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公開日:2019.8.15  更新日:2021.3.29

家族信託に公正証書は必要?作成で得られるメリットや手続き手順を解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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家族信託は、家族や親族のあいだで信託を契約できるとても使い勝手の良い制度として注目を集めています。多額の費用がかからないこともまた、注目される理由となっていますね。

今回は、そんな家族信託に公正証書は必要なのかというテーマで記事を書いていきたいと思います。公正証書を作成することで費用はかかる分、将来起こるかもしれないトラブルへの対策として、ぜひ公正証書の作成を検討してみてはいかがでしょうか?

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​家族信託について弁護士に相談することで、以下のようなメリットがあります。

  • 正当で法的に問題のない家族信託の契約書を作れる
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家族信託と公正証書の関係

まずはじめに、家族信託と公正証書の関係について解説していきたいと思います。

家族信託は気軽に手続きができることで知られていますが、公正証書を作成する必要はあるのでしょうか?

公正証書とは?

公正証書とは、公証人(検察官や裁判官、または法務局長などの選ばれた法律の専門家)によって作成された公文書のことです。公正証書には高い証拠と証明力があり、たとえば公正証書を作成して契約をした相手の支払いが滞っている場合、その相手の給料等を差し押さえることが可能になります。

裁判を起こして債権を回収する方法もありますが、それでは多額の費用がかかったり、ストレスや時間を浪費してしまうことにもなりかねませんね。

公正証書があればそれが有力な証拠となり、債権回収のために裁判を起こす必要もなくなるのです。

家族信託に公正証書は必要?

家族信託は、委託者と受託者のあいだで取り決めが行えるので、必ずしも公正証書が必要になるという訳でありません。信託自体は、お互いの合意があれば有効に成立します。したがって、合意内容を証する書面があれば、十分という考え方もできます。

しかし、相手と有効な書面を締結した場合であっても将来的に何が起こるかは予想ができません。

特に不動産管理のような高額な財産管理の契約などにおいては、将来的に金銭トラブルが起こってしまう可能性もありえます。

そうなってしまうことを防ぐためにも、公正証書を作成しておくことは非常に有効です。

というのも、公証人立ち会いのもとで公正証書を作成しておけば、いざ争いが起こった時に、非常に信用性の高い証拠となります。また、公正証書を作成したということが、当事者の自責を促し、契約違反等のトラブルが生じることを予防する効果も期待できます。

公正証書を用いるメリットとデメリット

公正証書を作成することについては、いったいどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

それぞれについて、考えていきたいと思います。

メリット

公正証書を作ることの一番のメリットとしてまず挙げられるのは、トラブル予防の観点から有用ということです。

トラブル回避につながる

信頼のおける家族や親族に財産を委託したとしても、将来的にはトラブルに発展することもありえますよね。

そんな時、公正証書があれば有効な証拠となります。当事者同士が作成した書類では、あとから偽造される可能性は完全には否定できません。

しかし公証人が作成した公正証書であれば、役所を通しているので偽造される可能性は皆無です。

また、公証役場という公的機関を通じて契約書を作成したということが、当事者の自責を促して、トラブル予防に働くことも期待できます。

デメリット

公正証書にはデメリットも存在します。

費用がかかる

それは公正証書は公証人に作成を依頼する必要があるので、その分費用がかかってくるということです。

また、一般的な役場ではない公証役場(公証人の勤める役場)に当事者双方が出向いて手続きを行う必要があるので、手間や時間、さらには費用がかかってくるということが、デメリットとして挙げられますね。

公正証書を公証人に依頼する際の費用に関しては、このあと詳しく書いていきたいと思います。

公正証書を作成するための手順

それでは公正証書を作成するための必要な手続きについて、解説していきます。

用意するもの

当事者本人が公証役場に出向く場合は、

  • 運転免許証と認印 
  • パスボートと認印 
  • 住民基本台帳カード(顔写真付き)と認印
  • 印鑑証明書と実印

のうちどれ1つを用意しましょう。その他、個別の案件によって、財産を特定できる書類(登記簿謄本・車検証・通帳・株券等)のコピーなども合わせて用意します。

また、当事者本人が出向くことができない場合には、代理人による出頭も可能です。

その場合、上記のうちどれか1つに加え、本人の実印と印鑑証明書を添付した委任状が必要になります。

これに加え、「どういった事例で、どういった意図で公正証書を作成しようと思ったのか」といった理由や内容を公証人に説明できるよう、明確に用意しておきましょう。

出向く場所

公正証書は自分で自由に作ることはできないため、公証人の勤める公証役場に出向く必要があります。公証役場は一般の役場とは違い、全国の市町村にあるわけではありません。東京23区内にはたくさんありますが、地方にはまばらしか存在しないというのが現状です。

ですので、公正証書に自ら出向く場合はあらかじめインターネットで確認し、近い場所に出向くようにしましょう。全国の公証役場の所在地については、こちらのページを参考にしてみてください。

公正証書にかかる費用

公正証書を作成するには、その信託財産の評価額によって、以下の作成費用が必要です。

信託財産の評価額 証書の作成費用
100万円以下 5,000円
100万~200万円以下 7,000円
200万~500万円以下 1.1万円
500万~1,000万円以下 1.7万円
1,000万~3,000万円以下 2.3万円
3,000万~5,000万円以下 2.9万円
1億~3億円以下 4.3万円+(5,000万円まで毎に1.3万円加算)
3億~10億円以下 9.5万円+(5,000万円まで毎に1.1万円加算)
10億円以上 24.9万円+(5,000万円まで毎に8,000円加算)

また別途、弁護士への依頼費用がかかりますが、まだまだ家族信託自体が一般的に浸透していないため、明確な費用の相場がないのも事実です。

よくいわれている公正証書作成の弁護士費用としては、5万円~10万円といったところが現在の相場のようです。

公正証書遺言について

日本公証人連合会によると、平成18年の遺言公正証書の作成件数は7万件を超え、25年前の昭和56年の約2倍となっているそうです。

相続権の争いで家族がバラバラになるケースもあり、「遺言を残しておけば…」といったように、遺言の必要性が年々高まってきました。

遺言には厳格な作成方式があり、それに従わない遺言は全て無効になってしまいます。公証人を通じて遺言を作成する公正証書遺言では、このようなリスクは完全に払拭できます。

「しっかりと遺言を残しておけば」と、家族や親族がバラバラになってしまわないよう、遺言公正証書を作成するケースが年々高まっているのです。

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まとめ

今回は、家族信託と公正証書の関係性を中心に解説をしてきました。家族信託はとても使い勝手が良く、費用もかからないことから、現在とても注目を集める制度となっています。

ですが、公証人を用いて公正証書を作成することにより、将来起こり得るかもしれないトラブルに備えての有効な対策となることは間違いありません。

その分費用はかかってきますが、家族や親族の関係性が崩れてしまわないためにも、公正証書を使うことはデメリットよりもメリットの方が多いことだと私は思います。

相続トラブルを解決し遺産を多く受け取る方法とは?

相続トラブルで一番多い金額は5,500万円以下です。

 

これは相続トラブル全体の約75%にあたり、さらに1,000万円以下だけに絞って見ても、全体の32%を占めています。

 

相続トラブルはお金持ちや、ましてテレビの出来事では決してないのです。

 

<参考資料:平成25年度司法統計>

 

さらに、下の表を見ると遺産分割調停、すなわち遺産分割トラブルが右肩上がりで増えてきていることがわかります。

 

遺産分割に関する調停事件の推移

<参考資料:平成25年度司法統計>

 

 

相続における自己解決と弁護士介入の違いとは?

相続するのはあなただけではありません。相続人の平均人数は3名程度です。

 

相続人の数

<参考資料:国税庁 統計年報>

 

相続人が多いほど、相続トラブルが発生しやすく複雑になるのは避けようのない事実です。

 

トラブル回避のために重要なのは、早めに専門知識のある第三者を介入させることです。一般的に専門知識を持つ代表格といえば相続問題を得意とする弁護士です。

 

弁護士を介入させると費用が高くつくイメージがありますが、結果的にはトラブルを解消できるだけではなく、相続面でも優位に働き、金銭的にもメリットを得られることが多くなります。

 

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相続に強い弁護士の選び方と相続相談の具体例

相続に際し、雇うのは弁護士なら誰でもいいというわけではありません。
最大のメリットが得られる弁護士の選び方は、以下を参考にしてください。

 

 

  • 1、相続が得意な弁護士を選ぶ

    相続トラブルの解決実績が豊富だったり、相続問題に注力していたりする弁護士を選びましょう。

  • 例えば、医者に「内科」「外科」「皮膚科」「耳鼻科」…と専門分野があるように、弁護士にも「相続」「離婚」「借金」「企業法務」…といった得意分野があります。

  • 相続があまり得意でない弁護士に依頼しても十分なメリットを受けられない可能性があるため、相続を得意とする弁護士に依頼することが大切です。

  • 2、初回相談料の安い弁護士を選ぶ

    初回相談は自分と相性の良い弁護士を選ぶチャンスですので、1件だけではなく複数と話をしてみましょう。

  • 件数を重ねるために初回の相談料を必ず確認しましょう。(相談無料〜3000円程度をオススメします)

  • 3、近隣の弁護士を選ぶ

    相続の弁護士は全国対応していることも多いのですが、やはり対面での関係性構築や急な事態に対応できる近隣の弁護士事務所が最善策といえるでしょう。

 

 

相続で弁護士が介入するデメリットは、あまりありません。

 

あえて挙げるなら、依頼に費用がかかる点でしょうか。

 

しかし、以下の費用対効果の例をご覧いただけば、実際には費用がデメリットとはならないことが、おわかりいただけると思います。

 

不公平な遺言書に対し弁護士を通じて遺留分を主張した例

3,000万円の遺産を遺して親が世を去った。全財産をほかの相続人に相続させる旨の遺言書があり、このままでは自分は一切遺産を受け取ることができない。

弁護士に依頼した結果

遺留分侵害額請求により、自分の遺留分割合である8分の1の遺産を受け取ることができた。

費用対効果

自分が受け取ることができた遺産は375万円。弁護士費用は84万円。そのまま泣き寝入りしていれば1円も受け取ることができなかったが、結果的に弁護士費用を差し引いても291万円を手にすることができた。

また、相続トラブルに関しては、初期費用(着手金)はかかるものの、費用の大部分は成果報酬方式です。


つまり依頼料はデメリットにならないのです。

 

>>費用対効果の高い弁護士とは?

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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