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事業承継の相続対策|事業承継税制の概要と節税の知識
2018年10月17日

事業承継の相続対策|事業承継税制の概要と節税の知識

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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事業承継によって財産を後継者が引き継ぐ際には、相続税贈与税が課税されます。これらの税は、後継者が引き続き会社を経営していくにあたり、大きな負担になり得るものなので、可能な節税対策はきちんと行っていくのが望ましいでしょう。

 

この記事では、事業承継税制の概要をご紹介します。現在、税制改正に伴う特例措置が実施されているので、適用対象になると思われる企業は、積極的に活用されることをおすすめします。

 

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事業承継による2つの相続対策効果とは

事業承継には税制上のメリットがあり、それにより後継者の確保にもよい影響を与えることが期待できます。

 

相続税・贈与税の節税対策(事業承継税制)

事業承継税制は、後継者である受贈者や相続人などが、円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を、贈与や相続等によって取得した場合、その贈与や相続にかかる税金について、一定の範囲で納税を猶予し、後継者の死亡等によって、猶予されている贈与税・相続税の納付を免除するといった制度です。
 

この制度を活用することにより、相続税・贈与税を節税することができます
 

参考:事業承継税制特集|国税庁

 

後継者問題の改善

事業承継をする際に、株式を相続した相続人が相続税を納めるための資金を用意することができず、結果法人を解散させることも考えられます。そのため、事業承継税制を設けることで、中小企業の事業承継において後継者が相続税の納税で困らないようにしています。この税制は後継者問題の改善に役立っています

 

相続税対策で注目される事業承継税制とは(非上場株式の場合)

現在の事業承継税制について、詳しく見ていきましょう。
 

相続税・贈与税の納税猶予と免除の特例の概要

平成30年度の税制改正により、5年以内の特例承継計画の都道府県知事への提出・確認を条件として、10年以内の贈与・相続において、一般措置では総株式数の最大3分の2までとなっていた『納税猶予の対象となる非上場株式等の制限』の撤廃や、80%であった相続による納税猶予割合を100%に引き上げる、といった特例措置が取られるようになりました。

 

 

特例措置

一般措置

事前の計画策定等

5年以内の特例承継計画の提出
【平成30年4月1日から平成35年(2023年)3月31日まで】

不要

適用期限

10年以内の相続等・贈与
【平成30年1月1日から平成39年(2027年)12月31日まで】

なし

対象株数(注1)

全株式

総株式数の最大3分の2まで

納税猶予割合

100%

相続等: 80%、贈与:100%、

承継パターン

複数の株主から最大3人の後継者

複数の株主から1人の後継者

雇用確保要件

弾力化(注2)

承継後5年間
平均8割の雇用維持が必要

事業の継続が困難な事由が生じた場合の免除

譲渡対価の額等に基づき再計算した猶予税額を納付し、従前の猶予税額との差額を免除

なし
(猶予税額を納付)

相続時精算課税の適用

60歳以上の贈与者から20歳以上の者への贈与
(租税特別措置法第70条の2の7等)

60歳以上の贈与者から20歳以上の推定相続人(直系卑属)・孫への贈与
(相続税法第21条の9・租税特別措置法第70条の2の6)

注1: 議決権に制限のない株式等に限ります。

注2: 雇用確保要件を満たさなかった場合には、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則第20条第3項に基づき、要件を満たさなかった理由等を記載した報告書を都道府県知事に提出し、その確認を受ける必要があります。

なお、当該報告書及び確認書の写しは、継続届出書の添付書類とされています。

 

引用:No.4148 非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例等|国税庁

 

どの程度の猶予・免除が受けられるのか

特例措置によって、一般措置では総株式数の最大3分の2までの範囲だった納税猶予が全株式で受けられるようになったほか、納税猶予割合も相続では80%でしたが、特例措置によって贈与・相続ともに100%になりました。

 

対象・適応要件

事業承継税制を利用するにあたっては、以下をクリアしている必要があります。
 

先代経営者と後継者の条件

相続において、先代経営者と後継者には以下の条件があります。
 

先代経営者

  1. 会社の代表権を有していたこと
  2. 相続開始直前に、被相続人及び被相続人と特別の関係があるもので総議決権数の50%超の議決権を保有しているほか、後継者を除くこれらの者の中で最も多くの議決権数を保有していたこと
     

後継者

  1. 後継者が1人の場合
    →​後継者と特別の関係があるものの中で最も多くの議決権数を保有することとなること
  2. 後継者が2人もしくは3人の場合
    →総議決権数の10%以上の議決権数を保有し、かつ後継者と特別の関係があるものの中で最も多くの議決権数を保有することとなること
     

除外される会社

特例措置は以下の会社に該当する場合は適用されません。
 

  1. 上場企業
  2. 中小企業者に該当しない会社
  3. 風俗営業会社
  4. 資産管理会社(一定の要件を満たした場合を除く)

都道府県都知事の認定

2023年3月31日までに、会社の後継者や承継時までの経営未投資等を記載した『特例承継計画』を策定し、税理士・商工会・商工会議所などの『認定経営革新等支援機関』の所見を記載し、都道府県知事に提出し、確認を受けることで特例措置が受けられます。
 

継続報告5年間は事業の存続が必要

継続報告5年間の間に事業が存続していない場合、猶予税額の全額または一部、および利子税を納付しなければなりません。ただし、やむを得ない理由がある場合には、一定部分の猶予税額が免除される場合もあります。
 

事業承継税制の申請手続きと流れ

特例措置を受けるための『特例承継計画』の策定、都道府県知事への提出・確認を行った後は、
 

  • 相続開始時の都道府県知事による『円滑化法の認定』
  • 相続税の申告期限までに税務署へ制度適用の旨を記載した書類を提出
  • 納税が猶予される相続税額および利子税の額に見合う担保を提供

といった手続きが必要になってきます。その後、相続開始から10ヶ月以内に所管の税務署に相続税の申告を行います。

 

事業承継による相続対策の相談先とそれぞれのメリット

事業承継の相談先としては、弁護士、税理士・公認会計士、行政書士などが挙げられます。ただし、それぞれがすべての相談に対応できるわけではなく、業務領域が決まっています。ご自身の事業承継のフェーズに合った相談先を選ぶことが大切です。
 

法律・相続リスク面|弁護士

事業承継を弁護士に依頼することで、『相続』や『M&A』などに対応することができます。
 

相続

相続に関しての親族内などでの争いを、法律にのっとって解決することができます。

M&A

M&Aでは、株式や支配権の移転などに関する交渉を有利に進められるほか、契約書の作成やそのほかの法的リスクを抑えることができます。そのため、スムーズで確実なM&Aの手続きを行うことが可能です。
 

税金面|税理士・公認会計士

税理士・公認会計士は、特例承継税制の適用における税務署への書類の提出や、相続税の申告などの代行をはじめ、実際に事業承継をした後の税務相談にも対応することができます。また、株式や不動産などの評価や、生前贈与対策についても税理士に相談することで、適切なアドバイスを受けることができます。
 

書類作成など|行政書士

行政書士は書類作成の専門家であり、遺言書の作成などについて相談することができます。行政書士へ遺言書の作成を依頼することで、相続時に争うことなく、スムーズに事業承継を行うことができます。しかし、行政書士は司法書士のように不動産の登記手続きを代行することはできません。

したがって、相続財産に不動産がなく、安く遺言書の作成を依頼したい場合に行政書士を活用するとよいでしょう。
 

【関連記事】▶︎相続の無料相談先を比較|問題解決のプロを選ぶ

 

まとめ

事業承継には、『法律』『税金』など非常に多くの要素が絡んできます。そのため、せっかくの特例税制を活用できなかったり、親族内で争いが起こったりすることも考えられます。事業承継が終わらないと、新しい経営者は会社の経営どころではなくなってしまいます。

また、特例措置が適用できるのにもかかわらず適用しなかった場合、後継者が相続税や贈与税の納税に苦しみ、最悪の場合、会社をたたむといったケースに至ることも考えられます。

会社を健全に存続させ、スムーズな事業承継を行うためにも『弁護士』『税理士』『行政書士』などの専門家にアドバイスをもらうことが大切です。

 

【関連記事】▶︎事業承継とは|手続きの流れと後継者へ相続する際の手順

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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