> 
 > 
 > 
不動産投資が相続税対策になる理由と不動産投資のリスク
2017年09月06日

不動産投資が相続税対策になる理由と不動産投資のリスク

New_new_%e4%b8%8d%e5%8b%95%e7%94%a3_%e5%8a%a0%e5%b7%a5%e6%b8%88%e3%81%bf

 2015年1月に相続税法が改正され、基礎控除額が引き下げられました。基礎控除額は【3,000万円+600万円×法定相続人】により算定されます。相続税は、被相続人(財産を残して亡くなった人)の相続税評価額が基礎控除額を超えた場合に支払う必要があります。

 

相続税評価額は被相続人の残した財産を金銭的な価値に換算したものの合計を指します。たとえば被相続人が現金1億円を保有していれば1億円がそのまま相続税評価額となりますが、不動産を購入し、集合住宅経営を行えば様々な理由から相続税評価額を低くすることができます

 

相続税は相続税評価額による累進課税制度を用いていますので、相続税評価額が低くなればその分相続税の節税対策になります。

 

今回は不動産投資のうち、賃貸経営住宅が相続税対策になる理由と、その際の注意点を記載したいと思います。

 

相続税対策をお考えなら不動産の
整理(売却)もあわせて検討しませんか?

【利用無料】一括査定サービスでは、相続・贈与や税金についてアドバイスを受けながら
売却活動を同時に進められます。ステップ_税金

一括査定に関する疑問は、こちらの記事が参考になります。
※査定依頼=売却決定ではありません。


不動産の相続に関する疑問やトラブルは、売却で解決する可能性があります。
物件の査定依頼は家族会議中、名義変更前でもOKです。

 

一括査定サイト「イエイ」を見てみる

当サイトから直接査定依頼も可能!

1分間の入力で
あなたの不動産の
価格がわかる!
一括査定に進むカンタンな情報の入力だけです

不動産投資が相続税対策になる理由

先述した通り相続税には基礎控除があります。相続税評価額<基礎控除額となれば相続税の支払いの必要は無く、相続税評価額>基礎控除額となった時のみ相続税の支払いの必要があります。

 

つまり相続税の節税対策の大きな軸は相続税評価額をさげることにあります。ここでは不動産投資のうち、集合住宅経営が相続税評価額を下げる理由について記載していきます。

 

建物の相続税評価額評価減を受けることが出来る

不動産投資として建物を購入した場合、その建物の相続税評価額は

 

建物の相続税評価=建物の固定資産税評価額

 

となります。そして建物の固定資産税評価額は、建物の建築費の約50%から60%となります。つまり現金1億円で建物を購入するだけで相続税評価額が多くても6,000万円となり、これだけで相続税評価額が4,000万円低くなります。固定資産税評価額は、固定資産税納税通知書の課税明細などで把握することができます。

 

また、建設した建物を賃貸用にすると、借家権により、さらに相続税評価額を下げることができます。借家権とは「借地借家法」により規定される賃貸物件の借主保護の制度です。具体的には、貸主が契約更新の拒否や借主の立ち退きを主張しても正当な理由がない限り認められないというものです。

 

この「借家権」により建物所有者である貸主の建物に対する権利が制限されますが、この制限された権利に対して建物の相続税評価額を割り引きます。割り引く割合を借家割合と言い、全国一律30%と決まっています。

 

つまり現金1億円を建物に換えて賃貸用にすることで

 

1億円×60%×70%=4,200万円

1億円-4,200万円=5,800万円

 

この計算により約5,800万円相続税評価額を下げることができます

 

土地の相続税評価額減を受けることが出来る

土地の相続税評価額は路線価方式と倍率方式の2つの方法のどちらか一方を用いて決まります。それぞれ違いや計算方法は以下の一覧にて確認してください。

 

 

路線価方式

倍率方式

適用される土地の種類

市街地や住宅地などの不特定多数が通行する道路がある地域

人口が少ない場合や、田畑、山林など

計算式

路線価(※1)×土地の面積(㎡)×補正率(※2)

土地の固定資産税評価額(※3)×地域ごとの倍率(※4)

(※1)路線価とはその土地に面する道路の価値をいいます。路線価は「国税庁のホームページ」で確認できます。

(※2)補正率は間口が狭いなどの特殊な状況に対し行われる補正です。くわしくは「国税庁のホームページ」で確認できます。

(※3)土地の固定資産税評価額は固定資産税納税通知書に記載されています。

(※4)地域ごとの倍率は「国税庁のホームページ」で確認できます。

 

賃貸用に貸し付けられている土地は「貸家建付地(かしやたてつけち)」となり相続税評価額から一定額割り引かれます。割引額後の土地の相続税評価額は以下のように決まります。

 

割引後の土地の相続税評価額=土地の相続税評価額(1-借地権割合×貸家権割合×賃貸割合)

 

借地権とは土地の所有者から土地を借りる権利のことを言います。そして借地権により土地所有者の権利が一定割合制限されます。この制限された割合について相続税評価額から割り引く割合を借地権割合と言います。

 

借地権割合は地域によって異なっており、「国税庁のホームページ」で確認することができます。借地権割合は30%~90%となっており、一般的に地価が高いほど借地権割合も高くなる傾向にあります。

 

賃貸割合とは、建物の全部屋面積のうち、相続が発生した際に賃貸として実際に賃借人契約している部屋面積の合計が占める割合です。たとえば賃貸マンションが10部屋で全ての部屋面積が同じとした場合、相続が発生した際5部屋貸し出していれば、賃貸割合は50%、10部屋貸し出していれば賃貸割合は100%となります。

 

借家権割合は先述した通りです。たとえば土地の相続税評価額が1億円で、借地権割合が70%、賃貸割合が100%とした場合の割引後の土地の相続税評価額は

 

割引後の土地の相続税評価額=1億円×(1-70%×30%×100%)=7,900万円

 

から7,900万円となることが分かります。

 

小規模宅地の特例を受けることができる

相続税には様々な優遇措置がありますが、被相続人の所有していた土地の種類が条件に当てはまっていれば、一定限度の面積まで相続税評価額を減額させることができる小規模宅地の特例を受けることができます。

 

小規模宅地の特例を受けることができる土地の種類と限度面積、減額率は以下の通りとなっています。

 

相続開始直前の宅地の利用区分

要件

限度面積

減額される割合

被相続人の事業用にされていた宅地

貸付事業以外の事業用宅地

特定事業用宅地

400㎡

80%

貸付事業用の宅地

一定の法人に貸し付けられた、その法人用の宅地

特定同族会社事業用宅地

400㎡

80%

貸付事業用宅地

200㎡

50%

一定の法人に貸し出された、その法人の貸付事業用の宅地

貸付事業用宅地

200㎡

50%

被相続人などの貸付事業用の宅地

貸付事業用宅地

200㎡

50%

被相続人の居住用の宅地

特定居住用宅地

330㎡

80%

参考「国税庁

賃貸住宅用に貸し出されている土地は④または⑤にあてはまり、200㎡まで、50%相続税の評価額から減額されます。

 

不動産投資での相続税対策シミュレーション

では実際に、不動産投資を行う場合と行わない場合で、相続税にどれだけの違いがでるのかシミュレーションをしてみましょう。但し条件は以下の通りとします。

 

被相続人の財産

現金

2億円

不動産投資の内訳

建物

1億円

土地

1億円

不動産投資の際の購入土地面積

1,000㎡

相続人

被相続人の子供

1人

建物の固定資産税評価額

建設費の60%

借家権割合

30%

借地権割合

70%

賃貸割合

100%

 

また、相続税額は、相続税評価額から基礎控除額を差し引いた額に累進課税制度で一定の税率をかけて求め、そこから一定額控除を行います。税率と控除額は以下の通りです。

 

取得した財産の相続税評価額(基礎控除後)

税率

控除額

1,000万円以下

10%

1,000万円超~3,000万円以下

15%

50万円

3,000万円超~5,000万円以下

20%

200万円

5,000万円超~1億円以下

30%

700万円

1億円超~2億円以下

40%

1,700万円

2億円超~3億円以下

45%

2,700万円

3億円超~6億円以下

50%

4,200万円

6億円超~

55%

7,200万円

 

不動産投資を行った場合と行わなかった場合の相続税額は以下の通りです。ただし計算を簡単にするためと、固定資産税額のブレをなくすために、土地の割引前相続税評価額土地購入額(地価公示価格)=土地購入額(地価公示価格)×80%とします。(土地の相続税額評価額を路線価方式で評価した場合、地価公示価格の約80%程度)

 

 

不動産投資を行わない場合

不動産投資を行った場合

集合住宅相続税評価額

なし

4,200万円(1億円×60%×70%)

割引前土地相続税評価額

なし

8000万円

割引後土地相続税評価額

なし

5,688万円(8,000万円×20%×50%×(1-70%×30%×100%)+8,000万円×80%×(1-70%×30%×100%))

相続税評価額

2億円(現金)

9,888万円

基礎控除額

3,600万円

3,600万円

基礎控除後課税評価額

1億6,400万円

6,288万円

相続税額

4,860万円

1,186万円

 

このことから、不動産投資を行わず、現金で相続を行う場合と行わない場合では、相続税額に3,673万円の差があることがわかります。

 

不動産投資のリスク

不動産投資を行うことが相続税対策になることは理解していただけたかと思いますが、不動産投資にはリスクもつきものです。ここでは不動産投資のリスクについて記載します。

 

空室リスク

賃貸に空きがでるとその間家賃収入が減ることになります。そうなれば固定資産税や初期費用においてローンを組んでいた際の返済が滞ってしまう可能性があります。購入した土地周囲の賃貸住宅需要により空家のリスクはいつでも付きまといます。

 

事前に購入する土地周囲には単身が多いのか、家族層が多いのか、賃貸住宅の需要があるのかマーケティング調査をきちんと行っておく必要があります。

 

ランニングコスト変動リスク

投資として、また相続税対策として不動産投資を行う場合、銀行から借り入れを行うことがあります。不動産投資で銀行から初期費用等の借り入れをした場合、初期費用は多額になることが多く返済期間は20年~30年と永くなる傾向にあります。この際に金利が上がってしまうと返済額が多くなりランニングコストが高くなります。

 

また賃貸集合住宅は長く経営を行うと、その分物件の老朽化により修繕費は高くなってきます。さらに賃貸住宅経営を永く行うと家賃が下がる傾向にありますので、収益が減ることも見込まれます。

 

家賃滞納リスク

集合住宅経営は、入居率が高くなれば安定した収益を得ることが出来ますが、常に家賃滞納のリスクを伴います。家賃滞納になれば利益が減るだけでなく、その対応のために手間と時間がかかります。

 

そのような時の対応としては入居の審査を厳しくするか、管理を不動産会社に任せてしまう方法があげられます。入居の審査を厳しくすれば、家賃滞納の確立を減らすことができますし、管理を不動産に任せれば、管理費としてランニングコストは必要になりますが、家賃の集金、滞納の督促だけでなく、入居、退去の業務、クレーム対応業務等を行ってくれます。

 

災害のリスク

建設した集合住宅が台風、津波、地震の影響で倒壊したり、大雨の影響で浸水してしまう可能性もあります。集合住宅が倒壊してしまった場合は資産価値が大きく下落してしまいます。これを防ぐためには火災、地震保険等に入っておく必要がありますが、そうするとランニングコストの増加につながります。

 

現金化のリスク

不動産というのは流動性の低い(現金化するまで時間のかかる)資産です。例えば土地を売ろうとした際は、まず土地の売買を仲介してくれる不動産業者を探し、その後不動産会社が土地の希望者を探します。このような手順を踏むことで、不動産を現金化する際には数か月かかることに注意が必要です。

 

流動性が低いことにより、現金が必要な時に必要な資金を調達できなくなるリスクがあります。

 

資産減少のリスク

不動産投資は、あくまで投資ですので、資産が大きく減少してしまうリスクもあります。例えば2億円で集合住宅と土地を購入し相続税対策を行ったあとに、不動産を現金に換えようとした場合を考えてみましょう。

 

賃貸住宅の資産価値を測る一つの方法として「収益還元法」というものがあります。収益還元法は不動産会社が不動産の資産価値を判断する際に用いる方法で、賃貸収益と表面利回りにより計算します。この時入居率の低下や家賃を下げたことにより、賃貸収入の減少、そして表面利回りが悪化した場合、2億で購入した不動産の資産価値が1億円を下回ってしまうこともあります。

 

不動産投資の本来の目的は長期安定収入

不動産投資は、本来は長期の安定収入を目的に行うべきで、節税対策のみを目的にする場合は、あまりお勧めできません。不動産投資は専門に行っている業者もあり、それらと競合して利益を出すには事前にマーケティング調査を行い、賃貸住宅経営中も利益を出し続けなければなりません。

 

節税対策のために行っているので、利益が出なくても良いという考えは危険です。不動産投資はリスクのある投資であり、利益を出すという覚悟を必要とします。

 

まとめ

不動産投資が相続税の節税になることはご理解いただけたかと思います。しかし不動産投資にはデメリットもたくさんあります。

 

安易に節税目的で不動産投資を行ったがために、ご自身が受け継いできた資産が目減りしてしまわないよう、もし不動産投資を行う場合は十分にリスクを考慮した上で行う必要があります。

相続税対策をお考えなら不動産の
整理(売却)もあわせて検討しませんか?

【利用無料】一括査定サービスでは、相続・贈与や税金についてアドバイスを受けながら
売却活動を同時に進められます。ステップ_税金

一括査定に関する疑問は、こちらの記事が参考になります。
※査定依頼=売却決定ではありません。


不動産の相続に関する疑問やトラブルは、売却で解決する可能性があります。
物件の査定依頼は家族会議中、名義変更前でもOKです。

 

一括査定サイト「イエイ」を見てみる

当サイトから直接査定依頼も可能!

1分間の入力で
あなたの不動産の
価格がわかる!
一括査定に進むカンタンな情報の入力だけです

SNSで記事をシェアする

相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
Icon_column_white カテゴリからコラムを探す
Icon_search_white 相談内容から弁護士を探す
Category_souzokutrouble_normal Category_tsukaikomi_normal Category_isanbunkatsu_normal
Category_iryubun_normal Category_souzokuhouki_normal Category_yuigon_normal
Category_daisyusouzoku_normal Category_seinenkouken_normal Category_fudosan_normal
Category_souzokunin_normal Category_souzokuzaisan_normal Category_souzokutouki_normal
Category_shintaku_normal
Sidebar_writer_recruit