お葬式に参列する際に遺族にお渡しする「香典」。どのくらいの金額を渡すのがよいのでしょうか?香典の金額については、故人との関係性や自分の年齢、立場などによっても変わってきます。
今回の記事では、さまざまなシチュエーションを想定した香典の相場についてご紹介していきます。
香典の金額は、故人との関係性によって相場が変わってくるようです。今回は「全国石製品協同組合」が行ったアンケート結果から、故人との関係別に香典の相場をご紹介していきます。
このアンケートは30代以上の男女に対してインターネット調査により行われ、2,613名の回答を元にまとめられたものです。
まず、最も多いと思われるケースである「ご近所」の方への香典金額の相場について。
調査の結果によると最も多いのは3,000円以上5,000円未満で、全体の34.9%を占めていることが分かります。
次いで3,000円未満が24.2%、5,000円以上7,000円未満が20.0%です。
続いて、会社の同僚のご両親への香典の場合です。
最も多いのはここでも3,000円以上5,000円未満で、全体の31.4%を占めています。
次いで5,000円以上7,000円未満が22.4%、3,000円未満が20.7%となっており、ご近所の方への香典と比べて若干5,000円以上7,000円未満の割合が多くなっていることがわかります。
友人のご両親への香典の場合も、最も多いのは3,000円以上5,000円未満で全体の28.2%。
次いで5,000円以上7,000円未満が22.4%となっています。また3,000円未満は18.5%の割合となっています。
この調査によると、全体として香典金額として最も多いのは3,000円以上5,000円未満であることがわかります。
また、ご近所に比べて会社の同僚のご両親や、友人のご両親への香典のほうがやや金額が高めな傾向が見て取れます。
香典金額は、渡す側の年齢によっても金額の相場が異なります。
同調査によると、30代および40代女性は3,000円未満が最も多いようです。
しかし、年代が上がるほど香典額は増加しており、40代男性では3,000円以上5,000円未満の割合が最も多く、50代女性は5,000円以上7,000円未満の割合が最も多くなっていることがわかります。
つまり、香典金額をお渡しする場合には、故人との関係性、そしてご自身の年齢も考慮した上で金額を検討する必要があるといえます。
参考: お葬式の香典に関するアンケート調査を実施【石材業界唯一の経産省公認団体である「全国石製品協同組合」】|PR TIMES
先ほどのアンケートではご近所や職場、友人関係の香典相場についてご紹介しました。
では、「親戚関係」への香典金額の相場はどの程度になるのでしょうか。「一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会」が行ったアンケートによると、親戚関係の香典は、その他の関係に比べ多く包まれていることがわかりました。
このアンケートは20〜60代以上(7,425件)の会葬者を対象にアンケート調査を行ったものです。
最多回答額 |
平均額 |
|
祖父母 |
10,000 |
17,280 |
親 |
100,000 |
62,318 |
兄弟姉妹 |
30,000 |
39,518 |
おじ・おば |
10,000 |
17,063 |
上記以外の親戚 |
10,000 |
12,583 |
職場関係 |
5,000 |
5,447 |
勤務先社員の家族 |
5,000 |
5,131 |
取引先関係 |
5,000 |
6,897 |
友人・その家族 |
5,000 |
5,972 |
隣人・近所 |
5,000 |
4,810 |
その他 |
5,000 |
6,274 |
この調査では、最多回答数は親戚関係を除くと一律5,000円であることがわかりました。
具体的には、職場関係、勤務先社員の家族、取引先関係、友人・その家族、隣人・近所、その他の方への香典となります。
つまり、親戚関係以外であればおおよそ5,000円程度が香典の相場と考えることができます。
ただし、最多回答数が5,000円であっても平均額は大きく異なり、隣人や近所の平均額は4,810円であるのに対し、取引先関係の平均額は6,897円と、約2,000円も違いがあることもわかります。
アンケートによると、親戚関係への香典金額はその他(親戚関係以外)と比べて多いことがわかります。
最多回答金額が最も大きいのは親で100,000円(平均額:62,318円)、次いで兄弟姉妹の30,000円(平均額39,518円)となっており、祖父母やおじ・おば、それ以外の親族での最多回答額は10,000円となっています。
ただし、アンケートの詳細によると親、兄弟姉妹については最多回答額とそれに次ぐ回答がほぼ同じ割合になっているため、最多回答額イコール一般的とも言い切れません。
香典の最多回答額や平均額は親戚関係である場合はその他の関係に比べ金額が多くなるということがわかりました。
さらに、親戚でも関係の近さによって相場は変わり、親、兄弟姉妹、祖父母、叔父・叔母の順で香典の平均額が高くなっています。
香典として包む金額を考える際にはこれらの相場を踏まえ、ご自身と故人との関係性にも注目して金額を決めるとよいでしょう。
参考: 香典に関するアンケート調査(平成28年度)|全日本冠婚葬祭互助協会
「香典」について、故人との関係性や年齢などを考慮した金額のほかに、気をつけなければならないことはあるのでしょうか。
実は、香典についていくつか気をつけなければならないポイントがあります。具体的には、
といった点です。それぞれについて具体的にご紹介していきます。
香典は多ければ多いほどよいというわけではなく、一般的に行われる香典返しのことも考えると、香典金額が多すぎるとかえって遺族への負担をかけてしまい、失礼にあたることもあります。
あまりにも多くの香典を渡すことは、控えたほうがよいでしょう。
香典金額は一般的に、偶数の付く数字は避けるようにといわれています。
これは、偶数が割り切れる数字であるため、「縁や繋がりが切れる」などの意味を連想させてしまうという理由からです。
また、同様の理由からお札の枚数が偶数になることも避けるのが慣習で、場合によってはお札が2枚になるのを避けるために異なる表書の香典を準備するなどの配慮も必要となります。
語呂合わせで禁忌とされている金額もあり、例えば三は惨め、四は死、九は苦などです。
これらの数字も避けた金額とするのが無難といえます。
通夜や葬儀などの際の香典では、新札を使用することは避けましょう。
結婚式などの際には新札を使用しますが、仏事に新札を使用することは「訃報を事前に予想していた」というような印象を与えてしまうため、避けるようにといわれています。
お札の向きは、お札の肖像画が印刷されている面を裏側にして不祝儀袋に入れるようにしましょう。
香典を包むケースは葬儀以外でもあります。具体的には、以下の法要時に香典を包むことがあります。
これらの法要時に包む香典金額にもおおよその相場があり、三回忌以降はあまり多くを包むのは一般的ではなく、3,000〜10,000円程度とすることが多いようです。
香典の相場について、アンケート結果などをもとにご紹介してきました。
故人との関係やご自身の年齢によって、香典の相場は変わってきます。心からの香典でも、遺族から「失礼だ」と捉えられてしまうこともないとは言い切れないので、この記事を参考に、適切な金額を検討してみてください。
ご紹介したマナーも最低限、押さえておくとスマートでしょう。
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