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相続手続きをスムーズに行うための全手順|相続手続きの期限に要注意
2016年10月31日

相続手続きをスムーズに行うための全手順|相続手続きの期限に要注意

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相続といえば、ある程度の歳になれば大抵の方が一度は経験しているものかと思いますが、実は一部の相続手続きには期限があることをご存知でしょうか。

 

例えば相続するかしないかを決定する期間は3ヶ月、相続税の申告期限は10ヶ月というのが有名なのですが、その他にも様々な期限が設定されていることは意外に知られていないのが現状です。

 

相続の際、相続人全員が納得する形で円満に手続きが進めば良いのですが、なかなかそうも行かないケースも多いことでしょう。

 

今回は、相続手続きをスムーズに行うための全手順と、絶対に押さえていただきたい相続手続きの期限についてご紹介いたします。

 

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  目次
遺産相続手続き全体の流れ
相続開始から7日以内に行う手続き|死亡届の提出
相続開始から3ヶ月以内の手続き
相続開始から10ヶ月以内の手続き|相続税の申告
相続開始から1年以内に行う手続き|遺留分減殺請求
遺産相続における調停や訴訟を起こす際の手続き
遺産分割協議がまとまらない場合の法的手段
遺産分割調停の起こし方
相続の手続き期限が迫っている場合
相続放棄・限定承認の期限が迫っている場合
相続税の申告期限が迫っている場合
遺留分の請求期限が迫っている場合
まとめ

 

遺産相続手続き全体の流れ

遺産相続手続きには様々なものがあり、「どの相続でもほぼ絶対にしなければならない手続き」と「場合によって必要になる手続き」とに分類することができます。

 

そこで、まずは遺産相続手続きの全体の流れを見てみましょう。

 

主な事象

要求される手続き

手続きの要否

期限の目安
※起算点に注意

被相続人の死亡

死亡届の提出

絶対

死亡を知ったときから7日以内

死体火葬許可申請書

親族等への連絡

適宜

適宜

(概ね当日~2日以内が一般的)

葬儀の準備

年金受給権者死亡届(報告書)

※被相続人の年金受給停止手続き

死亡日から数えて国民年金は14日以内、厚生年金は10日以内

未支給年金請求の届出

受給権者(被相続人)の年金の支払日の翌月の初日から5年以内

被相続人の介護保険資格喪失届

死亡日から14日以内

世帯主の変更届 

※被相続人が世帯主かつ残された世帯員が2名以上の場合

死亡日から14日以内

相続するか否かの選択

遺言書の有無の確認

ほぼ絶対

できるだけ速やかに

遺言書の検認手続き

※自筆証書遺言・秘密証書遺言があった場合

必要に応じて

法定相続人の確定

ほぼ絶対

相続財産の調査

遺産分割協議の着手

限定承認の申述

必要に応じて

自己のために相続があったことを知ったときから3ヶ月以内

相続放棄の申述

税金関係の手続き

被相続人の所得税の準確定申告

必要に応じて

死亡日の翌日から4ヶ月以内

相続税の申告

死亡日の翌日から10ヶ月以内

相続財産に関する手続き

遺産分割協議書作成

ほぼ絶対

できるだけ速やかに

遺留分減殺請求

必要に応じて

相続の開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知ったときから1年以内、相続開始から10年以内

相続登記

適宜

税金等の還付手続き

相続税・準確定申告の還付請求

必要に応じて

相続税:法定申告期限から5年以内(死亡から5年10ヶ月以内)

準確定申告:

遺族年金等の請求

支給事由が生じた日(被相続人の死亡)の翌日から5年以内

国民年金の死亡一時金の請求(国民年金死亡一時金請求書)

死亡日の翌日から2年以内

高額療養費(医療費)の還付請求

還付の対象となる支払い月から2年間以内 

 

相続が始まると、ざっと整理しただけでもこれだけの手続きを考える必要が出てきます。

 

特に高齢の方が亡くなると、これらの手続きのほとんど全てを行う状況になるかと思いますので、手続きの内容や期限をある程度把握しておくのがおすすめです。

 

相続開始から7日以内に行う手続き|死亡届の提出

故人が亡くなってから最初に行う手続きは、「死亡届」の提出です。

 

死亡届は戸籍法86条以下で届出が義務付けられており、死亡届を提出することによって火葬許可証が交付され(一部自治体では別途火葬許可申請書の提出が必要な場合もあります)、故人の葬儀等を行うことができるようになります。

 

死亡届の注意点

死亡届に関しては、基本的には親族であれば誰が提出しても構いませんし、提出の際に手数料などもかかりません。また、故人の同居人・家主、地主等に加え、後見人等も死亡届を提出することができます。

 

ただし、届出ができる人には届出の義務があるということと、火葬は原則として死亡から24時間が経過しないと行えませんので(墓地、埋葬等に関する法律3条・5条1項)、ほとんどの場合は故人が死亡したらすぐに死亡届を提出しましょう。

 

その後、火葬許可証を取得して火葬場のスケジュールを確認することになるかと思います。

 

自治体によって異なりますが、基本的には火葬許可証が交付される際に市営・町営等の火葬場(在住の方の利用は無料の場合が多いですが、小さな自治体だと数千円かかる場合もあります)の予約案内をしてもらえたり、その場で予約を取ったりすることができるようです。

 

日本では死亡届の提出および火葬が必須になりますので、速やかに死亡届を提出するのがセオリーと言えるでしょう。

 

なお、死亡届の書式は全国一律で市区町村役場の窓口で取得でき、記入自体もあまり難しくありませんが、医師に診断書の部分を記入してもらわなければなりません(記入例)。

 

したがって、故人が病院等で亡くなった場合はそのまま死亡診断書を書いてもらい、自宅等で亡くなった場合はかかりつけ医や警察に連絡して、遺体の検案をしてもらうことになります。

 

また、役所に提出した死亡届は返却されませんので、死亡診断書の部分についてはコピーを取るか、予備を作成してもらうと、他の相続手続きの際に非常に役立ちます。

 

相続開始から3ヶ月以内の手続き

相続開始から3ヶ月以内の手続きの中で、最も重要なのは「相続するか否か」を決めることと、相続する場合は遺産分割についての資料を収集することになります。

 

相続するか否かを決める|相続放棄・限定承認とは

相続手続きの中で一番重要な期限が「相続するか否か」を決めることのできる3ヶ月の熟慮期間です。

 

例えば故人に借金等がある場合には、相続しないという選択(相続放棄)や相続した財産の範囲内で借金も相続するという選択(限定承認)も検討することになるでしょう。

 

この3ヶ月の期間については、どうしても決められなかったり相続人間での話し合いがまとまらないなどの理由があれば、家庭裁判所にその伸長を申し立てることができます。

 

相続放棄は放棄を望む相続人が単独で行うことができますが、限定承認をしたい場合には相続人全員で申述を行うことになりますので、熟慮期間には充分注意してください。

 

▶参考:

限定承認を使うべき3つのケースと申立てる方法
相続放棄する人が知るべき全情報と負債をゼロにする全手順
 

遺産分割についての資料を収集する

相続するという選択をした場合、次に重要になるのが遺産分割協議の準備です。遺産分割についての資料収集では、主に以下のことを行うことになるでしょう。

 

①遺言書の有無の確認

故人が遺言書を残している場合、基本的には遺言内容通りの遺産分割を行うことになりますので、まずは遺言書の有無を確認します。

 

相続人全員の合意があれば遺言と違う遺産分割を行うこともできますが、遺産分割協議後に遺言書が見つかると、既にまとまった協議をやり直したり、遺言書と違う分割への同意を取ったりする必要が出てきますので、面倒でも遺言書の有無だけは確認しましょう。

 

▶参考:

遺言書の正しい開封方法|知っておくべき遺言書の扱い方
遺言書について絶対に知っておくべき9つのコト
 

②法定相続人の確定

遺言書の有無を確認したら、次は法定相続人が誰になるかを確定します。

 

遺産分割協議は法定相続人・包括受遺者全員の合意によって成立し効力を有することになりますので、相続人が1人でも欠けていれば協議自体が無効になってしまいます。

 

そのため、相続人全員が明確に分かる状況であっても、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を改めて確認し、本当に他には相続人がいないかをよく確認しましょう。

 

▶参考:

法定相続人の範囲と順位|法定相続分の全てがわかる相続知識
養子と相続の注意点|養子縁組による相続税対策の制限
非嫡出子が相続人にいるとき気をつけるべき6つの注意点
 

③相続財産の調査

遺言書の確認と相続人の確定が終わったら、最後は相続財産の調査を行いましょう。

 

被相続人の財産は死亡届を提出すると自由に処分できなくなりますので(銀行口座などは凍結されます)、遺産分割を早急に進めるのがその後の相続手続きを考えるうえでも重要なことになります。

 

▶参考:

遺産相続の対象となる財産と金額の確認方法
財産目録を作成する7つの手順と記載する財産を調べる方法
 

以上の準備が整ったら、後は遺産分割協議を行い、相続財産の分配を行うことになります。
▶参考:遺産分割協議の進め方|親族で揉めない為の手順とは?
 

相続開始から10ヶ月以内の手続き|相続税の申告

相続手続きにおいては、民法と戸籍法における手続きがそのほとんどを占めますが、忘れてはいけないのが相続税の手続きです。

 

全ての相続で必要になるわけではありませんが、配偶者控除やその他特例制度を利用する場合には、相続税の申告が義務付けられています。したがって、計算上相続税が0円だからと言って安心するのは危険で、どういった内訳で相続税が0円になっているのかを確認するのがおすすめです。

 

▶参考:

相続税の申告は10ヶ月以内が期限 

遺産相続では相続税にも注意が必要
相続税がかかるか否かの確認
 

10ヶ月以内のその他の手続き

また、この時期には遺産分割協議書の作成や、相続登記手続きが落ち着いてくると思います。

 

遺産分割協議書は、相続登記の際や銀行預金等の凍結を解除するためにも必要になってくるので、早めに作成に着手すると良いでしょう。

 

作成の際に決まったフォーマットはありませんので自由な文面で作成して良いかと思いますが、後々の紛争を防止する意味でも、ある程度しっかりした書式で作成しておくのがおすすめです。

 

▶参考:

遺産分割協議書の全て|サンプルと正しい書き方
相続登記の完全版|申請をする際の必要書類と費用のまとめ

 

相続開始から1年以内に行う手続き|遺留分減殺請求

遺留分減殺請求は、兄弟姉妹を除く法定相続人に認められた最低限の遺産の取り分(遺留分)を取り戻すための手続きです。

 

なので、全ての相続で問題になるわけではありませんが、この権利を行使する期限は、相続により遺留分が害されていることを知ってから1年又は相続から10年とされていることから、覚えておくのが良いでしょう。

 

遺留分減殺請求は自分でもすることができる、比較的簡単な手続きではありますが、実際に請求する額の計算や裁判まで発展した場合の負担などを考えると、適宜専門家へ相談するのがおすすめです。

 

▶参考:

遺留分の全て|遺留分減殺請求を確実に成功させる全手順

遺留分減殺請求を弁護士に依頼すべき5つの理由 

 

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遺産相続における調停や訴訟を起こす際の手続き

遺産相続において分割協議がまとまらない場合には、当事者間だけでの話し合いだけでなく、裁判所を交えての手続きを検討することになります。

 

遺産分割協議がまとまらない場合の法的手段

遺産分割協議がまとまらない場合、裁判所に「遺産分割調停」または「遺産分割審判」を申し立てるという選択肢があります。

 

調停と審判の違いは、調停が裁判官・調停委員等を交えての「話し合い」を基本とする手続きであるのに対し、審判は裁判書による裁定の手続であるという点にあります。

 

したがって、調停では専門的な知識はあまり必要ないですが、審判になるとある程度は法的知識を要求されると考えていただくのが良いかと思います。

 

なお、遺産分割などの家事事件と呼ばれる分野では、原則として「調停前置主義」といって話し合いから始める方針が採られているため、先に審判を申し立てても調停からスタートせざるを得ない場合があります。

 

遺産分割調停の起こし方

遺産分割調停は、あなた以外の相続人(相手方)の誰かの住所地を管轄する家庭裁判所または当事者が合意で定める家庭裁判所へ申立てを行います。

 

申立書は裁判所の窓口やホームページからダウンロードでき、手数料(収入印紙)は被相続人1人につき1,200円、その他必要書類を添付して連絡用の郵便切手を予納するだけなので、あまり難しくはありません。(参考:裁判所申立書申立書記載例

 

遺産分割調停は、全員で顔を合わせて話し合うというわけではなく、当事者が個別に調停委員等に自己の主張を伝えて調停委員等が間に入った形で双方の主張を把握し妥協点をすり合わせていく形で進んでいきます。

 

そのため、原則として本人の出席が必要になりますが、期日によっては代理人(弁護士または家庭裁判所が認めた人)の出席で足りる場合もありますので、会社勤めの方や何かと忙しい方は、弁護士に相談してみると良いかもしれません。

参考:遺産分割調停の完全手引き|遺産獲得を有利に進める方法
 

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相続の手続き期限が迫っている場合

裕を持って行動しても、相続がスムーズに進まないというのはよくあることです。

 

具体的な財産の名義変更などはさほど心配いりませんが、法で手続き期限が決められているものは、その期限を過ぎてしまうと権利が使えなくなってしまったり消滅してしまったりといった危険がありますので、重要なものほど期限に注意しなければなりません。

 

そこで、ここからは相続の手続き期限が迫っている場合の対処法についてご紹介いたします。

 

相続放棄・限定承認の期限が迫っている場合

相続放棄・限定承認は3ヶ月の熟慮期間内に行なわなければならないとされていますが、先に述べたとおり、やむを得ない事情があればこの期間の伸長を認めてもらえる可能性があります。

 

したがって、この場合は速やかに家庭裁判所に「相続の承認または放棄の期間伸長を求める審判」を申し立てましょう。


この審判の申立てですが、相続開始地(被相続人の最後の住所地)の家庭裁判所に所定の申立書・添付書類を提出し、手数料として収入印紙(相続人1人につき800円分)+郵送用の切手代を予納することで手続きが可能です(参考:裁判所申立書記載例)。

 

申立書の記載もあまり難しくありませんので、熟慮期間が迫っている場合には、確実にこの手続を行いましょう。

 

相続税の申告期限が迫っている場合

相続税の申告期限は、被相続人の死亡した次の日から10ヶ月以内と決まっています。この期限を過ぎてしまうと、控除や特例制度が利用できなくなるばかりか、延滞税などの余分な税金を支払う必要が出てきますので、必ず守らなければなりません。

 

もし遺産分割等がまとまらずに相続税の申告期限が迫っている場合は、「未分割の申告」という制度を利用することで、これらのデメリットを回避することができます。

 

「未分割の申告」とは、各相続人が法定相続分を相続したものと仮定して一旦納税を行い、その後協議がまとまった時点で改めて修正の申告を行って正式な納税を行うという手続きです。

 

申告期限後3年以内の分割見込書を作成し、未分割の申告書と一緒にこれを提出することで、控除や特例も受けられるようになる救済措置になります。

 

未分割の申告を行うと修正申告までの期限に3年の余裕ができますので、慌てて遺産分割協議をまとめずに済むことからもおすすめです。

 

遺留分の請求期限が迫っている場合

全ての相続で必要になる手続きではありませんが、例えば被相続人が「全財産を○○に譲る」といった内容の遺言書を残している場合、他の法定相続人が一切財産を取得できないのは不平等に過ぎますので、民法ではこのような場合に「遺留分」として最低限の取り分を請求する権利(遺留分減殺請求権)を認めています。

 

この権利は「相続の開始および遺留分が侵害されていることを知ったときから1年」かつ「相続開始から10年間」で消滅してしまうので、請求期限が迫っている場合には、まずは「遺留分減殺の意思表示」として「私はあなたに遺留分を請求します」といった内容の内容証明郵便を作成・送付する必要があります。

 

このとき、請求の相手方はあなたの遺留分を侵害している個々の相続人になります。

 

誰がどれだけ遺留分を侵害しているのかわからない場合やとにかく急いでいる場合には、全員に遺留分減殺の意思表示を行うのが無難ですが、内容証明郵便に不備があるとあなたの不利益になる可能性があるため、専門家等への相談もおすすめです。

 

▶参考:

遺留分の時効は最長10年|遺留分減殺請求権の消滅時効ガイド

遺留分減殺請求を弁護士に依頼すべき5つの理由
遺産相続には期限あり|遺産相続の期限別で行う7個の手続き一覧
 

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

 

相続手続きは、細々したものから厳格なものまで様々な手続きが存在し、思った以上に慌ただしい流れで進んでいきます。

 

自分で手続きできるものがほとんどではありますが、被相続人の経歴や相続人間の関係性によっては書類を揃えるだけでも一苦労、というケースもありますので、そういった場合には弁護士など相続手続きを得意とする専門家への相談も視野に入れていだけると非常に役立つかと思います。

 

本記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。

 

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当事者同士が感情的になってしまうと解決は絶望的です。まずは弁護士に相談して解決の糸口を見つけましょう。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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