「終活をしよう!」と思い、インターネットや書籍で一般的な情報を手に入れても、「じゃあ自分のケースだとどうなる?」と考え込んでしまうことはありませんか?
いきなり弁護士や税理士などの専門家に相談するのも敷居が高いし、そもそも葬儀の話をしてよいのか…かといって調べていてもよくわからないし…という方にぴったりの相談相手として、「終活アドバイザー」がいます。
この記事では「終活アドバイザー」について資格の内容から相談できることまでご紹介します。
終活アドバイザーの資格や仕事についてご紹介します。
終活アドバイザーとはNPO法人ら・し・さが主催する民間の資格で、終活に関する専門的な知識を有する人をいいます。
終活と一口に言っても、その内容は遺言・相続・エンディングノート・高齢者の住まい・介護・葬儀・墓地、金融資産、保険、人生後半期のライフプランなど様々です。
内容ごとに国家資格である弁護士や司法書士、行政書士、税理士、または葬儀社、墓苑・墓石販売会社など、ジャンルの違う専門家がいますが、それぞれの役割以外のことはわからない人が多いというのが現状です。
終活アドバイザーは「終活」という間口の広いものに対して、個人の状況にあわせた行動をするために、最初に相談する窓口としての役割を担う専門家です。
終活アドバイザーは、次のような知識を勉強して資格取得をします
このように終活に求められる知識をまんべんなく習得しているのが終活アドバイザーです。
終活アドバイザーの多くはエンディングノートの書き方などの終活に関する知識を広める活動をしています。
終活に関して開催中のセミナーについては、NPO法人ら・し・さのイベント情報のページに記載されています。
終活といっても何からはじめれば良いかわからない、やりたいことはあるのだけどどのようにすればいいかわからない、といった終活に困っている人に対してアドバイスを行っています。
そして、そのツールとしてエンディングノートを勧めています。エンディングノートを見れば終活で何をすべきかがすぐわかるからです。
遺言・相続や相続税といった法律分野については、弁護士をはじめとした国家資格の専門家に相談をする必要があります。また不動産などの資産や保険については、その方面の専門家のアドバイスが必要です。
このような場合には、必要に応じて専門家を紹介したり、問題ごとに必要となる専門家をコーディネートしています。
続いて終活アドバイザーに相談できることをご紹介します。
終活といっても、実に多くのことを行います。
どれから手をつければいいかは、遺産の内容・相続に関する希望・相続人や家族の構成・本人の年齢によって大きく異なります。
漠然とした悩みでも構いませんので、終活全体に関する相談をしてみましょう。亡くなった後のことだけでなく、これからの生き方についての相談を重視しているのも特徴です。
葬儀やお墓に関する相談については、一旦希望を聞いてもらった上で、適切な葬儀社・お墓に関する会社を探してもらえます。
葬儀社によっては格安を売りにしているところ、一人一人こだわった葬儀を提供しているところなど、意向に沿った葬儀社に相談しなければなりません。
葬儀は高額な商品ですので広告競争も激化しており、広告ばかりで自分の好みの葬儀を提供できる会社にたどり着かない可能性もあります。
お墓に関しても同様のことがいえます。
終活アドバイザーは、意向にそった適切な会社を選ぶためのアドバイスを行います。
エンディングノートは法的には効力がありませんが、実際に書いてみることで、相続対策や遺言作成を行うためのヒントとなります。
また、今の自分を知り、終活を何からすべきかの動機付けを行い、自分に関する最後の想いなどを子や孫に伝えて受け継いでもらうという意味では重要なツールになります。
終活アドバイザーには、エンディングノートにどのようなことを、どうやって書くか相談をすることができます。
終活の分野は多岐にわたります。相続や遺言の法律判断についてはは弁護士、贈与税や相続税についての具体的な相談は税理士など、それぞれの専門家の独占業務となっているものもあります。また弁護士などが、専門分野として扱っているケースがあります。不動産や保険、社会保険などについても、専門家の助けが必要です。
法律で独占業務とされている分野があり、また法律・税金、資産の特徴などの深い専門知識がないと、相談者に不利益が発生することもあるのです。
相続アドバイザーは、どこまでの相談に乗れて、どこからは専門家の相談が必要かを熟知していますので、迷ったら一度終活アドバイザーに相談することで、その分野を得意とする適切な専門家を紹介してもらえます。
上記のように、終活アドバイザーよりも弁護士などの国家資格の専門家に相談すべきケースがあります。
どのような場合なのか知っておきましょう。
終活アドバイザーも、セミナーや相談で一般的に法律ではどうなっている、ということを伝えることは可能です。
しかし、相談者のケースだとこうなるという法律判断を報酬を得て説明すると弁護士法違反になってしまいます。
自分のケースでどのような遺言・相続になるかということを相談したい場合には、弁護士に相談をしましょう。
相続税の計算や申告書の代理は税理士が行う業務となっており、無償であってもできません。
これから発生する相続税や、相続税対策をするための生前贈与を行うような場合には、税理士に相談をしましょう。
弁護士や税理士に相談すべきかどうかわからない場合でも、一度終活アドバイザーに聞いてみれば、適切に相続・遺言問題に詳しい弁護士・税理士を紹介してくれます。
この記事では、終活アドバイザーについてお伝えしてきました。
民間資格ではあるのですが、終活という広い活動の第一窓口になってくれる専門家ですので、終活に不安があるような場合には一度相談をしてみてください。