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アパート経営者必見|アパート・マンションの節税に繋げる基礎知識
2017年07月21日

アパート経営者必見|アパート・マンションの節税に繋げる基礎知識

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アパート経営やマンション経営をしている人なら、できるだけ利益を最大化したいと思うのは当然かと思いますが、その為にもっとも効果的なものは、アパート経営で発生する税金の節税になるでしょう。

 

アパートの賃借などで利益(不動産所得)を得ている場合、部屋数を増やしたり、家賃の値上げをしてさらに収益を高めることはなかなか難しいものです。

 

そこで有効なのが固定費を下げること、すなわち「税金を下げる」ことになります。今回はアパート経営者が意外と知らない課税の仕組みと、少しでも税金を下げる為にできることをご紹介していきますので、参考にしていただければ幸いです。

 

まずは知っておくべきアパート経営における課税の仕組み

アパート経営で税金の節税をするには、まずどういった形で税金が発生するのかという課税の仕組みを知ることから始まります。

 

 

アパート経営で発生する税金とは

アパート経営(不動産賃借)などで利益が出た場合、その利益に対して「住民税」と「所得税」が課税されますが、この二つの税金を計算するには、「不動産所得」がいくらあるのかを計算しなければいけません。

 

この不動産所得とは、不動産賃借による「総収入金額」から「必要経費」を差し引いた利益のことを指します。不動産所得については後ほど詳しく説明しますが、さらにここでは「総合課税」という考え方についても知っておくと便利です。

 

給料をもらっている場合は合算して考える

不動産所得を得ているからといって、必ずしも会社員として働いていないという訳ではないと思いますので、ここで説明させていただきますが、不動産所得とは別に会社からの所得(給与所得)をもらっているなら、給与所得と不動産所得を合算して計算する「総所得金額」を算出する必要があります。

 

ただ、給与所得を加えた「総所得金額」に対して住民税や所得税がかかる訳ではなく、納税者の事情に応じた「所得控除」というものを引いていきます。

 

所得控除とは何か?

所得控除として馴染みのあるものとして、「社会保険料控除」や「医療費控除」「配偶者控除」「扶養控除」などを聞いたことがあるでしょう。こう言った差し引かれるものを「所得控除」と言い、実際に差し引いた金額で、課税の対象になる所得を「課税所得」と呼びます。

 

 

所得税の課税率はいくらか?

この「課税所得」に対して「住民税」と「所得税」がかかる訳ですが、所得税は所得の大きさに応じて課税される税率が違ってきます。この仕組みを「累進課税制度」と呼びますので、覚えておくと良いでしょう。

 

表:所得税の速算表

課税される所得金額

税率

控除額

195万円以下

5%

0円

195万円を超え 330万円以下

10%

97,500円

330万円を超え 695万円以下

20%

427,500円

695万円を超え 900万円以下

23%

636,000円

900万円を超え 1,800万円以下

33%

1,536,000円

1,800万円を超え4,000万円以下

40%

2,796,000円

4,000万円超

45%

4,796,000円

参考:国税庁|所得税の税率

 

住民税の課税率

これに比べて、住民税は所得の大きさに関係なく、課税所得に対して一律で10%(道府県民は4%、市町村民税:6%)が適応されます。

 

課税額の例

例えば、給与所得や不動産所得を合わせて「課税される所得金額」が800万円になった場合、求める税額は次の式のようになります。

 

800万円 × 0.23 - 63万6千円 = 120万4千円

 

給与所得をもらっていれば、アパート経営で赤字になった場合でもなんとかやっていけると思いますが、実は不動産所得が赤字になった時が、絶好の節税どきになります。

 

これを損益通算という考え方で処理していくのですが、次項で詳しく解説していきます。

 

 

アパート経営初期にできる不動産所得に対する節税方法

前項でご紹介した「損益通算」とは、赤字になった所得があっても、他の所得でプラスになっていれば、両者を相殺する考え方のことを言います。

 

つまり、不動産所得の赤字分だけ、不動産賃借業を行なっていなかった時よりも総所得金額が小さくなり、その分納めるべき所得税・住民税の金額が小さくなります。

 

 

これによって、不動産所得単独ではなく、給与所得の分も含めた所得として計算でき、結果的に節税になるという訳です。

 

家賃収入を得ようとしているのに赤字が出ることは決して良いことではありませんが、不動産所得を得るには初期投資などの「必要経費」がどうしてもかさむことになります。

 

ですので、万が一赤字になったとしてもその赤字の一部を所得税や住民税から引くことで、補填できるものだと考えると良いかもしれません。

 

 

さらに節税するために不動産所得を正しく計算する方法

さて、ここまで給与所得と不動産所得を合算して計算する「総所得金額」という考え方と、不動産所得がマイナスになった場合の「損益通算」を行うことで、結果的に所得税と住民税が節税になるということをお伝えしてきました。

 

ここからは、不動産所得を正しく計算して適切な所得金額を算出する方法をご紹介していきます。

 

不動産所得の構成要素

結論から言うと、不動産所得は【不動産所得=総収入金額ー必要諸経費】で計算していきますので、「必要諸経費」をいかに増やし、課税価格を下げるかと言う話になります。

 

もちろん脱税目的で「必要諸経費」を多く見積もるのは所得税法違反などになりますので、こういった点は注意する必要はあります。

 

まずは、総収入金額と必要経費に含まれるものは何なのかを見ていきましょう。

 

総収入金額に含まれるもの

不動産所得は【不動産所得=総収入金額ー必要諸経費】で計算していきますが、総収入金額には地代や家賃収入の他に、共益費、名義書換料、権利金、広告看板使用料などの受取金も含まれます。

 

不動産所得における必要経費とは

一方、必要経費として計上出来るものには下記のようなものがあります。

 

・減価償却費

・物件の固定資産税

・修繕費

・管理費

・損害保険料

・税理士などへの報酬

・貸入金の利子

・その他(交通費、ガソリン費用、交際費)など

 

通常、総収入金額を得る為に支払った経費は全て必要経費になり、不動産所得を計算する上では控除が適応されますが、建物や機械など、使用することでその価値が減っていくものに関しては「減価償却資産」という考え方が適応できます。

 

減価償却費(減価償却資産)の算出方法

減価償却資産については法定対応年数という使用可能期間がいつまでなのかと、時間の経過によってその価値が減った分の金額を必要経費に配分することになります。その具体的金額の算出には「定率法」と「定額法」が用いられます。

 

  • 定額法:法定耐用年数の期間内で一定の金額を減価償却する方法
  • 定率法:新品の時ほど価値が少ないとして減価償却し、残りの金額に一定の割合をかけた金額を減価償却する方法

 

ちょっと小難しい話ですが、建物に関しては必ず「定額法」が適応されると考えてください。これは個人でも法人でも同じです。

 

 

ちなみに、土地は時間経過とともに価値が目減りするわけではないので、減価償却費は発生しません。

 

修繕費の算出方法

修繕費とは、例えば屋根を直すなど、入居者から家賃収入を得る為に必要な修理をした時の費用ですから、これは必ず必要経費として計上できます。ただし、目的はあくまで「修繕」であるため、直したことで元の状態よりも良くなってしまった場合は追加で減価償却を行う必要があります。

 

これを「資本的支出」と呼びますが、難しいのはどこまでが「修繕」でどこからが追加の「資本的支出」なるのかという点です。たとえばペンキが剥がれていたので塗り直したけど、そのペンキ塗料の性能がよかった為に耐用年数が伸びたような場合ですね。

 

資本的支出の考え方

そこで、修繕費と資本的支出はいくつかの判断基準を元に計算するようになっています。

 

 

あとは総収入から必要経費を差し引いた不動産所得を算出して、税金を納めていくという流れになりますね。

 

節税の計算例

実際にどの程度の節税ができるのか、簡単に計算していきます。

家賃収入(年)

 

15万円/月×10世帯×12ヶ月=1800万円

必要経費(年)

 

−200万円

ローン返済額(年)

 

10万円/月×12ヶ月=−120万円

ローン年数

 

30年 = 120万円×30年 = −3600万円

不動産収入額

−2000万円

給与所得

600万円

収入合計額(②+③)

−1,400万円

所得税計算

給与所得金額
※②*20%−427,500円

77.3万円

不動産所得との損益通算額

−1322.75万円

 

この場合だと赤字なので税金の課税はありません。ただ、年間の不動産所得が1600万円と給与所得が600万円で2,200万円ありますのから、ローンの返済は1年半程度で返済することができ、それ以降は所得税などが課税されます。

 

 

確定申告(青色申告)をすることで最大65万円の控除が受けられる

ローンの返済などが終わり、不動産所得がプラスになれば、青色申告制度を利用することで最大65万円の控除を受けることができます。

 

65万円の控除を受けるには?

控除額には10万円と65万円控除の2種類がありますが、65万円分の控除を受けるには、その不動産賃借業が「事業的規模」であるという判断を得る必要があります。

 

事業的規模の判断基準

項目

内容

事業的規模

アパート等の場合は貸与できる室数が概ね10室以上

独立家屋の場合は貸与できる棟数が5棟以上

経理処理

複式簿記によって記帳している

貸借対照表と損益計算書を確定申告に添付して申告期限内に申告

 

65万円は結構な控除額になるので、税負担を少しでも減らすなら、この条件に当てはまっているか、確認してみるのも良いでしょう。

 

青色申告を行うには?

原則として、青色申告を受けたい年の3月15日までに税務署に申告する必要があります。1日でも遅れるとその年の控除は受けられないので、十分に注意しましょう。

 

1

青色申告承認申請書の提出期限

青色申告の承認を受けようとする年の3月15日

2

新規開業した場合(その年の1月16日以後に新規に業務を開始した場合)

業務を開始した日から2か月以内

3

被相続人が白色申告者の場合(その年の1月16日以後に業務を承継した場合)

業務を承継した日から2か月以内

4

被相続人が青色申告者の場合(死亡の日がその年の1月1日から8月31日)

死亡の日から4か月以内

5

被相続人が青色申告者の場合(死亡の日がその年の9月1日から10月31日)

その年12月31日

6

被相続人が青色申告者の場合(死亡の日がその年の11月1日から12月31日)

翌年2月15日

参考:国税庁|青色申告制度

 

詳しい確定申告の方法は「青色申告の申請手続」をご覧ください。

 

まとめ

アパート経営に関する節税知識は以上になります。今回の内容を参考に、より多くの節税につながることを祈っています。

 

【関連記事】

不動産売却時に発生する税金を確定申告する方法と節税の秘訣

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相護士ナビ編集部

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