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事業承継計画の立て方|計画書を使ってポイントを押さえたプランを作成
2019年03月13日

事業承継計画の立て方|計画書を使ってポイントを押さえたプランを作成

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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事業承継をスムーズに行うために、適切な計画を立てようと考えている方は多いのではないでしょうか。

 

計画を立てる際には、事業承継が最良の形で完了できるよう、タイミングやポイントを押さえておくことが大切です。できるだけ早く事業承継して、第一線から退きたいという方もいらっしゃるかもしれませんが、焦って計画を進めると承継後にトラブルが起こる可能性があります。

 

この記事では、事業承継の計画の立て方や計画開始のタイミングなどについて、詳しく解説します。

 

事業承継の計画を立ててみよう

事業承継の計画を立てる際には、中小企業庁などが作成している事業承継計画書のひな形を利用しましょう。

 

事業承継計画には、経営計画や事業承継の時期、スムーズな事業承継の実現に必要な具体的な対策などを盛り込みます。事業承継計画表を見るだけで、事業の計画や会社の株式、現経営者の状況、後継者の状況の目標がわかるようにしましょう。

 

【参考】

事業承継計画作成のための整理|中小企業庁

事業承継計画表|中小企業庁

 

数年~10年程度かけて事業承継することを目標に、年度ごとの売上高営業利益株式関係役職の変更株式・財産の分配持ち株後継者教育などの目標に分けて細かく記載します。ここで重視したいことは、スムーズに事業承継するための対策の計画です。事業承継で経営者が変わると、従業員や取引先の理解を得られない場合があります。

 

そのため、誰を後継者にするのか、どのように経験を積ませるのかなど、具体的な計画を立てなければなりません。また、後継者に引き継ぐ株式のうち、一部を生前贈与するような場合には、具体的に何年までに何%ずつ相続させるのかなどまで細かく決定することが大切です。

 

事業承継の計画を立てるときのポイント

事業承継の計画を立てる際には、状況の把握や適切なタイミング、会社の成長目標、事業承継の方法の決定が必要です。それぞれ、詳しく解説します。

 

会社を取り巻く状況を正確に把握する

まずは、現在の会社を取り巻く状況を正確に把握する必要があります。具体的には、次のような状況を把握しましょう。

 

会社の経営資源

売上高営業利益従業員数従業員の年齢から予測される人数の変動資産額キャッシュフローの現状と今後の見込みなどを把握しましょう。従業員が足りなければ、事業承継後の経営をスムーズにするために、採用を強化しなければなりません。

 

このような会社の現状を正確に把握できなければ、事業承継するタイミングで従業員数や資産などが少なくなるなどし、後継者にとって重い負担になる恐れがあります。

 

会社の経営リスク

会社の負債や競争力、競合との営業利益の差などの把握が必要です。会社が多額の負債を抱えている場合、事業承継までにどれだけ負債を減らす必要があるのか考えなければなりません。

 

また、現在は競合との競争に勝っていても、世の中の動向によっては、営業利益が下がる可能性もあります。最適なタイミングで事業承継するためにも、会社の競争力の現状と今後の見込みの把握は必須といえます。

 

経営者の状態や資産・負債

経営者の健康状態によっては、早い段階で事業承継が必要となります。医師と相談したうえで、事業承継するタイミングを決めることが大切です。

 

また、経営者が保有している自社株式や個人名義の土地、建物、負債や個人保証など、事業承継の際に後継者へ引き継ぐものも把握しましょう。

 

後継者候補の状況

場合によっては、複数人の後継者候補がいます。跡継ぎ争いのリスクを知るためにも、早めに後継者候補を挙げておくことが大切です。

 

また、後継者は必ずしも親族内で選ぶとは限りません。社内や社外に後継者候補となり得る人物がいるか調査しましょう。そして、後継者候補の能力や経営者としての適性、年齢や経歴、意欲などについても把握が必要です。

 

相続の際に起こり得る問題

相続の際には、遺産相続が問題となります。法定相続人同士の人間関係や株式の保有状況などを把握しておくことが大切です。

 

そして、どの資産を相続することになるのか特定するとともに、誰にどれだけ相続するのか、相続の際に相続税は発生するのか、どのように納税するのかなどを把握しましょう。

 

計画を開始するのに最適なタイミング

事業承継の計画を立て、実行に移す最適なタイミングは、自社株式評価を行う決算が終わった後です。これは、事業承継の計画のために、株式の評価が必要なためです。また、決算後は事業計画の見直しを図る時期でもあるため、現在の会社の状況を踏まえて事業承継の計画を立てられます。

 

毎年、決算の後に事業承継の計画の見直しや進捗の確認もできるような体制を整えるとよいでしょう。最初に立てた計画通りに進められるとは限りません。場合によっては、進捗と今後の見込み修正を踏まえた計画の変更が必要です。

 

計画を開始するのに最適な年齢

事業承継の計画の開始に最適な年齢は、会社や経営者・後継者の状況によって異なります。

 

一つの目安として、経営者が60歳になったタイミングで事業承継の計画を始めるといいでしょう。60代になると、健康状態に問題が起こりやすくなるといわれています。もし、経営者が突然亡くなってしまえば、残された親族や従業員が混乱し、業績が悪化して倒産に至る恐れがあります。

 

そのため、60歳から事業承継の計画を始め、遅くとも70歳には事業承継できるよう進めることが大切です。また、後継者候補の年齢が高い場合には、さらに早くから事業承継の計画を立てたほうがよいでしょう。事業承継計画表に、経営者と後継者の年齢を記入すると、いつまでに事業承継すべきかイメージしやすいです。

 

計画を立てる前に会社を磨きあげる

事業承継の計画を立てる前に、会社の状況を見直しましょう。

 

会社の内部統制が取れていなかったり、資金繰りに苦戦していたりすると、後継者としては会社を継ぐモチベーションが下がります。借入金の圧縮を最優先にして、後継者の重荷を減らしましょう。場合によっては、税理士などのサポートを受けつつ、経営改善計画策定支援事業などを利用することが大切です。また、売上高や借入金などの問題がなくとも、小さな問題が起きていないか調査しましょう。

 

小さな問題は、放置すると大きな問題に発展する恐れがあります。もし、事業承継のタイミングで大きな問題となれば、後継者に大きな負担がかかるでしょう。そのため、小さな問題でも早めに対策する必要があります。

 

事業承継の方法を考える

事業承継といえば、親族に会社を引き継ぐというイメージを持っている方もいるでしょう。事業承継の方法には、親族内承継従業員への承継M&Aの大きく3つがあります。それぞれの方法やメリットとデメリットについて、詳しく見ていきます。

 

親族内承継

親族内承継は、自分の息子や妻など親族に承継する方法です。

 

【メリット】

経営者の親族が後継者の場合、取引先や従業員から受け入れられやすいというメリットがあります。これは、信頼できる経営者の親族であれば、協力しようという気持ちになりやすいということです。

 

また、親族から後継者を選定する場合、早い段階で後継者を決め、教育などの準備期間を十分に確保しやすいです。経営者としてふさわしい人物に育て上げる時間を十分に取ることで、結果的に事業承継後の経営がスムーズになります。

 

さらに、相続などで株式や財産も引き継がせることが可能なため、経営者以外の人物が株式や財産を多く所有することで、経営に悪影響が及ぶリスクを減らせることもメリットです。

 

【デメリット】

親族に、経営者としての資質と意欲の両方を持つ後継者にふさわしい人物がいるとは限りません。また、後継者に対して株式の大部分を移転させることで、ほかの相続人が損をする恐れがあります。それをきっかけに、親族内での人間関係が悪くなることも懸念されます。

 

従業員への承継

会社や取引先の従業員から後継者を選定する方法です。

 

【メリット】

会社や取引先の従業員から後継者を選定する場合、多くの候補を挙げられます。そのため、経営者の資質と意欲を兼ね備えた適任者が見つかる可能性が高いでしょう。

 

また、会社の従業員を後継者に選定する場合、経営方針が大きく変わるような事態を避けやすいというメリットもあります。

 

【デメリット】

会社の従業員や取引先から受け入れられない可能性があります。そのため、親族内承継の場合よりも経営に強い意欲を持ち、適任であることを周囲に示せる人物であることが重要です。

 

また、親族から選ぶよりは候補が増えるものの、適任者が見つからない可能性もあります。さらに、株式を取得するための財力がないことが多いほか、個人債務保証の引き継ぎにも問題が起こることが懸念されます。

 

M&A

M&Aは、事業を第三者に譲渡する方法です。親族内や会社内、取引先に後継者の適任がいない場合、M&Aによって適任者が見つかる可能性があります。

 

【メリット】

M&Aは感情ではなく利益によって第三者と取引するため、好条件であれば多くの希望者が現れることが期待できます。後継者候補が多ければ多いほど、適任者と出会える可能性も高まります。

 

また、大企業の傘下に入る形で事業譲渡できれば、従業員の待遇が良くなったり経営が安定したりします。譲渡の際には、事業の価値などに準じた売却益を得られるため、その金額によっては、順風満帆な隠居生活を送ることも可能です。

 

【デメリット】

会社の状況によっては、買い手が見つからない可能性があります。また、希望売却額や従業員の待遇などの要望について、すべて承諾してもらえる買い手を見つけることが難しい可能性があります。そして、売却後は会社の方針が大きく変わる恐れもあるため、必ずしも良い方向へ向かうとは限りません。

 

参考:事業承継の方法は、どのように決定すればよいですか?|中小企業庁

 

M&Aならマッチングサービスも有用

M&A

M&Aは、後継者問題を解決に導く方法です。帝国データバンクによると、2018年の後継者不在企業は全体の66.4%にも及びます。経営者としてふさわしくない人物を無理に後継者に選定すると、事業承継後の経営に問題が起こる可能性があります。そのため、後継者問題に悩んでいるなら、M&Aも選択肢に入れてみるといいでしょう。

 

M&Aを検討するなら、インターネットで売却先を探すという方法があります。例えば「ビズリーチ・サクシード」は、事業を売却したい側と買収したい側をつなぐサービスで、売り手側は自社の情報を登録すれば、条件にマッチした買い手からのオファーを待つことができます。また、気になる買い手に対して、売り手からアピールすることも可能です。

 

【関連記事】後継者問題を解決!事業承継M&Aプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」の魅力

 

まとめ

事業承継の計画を立てる際には、会社の現在の状況だけではなく、経営者や後継者候補の状況も把握することが大切です。後継者の育成の方法や育成完了までの期間などを、事業承継計画表に細かく記載しましょう。

 

事業承継をスムーズに進めるためには、各計画の進捗を定期的に把握し、場合によっては軌道修正するなど細かな取り組みが必要です。法的にクリアしなければならない手続きも出てくるので、弁護士など専門家のサポートを準備段階から受けることも検討してみてください。

 

適切に事業承継の計画を立て、トラブルなく事業承継できるように進めていきましょう。

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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