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法テラスとは|弁護士に無料相談できる機関の利用メリット
2018年09月04日

法テラスとは|弁護士に無料相談できる機関の利用メリット

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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法テラス(日本司法支援センター)とは、国の運営する法律問題解決のための相談窓口のことで、全国各地に事務所や支部・出張所などを構えるほか、電話やメールでの対応も行っています。

 

よく「法テラスでは無料の法律相談が受けられる」と言われますが、法テラスは基本的に法的トラブル解決のための機関や制度を紹介するための窓口なので、飛び込みで法テラスの窓口に行ってもすぐに相談を受けてもらえるとは限りません

 

また、無料の法律相談を受けるには収入が一定額以下であるなどの条件があり、誰でも無料で法律相談を受けられるわけではありません

 

今回は、遺産相続を法テラスで相談する方法をメインに、無料相談が利用できるか否かの判断基準や必要書類などについて、法テラスの基本的な知識をご紹介します。

 

 

法テラスで利用できる2つのサービス

法テラスは正式名称を日本司法支援センターといい、国が設立した法的トラブル解決の総合案内所です。

 

簡単に言えば、あなたが何らかの法的トラブルを抱えた際に、『誰に相談すべきか』利用できる制度や機関は何か』どういった解決方法があるか』といった情報を提供してくれるのが法テラスです。

 

まずは、法テラスで相談できることを簡単に確認していきましょう。

 

弁護士による無料の法律相談が受けられる

法テラスでは、さまざまな法的トラブルについて、次のような相談をすることができます。

 

  • 自分が抱えている問題が法的トラブルかどうか?
  • 自分が抱えている問題を誰に相談するべきか?
  • 相談できる専門家の選択肢、相談窓口の紹介
  • 自分が抱えている問題を解決するために利用できる制度や機関の紹介

 

刑事事件を除くさまざまな法律トラブルの解決方法を相談できます。(※ただし刑事事件のうち、犯罪被害に遭われた方については専用の支援ダイヤルを設けています)

 

基本的には民事、家事、行政などに関する問題を相談できる窓口で、『借金』消費者被害』相続』パワハラ』男女トラブル』事故』年金や社会保障』など幅広い法的トラブルに直面した際に利用できる制度や機関などを紹介してもらえます。

 

このように、さまざまな法的トラブルの相談ができるので、「法律問題を相談したいけどどの専門家がいいのだろうか?」という場合には、専門家を探す前に法テラスへ連絡してみると、スムーズでしょう。

 

法律相談は3回まで無料

法テラスでは『民事法律扶助制度』の一環として、1つの事件について3回まで無料相談が受けられるようになっています。詳しくは後述の「法テラスの『無料相談』には制限がある」で解説します。

 

弁護士費用等を一時的に立て替えてもらえる場合がある

民事法律扶助制度では、上記の要件に加えて『勝訴の見込みがないとは言えないことという要件を満たすと、弁護士・司法書士費用等の立替制度を利用することができるとされています。立替の対象になる費用は着手金や実費などに限られ、通常の裁判手続きや示談交渉等の際に発生する報酬金は対象外です。

 

 

 

法テラスを利用する際の条件

以上が法テラスの概要になりますが、ここからは法テラスの利用条件を少し掘り下げてみたいと思います。

 

 

無料法律相談の条件

対象者は日本国に住所を有する日本国民や適法な在留資格を持つ外国人など。

 

①収入要件

収入要件は、『申込者』とその配偶者・同居している家族などの収入の合算が所定の額以下であることです。離婚事件など、申込者と配偶者が対立するような事件では収入の合算はありません。申込者と同居の家族の収入については、家計の貢献の範囲で合算がなされることになりますので申し込みの際に別途尋ねた方が無難でしょう。

 

具体的には次のような基準が設けられていますが、計算が少し難しいので、単純に表を見て利用できるかどうかを判断するのではなく、法テラスや弁護士などに一度問い合わせてみるとよいでしょう。

 

同居している家族の人数

手取り月収額(賞与含む)の基準

申込者および配偶者が家賃または住宅ローンを負担している場合に加算できる限度額

生活保護一級地の場合

その他の地域の場合

東京都23区の場合

その他の地域の場合

1人

20万200円以下

18万2,000円以下

5万3,000円以下

4万1,000円以下

2人

27万6,100円以下

25万1,000円以下

6万8,000円以下

5万3,000円以下

3人

29万9,200円以下

27万2,000円以下

8万5,000円以下

6万6,000円以下

4人

32万8,900円以下

29万9,200円以下

9万2,000円以下

7万1,000円以下

以下、同居者が1名増加するごとの加算額

+3万3,000円

+3万円

※こちらの表は右にスライド可能です

なお、生活保護一級地は東京都や大阪府などのほか、【こちら】で確認できます。

 

②資産要件

資産要件は、申込者および配偶者が有する現金・預貯金の合計額が次の基準を満たしていることです。①同様、申込者と配偶者が対立する事件の場合は合算しません。

 

このとき、将来負担すべき医療費や教育費などがあれば、3ヶ月以内に出費予定があることを条件に相当額が控除されます。

 

同居している家族の人数

現金・預貯金の合計額

1人

180万円以下

2人

250万円以下

3人

270万円以下

4人以上

300万円以下

 

①②の要件を併せて『資力基準』と呼びますが、これらの条件を簡易的に判定するツールが法テラスのホームページで公開されていますので、参考に利用してみてもよいでしょう。

 

③民事法律扶助の趣旨に適していること

嫌がらせ目的や権利濫用での裁判など、あなたの自己満足的な感情に基づく利用の場合は、民事法律扶助制度の趣旨に適していないと判断される可能性もありますのでご注意ください。

 

弁護士費用の立て替えて条件

①収入要件

無料法律相談の際の基準と同様です。

 

②資産要件

資産合計額の基準金額は無料法律相談の場合と同額ですが、現金・預貯金に加え、自宅や係争物を除いた不動産・有価証券の時価を含めたものが資産合計額となります。資産価値の高い不動産や有価証券が含まれることになるので、無料法律相談よりもやや厳しい条件ということができるかもしれませんね。

 

ただし、将来負担すべき医療費や教育費などは3ヶ月以内の出費予定の有無にかかわらず相当額の控除が受けられます。

 

③民事法律扶助の趣旨に適していること

無料法律相談の際の基準と同様です。

 

④勝訴の見込みがないとは言えないこと

勝訴の見込みがないとは言えない』とは、何らかの手段によって紛争解決の見込みがあるという意味です。具体的には調停や裁判、和解、示談などの解決方法や、自己破産における免責決定見込みがあることが必要です。

 

逆に、「自分の信じる宗教の○○という教義が正しいことを証明したい」「○○の処分を取り消してほしいがすでにこの処分が取り消された」など、裁判などによる解決が見込めないものはこの条件を満たさないと考えられますので、あなたの抱えるトラブルが法的手段によって解決できそうか否かがひとつの判断基準になるかと思います。

 

補足
民事訴訟の原則として、「単なる事実の存否や学問・政治上の論争を争うこと」「宗教上の教義に関わる判断を必要とすること」は、裁判になじまないとされています。
○○の処分の取消しを争っているうちに処分が取り消された」など、侵害された権利等が判決によって回復できない(すでに回復された)場合などは、裁判をする具体的な利益がないと判断されます。

※このあたりは少し難しい話になりますので、詳しくは弁護士等へ尋ねてみましょう。

 

 

法テラスを利用する際の注意点

 

法テラスの『無料相談』には制限がある

よく「法テラスでは無料の法律相談が受けられる」という声が聞こえますが、これは『法テラスで相談できる専門家を紹介してもらえる』ことと、『収入等が一定額に満たないなどの条件を満たすため、1つの問題につき3回まで法律相談が無料で受けられることが混ざった結果でしょう。

 

ですので、法テラスを使えば誰もが無料で法律相談を受けられるというわけではありません。また、法テラスの窓口へ出向いたり電話やメールで問い合わせをする際には、基本的には法テラスの職員・オペレーターが対応することになります。

 

あなたの問い合わせに対してこれらの人が適切な相談窓口や機関を提示したり、必要であれば無料相談の予約を行うなどの手続きを経て初めて専門家への面談が叶うので、『法テラスに連絡をすればすぐに専門家と話ができる』という図式ではないことにも注意しましょう。

 

弁護士等の費用自体が無料になるわけではない

この制度は、あくまで法テラスが弁護士等の費用をいったん立替えて、利用者が後日その費用を分割で支払うものになります。

 

月々の支払金額は利用者の収入等を考慮して決定するので高額ではありませんが、きちんと支払わなければ最悪の場合差し押さえなどの法的手続きを取られる可能性がありますので、絶対に踏み倒してはいけません。

 

法テラスから紹介された専門家が合わない場合もある

法テラスのデメリットとしては、『法テラスから紹介された専門家が合わないこともある』ということが挙げられます。

 

通常、法テラスの民事法律扶助制度を利用する場合は、『法テラスを経由して法テラスに専門家を選んでもらう方法』と『自分で選んだ専門家に民事法律扶助制度が利用できるか確認する方法』の2つがあります。

 

法テラスを経由して法テラスに専門家を選んでもらう方法とは、法テラス事務所に常勤する弁護士などを紹介してもらったり、法テラスに登録している事務所を紹介してもらう場合のことですが、この場合はあなたが「○○弁護士を紹介してほしい!」などの希望を通すことができません。

 

ほぼ自動的に対応者が決定されるので、紹介された人があなたに合わないこともあるでしょう。

 

自分で弁護士を選べない

自分で選んだ専門家を通して民事法律扶助制度を利用する際にはこれらのリスクが低くなるかと思います。

 

例えば相続について専門家に相談したい場合は、あらかじめ相続に詳しい弁護士などを探しておき、民事法律扶助制度が利用できるかを確認した上で直接その専門家の事務所で相談をするのがおすすめです。

 

 

 

法テラスの利用方法

法テラスの利用方法はシンプルで、基本的には『法テラスのサポートダイヤルに電話する』『近くの法テラス事務所等へ行く・電話で問い合わせる』『ホームページからメールで問い合わせる』方法のいずれかを選択することになります。

 

もちろん、あなた自身で弁護士などを探して民事法律扶助制度を利用する旨を伝える方法もありますが、ここでは法テラスを介して弁護士などを探すための手続き方法をご紹介します。

 

1:まずは法テラスに問い合わせる

無料法律相談や民事法律扶助制度を利用したい場合には、まず法テラスに問い合わせる必要があります。

 

サポートダイヤル

(法的トラブルの場合)0570-078374

平日9:00~21:00

土曜9:00~17:00

(犯罪被害に遭った場合)0570-079714

法テラスの窓口へ行く

法テラスと地方事務所の一覧(法テラス)

窓口によって営業時間が異なるため注意

電子メールで問い合わせる

メールでのお問い合わせについて(法テラス)

24時間365日

PCサイトのみ、携帯電話での利用不可

 

 

無料法律相談は原則として予約制で、法テラスや地方事務所ごとに扱う相談内容が異なる場合があります。このため、問い合わせの際には『どういった相談をしたいのか』(トラブルの内容)」を明確にし、居住地や勤務地など実際に行きやすい地域で相談できそうな窓口を紹介してもらうとよいでしょう。

 

2:法律相談が受けられるか確認する

1でも述べたとおり、法律相談は予約制なので、大都市の法テラスでは数日待たされる場合もあります(例えば新宿の法テラスでは2週間以上予約待ちになっている分野もあるようです)。

 

また、無料法律相談が利用できるかどうか、資力基準を参考にあなたの状況を伝えながら確認しましょう。もしも無料法律相談が受けられそうな場合は、援助申込書を準備しておくと当日の相談がスムーズになるでしょう。(用紙記入例)

 

無料相談が利用できそうにない場合は、法テラスでなく一般の法律事務所の無料相談を探して利用する方法もあります。そういった場合は法テラスで法律事務所をいくつか紹介してもらうのもよいかもしれません。

 

3:費用の立替えをしてもらえるか確認する

民事法律扶助制度のうち弁護士などの費用立替制度を利用したい場合には、資力を証明する書類などをあらかじめ準備しておくと要件の確認がスムーズです。

 

立替制度の審査に必要な書類は次項でご紹介しますので、併せてチェックしてくださいね。

 

 

法テラスを利用する前に確認しておくべき書類

法テラスの利用目的が単に法制度や相談機関のアドバイスを求めるだけという場合はこれといって必要な書類はありませんが、無料法律相談や費用の立替制度を利用したい場合は、以下の書類を準備しておきましょう。

 

とはいえ、これらを全部揃えてから相談の準備をするとなると大変でしょうから、事件に関する書類をある程度集めたら、法テラスで法律相談などの予約を取るのと並行して残りの書類を準備するとよいでしょう。

 

①資力を証明する書類

申込者および配偶者(事件の相手方である場合を除く)について、以下の書類の提出が必要になります。

 

  • 直近2ヶ月の給与明細
  • 直近の課税証明
  • 直近1年分の確定申告書の写し(収受印のあるもの)
  • 直近の年金証書(通知書)の写しで、基礎年金番号の記載のないもの
  • 生活保護を受けている場合、援助申し込みから3ヶ月以内に発行された生活保護受給証明書

 

②資力申告書

生活保護受給中でない場合は、所定の資力申告書を提出する必要があります。

 

③世帯全員の住民票の写し

マイナンバーの記載のない、世帯全員の住民票の写しが必要です。本籍・筆頭者および続柄の記載のあるものを準備しましょう。

 

④事件に関する書類

相談する事件によって必要な書類は変わってきますが、相続に関する相談の場合は被相続人や相続人の戸籍謄本、遺言書があればその写し、財産目録、不動産が含まれる場合は固定資産税評価証明書などを準備しておくとよいでしょう。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

 

法テラスは、無料で利用できる相談窓口ではありますが、すぐに利用できるサービスは“抱えているトラブルを相談できる機関や利用できる法制度などの情報提供”が中心で、無料法律相談の利用には一定の条件があります。

 

そのため、早急に専門家の意見を聴きたいのであれば、当サイトのように相談したい分野に詳しい弁護士に特化した検索サイトを利用するのも有効でしょう。抱えているトラブルの内容がはっきりしている場合はぜひ活用してみてくださいね。

 

本記事が少しでもお役に立てば幸いです。

 

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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