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相続税の申告は必要?|申告義務のある場合とない場合を解説
2018年12月27日

相続税の申告は必要?|申告義務のある場合とない場合を解説

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相続税は、納税義務者の「申告」によって納付を行う税金です。所得税のように源泉徴収されることも、住民税のように納税額が通知されることもありません。そのため、自分で申告が必要かを判断し、必要であれば自分で申告をしなければなりません

 

申告が必要となるパターンは大きく分けて2つあります。1つは、【遺産総額>基礎控除額】であり、相続税が発生する場合です。もう1つは「申告が必要な特例」を利用する場合です。これは最終的に納めるべき相続税がない場合であっても、申告が必要です。

 

この記事では、相続税の申告義務があるケース、ないケースについてご紹介していきます。

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申告義務ありの2パターン

遺産総額>基礎控除額となった場合

どのような相続においても適用されるのが「基礎控除」です。

 

遺産総額(課税価格の合計)>基礎控除となれば、相続税が発生するため、申告義務が生じます。

 

遺産総額の計算方法

相続した財産(相続財産)の評価額から、相続した住宅ローンなどの確実な負債や、葬儀代などの「負債額」を控除した額、つまり「被相続人の正味資産」を求めます。

 

①相続財産とは

この「相続財産」は「金銭で換金できる経済的価値のあるもの」を指します。

 

預貯金、金融商品、動産、不動産、換金性のある権利(例:ゴルフ会員権)など、ありとあらゆるものが含まれます。また、被相続人の死亡に際して、適当な対価を支払わずに利益を受けた場合は「みなし相続財産」として、相続財産に含まれます。

 

例としては、被相続人が支払った生命保険が挙げられます(ただし、相続人数×500万円までは非課税)。

 

②評価額

この相続財産の「評価額」を算定する際の原則は時価主義というもので、取得後の価値の上下は考慮しません。

 

ただし、土地の評価方法では時価ではありません。相続税における財産の評価方法を定める財産評価基本通達に定められている「路線価方式」という計算方法で用いられます。

 

これは、実勢価格や、地価公示法に基づく公示価格と違うのはもちろん、固定資産税の評価額とも異なります。そのため、きちんと土地の評価額をつかむ必要があるでしょう。目安としては、「実勢価格の8割程度」であるなどといわれています。

 

このように、不動産は評価額が実勢価格に比べて安いため、相続税対策に不動産を購入するという手も考えられます。

 

基礎控除額の計算方法

基礎控除額の計算方法は「3000万円+600万円×法定相続人の数」です。

 

「妻だから」「子供だから」などは関係なく、単純に相続人の人数を数えます。

 

なお、養子を含むこともできますので、「被相続人が養子を迎えることで基礎控除額を増やす」ということも可能です。ただし、基礎控除枠に含むことができる養子の人数は、実子がいない場合は2人、いる場合は1人までという制限があります。

 

特例の適用によって納税がゼロになった場合

小規模宅地等の特例

相続人が取得した財産のうち、被相続人が相続開始の直前まで被相続人の事業または、自身の居住のために利用していた宅地(小規模宅地等)に関する特例です。これによって、自宅や、事業者の自宅兼住居などの評価額を圧縮することもできます。

 

具体的には、小規模宅地等の状況に応じた限度面積(200~400㎡)までを、状況に応じた割合(50~80%)で減額して課税価格とします。限度面積と減額する割合は用途に応じて定められます。

参考:国税庁|No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

 

配偶者の税額軽減

配偶者の税額軽減とは、配偶者が取得した相続財産の正味の価額が、

 

  1. (課税価額の合計額)×(配偶者の法定相続分)
  2. 1億6,000万円

 

のいずれか大きい方までは、相続税がかからないという制度です。

参考:国税庁|No.4158 配偶者の税額の軽減

 

申告義務なしの4パターン

遺産総額<基礎控除額となった場合

上記の計算によって、遺産総額と基礎控除額を求めた際、【遺産総額<基礎控除額】となれば、相続税は発生しませんし、申告義務もありません。

 

非課税枠を使って基礎控除以下になる場合

  1. 被相続人の死亡により支払われる生命保険金のうち、被相続人が保険料を負担したもの
  2. 被相続人の死亡により支払われる退職手当金や功労金など

 

の2つは、法定相続人の人数×500万円まで非課税となっています。

 

また、弔意金については

 

  • 業務上の死亡
    →被相続人の死亡時の月額普通給与3年分
  • 業務外の死亡
    →被相続人の死亡時の月額普通給与6ヶ月分

 

を限度に非課税となっています。

 

相続財産の評価額を計算する場合に、これらの資産は非課税額を超えた分のみが課税価格に算入されます。

 

相続税を控除する特例を利用した結果、納めるべき税金がなくなった場合

①相次相続控除

相続開始前から10年以内に被相続人が相続を受けていた場合には、同一の財産に複数回課税することを避けるための制度「相次相続控除」が利用できます。

 

配偶者の財産を相続した人が、10年以内に被相続人になる場合など、多くの事例において利用できる特例だといえるでしょう。

 

この控除によって、先の相続で支払った相続税額のうち一定額が、今回の相続税額から控除されます。

参考:国税庁|No.4168 相次相続控除

 

②未成年者の税額控除

相続人が未成年者である場合には、相続税の税額控除が行われます。

 

計算方法は、(20ー(相続人の年齢))×10万円で、相続人の年齢は◯歳△ヶ月の◯を利用します(月は切り捨て)。

 

相続人が10歳4ヶ月である場合を例にしてみると、(20ー10)×10=100万円となります。

 

相次相続控除に比べて知名度が低く、忘れられがちですが、相続人が未成年である場合には、特例を利用しましょう。

参考:国税庁|No.4164 未成年者の税額控除

 

③障害者の税額控除

相続人が85歳未満の障害者のときは、相続税の額から一定額を控除する制度です。

 

計算方法は、(85ー(相続人の年齢))×10万円(ただし特別障害者ならば20万円)で、相続人の年齢は一年未満の期間を切り上げて計算します。

 

相続人が30歳5ヶ月の障害者である場合を例にしてみると、(85ー31)×10=540万円となります。

参考:国税庁| No.4167  障害者の税額控除

 

そもそも遺産を受け取らない場合

相続税は、相続・遺贈によって資産を受け取る人が申告・納付する税です。そのため、相続税が生じる相続の法定相続人であったとしても、遺産を受け取っていなければ納めるべき相続税はありませんし、申告の必要もありません。

 

まとめ

相続において相続税は、0円であるということがほとんどです。

 

事実、相続のなかで相続税の納税義務があるケースは全体の1割程度であるといえます。

 

しかし、そうだからと言って、相続税について無関心であるわけにはいきません。

 

これまで見てきたように、0円の場合でも、「相続税額が0円であり、申告が不要な場合」と「申告を行うことで0円にすることができる場合」があります。

 

本来、申告が行われなければならない場合において、申告がなされていないと、延滞税のほかに、無申告加算税、重加算税などの追徴も考えられます。

 

「相続税はお金持ちだけの話。我が家は相続財産が少額だし、多分大丈夫だろう」という考え方は危険です。

 

申告の必要性の有無については、しっかりと確認するようにしましょう。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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