あえて調停を不調としたことにより理不尽な遺産分割案を納得のいく金額で解決した事例

遺産分割

男性

遺産の種類不動産	回収金額・経済的利益提示額の3.5倍の遺産を受け取り和解
依頼者の立場被相続人の孫被相続人依頼者の祖父紛争相手被相続人の孫

依頼前の状況

遺産分割協議にあたり、対象となる遺産は、土地がメインとなっており、そこには相続人ではない人物の名義で、複数の建物が建っていました。土地以外の遺産としては、預貯金がありましたが、その額は土地の価値に比較すると少額でした。

依頼内容

被相続人が亡くなった直後、相手方から「不動産は全部こちらが貰い、預貯金などの財産はそちらに渡す」という理不尽ともいえる内容の遺産分割案が提示されました。ご依頼者様はこの内容に憤慨され、しっかりと遺産分割を行うために、当事務所へご依頼されました。

対応と結果

初めは家庭裁判所での調停手続きにより協議を進めました。
しかし、家庭裁判所では権利関係が複雑な土地について、借地権の有無や評価方法については適切な判断ができませんでした。
ただ、内容を工夫して地方裁判所に訴訟を提起し、借地権についてきちんと判断してもらうことで、こちらにとっては有利な展開になる可能性もありました。そこで、ご依頼者様と相談をした上で調停を不調とし、地裁に訴訟を提起したところ、予想どおり当方の主張と地裁の裁判官の考えが合致し、最初に提示された金額の3.5倍の金額で和解による解決をすることができました。この事案のように、状況に応じて「調停手続内での解決」にこだわらずに進めることで交渉力が上がるケースもございます。

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