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生前贈与で不動産を贈与する際に贈与税を抑える為の手順
2016年03月30日

生前贈与で不動産を贈与する際に贈与税を抑える為の手順

Seizenzouyo-hudousan

資産価値の高い不動産を所有している場合、その財産を子供などに受け継ぐ方法のひとつとして生前贈与があります。不動産の所有者が生きている間に、特定の人物に対してその不動産を譲渡することでどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

不動産の生前贈与について知ることは、自身の財産の処理方法について考えるきっかけとなります。今回の記事では、不動産の生前贈与をした場合の効果や、その方法について見ていきましょう。

 

※贈与された不動産の売却を検討している方は、こちらの【不動産査定を上手に利用して高額で売るためのコツと手順】【マンション売却のリアルな体験談|売却における失敗と成功の別れ道とは】の記事もぜひお読みください。

 

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不動産の生前贈与のメリットとデメリット

不動産の生前贈与とは、生前に所有している家や土地を誰か特定の人に譲ることです。これらの所有物は、生前贈与しなくとも死亡後には相続されることになります。そこで、生前贈与と相続時の名義変更のどちらを選択するかは、あなたの意向や不動産や土地の相続財産の価値によって異なるでしょう。

生前贈与をしたからといって必ず得をするとも言い切れないため、どちらを選択するのか慎重に判断しましょう。不動産や土地を生前贈与した場合の主なメリットとデメリットは以下の通りです。
 

メリット

  • 贈与する相手を決められる

  • 贈与により財産を減らし、相続税を減らすことができる

  • 比較的短期間に贈与が可能

 

デメリット

  • 不動産と土地の市場価値によって高額な贈与税が課せられる

  • 不動産取得税などの費用がかかる


 

不動産の生前贈与は相続時精算課税制度を利用する

相続時精算課税制度の仕組み

相続時精算課税制度とは、60歳以上の親または祖父母から、20歳以上の子供(推定相続人)や孫に対する贈与のうち、2,500万円までを非課税とする制度です。この制度では、贈与する対象物が現金や不動産などどのようなものでも可能です。

しかし、2,500万円を越える贈与金額に対しては、一律20%の贈与税が課せられてしまうため注意が必要です。

例)相続時精算課税制度として、3,500万円を贈与した場合に支払う贈与税
(3,500万円 – 2,500万円) × 20% = 200万円
贈与税:200万円

さらに、相続時精算課税制度を利用すると、生前贈与を受ける際に選択できるもう一方の納税方法である暦年課税が利用できなくなってしまうため、注意が必要です。
 

 

不動産の生前贈与には相続時精算課税制度がオススメ

不動産を贈与する場合、不動産の評価額は暦年課税でカバーできる非課税枠110万円を越えるケースが多いため、相続時精算課税制度の利用がオススメです。不動産を贈与する場合の財産評価は、対象となる不動産を贈与する時点に下されます。

そのため、贈与した後に不動産の価値が上がったとしても問題ありません。つまり、今後価値が上がることが予想される財産については、生前贈与を行うことが得策です。アパートやマンションなどの不動産の贈与では、対象となる不動産の評価額が固定資産税の評価額となります。

この評価額は不動産のそのもの評価額(時価)より低く、対象不動産の借家権割合に応じて固定資産税としての評価額が下るため、一般的には不動産そのものの評価額(時価)の40%で贈与が可能です。これは現金で同額の生前贈与をした場合と比較しても贈与税を抑えることができるため、現金を収益が生まれる不動産へと代えてから生前贈与を行う人も少なくありません。

収益を生む不動産は相続税対策にも有効です。もしこのような不動産を贈与せずに相続することになった場合、毎月得られる収益はそのまま相続財産の増大へとつながり、多額の相続税を支払う必要が出てきます。しかし、生前贈与では不動産で得た収入がそのまま贈与を受けた人の収入となるため、相続税を支払うための準備資金として活用できる可能性が生まれます。

 

不動産を生前贈与する方法

不動産の生前贈与は書類を作成し、申請すれば行われます。しかし、書類作成量が多く内容が難しい点もあるため、初めてで自信がない場合は行政書士や司法書士などに依頼するといいでしょう。
 

①申請に必要となる書類

申請には以下の書類を全て揃えましょう。

  • 生前贈与の対象となる不動産の権利証(登記識別情報)

  • 贈与する者の印鑑登録証明書(発行から3ヶ月以内)

  • 贈与を受ける者の住民票

  • 登記原因証明情報(贈与契約書)

  • 固定資産評価証明書

  • 生前贈与の対象となる不動産の登記簿謄本(全部事項証明書)

 

②申請書を作成する

不動産の生前贈与に必要な申請書は提出先である法務局に用意されているわけでなく、書式は特に指定されていません。申請書には必要な情報が記載されていればどのような形式でも問題ありません。
しかし、法務局のホームページには申請書の雛型が用意されています。それらの未記入部分に必要事項を記入する形で申請書を用意しましょう。
 

③付属書類を作成する

作成する付属書類は以下の3つです。
 

印紙台紙

A4サイズの白紙用紙に、登録免許税分の収入印紙を貼り付けて、登記申請書の次のページに綴じ込みましょう。
 

委任状

もし代理人に登記申請を委任しているのであれば、添付しましょう。
 

登記原因証明情報

登記原因証明情報とは、登記の原因となった事実や法律行為を証明する情報を示します。これにより、生前贈与によって不動産の所有者が移される真実性を保証することになります。
 

④必要書類を法務局へ提出する

①〜③の手順で作成した以下の書類を、不動産の住所地に最も近い法務局へ提出しましょう。提出後1〜2週間で新しい権利証が発行され、これを受け取ることで不動産の生前贈与手続きが終了します。

 

不動産の生前贈与でかかる費用

不動産の生前贈与には一定の費用がかかってしまいます。贈与税は相続時精算課税制度などで非課税とできますが、不動産の名義変更に関わる費用の「登録免許税」と「不動産取得税」が必要となるのです。
 

登録免許税について

登録免許税は、不動産の生前贈与を行うために法務局へ必要書類を提出する際に、窓口で支払います。登録免許税の価格は、固定資産税評価額の2%とされています。ここでいう固定資産税評価額とは、生前贈与する不動産や土地の評価額です。登録免許税は、贈与をする人と受ける人のどちらが支払っても問題がありません。
 

不動産取得税について

生前贈与によって不動産を取得した場合、不動産取得税と呼ばれる都道府県税の支払いを求められます。これは不動産の取得者が不動産の住所地である都道府県に、不動産取得時に一度だけ納めなければならない税金です。

不動産の登記情報を変更してから、約半年後に納税通知書が郵送されてきます。納税する金額は固定資産税評価額(該当不動産の評価額)の3%です。ただし、この税率は不動産取得時によって減る可能性もあります。
 

軽減措置

基本的に、登録免許税と不動産取得税に対して軽減措置はありません。しかし、以下のようなケースでは軽減される制度があります。軽減してもらうには申請が必要です。
 

  • 住宅取得

  • 住宅用地取得

  • 土地や建物を公共工事によって収用された

 

納付時期

土地や建物の取得時から60日以内に、不動産取得申告書の提出が義務付けられています。この申告書を提出すると都道府県から納付書が送付されます。
 

かかる費用の計算例

固定資産税評価額3,500万円の土地を生前贈与対象とし、90歳の父親から60歳の娘に相続時精算課税制度を利用し生前贈与が行われた場合の計算は以下のように行います。

  • 贈与税

(3,500万円 – 2,500万円 )× 20% = 200万円 贈与税:200万円

 

  • 登録免許税

3,500万円 × 2% = 70万円

 

  • 不動産取得税

3,500万円 × 3% = 105万円

 

  • 合計納税額

200万円 + 70万円 + 105万円 = 375万円
 
 

生前贈与で不動産を贈与させる際の注意点

 

 

長期間の定額贈与には危険もある

暦年課税を利用する場合、1年ごとに110万円の基礎控除が認められているため、できるだけ長い期間贈与を行った方が税の負担は少なくなります。例えば2,000万円の贈与なら、100万円を20年贈与すれば、基礎控除の範囲内となるため贈与税はゼロになります。
 
ただし、途中で贈与者が死亡した場合は、その後の遺産は相続税の課税対象となりますし、相続発生の3年以内の贈与についても、相続税の課税対象となってしまいますので注意しましょう。
 

生前贈与したつもりに注意!

贈与とは、贈る側と受け取る側の合意があって初めて成立するものです。たとえば、子どもや孫の口座に毎年内緒で基礎控除額以下の100万円を振り込んでいていても、贈与と認められないケースはよくあります。子どもや孫が祖父母からもらったという認識がなく、通帳も印鑑も親や祖父母が管理していた場合、通帳に使った形跡が見られない場合は贈与が成立しない可能性もあります。 

 

生前贈与や相続で取得した不動産はどうすべき?4つのケースとあなたが考えるべきこと

生前贈与や相続によって不動産を取得することになっても、今後その不動産をどう扱うのか、決めかねている人も多いと思います。

 

主な選択肢としては、次の4つが考えられます。それぞれどのような特徴があるのかを見たうえで、あなたが考えるべきことを解説していきます。

 

  1. 自分や家族・親族が住む
  2. 売却する
  3. 活用して収益化する
  4. そのまま放置する

 

ケース1|自分や家族・親族が住む

生前贈与・相続で取得した家に、あなた自身やご家族・親族が住むというケースです。自分たちの暮らしに活用できるならそれに越したことはありませんし、これといったデメリットもありません。

 

ただし住んでみた結果、次のような状況になっている場合は、住み替えも選択肢に入れてみてもいいかもしれません。

 

家屋が古くなっていて修繕に費用がかさむ

→売却額次第では新しい家を買ったほうが最新設備で快適に暮らせる

土地・家屋が狭小で住みづらい

→立地によっては高く売れる可能性あり。売却したお金でより広い家を買えるかも

立地が悪くて生活スタイルが変わってしまった

→生活スタイルが変わったことで結果的に費用がかさんでいるなら、現金化したほうが得

 

住み替えのときは、住み替え前の家を売却して、新居の購入資金や引っ越し資金に充てるのが一般的です。住み替えを検討するなら、まずは家の査定を受け、どのくらいの金額で売れそうなのかイメージをつけておきましょう。売却の流れや査定については、こちらをご覧ください(←クリックするとページ下部へ移動します)。

 

ケース2|売却する

初めから売却を考えている人もいるでしょう。売却すればまとまった現金が入ってくるので、その後の生活設計もしやすくなります。

 

ただし、立地によっては売却に時間がかかったり、かなり安値を付けられてしまう可能性があります。できるだけ高値でスムーズに売却するためには、仲介を依頼する不動産会社選びが重要になってきます。

 

その方法については、次の章で詳しく解説しています(←クリックするとページ下部へ移動します)。

 

ケース3|活用して収益化する

土地や家屋を活用して、賃貸住宅や施設の経営をし、収入を得るプランです。経営がうまくいけば、いわゆる「不労所得」が長期的に入ってくるので、家計の大きな助けになるでしょう。

 

ただし、不動産の活用はハードルが高いのも事実です。不便な土地だと借り手を見つけるのに苦労するかもしれませんし、今の家屋を利用しようにも何らかの修繕・改修が必要になるケースが一般的です。つまり、初期投資が必要なのです。

 

この初期投資分を回収できるような、収益化プランを立てていかなければなりません。うまくいかないと、いつまでも赤字が続いてしまう可能性もあります。不動産の投資・運用に関する知識がない人にとっては、それなりにリスクの大きな選択といえるでしょう。

 

不動産を売却した場合/活用した場合の比較

 

売却した場合

活用した場合(賃貸住宅経営など)

初期費用

・仲介手数料

・各種税金

・その他諸費用

数十万円~数百万円単位が一般的

・建築費用

・各種手数料

・各種保険料

・その他諸費用

数千万円~数億円単位が一般的

継続的にかかる費用

なし

維持・管理費

短期的な利益

売却収入

なし

長期的な利益

なし

家賃収入など

節税効果

なし

あり

赤字リスク

なし

あり

 

上手に活用できる自信がなければ、不動産を売却してまとまったお金に換えるほうが安全です。売却の流れについてはこちらをご覧ください(←クリックするとページ下部へ移動します)。

 

リスクを理解したうえで不動産の活用を目指すなら、活用プランを作っている複数の業者に一括で資料請求・見積を依頼し、どんなプランがあるのか、本当に利益が出るのか、よく吟味したうえで決めましょう。

 

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ケース4|そのまま放置する

使用予定や活用予定がないので、とりあえず不動産をそのままにしておく、というケースですが、これはおすすめできません。固定資産税・都市計画税がかかり続けるからです。

 

また、実際には不動産の維持・管理費用も必要になります。維持管理が適切に行われないと、国から「特定空き家」に指定され、固定資産税が通常の6倍、都市計画税が3倍になる可能性があるのです。

 

こんなにかかる!不動産を放置したときの年間費用

(例:1,500万円の価値がある空き家の場合)

費目

特定空き家に指定された場合

最低限の維持・
管理をした場合

固定資産税

14.7万円

2.45万円

都市計画税

3.15万円

1.05万円

維持・管理費

10万円

合計

17.85万円

13.5万円

10年分に換算

178.5万円

135万円

 

 

放置はNG。売却か活用を検討すべき

前述の通り、生前贈与や相続で取得した不動産をそのままにしておくのは、お金が出ていくばかりなので得策ではありません。早めに売却で現金化するか、活用での収益化を目指しましょう。

 

まずは売却を検討してみるのがおすすめです。活用にはリスクがともなう一方、売却なら一度にまとまった現金が入ってくるため、リスクは非常に小さいといえます。

 

生前贈与・相続で取得した不動産には、基本的にローン残債がないことも、売却するうえでの大きなメリットになります。ローン返済途中の不動産を売却する場合、売却によるローン完済を目指す必要があるため、売却額で妥協できないケースが多いでしょう。そうすると、必然的に売却成立の難易度は上がります。

 

その点、生前贈与・相続で取得した不動産は、あまり金額にシビアになる必要はないため、売却しやすいのが特徴です。そのまま持っていてもお金がかかるので、多少安くても早めに売却したほうが得、という判断もあるでしょう。

 

もちろん、許容範囲を超えて安値で売る必要はありませんし、「売るならできるだけ高値」を目指すのも当然のことです。親や親族から受け継いだ大切な不動産ですから、家族でしっかり話し合う必要がありますね。

 

生前贈与や相続で取得した不動産を売却する場合の手順

ここでは、生前贈与や相続で取得した不動産の売却を検討する場合の具体的な手順をご紹介していきます。

 

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不動産を売却する際は、不動産会社に仲介を依頼するのが一般的です。しかし、不動産会社ならどこでもいいわけではありません。あなたの不動産を得意とする会社に依頼することが大切です。

 

 

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ただし、買い手が付かないような過剰に高い金額になっていないか、注意も必要です。高額査定はうれしいものですが、それに加えて納得のいく根拠を示してくれる不動産会社を見分けることが重要です。

 

このように、一括査定を利用することで、個別に不動産会社に連絡するよりも格段に効率よく依頼できるうえ、各社の比較を通じて、自分にとって良い不動産会社が見つけやすくなるのです。

 

よくある疑問

Q.まだ売却時期が決まっていないが、査定してもらえる?
A.査定してもらえます。査定結果を見てから、売却時期の検討を始めても問題ありません。

 

Q.忙しいのでメールでのやりとりにしたいのですが?
A.可能です。申込みの際に、要望欄に「メールでの連絡を希望」と記入しておきましょう。

 

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まとめ

いかがでしたでしょうか?
 
不動産の生前贈与をするには手続きが少々難しいように感じたかもしれません。しかし、生前贈与の対象となる不動産が収益を生むアパートなどであれば、相続税対策にも有効です。生前贈与と相続のどちらのメリットが大きいのか、冷静に判断することをオススメします。

 

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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