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公開日:2018.7.11  更新日:2023.3.24
弁護士監修記事

宝くじに当たったけど、相続税や贈与税の対象になるの?

年末ジャンボ宝くじやロト6など、宝くじにはさまざまなものがありますが、購入したことはありますか? 頻繁に買っている人は「もし当たったら、○割ちょうだいね!」なんて冗談まじりに言われることも定番ですが、実際に当せんして、譲ることになった場合には贈与税がかかるのでしょうか。

宝くじが当たったら何を買おうか、どこへ行こうかと夢が膨らみますが、使いきる前に亡くなってしまったら、相続税が課税されて家族へ遺せる金額が減ってしまうのでしょうか。

宝くじの当せん金が課税対象だとすると、税金もたくさんかかりそうで心配ですね。今回は、宝くじと税金の気になる関係をまとめました。

贈与税はかかる?

贈与税は、財産を無償で譲渡した時にかかる税金です。宝くじの当せん金も、銀行口座に振り込まれた時点であなたの財産となりますので、あなたがこれを誰かに分け与えた場合には、贈与税の対象となる可能性があります。

 

ただし、贈与税を支払うのは譲る側ではありません。『受け取ったときに課税される』とあるように、支払うのは受け取った側なのです。

 

 

贈与税がかからないようにするには?

では受け取る立場になってみましょう。宝くじの当選者から当選金の一部を無償で譲り受ければ贈与税がかかりますが、贈与税には110万円の基礎控除額があります。したがって、譲り受けた財産が110万円以下であれば申告する義務もなく、税金を支払う必要もありません。

 

他方、譲り受けた財産が年間(1月1日~12月31日まで)で合計110万円を超える場合には、当該超過分について贈与税がかかります。この場合、譲り受けた人は確定申告書に記入をして、2月1日から3月15日までの間に税務署へ提出する必要があります。譲るタイミングや金額をしっかりと考えることが大切です。

 

何人かで費用を出し合って共同購入する場合もあるでしょう。代表者が当せん金をいったんすべて受け取って、後で分けるといった方法では、代表者以外に課税されてしまう可能性があります。

 

このような事態を回避するためには、宝くじの購入費用を信託するとか、宝くじが共有物であることを前提に払い戻しを受けるなどの方法が考えられますが、宝くじによっては共有が認められない場合もあります。この点は専門家に相談してみましょう。

 

相続税はかかる?

宝くじに当せんすると、当せん金は通常、指定の銀行口座に振り込まれます。

 

そのまま銀行口座に置いておくのも、引き出して現金を家に置いておくのも自由ですが、どちらにしても、当せん者が使いきる前に亡くなってしまった場合には、他の財産と合算して相続税の計算対象となります。宝くじの分だけ特別に非課税といった扱いはありません。

 

 

相続税がかからないようにするには?

せっかく当たった宝くじ、どうにか税金を節約して大切な人に残したいときは、どうしたらよいでしょうか?

 

実は、相続税の対象から外れるものがあります。例えば、墓地や墓石などの日常礼拝をしているようなものについては、売却してお金に換えることが想定されないものとして、相続税の対象外となります。

 

当せん者が亡くなってからお墓を購入する場合には、税金を算出し相続された資産の中から購入することになります。しかし、当せん者が生前に自身のお墓を購入していた場合には、それらには相続税が課税されないのです。宝くじに限ったことではなく、相続税を節約する対策として有効なものです。

 

まとめ

宝くじに当たったら何を買おうかな? どこへ行こうかな?と夢は膨らみますが、その後のことまでは考えが及びませんよね。大きなお金が動くことになるからこそ、いったん現実に立ち戻って計画的に対策しておくことで、使えるお金が増えるかもしれません。

 

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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