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【遺留分減殺請求】収益不動産から生じる賃料を含めて金員を回収した事案

遺留分
60代
男性
遺産の種類
不動産、預貯金
回収金額・経済的利益
6,000万円
依頼者の立場
被相続人の兄弟
被相続人
依頼者の父
紛争相手
依頼者の兄弟

依頼前の状況

ご相談者様は、お父様が亡くなり、お父様の遺言によると、相続人のうちのひとりに大部分の遺産が遺されており、ご相談者様の遺留分を侵害しているというものでした。
また、遺産のなかには、収益不動産も複数あり、収益不動産を取得した相続人が年間数千万円の賃料収入を得ていることも不公平だ、というものでした。

依頼内容

ご依頼いただき、遺留分減殺請求(現:遺留分侵害額請求)をしましたが、交渉では調整ができなかったため、調停を申し立て、調停内で相続時点の遺留分侵害額に加え、相続時点から解決時点までの遺留分侵害割合に応じた賃料収入についても考慮に入れて算定し、合意することができました。

対応と結果

(1)相続法改正(遺留分減殺請求→遺留分侵害額請求へ)
民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律の施行により、遺留分侵害に関する規定は、2019年7月1日を施行日として変更されました。相続の発生がこの前後のいずれかで、適用される制度が異なることになります。
本件は、改正前の遺留分減殺請求制度が適用されました。
遺留分に関する改正では、主として、遺留分減殺請求は、物権的な効果が生じるとされており、行使するとすべての相続財産が共有となることが特徴的です。
しかしながら実務では、遺留分減殺請求をする側は、すべての相続財産を共有にしたいわけではなく、金銭解決を望むことが多く、金銭解決は、遺留分減殺請求を受けた側から価格弁償の抗弁(お金で払いますという抗弁)がない限りはできず、最終的には、せっかく遺留分減殺請求訴訟で勝訴しても、共有状態を解消するため、共有物分割訴訟を提起しなければ金銭解決ができない点が非常に使いにくい制度でした。
遺留分侵害額請求は、はじめから遺留分侵害による権利を金銭請求化したことにより、一度、すべてが共有されてしまうという事態を避けることができ、はじめから金銭請求ができるようになりました。

(2)法定果実に対する遺留分減殺請求(旧民法1036条)
改正前の民法1036条は、「受遺者は、その返還すべき財産の外、なお、減殺の請求があった日以後の果実を返還しなければならない。」とされていました。
この規定により、相続開始後にも収益不動産があり、賃料収入(賃料収入は、法律用語で「果実」にあたります。)がある場合には、その賃料収入に対しても、遺留分侵害割合を乗じた額について、返還を求めることができました。
前記⑴の遺留分減殺請求により物権的な効果が生じるとすると、共有持分を有していることになり、共有持分に応じた賃料収入を得ることができるのは当然の帰結であると思われます。
しかしながら、遺留分侵害の請求が金銭請求化されたことに伴い、旧民法1036条も削除されています。
そのため、今後は、一般の金銭請求権同様に、法定利率(民法404条)による遅延損害金のみ発生するように整理されたものと考えられます。
上記論点は、相続改正の書籍にはあまり見かけない内容ですが、相続法の改正により制度が変わった部分といえます。

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