遺産相続に関する悩みを抱えたときは、多くの方が「弁護士に相談した方が良いのでは」と考えるかもしれません。
しかし、実際に弁護士へ依頼するメリットがわからなければ、本当に依頼すべきか否かを判断するのは難しいでしょう。
本記事では、相続問題を弁護士に相談するメリットや費用相場、自分に合った弁護士を探すときのチェックポイントを具体的に解説します。
相続問題は、長引けば長引いた分だけ複雑になりやすく、解決まで時間がかかってしまう傾向にあります。
一日でも早く相続にまつわる問題を解決したい方は、弁護士に依頼するメリットを理解し、依頼するかどうかを見極めましょう。
相続問題について弁護士に依頼するのを迷っている方へ
相続問題の解決のために、弁護士への依頼を考えていても「弁護士に依頼するメリットってあるの?」「本当に依頼すべき?」と依頼を迷っていませんか?
相続問題を弁護士に依頼するメリットには、以下のようなものがあります。
- 相続人間の交渉を代行してもらえる
- 必要書類の収集や作成を任せられる
- 財産調査や相続人調査をしてもらえる
- 法的に有効な遺言書の作成をしてもらえる
- 遺留分を取り戻すことができる
- 相続放棄すべきか判断してもらえる
- 遺産分割に関するアドバイスを得られる
当サイトでは、相続について無料相談できる弁護士を多数掲載しています。
電話での相談も可能なので、依頼するか決めていなくても、本当に弁護士に依頼すべきかも含めてまずは無料相談を利用してみましょう。
相続問題を弁護士に依頼する10つのメリット

遺産相続において弁護士に相談する最大のメリットは、相続人同士の紛争解決や調停・裁判での代理交渉を担ってもらえることです。
法的な代理権は弁護士にのみ認められた専門的権限であり、司法書士や行政書士では扱えない複雑な法的問題についても、弁護士であれば適切に対処できます。
相続問題では感情的な対立が生じやすく、当事者同士では冷静な話し合いが困難になるケースも少なくありません。
そのような状況において、法律のプロである弁護士が代理人として介入すれば、建設的な解決へと導くことが可能になります。
相続や遺産分割に関する問題やお悩みを抱えている場合は、早期に弁護士に相談すれば、より有利で納得のいくかたちで解決を目指せるでしょう。
相続問題を弁護士に依頼する2つのデメリット
弁護士への依頼には、いくつかのデメリットも存在します。
弁護士に依頼したからといって、必ずしも円満解決できるわけではないことを理解しておきましょう。
具体的に解説します。
①争いが激化する場合がある
弁護士の介入によって、親族間の対立がさらに深刻化する可能性があります。
例として、弁護士に依頼したせいで、仲が良かった兄弟姉妹同士が絶縁状態になってしまう事例も珍しくありません。
一般的に、弁護士は依頼者の利益を最優先として動くので、あなた以外の相続人の味方にはなれません。
場合によっては、弁護士が依頼者であるあなたの権利を強く主張したのが原因で、あなた以外の相続人に怒りの感情を抱かせてしまうおそれもあります。
たとえ弁護士が介入したとしても、双方が譲らない姿勢を貫いた場合は、相続問題を穏便に解決するのは困難になる可能性があります。
弁護士の介入によって法的には正当な結果が得られたとしても、その後の親族関係に深刻な影響を与える可能性があることは頭に入れておきましょう。
②ある程度の費用がかかる
相続問題を弁護士に依頼するときは、受け取った遺産の時価と同程度の費用がかかるケースも珍しくありません。
特に複雑な事案や長期化する案件では、想定以上の費用負担となる可能性があります。
弁護士費用が払えない事態を避けるためにも、依頼する前に見積もりの詳細をしっかり確認しておきましょう。
具体的には、着手金や報酬金、実費、日当などの内訳をチェックし、費用の総額を把握することが重要です。
また、追加費用が発生するか否かも確認すべきポイントです。
調停や審判に発展した場合は、日当や出張費などが発生する可能性があるため、注意しましょう。
弁護士に依頼するときは、獲得できる可能性のある財産額と弁護士費用を比較したうえで、費用対効果の良し悪しを慎重に検討しましょう。
相続問題を弁護士に依頼した場合の費用相場
弁護士費用は事案の複雑さや依頼内容によって大きく変動するため、一概には言えませんが、一般的な相場を把握しておけば予算を準備するうえでの検討材料になります。
ここでは、相続問題を弁護士に依頼したときの費用相場を解説します。
弁護士費用の相場は20万円~50万円程度
弁護士費用の相場は、案件の複雑さや依頼内容によって大きく変動しますが、おおむね20万円~50万円程度と言われています。
この金額は、着手金と報酬金を合わせた総額の目安です。
なお、着手金にかかる費用は、20万円~30万円程度が一般的ですが、相続財産の額や事案の複雑さによって異なります。
報酬金は獲得した経済的利益の10%~15%が相場です。
簡単な相続放棄であれば3万円~10万円程度で済みますが、遺産分割調停や遺留分侵害額請求などの複雑な案件では100万円を超えるケースも珍しくありません。
相談料は30分あたり5,000円から1万円程度が相場ですが、初回無料相談を実施している事務所も増えています。
事前に複数の事務所で相談を受け、費用面も含めて総合的に判断することが重要です。
弁護士費用の内訳
弁護士費用は、主に以下の項目で構成されています。
着手金
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相続事件に着手する段階で発生する費用
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報酬金
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相続事件を解決できた後に発生する費用
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日当
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弁護士が遠方へ出張した際に生じる費用
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手数料
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書面作成、手続き代、調査などで生じる費用
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補足として、着手金は正式に事件の依頼をした後に支払うものであり、交渉や調停等の結果、思うような成果が得られなかった場合でも返金はされません。
また、手数料に関しては主に申し立て時の印紙代、業務遂行にあたって必要な実費です。
着手金とは別途必要になることがあるので、注意しましょう。
弁護士費用を抑えたいときは初回無料相談の利用がおすすめ
相続問題の依頼は費用がかさむので、できるだけ費用を抑えたい方は初回無料相談を積極的に活用しましょう。
多くの弁護士が初回無料相談を受け付けてくれており、実際に依頼するかどうかを判断する良い機会となります。
初回無料相談では、事案の概要説明、解決の見通し、必要な手続き、想定される費用などを詳しく聞けます。
複数の事務所で無料相談を受ければ、費用面での比較検討も可能です。
また、弁護士との相性も相続問題解決において重要な要素です。
無料相談の際に、説明のわかりやすさ、対応の丁寧さ、コミュニケーションの取りやすさなどを確認できるので積極的に利用しましょう。
ただし、無料相談は時間制限があることが多く、30分程度が一般的です。
相談内容を事前に整理しておけば、30分という限られた時間を有効活用できます。
なお、無料相談を受けたからといって必ずその弁護士に依頼する必要はないので、気軽に利用してみましょう。
相続問題を弁護士に相談すべき8つのケース

これらの状況に該当するのであれば、弁護士への相談を強くおすすめします。
- すでに親族間でなんらかのトラブルが発生している
- 相続財産を相続人の一人が使い込んでいた
- 遺産分割の割合でもめている
- 遺言書により遺留分を侵害されている
- 不動産の相続で誰がどの部分を相続するのか決まらない
- 自分の相続分が明らかに少ない(不当な割合である)
- ほかの相続人が被相続人から多額の生前贈与を受けていた
- 相続放棄をすべきかどうかが分からない など
まとめると、「相手方と何らかのトラブルになっている場合」もしくは「これからトラブルが起こりそうな場合」は、弁護士への相談が有意義なものになる可能性があります。
しかし、これからトラブルが起こる可能性があるか否かを冷静に判断するのが難しい場合もあるかもしれません。
その際は、初回無料相談を利用して弁護士に話を聞いてもらい、法律のプロからみて”トラブルが起こる火種はあるか”を判断してもらうのもひとつの手です。
相続問題を弁護士に相談しなくてもよい7つのケース
一方で、相続問題を弁護士に相談しなくてもよいケースも存在します。
具体的には、以下のとおりです。
- 相続手続きの流れが知りたいだけの場合
- 争点において、寄与分に該当しないことが明らかな場合
- 遺産をどう分けるかがすでに決まっており、遺言書を書きたいだけの場合
- 長年疎遠だった兄弟姉妹や家族には遺産を渡したくないといった感情的な問題
- 配偶者が遺産の大部分を相続するなど、遺産分割協議でトラブルに発展しようがない場合
- 遺産が預金、上場株式、投資信託など評価額が明確で、法定相続割合で話が進んでいる場合
- 葬儀や法要への出欠、お墓を誰が引き継ぐかなど慣習や宗教に関して相談したいだけの場合
弁護士の役割は、法的観点に基づいて相続問題を解決するためにサポートすることです。
言い換えると、法律で解決できるような問題ではなさそうな場合は、弁護士に相談してもあまり有益ではないかもしれません。
遺産相続の手続きに関していえば、弁護士を通さなくても自分たちで調べられます。
これらのケースに該当する場合は、弁護士に相談するメリットは少ない可能性が高いでしょう。
相続問題を相談する弁護士を決めるときの判断ポイント
遺産相続について相談する弁護士を探すときは、いくつかの判断ポイントを押さえておくことが重要です。
具体的には、以下のとおりです。
- 相続の知識・解決実績が豊富か
- わかりやすく説明してくれるか
- コミュニケーションが円滑に取れるか
具体的にどのようなポイントを意識するべきなのか、詳しく解説します。
相続の知識・解決実績が豊富か
遺産相続案件の実績の豊富さは、弁護士の専門的知識の有無を判断するときの重要な指標のひとつです。
相続問題は複雑で専門的な知識が要求されるので、豊富な経験がある弁護士ほど適切な対応が期待できます。
事務所のホームページで過去の解決実績数や年間の取扱件数がどの程度かを調べれば、弁護士の専門性の高さを判断できます。
さらに、面談時に具体的な解決事例や類似案件での経験について質問してみるとよいでしょう。
また、相続法の改正や最新の判例についても精通しているかを確認しましょう。
法律は日々変化するので、常に最新の情報をキャッチアップしている弁護士を選ぶことが重要です。
わかりやすく説明してくれるか
法律に関する手続きには必ず専門知識が必要になり、遺産分割においても同様に複雑な法的知識が求められます。
なぜなら、法律に関する用語は難しいものが多く、専門知識を持たない素人が理解するのは困難に近いからです。
具体的に見極めるべきポイントは、相談段階で法律用語を分かりやすく咀嚼して解説してくれるかという点です。
専門用語を多用せず、具体例を交えながら説明してくれる弁護士は、依頼者の立場に立って考えてくれる証拠です。
また、メリットだけでなくデメリットやリスクについても率直に説明してくれるかも重要です。依頼者にとって不利な情報も隠さずに伝えてくれる弁護士は、信頼できる専門家と言えるでしょう。
なお、質問に対して丁寧に答えてくれるか、理解度を確認しながら説明してくれるかも判断材料となります。
相続問題は長期間にわたることが多いので、継続的に分かりやすい説明をしてくれる弁護士を選びましょう。
コミュニケーションが円滑に取れるか
弁護士に依頼した場合、問題が無事に解決するまで中長期的にコミュニケーションを取る必要があります。
一般的に、数か月~数年にわたってやり取りが続くことも多く、その間は密接に連携していく関係になるので、相性が悪いとストレスにつながります。
相性の良い弁護士を見つけるときは、弁護士がこちらの気持ちや考えを正しく把握してくれるかを判断する視点が必要となります。
また、レスポンスの速さも重要な要素です。
メールや電話での連絡に迅速に対応してくれるか、緊急時の連絡手段が確保されているかも確認しましょう。
まずは初回無料相談で話してみて、相性の良し悪しを判断することが重要なポイントです。
話しやすい雰囲気か、威圧的でないか、親身になって相談に乗ってくれるかなど、直感的な部分にも意識を向けてみましょう。
相続に強い弁護士を探すときはベンナビ相続がおすすめ
相続問題に精通した弁護士を効率的に見つけたい場合は、専門的な弁護士検索サービスの活用をおすすめします。
ベンナビ相続には相続問題に強い弁護士が多数掲載されており、各弁護士の専門分野、解決実績、費用体系なども詳細に確認できます。
対応エリアや実績などもわかるので、自分に合った弁護士を効率的に探せます。
なお、ベンナビ相続には初回無料相談を受け付けている弁護士も多く掲載されています。
まずは複数の弁護士への無料相談から始めて、費用面や相性を含めて自身にあった弁護士を選ぶとよいでしょう。
さらに、利用者の口コミや評価も載っているので、安心して依頼できるのも大きなメリットです。
まとめ|「ベンナビ相続」で相続に強い弁護士を見つけよう
相続問題の解決を弁護士に依頼すれば、法的知識に基づいて適切なかたちで対応してくれるので、あなたの精神的ストレスを軽減できます。
代理交渉や財産調査、調停・審判対応といった複雑な法的対応を弁護士に代行してもらえるのは大きなメリットといえます。
ただし、親族間の争いが激化する可能性や費用がかさむといったデメリットは捨てきれないので、本当に弁護士に依頼すべきか否かは慎重に判断しましょう。
ベンナビ相続を利用すれば、対応エリアや専門分野、実績などを絞り込んで弁護士を探せます。まずは初回無料相談を活用して、相性の良い弁護士を探してみてはいかがでしょうか。