経済的利益の額の2%+369万円 |
事件の経済的利益の額の4%+738万円 |
上の表で紹介した着手金、報酬金のほかにも実費や日当がかかります。
実費や日当の概要と相場は以下のとおりです。
|
費用の概要 |
相場 |
実費 |
事件の解決に実際にかかった費用のこと。書面の郵送費用や弁護士の交通費などが含まれる。 |
事件の内容による。 |
日当 |
弁護士が事務所外で活動した場合にかかる費用のこと。遠方でない限り請求しない事務所もある。 |
半日:3万~5万円 1日(4時間以上):5万~10万円 |
相談に対して親身になって話を聞いてくれること
弁護士がどのように対応してくれるかも重要なポイントといえます。
弁護士に依頼し、満足する結果を得るためには、自分の希望や避けたい事態、不安に思うことなどを正直に伝えられることが非常に重要です。
ベストな結論とは人によって異なるものであり、依頼者に寄り添いながら一緒に解決してくれる弁護士こそ、本当に良い弁護士といえるでしょう。
一方、依頼者の話をよく聞かず、自分の独断で進めてしまうような弁護士であれば、問題が解決したとしても、何となく腑に落ちない結果となるでしょう。
そのような事態を避けるためにも何でも気兼ねなく相談できる弁護士を選ぶことをおすすめします。
依頼者にとって不利な内容も説明してくれること
どんなに腕の立つ弁護士でも、状況によっては依頼者の希望どおりに解決するのは難しいこともあります。
そのような場合に、依頼者にとって不利な内容でも正直に伝えてくれる弁護士のほうが信頼できるでしょう。
弁護士に「難しい」といわれれば、落胆して弁護士の能力を疑ってしまう方もいるかもしれませんが、そうではありません。
たとえ成功する見込みのない依頼内容でも受任してしまえば、着手金が発生します。
そのため、依頼者にとって不利な内容やリスクもしっかり説明してくれる弁護士は誠実で信頼できると判断できます。
安心して依頼してよいでしょう。
相続問題が得意な弁護士の探し方
弁護士に相談や依頼をした経験がなく、「そもそも弁護士をどうやって探せばよいのかわからない」という方もいるでしょう。
そのような方のために、主な弁護士の探し方をご紹介します。
ベンナビ相続で探す|全国の無料相談・電話相談OKの弁護士を探したい方
「まずは無料相談をしてみたい」「忙しくて事務所に訪問する時間がないので電話で相談したい」という方は、「ベンナビ相続」を利用して弁護士を探すのがおすすめです。
ベンナビ相続には相続問題の解決実績が豊富な全国の弁護士が掲載されています。
無料法律相談を実施していたり、電話相談を受け付けていたりする事務所も多いので、どんな方でも利用しやすいでしょう。
弁護士はエリアや、より詳しい相談内容から検索できるので、近くで活動していて、ご自身のケースにぴったりの弁護士が見つかるはずです。
法テラスで紹介してもらう|費用を押さえたい方
「経済的に困窮しており、弁護士費用が用意できないために弁護士に相談できない」という方は法テラスの利用がおすすめです。
法テラスとは国が設立した法律トラブル解決のための総合案内所です。相談すれば、問題解決に役立つ機関やサービスを案内してくれます。
また、誰でも平等にリーガルサービスを受けられることも目的としており、経済的な理由で弁護士に相談できない方には、無料法律相談や弁護士費用の立て替えもおこなっています。
ただし、利用するには資力基準を満たさねばなりません。法テラスの利用条件や利用方法などは下記公式サイトに記載されています。利用したい方はこちらをご確認ください。
弁護士会の弁護士紹介制度を利用する|近くの弁護士を探したい方
とにかく近くで弁護士を探したい方は、各地の弁護士会の弁護士紹介制度を利用するとよいでしょう。
各地の弁護士会に依頼すれば、無料で都道府県の弁護士会に所属する弁護士を紹介してもらえます。
申込方法は弁護士会によって異なりますが、電話かWebで受け付けている場合がほとんどでしょう。
無料相談はおこなっておらず、30分あたり5,000円程度の相談料がかかります。
なお、各地の弁護士会とその連絡先は下記サイトから調べられます。
弁護士の無料相談は30~60分|最大限活用するために用意しておくべきもの
無料相談は大抵の場合、30分程度しかありません。
長い場合でも60分程度と限りがあります。
最大限活用するためには、事前準備が大切です。
無料相談を利用する前におこなっておくべき準備についてご紹介します。
できれば必要書類を用意しておく
弁護士にできるだけ具体的かつ的確なアドバイスをもらうためには、事情を正確に把握してもらうことが大切です。
そのためにも、相談の際には以下の書類を持参するとよいでしょう。
必要書類 |
入手できる場所 |
被相続人の戸籍謄本、住民票の除票 |
市区町村役場 |
遺言書 |
自宅等、または法務局または公証役場 |
相続財産がわかる資料 (例:預金通帳、株式等の有価証券、固定資産税表か証明、不動産登記簿謄本、生命保険証、借入金の残高証明書、請求書など) |
財産による |
葬儀費用の領収書 |
葬儀会社 |
家系図を準備するなど親族の関係性をまとめておく
関係者をまとめておけば、弁護士が背景を理解しやすく、話が早くなります。
本題に割く時間をできるだけ長く確保するためにも準備しておくとよいでしょう。
できるだけ財産を洗い出しておく
相続方法の選択や遺産分割について相談したい場合は、できるだけ遺産の内訳を把握しておくのが望ましいところです。
どのような財産があるかは、財産調査をして調べる必要があります。
まずは被相続人の遺した預金通帳からお金の流れを確認したり、郵便物を調べたりすればある程度把握できるでしょう。
最終的には各財産の評価額を算出しなければなりませんが、不動産や株式など自分でおこなうのが難しいものもあります。
そのような財産が含まれる場合は、弁護士に依頼するのがおすすめです。
どこまでサポートしてほしいのかを決めておく
法律事務所によっては相続問題における業務内容を細かく分類し、メニューごとに料金を設定しているところもあります。
そのような事務所に相談する場合は、費用を抑えるためにもあらかじめどこまでサポートしてもらうのかを決めておくとよいでしょう。
無料相談では、依頼を考えているテーマを重点的に相談することで、依頼後もスムーズにサポートしてもらえるでしょう。
まとめ|相続問題は解決実績が豊富な弁護士に相談しよう
相続トラブルに巻き込まれたら、相続問題に注力している弁護士に相談するのがおすすめです。
相続問題の解決実績が豊富な弁護士であれば、知識だけでなく経験も豊富なため、あなたにとってより良い解決へと導いてくれるでしょう。
さらに、相続問題の解決実績が豊富な弁護士を探すなら「ベンナビ相続」の利用がおすすめです。
ベンナビ相続には、相続問題を得意とする全国の弁護士が掲載されています。
無料相談を実施していたり、電話相談ができたりする法律事務所も多数掲載されていますので、相談してみたいと思える弁護士がきっと見つかるはずです。