相続放棄の期限延長について

相続
相続放棄

2年前に亡くなった義父が多額の借金を背負っていた可能性が出てきました。夫は義父本人や身内から借金について何も知らされておらず、大変驚いています。
すでにプラスの財産である不動産や預貯金は夫とその妹で遺産分割済みですが、このようなケースでも、借金の存在を知らなかった旨を家庭裁判所に申し立てれば熟慮期間を延長し、相続放棄や限定承認はできるのでしょうか?できないとなれば、どうすればよいのでしょうか?

相談者(ID:)さん

2016年09月27日

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木野 達夫
弁護士(宝塚花のみち法律事務所)

原則として,相続放棄や限定承認は相続開始を知った時から3か月以内にする必要があります(民法91...

原則として,相続放棄や限定承認は相続開始を知った時から3か月以内にする必要があります(民法915条1項)。
また,遺産分割協議は法定単純承認事由になると解されています(同法921条1号)。

しかし,過去の裁判例においては,遺産分割協議をした後に多額の債務の存在を知った場合に,遺産分割協議が要素の錯誤により無効(同法95条)となる余地があるとしたもの(大阪高裁平成10年2月9日決定)や,錯誤に陥っていることを認識した時点から熟慮期間が起算されるとしたもの(高松高裁平成20年3月5日決定)があります。

したがって,相続放棄や限定承認を行うことができる可能性はあります。

もっとも,上記2例の事案は,遺産分割協議は行ったものの遺産を取得しなかった人についての判断です(他の相続人に譲った)。
ご質問の内容によると,すでにプラスの財産を夫とその妹で分割済みとのことですので,上記2例の事案とは異なります。

難しい問題ですので,弁護士に面談相談されることをお勧めいたします。
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木野 達夫
弁護士(宝塚花のみち法律事務所)
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相続放棄もしくは限定承認は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に行わなけ...

相続放棄もしくは限定承認は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に行わなければなりません。しかしながら、被相続人に借金がないと信じるについて相当な理由があると認められるときには、熟慮期間が負債の全部または一部の存在を認識したまたは認識しうべき時から起算するという考えもございます。いずれにしましても、借金がないと信じるについて相当な理由があるのかどうか、どのような状況だったのかを一度専門家にご相談されてみてはいかがでしょうか。
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渋谷 徹
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判明した負債の状況、金額、取得したとされる遺産の金額などが不明ですが、かなり難しいと思われます。家庭裁判所で手続きの説明をしてもらえますが、あるいは、本件での可能性の示唆はあるかもしれません。家裁の窓口で相談してみてもいいかと思います。弁護士回答の続きを読む
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渋谷 徹
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