名古屋には相続の無料相談窓口が充実しているので、相続トラブルなどの悩みや、相続手続きの進め方などを気軽に相談できます。
しかし、無料相談窓口の利用が初めての方は、以下のような疑問や不安もあることでしょう。
本記事では、名古屋で相続の無料相談ができる窓口や、各相談窓口の特徴などをわかりやすく解説していますので、相続問題に困っている方はぜひ参考にしてください。
名古屋で相続の悩みがある方は、専門家の無料相談窓口を利用してみましょう。
相談日時や予約の有無、相談方法などは以下のようになっており、弁護士や司法書士などの専門家が相談に乗ってくれます。
名古屋市内の各自治体では定期的な無料相談会をおこなっており、相続の相談も受付けています。
相談員は弁護士や司法書士になっているケースが多く、専門的な相談にも乗ってもらえます。
相談日時や相談時間などは自治体ごとに異なるので、市や町の広報誌、またはホームページで確認してみましょう。
なお、利用者は同一市内や同一区内の住民などに限られており、その場で専門家との委任契約は結べないので注意してください。
自治体の無料相談は遺言書などの書面鑑定にも対応していないので「ひとまず相談だけしてみたい」という方に向いているでしょう。
愛知県行政書士会は県内に17支部を設置しており、名古屋支部では以下の日程で相続の無料相談をおこなっています。
相談場所 |
名古屋市中村区鳥居通3-1-3 中村生涯学習センター1階ロビー |
相談日時 |
毎月第3火曜日の13時~16時 |
電話番号 |
052-990-2580 |
相談内容 |
相続全般や遺言書、成年後見制度など |
予約は必要ないので、気軽に利用してみましょう。
なお、行政書士は業務が限定されており、相続登記や相続税申告、相続争いの相談はできないので注意してください。
愛知県司法書士会では相続登記などの無料相談を受け付けており、予約制で以下の相談センターを利用できます。
相談場所 |
名古屋市熱田区新尾頭1-12-3 愛知県司法書士会館内 |
相談日時 |
・毎週水曜日:相続・成年後見相談 13時~16時まで ・毎週金曜日:相続・遺言相談 13時~16時まで ・毎週土曜日:総合相談 10時~13時まで ※いずれも祝日・夏季休暇・年末年始を除く |
相談方法 |
直接面談またはオンライン面談 ※オンライン面談はZoomを使用 |
予約方法 |
052-683-6686へ連絡、またはインターネット予約 |
その他 |
電話予約は平日の10時~15時に受付け |
相続登記に関する手短な相談であれば、以下の登記・相続電話ガイドも利用してみましょう。
ただし、電話相談の場合、登記申請書の書き方などは相談できないので注意してください。
愛知県弁護士会の法律相談は有料ですが、定期的に無料相談会をおこなっており、相続の相談にも対応しています。
無料相談会の開催日程は公式サイトのトップページに掲載されているので、定期的にチェックしてみましょう。
なお、有料でも構わない方は、以下の法律相談センターで相続専門相談を利用できます。
相談場所 |
名古屋市中村区名駅3-22-8 大東海ビル4階 名古屋法律相談センター |
予約受付 |
9時10分~16時30分まで ※土日祝日を含む |
予約番号 |
052-565-6110 |
相談日時 |
・月曜日:9時20分~14時 ・水曜日:11時45分~16時25分 ・土曜日:14時10分~16時25分 ・祝日:9時20分~11時35分 |
相談料 |
30分5,500円 |
相続放棄の期限が迫っているなど、急ぎの対応が必要な方は有料相談をおすすめします。
法テラスでは民事法律扶助制度を利用できるので、相談者が以下の要件を満たしていると、30分×3回までの無料相談と弁護士費用の立替払いに応じてもらえます。
名古屋市内には以下の法テラスがあるので、経済的な余裕がない方は利用してみましょう。
ただし、弁護士を選べないため、経験の浅い弁護士や、相性の悪い弁護士が担当する可能性もあります。
納得いく形で弁護士に依頼したい場合は、直接弁護士事務所に相談することをお勧めします。
相談できる内容 |
法律事務所などの案内 |
電話番号 |
0570-078341 |
営業時間 |
平日の9時~17時 ※祝祭日は除く |
住所・アクセス |
名古屋市中区栄4-1-8 栄サンシティービル15F ・市バス「栄」停留所から徒歩3分 ・地下鉄東山線・名城線「栄」駅12番出口東へ徒歩3分 ・名鉄瀬戸線「栄町」から徒歩5分 |
公式サイト |
相続登記の無料相談を受けたい方は、名古屋法務局の登記手続案内を利用してみましょう。
相談方法には面談・電話・オンライン相談の3種類があり、面談の場合は以下の法務局や出張所が相談会場になります。
庁名 |
住所 |
電話番号 |
名古屋法務局 |
名古屋市中区三の丸2-2-1 名古屋合同庁舎第1号館 |
052-952-8111 |
熱田出張所 |
名古屋市熱田区神宮4-8-40 |
052-671-5221 |
名東出張所 |
名古屋市名東区社が丘4-201 |
052-703-2322 |
登記手続案内は予約制で1人20分までとなっており、平日9時~12時、13時~16時の間で利用できます。
なお、案内に従って登記申請書を作成しても、有効性までは担保されません。
個別事情を考慮したアドバイスも受けられないので、権利関係が複雑な不動産を相続するときは、司法書士に相談したほうがよいでしょう。
相続税申告や相続財産の評価方法がわからないときは、名古屋市国税局や税務署の無料相談を利用できます。
税務署名 |
所在地 |
電話番号 |
管轄地域 |
熱田 |
名古屋市熱田区花表町7-17 |
052-881-1541 |
熱田区、南区、緑区、豊明市 |
昭和 |
名古屋市瑞穂区瑞穂町字西藤塚1-4 |
052-881-8171 |
昭和区、瑞穂区、天白区、日進市、長久手市、愛知郡 |
千種 |
名古屋市千種区振甫町3-32 |
052-721-4181 |
千種区、名東区 |
中川 |
名古屋市中川区尾頭橋1-7-19 |
052-321-1511 |
中川区、港区 |
名古屋北 |
名古屋市北区清水5-6-16 |
052-911-2471 |
北区、守山区 |
名古屋中 |
名古屋市中区三の丸3-3-2 名古屋国税総合庁舎 |
052-962-3131 |
中区 |
名古屋中村 |
名古屋市中村区太閤3-4-1 |
052-451-1441 |
中村区 |
名古屋西 |
名古屋市西区押切2-7-21 |
052-521-8251 |
西区、清須市、北名古屋市、西春日井郡 |
名古屋東 |
名古屋市東区主税町3-18 名古屋第三国税総合庁舎 |
052-931-2511 |
東区 |
各税務署へ電話すると自動音声が流れるので、案内に従って「1」を選択し、次に「3」を選択すると、国税局電話相談センターの専用窓口につながります。
面談で税務署に相談したい方は、必ず事前予約を入れてください。
なお、相続税申告や財産評価は詳しく説明してくれますが、節税の方法は相談できないので、相続税対策を知りたい方は税理士に相談してみましょう。
名古屋で相続手続きや相続トラブルに悩んでいる方は、弁護士や司法書士などの無料相談を利用してください。
各士業には以下の手続きに対応しているので、分野別の違いを理解しておくとよいでしょう。
相談できる内容 |
弁護士 |
司法書士 |
行政書士 |
税理士 |
遺言書の作成 |
○ |
△ |
△ |
△ |
遺言書の検認申し立て |
○ |
△ |
× |
× |
相続人の調査 |
○ |
○ |
○ |
○ |
相続財産の調査 |
○ |
○ |
○ |
○ |
遺産分割協議書の作成 |
○ |
△ |
○ |
△ |
不動産の相続登記 |
△ |
○ |
× |
× |
相続放棄の申述 |
○ |
△ |
× |
× |
相続税申告 |
△ |
× |
× |
○ |
預貯金解約や株式の名義変更 |
○ |
○ |
○ |
△ |
自動車の名義変更 |
× |
× |
○ |
× |
相続争いの解決 |
○ |
△ |
× |
× |
「○」は各士業の専門分野ですが、「×」は権限がないので相談できません。
「△」は条件次第で相談可能となっており、司法書士にも登録している弁護士であれば、相続登記の相談にも応じてもらえます。
具体的な専門分野の違いについては、以下を参考にしてください。
行政書士には以下の業務を依頼できるので、名古屋で戸籍謄本の取得や預金解約を任せたい方は相談してみましょう。
相続手続きの際には基本的に戸籍謄本を提出しますが、被相続人の戸籍は出生時まで遡るため、何度も転籍している場合は膨大な量になるケースがあります。
遺産分割協議書も書き方や訂正方法が決まっており、不備があったときは全員の訂正印を押印することになるので、不安がある方は行政書士に作成を依頼してください。
名古屋で以下のような相続登記が必要な方は、司法書士の無料相談を利用してみましょう。
相続する不動産が多くなると、登記事項証明書などの取得に手間がかかるので、自分で対応できないときは司法書士に依頼してください。
また、相続した土地を合筆するときや、遺産分割協議の結果、分筆することになった場合は登記申請が複雑になります。
古い建物は未登記になっているケースがあり、ご先祖様名義の不動産は権利関係者が多いため、手続きの進め方がわからないときは、司法書士にサポートしてもらいましょう。
名古屋で相続税申告や財産評価に悩んでいる方は、税理士の無料相談を利用してください。
税理士は以下のような相談に乗ってくれるので、適正かつ期限内の相続税申告が可能になります。
不動産や非上場株式は評価方法が難しく、不慣れな方が計算すると減額要素などを漏らしてしまうため、相続税が高額になる可能性があります。
相続した不動産を売却する場合、所得税を減税できる特例措置もあるので、高額な財産や不動産を相続するときは、税理士に効果的な節税対策を提案してもらいましょう。
名古屋で相続争いに困っている方は、早めに弁護士の無料相談を利用してください。
相続争いは当事者間の解決が難しいので、遺産相続が以下のような状況だったときは、弁護士に関わってもらったほうがよいでしょう。
被相続人の戸籍を調査した結果、認知された愛人の子や養子が判明すると、高確率で相続争いに発展します。
相続放棄すると借金の返済義務は免除されますが、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヵ月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません。
相続手続きの多くは期限が決まっており、親族間の対立は長期化しやすいので、自己解決が難しいときは弁護士にサポートしてもらいましょう。
相続の無料相談を利用する場合、以下のポイントをチェックすると相談先選びに失敗にくくなります。
どんな専門家が対応してくれるか、仕事帰りでも相談できるかなど、窓口の特徴を理解しておくと無料相談を有効活用できます。
名古屋で相続の無料相談窓口を選ぶときは、自分の悩みを解決してくれる専門家がいるかどうか、事前にチェックしてください。
たとえば、財産調査であればすべての士業に依頼できますが、相続税の計算が目的となれば、最初から税理士に相談しておくと効率的です。
また、弁護士以外の士業は代理権が限定されているため、遺産分割調停の代行や、ほかの相続人との交渉は基本的に弁護士しか対応できません。
相談窓口を間違えると二度手間になってしまい、相続手続きやトラブル解決が遅くなってしまうので注意しましょう。
名古屋で相続の無料相談を受けるときは、相続問題に注力している専門家を選んでください。
各士業は注力分野を決めているケースが多く、交通事故専門の弁護士や、許認可申請が専門の行政書士もいるので、事務所のホームページで確認してみましょう。
注力分野が異なる専門家に依頼すると、相続手続きの期限に間に合わなかったり、トラブルの解決方法を誤ったりする可能性があるので要注意です。
相続税を低く抑えたいときや、相続争いの早期解決を目指したいときは、必ず相続問題に注力している専門家へ相談しましょう。
名古屋で相続の無料相談を利用する場合、事務所の場所や受付時間が自分の都合と合うかなどの利便性も確認してください。
仕事を抱えている方は平日や昼間の相談が難しいので、以下の条件に合致する法律事務所が理想的です。
休日や夜間にオンライン面談できる法律事務所であれば、休暇を取得する必要がなく、移動時間のロスもありません。
ただし、委任契約を結ぶときは法律事務所に出向く必要があるので、自宅や会社、または最寄り駅近くの事務所を探しておきましょう。
専門家に相続手続きやトラブル解決を依頼したい方は、法律事務所や税理士事務所などの無料相談を利用してください。
自治体の無料相談はその場で委任契約できないため、相続手続きの期限が迫っているときは、法律事務所の無料相談を利用したほうが効率的です。
初回の相談料は無料になっているケースが多いので、相続の悩みを抱えている方は、まず無料相談からスタートしてみましょう。
名古屋で相続トラブルに困っている方は、ベンナビ相続の活用をおすすめします。
ベンナビ相続には相続問題に詳しい弁護士のみ登録されており、以下のような情報もわかるので、自分に合った弁護士が見つかります。
相続争い早く解決したい方や、訴訟の予定がある方は、弁護士の経歴やトラブルの解決実績を参考にしてください。
相続問題に注力している弁護士を選んでおけば、相手が弁護士を立てた場合でも、有利な判決を獲得してくれます。
相続の無料相談にはいくつかのコツがあるので、相談内容の整理や下準備が重要になります。
名古屋で相続の専門家に無料相談するときは、以下のコツを意識しておきましょう。
名古屋で相続の悩みを抱えている方は、できるだけ早めに無料相談を利用してください。
無料相談のタイミングが遅くなると、以下のようなデメリットが発生し、金銭的な不利益につながる可能性があります。
相続手続きや遺留分の侵害額請求には期限があるので、相続開始から一定期間が過ぎているときは、すぐにでも専門家に相談することをおすすめします。
相続の無料相談を利用するときは、必ず相談内容を明確にしておきましょう。
遺産分割のトラブルであれば、「親族と対立してもよいので法定相続分を確実に取得したい」など、何を相談したいのかはっきりさせておく必要があります。
相談内容が不明確な場合、専門家も解決策を提案できなくなるので注意してください。
名古屋で相続の無料相談を利用するときは、戸籍謄本や財産目録などの資料を持参しておきましょう。
被相続人の戸籍謄本を持参すると、誰が法定相続人になるのか確実にチェックしてもらえます。
また、専門家と口頭のみでやりとりした場合、「今は誰の話をしているのか?」という状況になりやすいので、戸籍謄本をもとに話を進めたほうが確実です。
財産目録も準備しておけば、相続税がかかるかどうか、公平な遺産分割が可能かどうか診断し、必要な対策を早めに提案してもらえるでしょう。
相続財産の使い込みや遺留分の侵害があったときは、事実関係や関係者などをメモにまとめ、弁護士に提出してください。
以下のように情報を整理しておけば、適切な対処法を提案してもらえます。
相続財産の使い込みや、遺留分の侵害額を返還請求する場合、いつ請求権が発生したのか把握しなければならないため、起算点の確認が重要になります。
請求権の消滅時効は起算点からカウントするので、日付けなどをメモしたときは、必ず弁護士にみてもらいましょう。
名古屋で相続の悩みを相談するときは、自分にとって不利な事実も隠さずに話してください。
以下のような事実を隠してしまうと、あとで発覚したときに解決不能なトラブルになり、弁護士との信頼関係も損ないます。
場合によっては弁護士が辞任する可能性もありますが、着手金は返金されないので、不利な事実も必ず伝えておきましょう。
裁判所では遺産分割調停などの件数を公開しており、2022年の司法統計によると、名古屋の調停件数は661件でした。
調停の成立割合は約53%なので、名古屋高等裁判所管内では比較的高い数値になっています。
ただし、家庭裁判所を介していない事案は数字にあらわれないため、当事者だけで争っている相続問題も含めると、トラブルの発生件数は膨大な量になるでしょう。
日頃は円満な親族関係でも、相続が発生すると険悪になってしまうケースが多いので、少しでも不安要素があるときは、弁護士の無料相談を早めに利用してください。
名古屋で相続トラブルなどに悩んでいる方は、まず無料相談を活用して早期解決を目指しましょう。
「そのうち手を付けよう」「仕事が落ち着いてからにしよう」と考えてしまうと、相続手続きの期限に間に合わなくなる可能性があります。
問題解決の先送りはデメリットしかないので、夜間や休日でも無料相談できる窓口を利用してください。
複数の相続トラブルが同時発生しているときは、弁護士に相談すると窓口が一本化されるので、時間と労力を軽減できるでしょう。
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