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相続登記で遺産分割協議書が必要になるケース|作成時の注意点
2019年02月01日

相続登記で遺産分割協議書が必要になるケース|作成時の注意点

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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不動産を相続する際には、相続登記手続きを行うことになります。

 

登記申請をする際は、申請書とともに「登記原因証明情報」を添付する必要があります。

 

登記原因証明情報とは、「なぜ登記が発生し、誰にどの権利が移ったのか」を証明する情報です。

 

登記原因証明情報には、相続人が複数いる場合、誰が不動産を相続したのかを証明する必要があるため、「遺産分割協議書」を添付するのが一般的です。

 

ケースによっては不要となる場合があるので、どのようなケースで協議書が必要となるかを知っておく必要があります

 

ここでは、相続登記の際に遺産分割協議書が必要となるケース・不要なケースを中心に、遺産分割協議書についての解説を行っていきます。

 

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遺産分割協議書が必要な場合

まず、相続登記手続きで遺産分割協議書が必要となるケースについて見ていきましょう。

 

法定相続分ではない相続登記

民法には、被相続人と相続人の関係に応じた相続分が規定されています(900条)。これを「法定相続分」といい、相続人が配偶者と子どもの場合、それぞれの相続分は2分の1ずつです(同条1号)。

 

法定相続分はあくまで目安であり、法定相続分とは異なる割合で遺産を分割しても構いません。

 

その場合は、相続人間で話し合い(=遺産分割協議)を行う必要があり、相続登記時に協議書が必要になります。

 

遺言書がないケース

遺言書がなく、相続人が複数いる場合は、相続処理を完了するためには遺産分割協議が必要です

 

ただし、法定相続分で遺産分割する場合や、調停・審判を利用する場合は必要ありません。

 

遺産分割協議書が不要な場合

次に、協議書が不要となるケースについて見ていきましょう。

 

遺言書がある

遺言書に沿って遺産分割を行う場合に必要となる書類は当該遺言書のみで、遺産分割協議書は不要です。

 

公正証書遺言以外の方法で遺言書を作成した場合は、検認手続きを受ける必要があるので、申請に際して家庭裁判所が発行する検認済証明書を添付することを忘れないようにしましょう。

 

ただし、遺言書に日付漏れがあったり、押印がなかったりするなど、法律で定められている形式・要件を守っていない場合、その遺言書は無効となります。

 

遺言書が無効となれば、協議により遺産を分割する必要があります。

 

また、「○○に財産を3分の1、△△に財産を3分の2相続させる」というように、相続割合の指定のみ記載した遺言書であれば、遺言自体は有効であるものの、具体的にどのように分けるかを話し合う必要があるため、遺産分割協議を行うことになります。

 

これは特定の財産のみ指定がある場合も同様です。

 

さらに、たとえ法律上の形式が守られ、具体的な指定がなされていても、相続人全員の合意があれば遺言と異なる遺産分割が可能であり、(ただし、遺言執行者の承諾が必要)、協議書が必要となります。

 

法定相続分での相続

対象となる不動産について、法定相続分で持ち分の登記を行う場合、遺言書も遺産分割協議書も必要ありません。

 

参考:法定相続分(民法900条各号)

 

相続人が、被相続人の配偶者と子ども(直系卑属)の場合

配偶者の相続分

1/2

子ども(直系卑属)の相続分

1/2×(子どもの人数)

相続人が、被相続人の配偶者と親(直系尊属)の場合

配偶者の相続分

2/3

親(直系尊属)の相続分

1/3×(親の人数)

相続人が、被相続人の配偶者と兄弟姉妹の場合

配偶者の相続分

3/4

兄弟姉妹の相続分

1/4×(兄弟姉妹の数)

相続人が、子ども・直系尊属・兄弟姉妹のいずれかで、複数人いる場合

各自の相続分は等しい割合

(ただし、父母のうちどちらか一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方とも同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1)

 

遺産分割調停・審判を利用する場合

遺産分割協議では話がまとまらず、家庭裁判所の調停・審判による決定がある場合、遺産分割協議書が不要となります。

 

調停の場合は調停調書、審判の場合は審判書が作成され、これらはそれぞれ遺産分割協議書の代わりとなるからです。

 

よって、このケースでも協議書は必要ありません。

 

相続人が1人だけの場合

相続人が1人だけの場合、当然、他の相続人と話し合う必要がないことから、遺産分割協議書は必要ありません。

遺産分割協議書の書き方

遺産分割協議書には決まった形式や書式はありませんが、確認しやすいようにわかりやすく書くことが大切です。

 

協議書のひな形と作成上の注意点を以下でご紹介します。

 

ひな形

遺産分割協議書のひな形は以下を確認して下さい。作成の際はその下の注意点を参考にしましょう。

 

 

遺産分割協議書

 

被相続人              甲野太郎

生年月日              昭和○年○月○日

本籍              東京都新宿区西新宿○丁目○番地

 

 平成○年○月○日に死亡した上記被相続人甲野太郎の共同相続人全員は、民法908条に基づく遺言による分割の指定及び禁止のないことを確認したうえで、被相続人の遺産を協議により次のとおり分割することに同意した。

 

 

  1. 甲野次郎は、次の遺産を相続する。

 (1)土地

所在         新宿区西新宿○丁目

地番         ○番○

地目         宅  地

地積         ○○・○○㎡

 

 (2)建物            

所  在         新宿区西新宿○丁目 ○番地○

家屋番号         ○番○

種  類         居  宅

構  造         木造スレート葺2階建

床 面 積         1階 ○○・○○㎡

                       2階 ○○・○○㎡

 

  1. 甲野花子は、次の遺産を相続する。

 

 

(1)○○銀行 新宿支店 普通預金 口座番号1234567

 

(2)○○銀行 新宿支店 定期預金 口座番号9876543

 

(3)ゆうちょ銀行 通常貯金 記号 ○○  番号 ○○○○○○

 

  1. 相続人全員は、本協議書に記載する以外の遺産を、甲野三郎が取得することに同意した。
 

 

上記のとおりの協議が成立したので、この協議の成立を証明するために相続人ごとに本協議書を作成する。

 

平成  年  月  日

 

東京都新宿区西新宿○丁目○番地

甲野次郎  (実印)

 

 

東京都新宿区西新宿○丁目○番地

甲野花子  (実印)

 

 

東京都新宿区西新宿○丁目○番地

甲野三郎  (実印)

 

 

記入の注意点

遺産分割協議書を作成する際には以下の点に注意しましょう。

 

  • 協議は相続人全員で行わなければならない(1人でも欠けた場合、当該協議は無効となる)
  • 不動産は登記簿の通りに記載する
  • 財産は、内容を特定できるように具体的に記載する
  • 協議を作成した日を明記する
  • 記入は手書き・パソコンのどちらでもよく、また縦書き・横書きのどちらでもよい
  • 遺産分割協議書が真実であることの証明として、遺産分割協議者は、協議書に実印を押印して印鑑証明書を添付しなければならない
  • 遺産分割協議書が複数枚になる場合には、用紙と用紙の間に契印(協議者全員分)を押す。
  • 協議書は後日の紛争を防ぐため相続人全員分を作成して各自所有しておく(登記申請には1通で足りる)

 

そもそも遺産分割協議書とは

誰がどの財産を相続するかを相続人全員で協議して決める遺産分割を「協議分割」といい、その協議の結果をまとめたものが「遺産分割協議書」です。

 

「協議分割」には、こうしなければならないという決まりはありません。

 

例えば、父親名義の土地を長男1人に相続させたい場合は、その旨を協議書に記載します。

 

相続登記以外の役割

相続登記時に遺産分割協議書が必要となるケースをご紹介しましたが、協議書は相続登記以外にも大きな役割を果たしています。

 

そのひとつが、協議後の親族間での紛争防止です。協議書を作成していないと、後日、遺産の分割方法の条件をめぐって親族間で「言った、言わない」の水掛け論になり、再度協議が必要になることもあります。

 

よって、遺産分割協議を行った場合は、必ず協議書を作成するようにしましょう。

 

また預貯金などを引き出す際にも協議書が必要になります。

 

相続税の申告・納付にも協議書が必要です。このように、遺産分割協議書は公的機関で手続きを行う際に証明書として重要な役割を果たす書類といえるでしょう。

 

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まとめ

ここまで、相続登記時に遺産分割協議書が必要となるケース・不要となるケースなどを紹介しました。

 

上記のように、相続人の人数や、相続方法によって手続きに必要となる書類が異なってくるため、初めての相続登記はわからないことだらけだと思います。

 

役所から指摘を受けるまで移転登記をしない方もいらっしゃいますが、相続登記を放置していると後々不動産の所有権をめぐってトラブルが発生する可能性もあります。

 

不動産を相続したら、忘れないうちに手続きを行うようにしましょう。

 

不明な点は司法書士などの法律専門家に相談することをおすすめします。

 

不動産登記は法律専門家の中でも司法書士しか行うことができないため、お悩みの際はお近くの司法書士事務所へ相談しに行きましょう。

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

相続トラブルに巻き込まれてしまった方へ

何かと相続トラブルに発展するのは遺産の割合に不満がある・納得いかないケースです。

例えば、下記などが該当します。

・思ったより相続される遺産が少なかった
・揉めたくないので、泣く泣く遺産の配分に納得した
・遺言書に他の兄弟姉妹に遺産を多く渡す旨が書かれていた

遺産相続では法定相続分といって、民法で定められている割合の通りに遺産を公平に分割しましょうという一応の定めがありますが、生前に被相続人(亡くなった人)の介護をしていた、被相続人の事業を手伝っていれば寄与分という制度で多くの財産をもらう権利があります。

また、他の相続人が生前に財産を多く受け取っていたのであれば、遺産分割協議の際に相続財産を減らすこともできます。ただ、こういったルールは相続人全員が知っているわけではありませんから、あなたが主張しても聞く耳をもたれない可能性もあります。

その場合、弁護士に相談することで法的な観点から主張をしてくれますし、トラブルになっている場合はその仲裁に一役買ってくれるでしょう。当サイトでは、相続トラブルを1人で解決できるか悩んでいる方へ無料電話・無料相談(一部)を行い、不安解消できるように努めています。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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