相続人の死後に発見された遺言書がパソコンで作られたものだった場合、その遺言書の内容は、相続にしっかり反映されるのでしょうか?
また、自筆証書遺言で作成する場合、すべての内容を自分の力で書く必要があるのでしょうか?
この記事では、パソコンで作成した遺言書の有効性について、解説していきます。
公証人立ち合いのもとに作成された公正証書遺言であれば問題はありませんが、自筆証書遺言の場合、形式に不備があると無効になってしまう可能性があります。
1つの原因として挙げられるのが、パソコンで作成された遺言書、つまり『自筆で書かれていない遺言書』です。
他者が書いたものはもちろん、パソコンのように本人の直筆ではないものは自筆証書遺言としては認められません。自筆証書遺言では全文を直筆で作成する必要があります。
そのほかに遺言書が無効になってしまう例としては、
などが挙げられます。
(自筆証書遺言)
第968条
自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
引用元:民法第968条
自筆証書遺言は全文自筆で書く必要があったため、少しでも他者から書き加えられたり、パソコンで書かれた場合、遺言書は無効とされていました。
しかし、全文自筆で書くのは大きな負担があることや、書き間違いのリスクもあることから、2020年4月1日より、民法が改正される予定です。
遺言の内容や日付などはこれまでどおり自筆で書く必要がありますが、不動産などの財産目録に関しては、パソコンでの記入も可能になります。
参考:法務省 民法(債権法)改正
自筆証書遺言には決まった書き方はありません。しかし、形式に不備があれば無効になってしまう場合もあります。また、内容に一貫性がない場合、思ったとおりの効力を発生させることができなくなってしまいます。
以下の点に注意が必要です。
→例:「長男に土地を相続する」
このように書かれていた場合、どの土地か特定できないため、無効になる可能性があります。
→✕「平成30年吉日』
〇「平成30年の私の誕生日」
具体的な日にちがわかるように記載する必要があります。
→シャチハタ印は避け、実印で押すようにしましょう(ただし、実印でなければ効力がないというわけではありません)。
ここまで書いてきたように、現時点ではパソコンで作成された遺言書は無効になります。公正証書遺言ではなく自筆証書遺言で作成する場合には、しっかりとルールに沿って作成するように心がけましょう。
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