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相続税申告が不要なケースと例外3つ|申告不要のためにできること
2018年12月27日

相続税申告が不要なケースと例外3つ|申告不要のためにできること

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相続税の申告義務がない場合は、【基礎控除額>遺産総額】となる場合(納付義務がある場合)が原則ですが、以下の2つの特例を利用する場合は「相続税の納付義務が最終的に生じるかによらず」申告が必要となります。

相続税の申告が必要となる例外ケース

小規模宅地等の特例を利用した場合

「配偶者の税額の軽減」を利用した場合

 

この記事では、相続税の申告が不要である相続が多いことを確認した上で、注意すべき例外的ケースを見ていきます。また後半では、相続税申告を不要にするためにできることもご紹介します。

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基礎控除額の計算式と早見表

基礎控除額の計算式は【3,000万円+法定相続人の数×600万円】となっています。

 

つまり、「法定相続人の続柄によらず、法定相続人1人につき600万円基礎控除が増える」ということで、基礎控除額は以下のような表で表すことができます。

法定相続人の人数

基礎控除額

1人

3,600万円

2人

4,200万円

3人

4,800万円

4人

5,400万円

5人

6,000万円

なお、この基礎控除額は平成27年の相続税法の改正に伴い、以前の「5,000万円+法定相続人の数×1,000万円」から変更されたものです。それ以前の本や、経験を参考にしてしまわないようにしましょう。

 

ここで、特殊な例についても確認しておきます。

 

①被相続人に養子がいた場合

「被相続人に実子がいない場合は2人、いる場合は1人まで」という制限こそありますが、養子を法定相続人の数に含むことは可能です。これを利用して、「被相続人が養子を迎えることで基礎控除額を増やす」ということも可能です。

 

ただし、相続人の人数を増やすことが、相続人間でのトラブルの火種になることも考えられます。きちんと制度について調べ、相続人全員で制度を利用することによるメリットとデメリットを話し合った上で利用しましょう。

 

②法定相続人のなかに相続を放棄した者がいた場合

法定相続人のなかに相続放棄をした者がいても、基礎控除の計算に影響はありません。

 

ほとんどの相続では申告不要

相続税は納税者(相続人)自らが、納税額を申告する義務がある税ですが、納付すべき相続税がない場合は申告は不要です。

 

そして、相続財産(いわゆる遺産)の額が基礎控除額を下回っていれば、相続税の納付義務も、申告の義務もありません。

 

実は「相続税の生じる相続」というのはそれほど多くありません。

 

先述のように、平成27年に基礎控除が約4割減額され、相続税の生じる相続が増加してもなお、相続全体の8%程度となっています。

 

例外1|小規模宅地等の特例を利用した場合

上記の説明の例外である「制度の利用自体に申告が必要な特例」として、小規模宅地等の特例を紹介します。

 

こちらを使う場合は、「相続税の納付義務が生じるか否かによらず、申告が必要」です。

 

特例の内容としては、被相続人が相続開始の直前まで事業または、自身の居住のために利用していた宅地(小規模宅地等)を相続人が取得した場合に利用できる特例です。

 

これによって、自宅や、自営業者の店舗などの評価額を圧縮することができます。

 

具体的には、小規模宅地等の評価額を、限度面積(200~400㎡)まで一定の割合(50~80%)で減額して課税価格とします。限度面積と減額する割合は用途に応じて定められます。

 

参考:国税庁|No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

 

相続税がゼロ円になるモデルケース

法定相続人及び相続人が、被相続人と同居していた長男一人のみであり、相続財産が自宅と預貯金である場合です。

 

<補足条件>

  1. 土地評価額3,000万円、建物評価額1,800万円、預貯金額1,500万円
  2. 土地の面積300㎡

 

この場合、基礎控除額は法定相続人が長男一人であるため、3,000万円+600万円×1=3,600万円です。

 

つまり、自宅(評価額4,800万円)だけでも基礎控除額を超えてしまうので、このままでは相続税の納付の義務が生じてしまいます。

 

そこで、330㎡以下という条件を満たす自宅の土地(宅地)に、小規模宅地等の特例を適用しましょう。

 

これによって、土地の評価額は8割減額されて、 3,000万円×(1−0.8)=600万円となります。

 

よって、この相続における相続財産の評価額は

 

土地600万円+建物1,800万円+預貯金1,000万円=3,400万円

 

となり、基礎控除枠3,600万円のなかに収まりました。そのため、相続税を納める義務はありません。

 

ただし、この制度の利用のために「申告が必要」となります。

 

例外2|「配偶者の税額の軽減」を利用した場合

同様の例外に「配偶者の税額軽減」もあります。こちらは、配偶者が取得した相続財産の価額が、

 

  1. (課税価額の合計額)×(配偶者の法定相続分)
  2. 1億6,000万円

 

のいずれか大きいほうまでに限って、相続税がかからないという制度です。

 

ほとんどの相続において、配偶者についてはこの制度で相続税をゼロ円にできると思われます。

参考:国税庁|No.4158 配偶者の税額の軽減

 

相続税がゼロ円になるモデルケース

法定相続人が被相続人の配偶者である妻、長男、次男である場合について考えてみましょう。

 

この場合、配偶者の法定相続分は1/2となっています。そのため、配偶者は相続する財産の価額によらず、全体の1/2までは税額がゼロになります。

 

また、全体の1/2以上を相続する場合であっても、その価額の合計が1億6,000万円以下であれば、税額がゼロになります。

 

利用に申告が必要ない控除も…

以下の控除は、申告しなくても利用することができるので、利用した結果、納付すべき相続税がない場合には申告は不要です。

 

①相次相続控除

相続開始前から10年以内に被相続人が相続を受けていた場合には、同一の財産に相続税が複数回課されることを避けるために「相次相続控除」が利用できます。

 

具体的には、配偶者の財産を相続した人が、10年以内に被相続人になる場合などに用いることができます。

 

この控除によって、先の相続で支払った相続税額のうち一定額が、今回の相続税額から控除されます。

参考:国税庁|No.4168 相次相続控除

 

②障害者の税額控除

相続人が85歳未満の障害者のときは、相続税の額から一定額を控除する制度です。

 

計算方法は【85−(相続人の年齢)】×10万円(ただし、特別障害者ならば20万円)で、相続人の年齢は1年未満の期間を切り上げて計算します。

 

相続人が30歳5ヶ月の障害者である場合を例にしてみると、税額控除は(85−31)×10=540万円となります。

参考:国税庁| No.4167  障害者の税額控除

 

 

申告不要と勘違い!? 相続税がかかる落とし穴

相続税の課税対象というのは、間違えやすいポイントが複数あります。

 

例えば、みなし相続財産というものがあります。これは、被相続人の死亡に際して、「無償」あるいは「本来の価値に対して低い対価」で利益を受けた財産は「みなし」として、相続財産に含むというものです。

 

具体例としては、被相続人が支払った死亡保険や、死亡時の退職手当金が挙げられます(ただし、この2つについては相続人数×500万円までは非課税です)。

 

このように複雑な、相続税の課税対象を間違えて、「相続財産の価額は基礎控除額以下だし、申告は不要だ」と判断してしまうと、意図せぬ「脱税」につながってしまいます。被相続人の財産については必ず、課税対象なのかどうか確認するようにしましょう。

 

「相続開始前3年以内の贈与財産」にも注意

相続財産について確認をする際は、今回相続した「遺産」だけではなく、「相続開始から3年以内に被相続人から贈与を受けた財産」がないかをきちんと確認する必要があります。

 

あまり知られていないことかもしれませんが、相続開始から3年以内に贈与された財産は、相続税の課税対象になります

 

相続税対策として生前贈与をしていた場合、あるいはする予定の場合は、この点に留意する必要があるでしょう。

 

また、相続を意識していなかった単なる贈与は忘れられがちです。直近3年間に被相続人から何らかの贈与を受けた相続人がいないかを確認しましょう。

 

なお、贈与時に贈与税額が課税されていた場合には、その際の贈与税額を控除した上で合計価格に含みます。

 

納付期限を超えると延滞税や加算税が

相続税の納付期限は、申告期限と同様、相続開始の事実を知った日の翌日から10ヶ月となっています。

 

申告が必要であるにも関わらず、無申告であれば延滞税無申告加算税が加算されます。

 

また、適切な申告を行っていなければ、延滞税過少申告加算税が加算されます。

 

さらに、それぞれ隠蔽や仮装といった悪質な行為が認められてしまうと重加算税も加算されます。

 

相続税は税務調査がとても多い税金です。悪意のある脱税が許されないことは言うまでもありませんが、申告の必要性の見誤りや、相続財産の見逃しなどによる「意図せぬ脱税」には十分注意しましょう。

 

申告後に分割した場合は、更正の請求を

申告時点で、相続財産の全部または一部について、その帰属などについて協議が終了していないなどの理由から分割が終了していない場合には、法定相続分の割合に従って課税価格を計算し、申告と納付を済ませます。

 

その後、遺産分割協議の結果、法定相続分と異なる配分が行われた場合には、実際の状況に適した納税を行うための修正申告や、更正の請求を行うことができます。

 

相続税申告を不要にするためにできること

相続税申告を不要にするためにできることは「相続財産の評価額を減らすこと」に尽きます。そして、その方法の基本は「贈与税のかからない方法で生前贈与を行うこと」です。

 

具体例

いくつか具体例を述べていきます。

 

①暦年贈与

贈与は、年間110万円を超えないと贈与税が発生しません。そのため、相続人たちに年間110万円を超えない範囲の生前贈与を毎年行っていくことで、相続税の課税対象となる財産を減らすことができます。

 

②結婚・子育て資金の一括贈与に対する非課税の特例

20歳以上かつ50歳未満の子供・孫に対して結婚・子育て資金の贈与を行うと、最大1,000万円を控除することができます。

参考:国税局|No.4511 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税

 

③住宅取得資金の贈与に対する非課税の特例

父母・祖父母から、自己の居住用の住宅用家屋の新築、取得または増改築などのための資金の贈与を受けた場合は、「受贈者の所得が2,000万円以下である」などの一定の条件を満たすことで、最大3,000万円まで贈与税額を控除することができます。

参考:国税局|No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

 

相続人以外への贈与は対象外

相続人以外に対する贈与は、相続開始から3年以内であっても相続税の課税対象とはなりません。そのため、孫や、子供の配偶者などに対して暦年贈与を行うことも有効です。

 

また、孫に対しては1,500万円までは非課税で、教育資金の贈与を行うこともできます。孫に対する贈与は、子供の代での相続税を減らすことにもつながるので、有効に利用していきましょう。

 

財産の正確な把握は税理士に

相続税について考えていくなかで最も難しいことは「相続財産(遺産)の把握」でしょう。

 

「何が相続財産なのか?」「この財産の評価額はいくらなのか?」と思った場合には、専門家である税理士に相談してみてください。

 

それにより、適正な納税の実現はもちろん、場合によっては大きな節税を行うことができるかもしれません。

 

税額を抑えた相続税申告なら、相続税専門の税理士に依頼

誰が相続税の申告を行っても、納める相続税額は同じ金額になると思っていませんか? 実は、その考えは間違っています

 

税理士業務の中でも「相続税の申告」は非常に特殊なもので相続税の専門的な知識が求められます。税理士ごとに、計算される相続税額が異なることも少なくないのです。

ここでは、「相続税専門」の税理士に依頼することが相続税を抑えるのにつながる理由についてご紹介します。

 

税理士にも得意分野がある

医者に外科や内科などの専門分野があるように、税理士にも専門分野があります

 

税理士になるには、「所得税法」「法人税法」「相続税法」「消費税法又は酒税法」「国税徴収法」「住民税又は事業税」「固定資産税」のうち、所得税法と法人税法を含む3つの科目に合格することが求められます。つまり、相続税について勉強せず税理士になった人も数多くいるのです。

 

税理士にも専門分野があります

 

一般的な税理士の仕事は法人税や所得税の申告です。全国の年間の相続税申告件数は約10万件なのに対し、税理士は約8万人存在しています。つまり、税理士一人あたりの相続税の申告件数は年間で1~2件程度が実状です。全国に企業が400万社以上あることからも、いかに相続税の申告業務が稀であるか理解できるでしょう。

 

税理士1人の年間相続税申告件数は約1.25人

 

そのため、相続税の申告を数多くこなしている税理士は少なく、専門的に扱っていない税理士に依頼すると、本来払わずに済んだ税金を支払う事態になりかねません

 

相続税を抑えるために必要なこと

相続税を抑えるためには、相続財産(特に土地や家屋)を正しく評価することや、特例・各種控除などを適用させることが必要不可欠です。

 

相続税の金額を正しく計算するには、もとになる遺産の価値を正しく評価する必要があります。預金や株式といった金銭価値がはっきりしているものであれば問題ありませんが、土地や家屋、さらに車などの一般動産や家財一式などの評価は難しく、税理士や税務署によって解釈が異なることもあり、遺産の価値を過大に評価してしまうこともあるのです。

 

また、相続税額を抑えるには控除や特例を利用することが不可欠ですが、適用条件が複雑なこともあり、適用できるのに気づかなかったり、適用できるかどうかの判断が困難な場合もあります。

 

税理士でも財産評価や控除・特例の適用判断は難しい

 

さらに、本来の金額よりも少ない金額を誤って申告してしまうと、税務調査が行われ、延滞税や加算税などの追微課税が発生し、本来よりも高い税金を納めなければならないといった事態になりかねないのです。

 

相続税の申告は「相続税専門」税理士に依頼

あなた自身や経験の少ない税理士では、正しく申告するのが困難な場合もあるでしょう。そのため当サイト編集部では、相続税を専門に取り扱う税理士に依頼することを強く推奨しています。

 

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さらに、1次相続や2次相続までを考慮し、どのように遺産を配分すれば相続税を抑えられるかについて最適な分割プランを提案します。2008年から開業したノウハウを駆使し、土地や家屋などの不動産も正しく評価。控除や特例も適切に利用し、できる限り相続税額を抑える申告を目指しています。

 

さらに、一般的な税務調査率が10%なのに対し、税理士法人チェスターでは書面添付制度の活用により1%以下にまで抑えています。修正申告が必要だった場合、延滞税や加算税を支払わなければならず、追加での納税が必要になってしまいます。税務調査を受ける確率や、追微課税を支払う可能性もぐっと抑えられるのです。

 

依頼した場合は税理士報酬を支払う必要はありますが、それを上回って相続税額を抑えられることも少なくありませんし、ご自身での申告書作成から申告までの一連の手間や税務調査に対処する手間も省けます。

 

相続税専門の税理士に相談すれば相続税額を抑えられる

 

以下に当てはまる方はまずは問合せてみましょう。

 

✔相続税の申告をする必要がある

✔適正な範囲内で相続税の申告額を抑えたい

相続税の申告期限が迫っている

「相続税についてのお知らせ」「相続税の申告等」等の案内が届いた方

とりあえず近所の税理士に相談しようとしている

 

まとめ

ほとんどの相続において、相続税はかかりませんし、申告の必要はありません。

 

しかし、これまで見てきたように、「申告を行うことでゼロ円にすることができる場合」もありました。

 

他人事と捉えるのではなく、「我が家はどうだろうか?」とまずは考えてみましょう。

 

その際に生じた疑問や不安についてはぜひ、税理士にご相談ください。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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