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相続税を計算する手順とできるだけ税額を抑える為の4つのポイント
2016年02月09日

相続税を計算する手順とできるだけ税額を抑える為の4つのポイント

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相続税に関する法律が改正され、これまで相続税の計算には無縁であった方も相続税の計算をして、相続税の申告をする機会がぐっと増えたように感じます。
 
これまでの相続税の申告は基礎控除である下記の税率に収まっていれば問題ありませんでしたが、平成27年からは基礎控除が引き下げられ、相続税の計算が必要になってきました。
 

 

改正前

改正後

適用時期

平成26年12月31日まで

平成27年1月1日以降

定額控除

5,000万円

3,000万円

法定相続人

1,000万円に法定相続

600万円に法定相続

比例控除

人数を乗じた金額

人数を乗じた金額

 

相続税の基礎控除額
現行(~平成26年):5,000万+1,000万×法定相続人の数
改正(平成27年~):3,000万+600万×法定相続人の数

 

つまり、4人家族の方で夫が亡くなった場合、「3,000万円+600万×3人=4,800万円」以上の遺産を受け取った場合に相続税が発生します。
 
お気づきかもしれませんが、基礎控除額の改正前であれば相続税が発生しなかった家庭も、改正後には発生する可能性が高くなっているのです。特に東京都内や大阪、愛知など地価が高い地域にお住まいの方は、不動産を所有しているだけでもかなりの相続額になってしまうので注意が必要です。

 

数値としては、平成25年(2013年)までの納税者の割合は、下記の表を見ると4.3%しかいないのに対し、今後は倍の8%以上の方が対象になると見込まれています。
 

 

死亡者数
(人)

相続税の
課税件数(件)

課税があった被相続人の割合(%)

納税者である
相続人数(人)

2013年

1,268,436

54,421

4.3

130,545

参考:国税庁「平成25年分の相続税の申告の状況について」
 
もし基礎控除以内に収まるようであれば、今回相続税の計算をする意味は全くありませんが、少し不安であったり、大きな遺産をお持ちの方はどうぞ続きを読み進めていただければと思います。
 

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計算手順1:相続税の対象となる遺産を出す

まずは相続税の対象となる遺産を決めることから始まりますが、最初にやるべきことは土地や建物、預金などの財産から、マイナスとなる借入金や未払金といった債務を引くという作業です。

 

課税対象となる遺産の例

遺産の種類

価額

現金・預金・株式

5000万円

土地

居住用宅地(330㎡まで)などの要件に該当する土地には、特例として減額後の金額となります。

2000万円

建物

600万円

生命保険金

非課税限度額:
それぞれ500万円×法定相続人の数
例)入金額5000万円ー500万円×3

3500万円

総遺産額:1億1100万円

借入金

- 200万円

葬儀費用

- 300万円

正味の遺産額 1億600万円

 

債務や借金などを減らした結果残った財産が、課税対象となる遺産になります。この時、生命保険金や死亡退職金は非課税限度額を超えた分が加算されますので覚えておきましょう。
 

課税価格を求める式

本来の相続財産 + みなし相続財産 + 相続開始前3年以内の贈与財産
+ 相続時精算課税による贈与財産 − 非課税財産 − 債務及び葬式費用
= 課税価格

 

みなし相続財産とは、亡くなられたことで相続人のものとなった財産で弔慰金や保険金などがあります。

 

遺産総額から基礎控除を引く

遺産額から基礎控除額を引いたものが課税遺産の総額となります。ここでは法定相続人を3人とした場合で考えてみましょう。
 
正味の遺産額:1億600万円の場合
基礎控除額:3,000万円+600万円×3(法定相続人の数)= 4,800万円
= 1億600万円 - 4,800万円 = 5,800万円
 

 

計算手順2:法定相続分で分けて各人の課税価格を算出

課税遺産総額の計算が済んだら、次人個々の法定相続分で遺産分配をおこなった場合の、それぞれの相続人の取得額を計算します。

 

相続人の組合せ

法 定 相 続 分

配偶者のみ

相続財産の全部を受け継ぐ

配偶者と子の場合

配偶者:1/2、子:1/2

■子が複数(2人)いる場合・・・

配偶者:1/2、子1・2:1/4

配偶者と直系尊属の場合

配偶者:2/3、直系尊属:1/3

直系尊属が複数いるときは、1/3を頭割り。

配偶者と兄弟姉妹

配偶者:3/4 兄弟姉妹 :1/4

異父兄弟や異母兄弟の法定相続分は、全血兄弟の1/2です。

子のみ

相続財産の全部を受け継ぐ

直系尊属のみ

同順位が複数いる場合は、頭割り。

兄弟姉妹のみの場合

異父兄弟や異母兄弟の法定相続分は、全血兄弟の1/2です。

参考:あなたの法定相続分が一目でわかる50のケース 

 

例えば、
配偶者:1人
子供:A
子供:B とした場合

配偶者:5,800万円 × 1/2 = 2,900万円
子供A:5,800万円 × 1/4 = 1,450万円
子供B:5,800万円 × 1/4 = 1,450万円
 

個人の相続税の総額を計算する

それぞれの相続人の遺産相続の金額が分かったところで、相続税率の速算表を用い、各相続人にかかる相続税を計算していきます。
 

表:相続税の速算表

課税価格

税率

控除額

1,000万円以下

10%

3,000万円以下

15%

50万円

5,000万円以下

20%

200万円

1億円以下

30%

700万円

2億円以下

40%

1,700万円

3億円以下

45%

2,700万円

6億円以下

50%

4,200万円

6億円超

55%

7,200万円

参考:相続税の税率
 

各法定相続人の課税額

配偶者:2,900万円 × 15% − 50万円 = 385万円
子供A:1,450万円 × 15% − 50万円 = 167.5万円
子供B:1,450万円 × 15% − 50万円 = 167.5万円
 

相続税の総額 = 720万円

 

 

計算手順3:相続税の総額も各相続人では配分する

 

相続税の総額は720万円という数字が計算できましたが、この相続税の総額もまた各相続人で分配することができます。
 

法定相続分で分けた場合

配偶者:720万円 × 1/2 = 360万円
子供A:720万円 × 1/4 = 180万円
子供B:720万円 × 1/4 = 180万円

 
この時、配偶者は法定相続分に対する税額控除が適応でき、配偶者の取得した遺産額が1億6,000万円に満たない場合には1億6,000万円までの相続税が免除されます。つまり・・・
 
配偶者:  0円
子供A:180万円
子供B:180万円
 
となり、実質半分の相続税を支払うだけでOKです。相続税の分配は法定相続分で分けることもできますが、配偶者:50%、子供A:20%、子供B:30%とすることもできます。
 

 

相続税の2割加算というものに注意

通常の相続や遺贈、相続時精算課税制度を使った贈与で財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族や配偶者以外の人だった場合には、その人の相続税額に2割相当の金額が加算されるというのがあります。

 

 

2割加算の対象になる人

国税庁のHPでは下記のような方とされています。

 

(1) 被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した人で、被相続人の配偶者、父母、子ではない人(例示:被相続人の兄弟姉妹や、おい、めいとして相続人となった人)

(2) 被相続人の養子として相続人となった人で、その被相続人の孫でもある人のうち、代襲相続人にはなっていない人

引用元:国税庁|相続税額の2割加算

 

本来の相続人ではない方に相続した際に、この2割加算が当てはまると覚えておけばよいかと思います。

 

加算金額の計算例

式としては簡単で、【相続税の2割加算が行われる場合の加算金額 = 各人の税額控除前の相続税額×0.2】で求めることができます。例えば、法定相続人が配偶者1人と被相続人の兄弟2人で、1.5億円の現金を相続すると仮定します。

 

  1. 1:相続税の基礎控除額:3,000万円 + 600万円×3人 = 4,800万円

  2. 2:課税遺産総額:1.5億円 - 4,200万円 = 1億200万円

  3. 3:法定相続分で按分

    1. ・配偶者:1億200万円 × 3/4 = 7,650万円

    2. ・兄弟 :1億200万円 × 1/4 = 2,550万円

  4. 4:相続税の速算表を利用

    1. ・7,650万円 × 30% - 700万円 = 1,595万円

    2. ・2,550万円 × 15% -  50万円 = 332.5万円

    3. ・1,595万円 + 332.5万円 = 1,927.5万円

  5. 5:取得割合に従い法廷相続分で相続税を分ける

    1. ・配偶者:1,927.5万円 × 3/4 = 1,445万625円

    2. ・兄弟 :1,927.5万円 × 1/4 = 481万875円

    3. ・配偶者の軽減税率、相続税全額控除

  6. 6:相続税の2割加算

    1. ・481万875円 × 1.2 = 240万9,375円

 

これが相続税の2割加算の計算の流れとなります。

 

 

相続税をできるだけ抑える為の税額控除一覧

相続税には税額控除という税金の減額するための制度が多くあり、うまく使うことで相続税を大幅に減らすこともできますので、その控除一覧をご紹介していきます。
 

贈与税額控除

相続開始前3年以内に贈与された財産は相続税の対象となりますが、贈与時に支払った贈与税は相続税から差し引くことができます。

配偶者控除

法定相続分または1億6,000万円分を控除することができます。

未成年者控除

法定相続人の中に未成年がいる場合、満20歳までの年数1年毎10万円を控除することができます。

障がい者控除

もし障がいを持った方が法定相続人の中にいる場合、満85歳までの年数1年毎に10万円(特別障がい者:1年に20万円/毎)を控除することができます。

相次相続控除

10年以内に立て続けに相続が続いた場合、2回目以降の相続では、前回の相続税額から今回の相続までの経過1年につき、マイナス10%の金額を相続から控除できます。

外国税額控除

国外で相続税を納めた場合、その分を日本の相続税から控除ができます。

相続時精算課税制度における
贈与税額の控除

相続時選択課税制度を選択した場合、相続時にそれまで受けた贈与財産を相続財産に合算することになるものの、既に支払った相続時精算課税にかかる贈与税は相続税額から控除できます。

 

 

相続税を引き下げる為に有効な4つの手段

 

養子縁組を行い法定相続人を増やす

「法定相続人の数」に入れることのできる養子は、実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までとされていますが、養子縁組をして実子として取り扱われれば、最大1200万円もの相続税対策ができます。
 
相続税のために子供を養子にするのであれば、あまり褒められたやり方ではありませんが、有効な手段であることは事実です。
 

不動産で相続を行う

相続財産として現金や有価証券が相続される場合は、それらの時価が課税対象となるため相続税が高騰しがちです。しかし、相続財産としての不動産価値は時価ではなく相続が開始される時の状況に左右され、固定資産台帳や路線価などから算出された評価に対して課税されます。
 
不動産を相続する場合は、さまざまな状況が考えられそれらに対する配慮がなされており、一定の条件に該当すれば相続税の負担軽減措置や特例を受けることができるため、現金や有価証券を相続するより不動産を相続したほうが相続税の負担を軽くすることができるケースがあるのです。
参考:不動産の相続税の計算方法と注意点|節税のための全手法

 

生命保険を活用する

生命保険によって保険金を受け取る場合、法定相続人1人当たり500万円の非課税枠が設けられており、法定相続人が3人いれば合計で1,500万円分が非課税枠として利用することができます。
 
相続を行うことで相続税が発生してしまう場合であれば、生命保険を活用して相続税を回避することが可能なのです。

 

生命保険を活用した相続税対策にご興味がある方は「どのプランが一番自分にとって節税になるのか」を直接ファイナンシャルプランナーにご相談するといいかと思います。↓↓↓↓

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生前贈与の活用

生前贈与には年間110万円の基礎控除が設定されています。仮に法定相続人が3人いてそれぞれに毎年110万円ずつ10年間の贈与した場合、贈与税は0円になり、3,300万円もの相続財産を減らすことで、その分の相続税が軽減されます。
 
もし、一度に多額の生前贈与を行った場合は1人当たり1,100万円となり、275万円の贈与税がかかってしまうことになりますので、注意しましょう。

 

【関連記事】

 

最終手段とし、税理士に依頼するというのも対策として有効かと思われます。税理士は当然相続税のプロなので、どの制度をどのタイミングでどう活用すればベストな節税ができるのか熟知しています。税理士への相談も検討の一つにいれてもいいかもしれませんね。

参考→税理士に依頼した場合の費用の相場

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?
 
相続税の計算は以外と簡単に思われたのではないでしょうか?以外と難しいのは相続財産がいくらあるのかを正しく認識することだと思いますので、日頃から財産はいくらあるのか、財産目録をつけておくとなお良いですね。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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