「根本的な解決を導くことが弁護士のつとめ」と落ち着いたトーンで語る田中弁護士。
弁護士歴約20年の中で、交通事故・相続案件や債務整理を多く手がけてきました。学生時代は文武両道、趣味は旅行という田中弁護士の、弁護活動と地域の方々への想いをお伺いしています。
インタビューでは、ご相談者のお悩みに真摯に向き合う田中弁護士の姿が垣間見え、本当の意味でご相談者を救いたいという強い想いが伝わってきました。
相続不動産・交通事故の取扱実績は、3,000件以上。弁護団代表として活躍した社会派な一面も
――先生が弁護士を志したきっかけについて教えてください。
実は大学は教育学部でして、はじめは国家公務員を目指していたのです。
弁護士を目指そうと思ったのは、公務員試験の勉強を進めていたときでした。法律の勉強をするうちに興味が湧いてきたんですよ。
大学を卒業してから、猛勉強しまして、3回目の司法試験で無事合格することができました。
――先生が多く取り扱ってきた分野は何でしょうか?
債務整理・相続・交通事故案件が多いと思います。
これまでに携わった案件は、おおよそ3,000件以上になります。今もその3つの分野に注力していますね。また、薬害肝炎・敷金問題の弁護団代表としても活動しましたし、闇金問題対策チームの一員としても活動してきました。
ご相談者の抱える問題を「根本的に解決する」ことを重視
――先生が弁護活動の中で、大切にしていることは何でしょうか?
ご相談者が抱える問題を「根本的に解決すること」が、どんな分野にも共通して大切にしていることです。
病気の治療に例えてみると、痛みを訴えている患者にただ痛み止めを処方するだけでは、本当に病気が治ったかどうかはわかりませんよね。
診察をし、根本的な原因を見つけ、それに対して必要な投薬治療や手術をすることで、はじめて痛みを取り除けるのです。
原因が見つけられていなければ、その痛みは何度でも再発してしまいます。弁護活動も一緒です。ご相談者がお話された問題の表面に浮かぶトラブルだけを単純に解決しても、根本的な原因を見つけ、解決していかなければ意味がないと思っています。
――問題の根本的な解決のために、心がけていることはありますか?
やはりご相談者からのお話をじっくり聞くことを大切にしていますね。問題の全体像をつかめなければ、解決の方針も立てられませんから。このように、最初の段階でしっかりお話を聞いて全体像をつかむことは、他の事務所に比べても丁寧に行っているのではないかと思います。ただ、私はご相談者だけでなく、ご家族も含めてヒアリングさせていただくこともありますね。
――ご家族にも!そこまでヒアリングを徹底されるんですね。
「いくつかあるうちの、この問題だけを整理する」という対応は、まさに痛み止めを処方しているだけで、問題を根本から解決できているわけではないんですよ。
中途半端な対応では、かえっていつまでも苦しむことになるかも知れない…。いまある全ての問題に向き合っていかなければ、また新しい火種が出てきて…といった繰り返しになりかねません。
実際、他事務所で相談したものの、私のところにご相談に来られる方も多くいらっしゃいます。根本的な解決はやはり大事なのだと思います。
――問題の根本的な解決が、本当の意味でご相談者を救うことにつながるんですね。
はい。ご相談者はお金を出して、我々弁護士に依頼してくださっています。一度のご依頼で、ご相談者が抱える問題を根本から解決していくのが、我々弁護士のつとめだと思っています。
今後も地域に根ざし、質の良い法的サービスを提供し続けたい
――今の場所に事務所を設立した経緯を教えてください。
私は小・中・高と、熊本県で育ちましたので地元なんです。
熊本県内には弁護士がほとんどいない地域も多くて…。そこで弁護士会の認定を受けて、弁護士の過疎化を防ぐ目的で運営される公設事務所を開設しました。
2007年に公設事務所の任期が終わったので、そのまま個人事務所「田中ひろし法律事務所」としてリニューアルしました。翌年には法人化し、熊本市内に2拠点目も開設しました。地域の皆様に支えられてきたおかげで、現在にまで至っています。
――事務所に寄せられるご相談内容は、どのようなものが多いでしょうか。
主に民事案件ですね。交通事故、相続、中でも債務整理が3割程度で、ほぼ同じ割合でご相談があります。
――今後の事務所の展望や、目指す弁護士像などはありますか?
地域密着型の弁護士法人として、これからも地域の方々に貢献していきたいと考えています。
ご相談者のほとんどは、熊本県内など近隣にお住まいの方です。なので、支店数を増やして事務所規模を拡大するというよりは、地域の方々に喜ばれる高い法的サービスを、これからも安定して提供していくことを大切にしていきたいですね。
文武両道を貫いた青春時代。趣味は旅行で、世界遺産検定1級も取得
――学生時代は文武両道を貫かれていたとお伺いしましたが、特にどのようなことに打ち込まれたのでしょうか。
中学時代は生徒会長をつとめていました。部活動は陸上部で、1500mで菊池市内の郡市記録を樹立したことがあります。
駅伝大会にも出場し、2年連続優勝を経験しました。陸上は高校時代も続けましたね。体育祭では応援団をつとめたのですが、それがいい思い出になっています。
部活、学生行事、もちろん勉強にも、とにかく多くのことに全力で打ち込んだ青春時代でした。大学では旅行サークルをつくりましてね、仲間とわいわい出かけるのが楽しかったです。
――旅行サークルですか!それは今現在のご趣味にもつながっているのでしょうか?
そうですね。旅行は本当に好きで、コロナ禍になる前は海外にも、毎年3~4回ぐらいは行っていましたね。
1人旅もします。今はなかなか旅行が難しいので、代わりというわけではありませんが、最近世界遺産検定1級を取得したんですよ。
世界遺産検定の勉強で、遺産がある地域の歴史をはじめ、建物の建設様式、地理などさまざまな知識を学べました。また国内外の旅行に自由に行けるようになったら、あらためて世界遺産を巡りたいですね。
今までよりもっと充実した旅行になるんじゃないかと楽しみにしているんですよ。