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令和5年(2023年)分、三重県の被相続人数は23,744人、そのうち相続税の申告書が提出された被相続人は1,984人で、課税割合は8.4%です。
全国平均の9.9%を下回りますが、地価動向や相続登記義務化を背景に申告件数は増加傾向です。
相続税の基礎控除は『3,000万円+600万円×法定相続人数』で、これを超える財産がある場合に申告が必要になります。
三重県の課税価格の合計額は2,153億円で、前年比102.3%です。
申告税額の合計額は202億円で、前年比104.1%となりました。
被相続人1人当たりの課税価格は1億852万円、1人当たり税額は1,020万円です。
国税局管内全体の相続財産の内訳は、土地が33.4%(1兆262億円)、家屋が5.3%(1,624億円)、有価証券が15.8%(4,854億円)、現金・預貯金等が34.4%(1兆571億円)、その他が11.0%(3,380億円)です。
土地と家屋を合わせた不動産は38.7%を占めています。
財産構成では現金・預貯金等の比率が34.4%と最大となっています。
※ 三重県単独の財産構成は名古屋国税局の公表資料に掲載されていないため、名古屋国税局管内全体(岐阜県・静岡県・愛知県・三重県)の令和5年分データを参考値として掲載しています。
出典:名古屋国税局『令和5年分 相続税の申告事績の概要』(名古屋国税局管内・三重県分)
三重県内で相続の話し合いがまとまらず家庭裁判所に持ち込まれるケースは、裁判所の司法統計年報で公表されています。
全国の遺産分割事件(調停・審判)は毎年1万5,000件前後で推移しています。
相続人の間で意見が割れたときは、早い段階で弁護士に相談し、家裁の調停も視野に入れた方針を立てると長期化を防げます。
出典:最高裁判所『司法統計年報 家事編』(遺産分割事件の動向)
三重県の相続では、財産構成と相続人の居住地、相続税の課税水準に関する特徴があります。
下記のポイントを踏まえて、早めに相続人と財産の全体像を整理しておくことが長期化を防ぐ鍵となります。
・三重県の課税割合は令和5年8.4%で全国平均9.9%を下回っており、約12件に1件が相続税申告の対象です。
愛知県(15.5%)・静岡県(11.0%)と比較しても低水準で、地価が比較的穏やかな地域特性が反映されています
・被相続人1人当たり課税価格は令和5年1億852万円(約1億900万円)で、全国平均1億3,891万円を下回っています。
伊勢・鳥羽・志摩などの観光・海産業エリアと北勢工業地帯で資産構成が異なり、製造業関連財産が課税財産に占める割合が一定程度あります
・申告税額は令和5年に202億円と前年比104.1%増加しており、緩やかな上昇傾向にあります。
被相続人1人当たり税額は1,020万円と安定的で、大都市圏と比べて地価の影響が小さく相続税負担が抑えられている傾向があります
・2024年4月の相続登記義務化により、津地方法務局は本局・支局6か所・出張所2か所の計9拠点で対応しています。
四日市・桑名などの北勢工業地帯では住宅地の相続に加え、工場・倉庫等の事業用不動産の相続手続き需要も高まっています
・三重県は南北に細長い地形で、北勢(四日市・桑名・鈴鹿)・中勢(津・松阪)・南勢(伊勢・鳥羽・志摩)・伊賀・東紀州(熊野・尾鷲)で経済・産業構造が大きく異なります。
法テラス三重が県内7か所で出張相談を実施しており、遠隔地住民の法律相談アクセスを支援しています
三重県で相続を相談する窓口は、紛争がある場合は弁護士、相続登記は司法書士、相続税は税理士、書類作成のみは行政書士と、案件の内容で使い分けます。
費用を抑えたい場合は、弁護士会の法律相談センターや法テラスの無料相談を利用できます。
家庭裁判所・公証役場・法務局は手続きの申立先として必ず関わる公的機関で、遺産分割調停・遺言公正証書の作成・相続登記の申請先となります。
ここでは三重県で利用できる公的・士業団体の相談窓口を8種類にまとめます。
三重弁護士会は1会体制で、県内2か所の法律相談センターで相続相談を受け付けています。
津センターと四日市センターが主要窓口で、相談は予約制(電話)です。
相続・遺言・相続放棄・遺産分割など相続全般に対応しており、初回相談料は30分5,500円(税込)が目安です。
法テラスを利用した無料相談(収入要件あり)にも対応しています。
三重弁護士会の公式サイト(mieben.jp)で最新の相談スケジュールをご確認ください。
法テラス三重との連携による出張相談(伊賀・名張・伊勢・鳥羽・志摩)も実施しています。
| 名称 | 住所 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 津法律相談センター | 三重県津市丸之内養正町1-1 | 059-228-2232 |
| 四日市法律相談センター | 三重県四日市市三栄町2-11 三栄ビル2階 | 059-352-1756 |
※ 上記は2026年4月時点の情報です。
最新情報は各団体の公式サイトをご確認ください。
収入・資産が一定基準以下の方は、法テラスを通じて弁護士費用の立替制度と無料相談(最大3回)を利用できます。
法テラス三重(津市)を拠点に、四日市・伊賀・名張・伊勢・鳥羽・志摩の計7か所で出張相談を実施しています。
無料相談は火曜日(13時〜16時)と木曜日(9時30分〜12時30分)が基本で、各出張先は月ごとに開催日が異なります。
IP電話・PHSからは050-3383-5536へ。
収入・資産の基準については法テラス公式サイトでご確認ください。
法テラスの民事法律扶助(無料相談・費用立替)を利用するには、収入と資産の基準を満たす必要があります。
基準額は地域で異なり、下表は三重県に適用される一般地域の基準です。
収入基準は手取り月収で、家賃や医療費などの支出は別途加算されます。
資産基準は預貯金・有価証券などの合計額で、詳細は法テラス各事務所で審査されます。
相談は1案件につき最大3回まで無料で、弁護士費用の立替制度も合わせて利用できます。
| 同居家族の人数 | 収入基準(月額・手取り) | 資産基準 |
|---|---|---|
| 1人(単身) | 182,000円以下 | 180万円以下 |
| 2人 | 251,000円以下 | 250万円以下 |
| 3人 | 272,000円以下 | 270万円以下 |
| 4人 | 299,000円以下 | 300万円以下 |
| 名称 | 住所 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 法テラス三重(津) 平日9時〜17時。無料相談: 火曜13:00〜16:00、木曜9:30〜12:30 |
三重県津市丸之内34-5 津中央ビル | 0570-078344 |
| 法テラス三重 出張相談(四日市) 木曜 9:50〜11:40 |
三重県四日市市三栄町2-11 三栄ビル2階(三重弁護士会四日市支部内) | 0570-078344 |
| 法テラス三重 出張相談(伊賀) 毎月第3水曜 13:00〜16:00 |
三重県伊賀市四十九町3184番地 伊賀市役所内 | 0570-078344 |
| 法テラス三重 出張相談(名張) 毎月第1火曜 13:00〜16:00 |
三重県名張市鴻之台1番町1番地 名張市役所内 | 0570-078344 |
| 法テラス三重 出張相談(伊勢) 4・7・10・1月の各第2金曜 13:00〜16:00 |
三重県伊勢市岩渕1丁目7番29号 伊勢市役所内 | 0570-078344 |
| 法テラス三重 出張相談(鳥羽) 偶数月第2水曜 13:00〜16:00 |
三重県鳥羽市 鳥羽市社会福祉協議会保健福祉センター「ひだまり」内 | 0570-078344 |
| 法テラス三重 出張相談(志摩) 奇数月第2木曜 13:00〜16:00 |
三重県志摩市阿児町鵜方3098番地1 志摩市社会福祉協議会「サンライフあご」内 | 0570-078344 |
出典:法テラス三重 事務所案内
※ 上記は2026年4月時点の情報です。
最新情報は各団体の公式サイトをご確認ください。
2024年4月1日から相続登記が義務化され、相続開始を知った日から3年以内の申請を怠ると10万円以下の過料の対象となります。
三重県司法書士会は津市丸之内に本会と総合相談センターを置き、毎月第1・2・3水曜日の13時30分〜16時30分に無料面接相談(予約制)を実施しています。
相続登記・遺産分割協議書作成・相続人調査など相続全般の相談に対応しています。
巡回無料相談・各支部無料相談会も実施しています。
詳細はmie-shihou.jpの相談ページをご確認ください。
司法書士会代表番号は059-224-5171です。
| 名称 | 住所 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 三重県司法書士会 総合相談センター 毎月第1・2・3水曜 13:30〜16:30(祝祭日・年末年始除く) |
〒514-0036 三重県津市丸之内養正町17-17 | 059-221-5553(面談予約) |
| 三重県司法書士会 本会(電話相談) 電話相談は要問い合わせ |
〒514-0036 三重県津市丸之内養正町17-17 | 059-273-6300(電話相談専用) |
※ 上記は2026年4月時点の情報です。
最新情報は各団体の公式サイトをご確認ください。
相続税は「3,000万円+600万円×法定相続人数」の基礎控除を超える場合に課税されます。
三重県は東海税理士会(愛知・岐阜・静岡・三重を管轄)が担当し、県内の津・四日市・松阪・伊勢・桑名・鈴鹿・伊賀・尾鷲の各税務署管轄地域の支部で相続税・贈与税の無料相談を実施しています。
相続税申告・生前対策・不動産評価など相続税に関する相談全般に対応しています。
各支部の住所・電話番号・相談日時は東海税理士会公式サイト(tokai-zeirishi.or.jp)でご確認ください。
三重県内には津・四日市・松阪・伊勢・桑名・鈴鹿・伊賀・尾鷲の各税務署対応支部が設置されています。
無料電話相談「もしもし税金相談室」も活用できます。
※ 上記は2026年4月時点の情報です。
最新情報は各団体の公式サイトをご確認ください。
遺産分割協議書・相続関係説明図の作成、戸籍収集など書類作成業務を中心に対応しています。
相続人の間に争いがある案件は弁護士の業務範囲のため、行政書士では取り扱えません。
三重県行政書士会は津市広明町に本会を置き、県内11支部(四日市・鈴鹿・亀山・桑員・津・松阪・伊勢・鳥羽志摩・伊賀・尾鷲・熊野)に約730名の会員が登録しています。
各支部の個別住所・電話番号は三重県行政書士会本会(059-226-3137)またはmie-gyoseisyoshi.jpでご確認ください。
業務範囲は書類作成のみで、争いのある遺産分割や遺留分請求は弁護士に相談する必要があります。
| 名称 | 住所 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 三重県行政書士会 本会 平日9:00〜12:00、13:00〜16:30 |
〒514-0006 三重県津市広明町328番地 津ビル2階 | 059-226-3137 |
※ 上記は2026年4月時点の情報です。
最新情報は各団体の公式サイトをご確認ください。
遺産分割調停・審判、相続放棄の申述、遺言書の検認の申立先です。
津家裁本庁が津市中央に置かれ、北勢地域は四日市支部、中南勢・伊賀方面はそれぞれ松阪・伊賀支部、伊勢・志摩は伊勢支部、熊野・南紀方面は熊野支部と尾鷲出張所が管轄します。
相続放棄は原則3か月以内、遺言書検認は遺言者の死亡を知った後遅滞なく申立てる必要があります。
電話番号の詳細は裁判所公式サイトのダイヤルイン番号一覧(PDF)でご確認ください。
相続放棄の申立書の書式は裁判所公式サイトからダウンロードできます。
| 名称 | 住所 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 津家庭裁判所 本庁 | 三重県津市中央3-1 | 059-226-4171 |
| 津家庭裁判所 四日市支部 | 三重県四日市市三栄町1-22 | 059-352-7185 |
| 津家庭裁判所 松阪支部 | 三重県松阪市中央町36-1 | 0598-51-0542 |
| 津家庭裁判所 伊賀支部 | 三重県伊賀市上野丸之内130-1 | 0595-21-0002 |
| 津家庭裁判所 伊勢支部 電話番号は公式サイトのダイヤルイン一覧で要確認 |
三重県伊勢市岡本1-2-6 | 詳細は公式サイトのダイヤルイン番号一覧で確認 |
| 津家庭裁判所 熊野支部 | 三重県熊野市井戸町784 | 0597-85-2145 |
| 津家庭裁判所 尾鷲出張所 | 三重県尾鷲市中央町6-23 | 0597-22-0448 |
※ 上記は2026年4月時点の情報です。
最新情報は各団体の公式サイトをご確認ください。
遺言公正証書の作成や遺産分割協議書の認証を扱います。
三重県内には5か所の公証役場があり、すべて予約制です。
病気や高齢で来所できない場合は、自宅・病院への出張作成にも対応しています。
遺言公正証書の手数料は遺産額に応じて段階制で、証人2名の立会いが必要です(公証役場で手配も可)。
住所は日本公証人連合会公式サイト(koshonin.gr.jp)の三重県一覧(2026年4月時点)に基づきます。
建物名・階数などの詳細は各役場に直接確認してください。
| 名称 | 住所 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 津合同公証役場 | 三重県津市丸之内養正町7-3 山田ビル | 059-228-9373 |
| 四日市公証人合同役場 | 三重県四日市市鵜の森1-3-15 リックスビル3階 | 059-353-3394 |
| 松阪公証人合同役場 | 三重県松阪市南町178-5 | 0598-23-7883 |
| 伊勢公証役場 | 三重県伊勢市岩渕2-5-1 伊勢駅前三交ビル5階 | 0596-28-6506 |
| 伊賀上野公証役場 | 三重県伊賀市上野丸之内28 ラフォーレビル3階 | 0595-23-6549 |
※ 上記は2026年4月時点の情報です。
最新情報は各団体の公式サイトをご確認ください。
相続登記は不動産所在地を管轄する法務局に申請します。
2024年4月1日から相続登記は義務化され、3年以内の申請を怠ると10万円以下の過料の対象となります。
2020年7月開始の自筆証書遺言書保管制度も法務局で利用でき、手数料は3,900円/件です。
津地方法務局は本局1か所・支局6か所・出張所2か所の計9拠点で三重県全域の相談・申請を受け付けています。
自筆証書遺言書保管制度の詳細は津地方法務局の専用ページで案内されています。
証明書発行窓口専用番号は各拠点で異なるため、公式サイトでご確認ください。
| 名称 | 住所 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 津地方法務局 本局 | 〒514-8503 三重県津市丸之内26-8(津合同庁舎) | 059-213-9860 |
| 鈴鹿出張所 | 〒513-8510 三重県鈴鹿市神戸一丁目24-3 | 059-382-1171 |
| 四日市支局 | 〒510-0068 三重県四日市市三栄町4-21 | 059-353-4365 |
| 桑名支局 | 〒511-0912 三重県桑名市星見ケ丘一丁目101-2 | 0594-32-5361 |
| 伊賀支局 | 〒518-0007 三重県伊賀市服部町三丁目117-1 | 0595-21-0804 |
| 松阪支局 | 〒515-8510 三重県松阪市高町493-6 | 0598-53-1501 |
| 伊勢支局 | 〒516-8503 三重県伊勢市岡本一丁目1-13 | 0596-28-6158 |
| 熊野支局 | 〒519-4324 三重県熊野市井戸町712-1 | 0597-85-2310 |
| 尾鷲出張所 | 〒519-3614 三重県尾鷲市南陽町6-34 | 0597-22-0598 |
※ 上記は2026年4月時点の情報です。
最新情報は各団体の公式サイトをご確認ください。
三重県の相続で争点になりやすいのは、不動産の評価と分割方法、そして遠方に住む相続人との調整の2点です。
区分マンションや収益不動産が含まれる場合、評価額が大きくなりやすく、現金化するか共有で持つか代償金で調整するかで意見が割れる事情があります。
相続人が県外や海外に居住しているケースも多く、協議書への押印や印鑑証明の郵送だけで数か月かかることも珍しくありません。
早い段階で家族構成と財産目録を整理し、合意形成の見通しを立てる工程が三重県の相続で重要になります。
不動産が絡む場合は評価額と分け方の整理が争点になりやすく、専門家の伴走が役立ちます。
別居や遠方居住の相続人がいると、合意形成までの調整負担が大きくなりやすいです。
家庭裁判所や法務局に提出する資料を先にそろえておくと、手続きが進めやすくなります。
三重県で相続の手続きを進める際は、2024年4月1日に施行された相続登記の義務化が最も大きな制度変更です。
不動産を相続で取得した人は、相続開始と所有権取得を知った日から3年以内の登記申請が義務付けられ、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となります。
相続税の申告期限(10か月)、相続放棄の期限(3か月)、遺留分侵害額請求の時効(1年)といった期限付きの手続きも多く、三重県で相続が発生したら、まず期限のある手続きから優先的に進める必要があります。
2024年4月1日以降、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務化されました。
正当な理由なく申請しない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
義務化は2024年3月31日以前の相続にも遡及適用され、施行日から3年の経過措置期間が設けられました。
登記が難しい場合は、暫定的な『相続人申告登記』(単独申請・登録免許税非課税)を利用する選択肢もあります。
2020年7月10日に開始された自筆証書遺言書保管制度では、作成した自筆証書遺言を法務局で保管できます。
保管手数料は1件3,900円で、家庭裁判所での検認手続が不要になる点が大きなメリットです。
遺言者の住所地・本籍地・所有不動産の所在地のいずれかを管轄する法務局が申請先となり、本人が直接出向いて申請する必要があります。
死亡後は相続人からの閲覧請求・遺言書情報証明書の交付請求が可能です。
相続税は『3,000万円+600万円×法定相続人数』の基礎控除を超える場合に課税されます。
申告・納付の期限は被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。
配偶者の税額軽減は1億6,000万円または法定相続分のいずれか多い金額まで非課税となり、居住用宅地は330㎡まで80%評価減の小規模宅地等の特例が適用できます。
どの特例も適用には申告書の提出が必要で、申告期限を過ぎると使えないものもあるため早めの準備が必要です。
相続放棄と限定承認は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述します。
3か月を過ぎると原則として単純承認とみなされ、プラスの財産もマイナスの財産(借金・保証債務)も全て相続することになります。
財産調査に時間がかかる場合は、3か月の期間内に家裁へ『期間伸長の申立て』を行うことで、さらに3か月程度の延長が認められるケースもあります。
兄弟姉妹以外の法定相続人には、最低限の取り分を保証する遺留分が認められています。
2019年7月の民法改正で遺留分は金銭債権化され、侵害された相続人は金銭で請求できるようになりました(改正前は物権的返還請求)。
時効は相続開始および遺留分侵害を知った時から1年、相続開始から10年が除斥期間です。
期限を過ぎると請求権が消滅するため、遺言で極端に少ない取り分になっている相続人は早めに弁護士へ相談するのが安全です。
三重県で相続手続きを進めるには、相続人と財産の確定から始まり、遺産分割、相続税申告、名義変更と登記までの5段階を順番に進めます。
中でも期限が明確に決まっているのは、相続放棄の3か月、相続税申告の10か月、相続登記の3年の3つです。
期限のある手続きを起点に逆算して計画を立てると、抜け漏れなく進められます。
財産調査と相続人の確定には戸籍の収集だけで1〜2か月かかることも多いため、三重県で相続が発生したら早めに着手するのが安全です。
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を本籍地の市区町村役場で取り寄せ、法定相続人を確定させます。
不動産・預貯金・有価証券・生命保険・負債を一覧化し、プラスとマイナスの財産の全体像を把握することが最初の作業です。
借金が明らかに多い場合は、この段階で相続放棄(3か月以内)の検討に入ります。
自宅・貸金庫を探すほか、公証役場の遺言検索システムで遺言公正証書の有無を照会できます。
法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用していた場合は、相続人から遺言書情報証明書の交付を請求します。
自宅などで見つかった自筆証書遺言は家庭裁判所の検認を受けないと開封・執行できません。
遺言がない場合や遺言と異なる分割をする場合は、相続人全員で遺産分割協議を行います。
合意内容を遺産分割協議書にまとめ、相続人全員が実印で押印し、全員の印鑑証明書を添付します。
相続人が遠方に住んでいるときは、協議書を郵送で回覧するか、代理人の弁護士を介してまとめる方法が一般的です。
基礎控除を超える遺産がある場合、被相続人の死亡から10か月以内に相続税申告書を税務署へ提出します。
配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使うには申告書の提出が必要で、無申告だと特例を使えなくなるリスクがあります。
申告は税理士に依頼するのが一般的で、相続財産の評価書類の準備に2〜3か月かかるため早めの相談が望ましい段階です。
不動産は相続登記(2024年4月から3年以内の申請義務)、預貯金は金融機関での相続手続き、自動車は陸運局での名義変更が必要です。
相続登記は司法書士、金融機関手続は相続人自身か専門家(司法書士・行政書士)が代行するのが一般的です。
登記を放置すると次世代の相続で相続人が爆発的に増え、協議が困難になります。
三重県の相続に関してよくある質問を、相談先の選び方・相続登記・相続放棄・遺言書・地域特性・遠隔相続人の6つの観点で整理しました。
どの窓口に相談すべきか迷ったら、案件の種類と費用感から絞り込むのが実務的です。
争いがある・予想される場合は弁護士、不動産の名義変更がメインなら司法書士、相続税がかかりそうなら税理士を選びます。
費用面が気になる場合は、三重県を管轄する弁護士会の法律相談センターや法テラスの無料相談からスタートするのが安全です。
相談内容によって最適な窓口が変わります。
相続人の間で意見が対立している、または対立が予想される場合は弁護士が窓口で、遺産分割調停や遺留分侵害額請求の代理まで一貫して任せられます。
相続登記や遺産分割協議書の作成が中心なら司法書士、相続税の申告が必要な場合は税理士が適任です。
費用を抑えたい場合は、三重県を管轄する弁護士会の法律相談センターや法テラスの無料相談から始める選択肢があります。
料金は拠点ごとに異なるため、各弁護士会の公式サイトで最新の相談料を確認するのが安全です。
2024年4月1日から相続登記は義務化されており、不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記を申請しないと、10万円以下の過料の対象となります。
2024年3月31日以前に発生した相続も義務化の対象で、施行日から3年の経過措置期間中に登記する必要があります。
登記を放置すると将来の売却や担保設定に支障が出るだけでなく、次世代の相続で相続人が増えて協議が困難になるリスクもあります。
早めに司法書士に相談するのが安全です。
相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述する必要があります。
被相続人が三重県に住んでいた場合、住所地を管轄する三重県の家庭裁判所(本庁または支部)が申述先となります。
借金の調査などで3か月では判断が難しいときは、家裁に『熟慮期間伸長の申立て』を行うことで期間延長が認められるケースもあります。
確実性を重視するなら公証役場で作成する遺言公正証書、費用を抑えたいなら自筆証書遺言+法務局保管制度の2択が実務的です。
遺言公正証書は公証人が作成し原本を公証役場で保管するため、偽造・紛失のリスクがなく、家裁の検認も不要です。
自筆証書遺言+法務局保管は手数料3,900円で保管してもらえ、こちらも検認不要になります。
三重県内にも公証役場と遺言書保管を扱う法務局が複数あり、いずれの方式も利用できます。
不動産が絡む場合は評価額と分け方の整理が争点になりやすく、専門家の伴走が役立ちます。
加えて、三重県は相続税の課税割合は全国平均(9.9%)を下回りますが、不動産を含む案件では基礎控除を超える可能性もあるため、相続税の試算を早めに行うことが安全です。
別居や遠方居住の相続人がいると、合意形成までの調整負担が大きくなりやすいです。
相続人の一部と連絡が取れないときは、不在者財産管理人の選任を家庭裁判所に申立てる制度も使えます。