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配偶者居住権とは?施行はいつから?遺された配偶者を保護する新制度を解説
2019年10月18日

配偶者居住権とは?施行はいつから?遺された配偶者を保護する新制度を解説

川崎相続遺言法律事務所
関口 英紀 弁護士
監修記事
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相続の制度に「配偶者居住権」という新しい権利が2020年4月に誕生します。配偶者の死亡後も、もう一方の生存配偶者が引き続き同じ持ち家に住み続けられるようにする権利です。

 

これまでは、相続人が複数人いて、持ち家の価値が高すぎると、被相続人(亡くなった人)の生存配偶者は「泣く泣く」その持ち家を取得するのを諦めなければならなくなることがありました。

 

これは高齢者を長年住み慣れた家から追い出すようなもので、生存配偶者には酷であるという意見がありました。そこで相続法を改正して配偶者居住権を作り、生存配偶者が相続後も持ち家に住み続けられるようにしたのです。

 

この記事では、配偶者居住権の概要について解説していきます。

 

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配偶者居住権とは

配偶者居住権は次のように定義されています。

 

『配偶者が相続開始時に居住していた被相続人所有の建物を対象として、終身または一定期間、配偶者に建物の使用を認めることを内容とする法定の権利』

 

ポイントは、配偶者居住権は「使用権」である、ということです。

 

配偶者が同じ家を使用し続けることを保護

配偶者居住権を噛み砕いて説明すると、夫(または妻)の死後も、妻(または夫)が同じ持ち家に住み続けられる権利です。

 

なぜ国が配偶者居住権を作ったのかというと、現行制度では、夫(または妻)の死後、妻(または夫)が同じ持ち家に住み続けられない、という問題が生じていたからです。

 

配偶者居住権が創設された背景と現行制度の問題点

なぜ、夫(または妻)が死亡すると、妻(または夫)は同じ持ち家に住み続けられなくなるのでしょうか。

 

次のケースで考えてみます。

 

  • 被相続人(亡くなった人、夫)の遺産:1億円の価値がある住宅、1,000万円の現金
  • 相続人:妻と一人息子のみ
  • 妻は夫と2人で上記の1億円の住宅に住んでいる。息子は独立して別の家に住んでいる

 

この場合、妻と息子の法定相続分は1/2ずつなので、それぞれ5,500万円分(=(1億円+1,000万円)÷2)を相続することになります。

 

もし妻が1億円の家に住み続けたい場合、自分の法定相続分を4,500万円もオーバーしてしまいます。つまり、現金の相続を諦めて、息子に4,500万円の現金を渡さなければなりません。

 

(注:ここでは、息子が自分の法定相続分の相続を強く望んでいる、としています。もし息子が母親(被相続人の妻)に1億円の家を譲り、自分は現金1,000万円を相続できればよい、と考えるのであれば、このケースのような問題は生じません)

 

もし妻が4,500万円を用意できなければ、家を売って現金にして、それを息子と分けることになります。つまりこの妻は長年住んできた家を出ていかなければなりません。

 

この事態を回避するために創設されたのが、配偶者居住権です。配偶者居住権の施行は2020年4月です

 

次の章で、この権利がどのように機能するか解説します。

 

配偶者居住権のメリットを活かせる場面

配偶者居住権のメリットを活かせるケースを考えてみましょう。

 

先ほどと同じケースで考えてみます。

 

  • 被相続人(亡くなった人)の夫の遺産:1億円の価値がある住宅、1,000万円の現金
  • 相続人:妻と一人息子のみ
  • 妻は夫と2人で1億円の住宅に住んでいる。息子は独立して別の家に住んでいる

 

このとき1億円の住宅に配偶者居住権を設定するとすると、例えば配偶者居住権分5,000万円、負担付き所有権5,000万円の評価に分けることが可能になります。

 

そして配偶者居住権分5,000万円を妻が相続し、負担付き所有権5,000万円を息子が相続します。

 

配偶者居住権は、その家に住む権利(使用権)であり、所有権ではありません。

 

負担付き所有権は、その家の所有権になりますが、その家に住む権利はありません。

 

このようにすると、妻はその家に継続して住みながら、現金1,000万円についてもその1/2の500万円を相続できます。

 

配偶者居住権の「あり・なし」でどのように変わるのかまとめると、こうなります。

 

<配偶者居住権なし>

  • 妻:1億円の住宅を相続して、息子に4,500万円を支払う=5,500万円分を相続
  • 息子:遺産のうち現金1,000万円を全額相続したうえで、母(被相続人の妻)から4,500万円受け取る=5,500万円分を相続

 

<配偶者居住権あり>

  • 妻:1億円の住宅のうち配偶者居住権分5,000万円を取得して住宅に住み続ける+現金500万円を相続=5,500万円分を相続
  • 息子:1億円の住宅のうち負担付き所有権分5,000万円を取得(住宅に住む権利はない)+現金500万円を相続=5,500万円を相続

 

配偶者居住権が認められている範囲

配偶者居住権が認められている範囲

配偶者居住権が認められている範囲を紹介します。

 

適用対象

配偶者居住権の適用対象は建物全部です。もし建物に居住部分以外にテナントなどがあっても、それを含めて建物全体が配偶者居住権の対象になります。

 

存続期間

配偶者居住権の存続期間は原則、終身です。先ほどの事例では、妻が亡くなるまで配偶者居住権は適用されます。

 

ただ、遺産分割協議などで存続期間を設定することもできます。

 

利用方法

配偶者居住権の対象となる建物の利用方法は、相続開始前と同じでなければなりません。例えば建物の一部を居住用に使い、別の部分をテナントにして賃貸ししていた場合、相続後も同じように利用しなければなりません。

 

配偶者居住権を取得する方法

生存している配偶者が配偶者居住権を取得するための方法を解説します。

 

遺言書か遺産分割協議が必要

生存している配偶者が配偶者居住権を取得するには、被相続人の遺言書にその内容が書かれるか、遺産分割協議で決める必要があります。

配偶者が亡くなったからといって、生存している配偶者に自動的に配偶者居住権が与えられるわけではありません

 

価額の決め方

先ほど1億円の住宅を配偶者居住権分5,000万円、負担付き所有権5,000万円に分けましたが、遺産分割の際に配偶者居住権の価値を評価する際は、相続人たちで自由に決めることができます。

 

ただ法務省は価額の目安を次のように設けています。

 

『負担付き所有権の価値(価額)は、建物の耐用年数、築年数、法定利率等を考慮し配偶者居住権の負担が消滅した時点の建物敷地の価値を算定した上で、これを現在価値に引き直して求めることができる』

 

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配偶者居住権に関する注意点

配偶者所有権については、以下の点に注意してください。

 

配偶者に注意義務が求められる

配偶者が配偶者居住権を行使するときは、「善良な管理者の注意」を持っていなければなりません。配偶者はいわば「人の家に住まわせてもらう」ことになるので、丁寧に注意して住む義務があります。

 

配偶者(自分)が死亡し配偶者居住権が消滅すると、その家の完全な所有権を相続人(先ほどの事例では息子)が取得することになるからです。

 

配偶者居住権の登記をしないと不利益を被ることも

配偶者居住権を取得したら、その内容を登記しておきましょう。

 

もし負担付き所有権を持っている相続人(先ほどの事例では息子)が、その権利を第三者に譲渡してしまった場合でも、配偶者居住権が登記されていれば、その家を明け渡さなくても済みます。

 

相続税の課税対象となる

配偶者居住権には財産としての価値があるので、それを取得したら相続税の課税対象になります。その財産的価値は勝手に決めることはできません。

 

配偶者短期居住権とは

配偶者居住権と似た権利に、配偶者短期居住権があります。

 

配偶者居住権は終身の権利ですが、配偶者短期居住権には有効期間があります。その期間は、相続開始から6ヶ月間、または、遺産分割が決まってその住宅を取得する人が決まった日の、いずれか遅いほうです。

 

また、配偶者居住権の対象は建物全体ですが、配偶者短期居住権の対象は建物の居住部分のみです。

 

生存配偶者が配偶者居住権を取得できない場合でも、配偶者短期居住権は認められます。

 

まとめ

配偶者居住権は超高齢者社会に適した権利といえるでしょう。一般的に男性より女性のほうが長生きします。夫に先立たれたという理由だけで、妻が住み慣れた家を追い出されるのは、特に高齢女性にはつらいでしょう。生存配偶者は配偶者居住権を取得することで、終生、愛着のある家に住み続けることができます。

 

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相続トラブルを解決し遺産を多く受け取る方法とは?

相続トラブルで一番多い金額は5,500万円以下です。

 

これは相続トラブル全体の約75%にあたり、さらに1,000万円以下だけに絞って見ても、全体の32%を占めています。

 

相続トラブルはお金持ちや、ましてテレビの出来事では決してないのです。

 

相続トラブルの金額

<参考資料:平成25年度司法統計>

 

さらに、下の表を見ると遺産分割調停、すなわち遺産分割トラブルが右肩上がりで増えてきていることがわかります。

 

遺産分割に関する調停事件の推移

<参考資料:平成25年度司法統計>

 

 

相続における自己解決と弁護士介入の違いとは?

相続するのはあなただけではありません。相続人の平均人数は3名程度です。

 

相続人の数

<参考資料:国税庁 統計年報>

 

相続人が多いほど、相続トラブルが発生しやすく複雑になるのは避けようのない事実です。

 

トラブル回避のために重要なのは、早めに専門知識のある第三者を介入させることです。一般的に専門知識を持つ代表格といえば相続問題を得意とする弁護士です。

 

弁護士を介入させると費用が高くつくイメージがありますが、結果的にはトラブルを解消できるだけではなく、相続面でも優位に働き、金銭的にもメリットを得られることが多くなります。

 

 

相続に強い弁護士の選び方と相続相談の具体例

相続に際し、雇うのは弁護士なら誰でもいいというわけではありません。
最大のメリットが得られる弁護士の選び方は、以下を参考にしてください。

 

 

  • 1、相続が得意な弁護士を選ぶ

    相続トラブルの解決実績が豊富だったり、相続問題に注力していたりする弁護士を選びましょう。

  • 例えば、医者に「内科」「外科」「皮膚科」「耳鼻科」…と専門分野があるように、弁護士にも「相続」「離婚」「借金」「企業法務」…といった得意分野があります。

  • 相続があまり得意でない弁護士に依頼しても十分なメリットを受けられない可能性があるため、相続を得意とする弁護士に依頼することが大切です。

  • 2、初回相談料の安い弁護士を選ぶ

    初回相談は自分と相性の良い弁護士を選ぶチャンスですので、1件だけではなく複数と話をしてみましょう。

  • 件数を重ねるために初回の相談料を必ず確認しましょう。(相談無料〜3000円程度をオススメします)

  • 3、近隣の弁護士を選ぶ

    相続の弁護士は全国対応していることも多いのですが、やはり対面での関係性構築や急な事態に対応できる近隣の弁護士事務所が最善策といえるでしょう。

 

 

相続で弁護士が介入するデメリットは、あまりありません。

 

あえて挙げるなら、依頼に費用がかかる点でしょうか。

 

しかし、以下の費用対効果の例をご覧いただけば、実際には費用がデメリットとはならないことが、おわかりいただけると思います。

 

不公平な遺言書に対し弁護士を通じて遺留分を主張した例

3,000万円の遺産を遺して親が世を去った。全財産をほかの相続人に相続させる旨の遺言書があり、このままでは自分は一切遺産を受け取ることができない。

弁護士に依頼した結果

遺留分侵害額請求により、自分の遺留分割合である8分の1の遺産を受け取ることができた。

費用対効果

自分が受け取ることができた遺産は375万円。弁護士費用は84万円。そのまま泣き寝入りしていれば1円も受け取ることができなかったが、結果的に弁護士費用を差し引いても291万円を手にすることができた。

また、相続トラブルに関しては、初期費用(着手金)はかかるものの、費用の大部分は成果報酬方式です。


つまり依頼料はデメリットにならないのです。

 

>>費用対効果の高い弁護士とは?

 

簡単かつ早急に信頼できる弁護士を選ぶ方法

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使い方も簡単なので、近隣の事務所を確認だけでもしてみることをおすすめします。

 

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どれを選んでいいかわからない場合は、相続トラブルを選んでくされば対応できます。

この記事の監修者
川崎相続遺言法律事務所
関口 英紀 弁護士 (神奈川県弁護士会)
遺産分割など揉めやすい問題の交渉、調停、訴訟から、生前の相続対策として遺言や家族信託の活用についてまで幅広く対応。相談者の事情に合わせたオーダーメイドの解決を目指しており、多くの実績がある。

相続トラブルに巻き込まれてしまった方へ

何かと相続トラブルに発展するのは遺産の割合に不満がある・納得いかないケースです。

例えば、下記などが該当します。

・思ったより相続される遺産が少なかった
・揉めたくないので、泣く泣く遺産の配分に納得した
・遺言書に他の兄弟姉妹に遺産を多く渡す旨が書かれていた

遺産相続では法定相続分といって、民法で定められている割合の通りに遺産を公平に分割しましょうという一応の定めがありますが、生前に被相続人(亡くなった人)の介護をしていた、被相続人の事業を手伝っていれば寄与分という制度で多くの財産をもらう権利があります。

また、他の相続人が生前に財産を多く受け取っていたのであれば、遺産分割協議の際に相続財産を減らすこともできます。ただ、こういったルールは相続人全員が知っているわけではありませんから、あなたが主張しても聞く耳をもたれない可能性もあります。

その場合、弁護士に相談することで法的な観点から主張をしてくれますし、トラブルになっている場合はその仲裁に一役買ってくれるでしょう。当サイトでは、相続トラブルを1人で解決できるか悩んでいる方へ無料電話・無料相談(一部)を行い、不安解消できるように努めています。

問題解決はもちろん、あなたの状況にあったアドバイスを提供することをお約束します。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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